ブラック営業診断。9つのポイントから見るブラック営業の基準

2019年の営業ハックの1つのテーマが「ブラック営業から貴重な人材を剥がすこと」です。

ブラック営業とはブラック営業とはブラック企業からの造語ですが、私が考えているブラック営業とは「違法な労働を強い、労働者の心身を危険にさらす営業のやり方を強要する企業もしくはその方法」です。人は幸せになるために働いているにも関わらず、不幸になるために働いている状態を作っている会社・組織・営業方法ということです。つまり、営業を頑張れば頑張るほど、時間と心とお金を奪われていく状態ということです。

この悪しきブラック営業で悩んでいる、困っている人たちを救い出すことが今年のテーマとしています。

ブラック営業簡易診断

まず自分がそのような組織にいないかチェックしてみてください。

ブラック営業の9つのチェックポイント □新卒・中途社員の2年以内の離職率が3割以上 □過労死・過労自殺を出している □大量採用を行なっている・求人が数ヶ月継続してで続けている □求人票の内容が実際の就業条件と異なる □短期間で管理職になることを求めてくる □残業代が年俸制や裁量労働制などで働く前から支給額決まっている □求人広告や説明会の情報がコロコロ変わる □22時以降の残業or持ち帰り仕事が常態化している □営業のやり方が5年前と変わっていない □営業で必要な備品や書籍、研修を自費で払わせる

元々私はブラック営業会社の出身

私が新卒で入った会社はなかなかハードな会社でした。今は後輩の話を聞く限りだいぶ変わったらしいですが、当時は毎朝7時前には出社、帰りは終電で、睡眠時間は3時間。会社に泊まる日も週に1〜2回は必ずあって、役職が上がると社長との接待飲み会は参加必須。さらには、ブラック営業会社というと朝礼や大きな声を出す研修などもご多分に漏れずしっかりとありました。

そして、当時は新卒で入った頃は外部、つまり大学時代の友人やこれまでの交友関係は仕事に支障をきたすからと言う理由で接触禁止。また同期のみでの飲み会も上司への報告必須という厳重な体制が敷かれていたということ。

今振り返ると怖いのが、「社会人はこれが当たり前なんだ」と思っていた自分が当時いたということです。

営業が自分が扱う商材やフィールドをマーケターの目線で見極めることは非常に重要。営業がマーケターの目線を持って、転職や就職をする時に「この商材には未来がない」「この商材は顧客のためにならない」という理由で、内定を辞退できるようになれば、もっと世の中には良い商材だけになると思い、営業フリーランスとして独立し、営業特化した支援会社を設立しました。

そもそもブラック営業ってなんだ?

まずブラック企業とは何かを確認しておくと、厚生労働省が運営している「確かめよう労働条件」というサイトでこのように書かれています。

厚生労働省においては、「ブラック企業」について定義していませんが、一般的な特徴として、① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われています。

ポイントとしては、下記の4つになります。

  • 労働時間:過剰残業や過少休日・休憩時間、労働時間と認められない労働など
  • 賃金:給与の残業代の未払い、就業規則などに記載のない減額、不明瞭な天引きなど
  • 人事:大量採用・大量離職、評価・不当解雇など
  • ハラスメント:パワハラ・セクハラなどのハラスメント常態化など

この4つのいずれかに当てはまる企業がブラック企業です。

さらに営業においては、ここに「マネジメント」の問題が入ります。

  • マネジメント:教育体制やマーケティング施策の欠如
ブラック営業の5つのチェックポイント
労働時間:過剰残業や過少休日・休憩時間、労働時間と認められない労働など
賃金:給与の残業代の未払い、就業規則などに記載のない減額、不明瞭な天引きなど
人事:大量採用・大量離職、評価・不当解雇など
ハラスメント:パワハラ・セクハラなどのハラスメント常態化など
マネジメント:教育体制やマーケティング施策の欠如

このポイントを1つずつみていきましょう。

労働時間

労働時間から自社がブラック営業か否かを判断するポイントは「残業時間」「休日」「休憩時間」「労働に認められない労働時間」があります。

残業時間の多さと常態化

ブラック企業ってどんな会社?ときくと多くの人から帰ってくるのが、「残業時間が多い会社」です。

過労死ラインと言われる残業時間の基準があります。月の残業(時間外労働)が次のどちらかの条件を満たすような状況で脳卒中や心臓病などが発症した場合、「業務と発症との関連性が強いと評価できる」という基準です。その基準とは下記です。

1ヶ月の残業時間(時間外労働)が100時間

もしくは2~6ヶ月の月平均残業時間が80時間

つまり、「単月で100時間を超える残業」「月80時間を超える残業続いた」場合は脳卒中や心臓病のリスクが大きく高まるということです。働くことで病的リスクを背負わせる会社が当然良い会社な訳がありません。

また、残業時間にはそもそも上限があります。労働基準法では、基本的に1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはならないことになっています。この労働時間の上限を「法定労働時間」といいます。この法定労働時間を超えて1人でも働かせる場合は、36協定を締結することが必要になります。

そして、この36協定では、「1週間15時間、1ヶ月45時間、1年360時間」の上限が決まっています。ただし、臨時的に「特別条項」をつけることで、この上限を超える時間外労働も可能となりますが、上限時間を超える状態は原則突発的な理由のみで、常態化している場合はアウトです。

つまり、残業時間の多さと常態化がチェックポイントです。

休日の少なさ

労働時間の視点では「休日」も確認が必要なポイントです。

労働基準法では明確な最低限の休日の必要日数の記載はありませんが、週1日以上、または4週で4日以上の休日を与える決まりになっているので、まず最低限は52日以上の休日は必要になります。ただこれは祝日も出社、週休1日、長期休暇もなしという状況です。

また次の基準は105日です。労働基準法の「1日に8時間、1週間に40時間という法定労働時間を守るすると、105日が次の基準になります。この105日の休日だと働き方は下記になります。

・土日完全休みで祝日は出社。長期連休は無し
・週に2日休みで祝日は出社。長期連休は無し
・隔週休みで祝日・長期連休有り

ただ休日の問題は、暦上は休みでも、サービス出社しているケースや残業代の支払いが絡んできます。ここについては後述します。

休憩時間の少なさ

意外と見落としがちなのが休憩時間です。

休憩時間には3つの原則があります。

  • 休憩は労働時間の途中で与えられる
  • 休憩中は労働から解放されている必要がある
  • 休憩は一斉に付与されなければならない ※労使協定を結んでいれば別

また休憩時間についても定めがあります。

労働時間が6時間〜8時間:45分
労働時間が8時間超え:1時間

これは分割でも良いので、しっかりと上記原則に沿った形で休憩が取れる状態になっていなければなりません。

労働に認められない労働時間

実質的には働いている・労働をしているのに、労働にカウントされない時間がある会社も危険です。

  • 準備時間:始業前や終業後に業務の準備をする時間
  • 掃除:始業前や終業後の掃除を強制している
  • 研修:会社からの指示で参加した研修
  • 社内イベント・行事:参加が実質的に強制されている社内旅行やイベントなど
  • 着替え時間:業務を行うにあたっての必要な着替えに要する時間
  • 持ち帰り作業:会社内では終わらず持ち帰りで行なった作業時間
  • 休日等の顧客等対応:休日に顧客等からの問い合わせや連絡への対応した時間
  • 手待ち時間:業務時間内や業務に関連する待ち時間

私も経験がありますが、特に持ち帰りや朝残業などは仕事をしているにも関わらず、残業として認められなかったり、そもそも申請ができないケースも少なくありません。

そもそも労働時間とは「労働者が使用者に労務を提供し使用者の指揮命令に服している時間」です。労務を提供している時間は労働時間です。

賃金

賃金の支払いに対しても、ブラック企業・ブラック営業の要因となりうる問題が潜んでいます。

そもそも賃金支払いについては、労働基準法で5原則が定められています。

  1. 通貨払いの原則
  2. 全額払いの原則
  3. 毎月1回以上の原則
  4. 一定期日払いの原則
  5. 直接払いの原則

これに反している企業は法律違反ですので、無条件でブラック営業会社です。

給与が支払われない

当たり前ですが、給与が支払われないのは法律違反です。また給与が支払われないというのは「未払い」と「不足」の考え方があります。「未払い」は支払いが遂行されないこと。「不足」は最低賃金以下の支払いになっているというケースや企業側の都合による勝手な減額や天引きなどです。

減額については労働契約書や就労規則に記載が必要となります。

天引きについては、税金や社会保険料・雇用保険料については認められていますが、これ以外の理由・内容で天引きを行う際は、社員の了承が必要で、勝手な天引きは違法行為となります。

残業代が支払われない

残業代が支払われない問題も働く側からすれば大きな問題です。

  • みなし残業や年俸制で実際の残業代よりも安く上げようとするパターン
  • 「労働に認められない労働時間」として残業時間としては認めずにしはらないパターン
  • そもそもの残業時間の申請を強制的・実質的に低く申請させるパターン

など、残業代の支払いを少なくしようとする企業がいます。当然、これらは全て違法行為です。

そもそもの給与が著しく低い

平均給与は「業種」「職種」「エリア」などによってベースが異なるため、一概には言えないものの他と比較して著しく低い会社はブラック営業・ブラック企業の疑いが強い(マイナビの調査では営業全業種・全年代の平均年収は418万円)。

給与が低いというのは、支払い能力がない会社の可能性が高いこと、そもそも相応の給与を支払う意思がない会社・経営者の可能性が高いため、ブラック営業の温床担っていることが多いです。

また基本給が著しく低く、インセンティブや成果報酬の割合が強い会社も要注意です。実際にそこで働く人たち全員が成果を出せていれば良いですが、そんな企業は多くはありません。インセンティブに報酬の多くを出している企業は

  • 大量採用を行い、優秀な人材だけが残るような仕組みにしている
  • 成果が出るまで働かせようとしがちで、サービス残業が増えやすい

という特徴があります。

つまり歩合給中心で稼げるような仕組みにしている会社はブラック営業のケースが多いのです。さらに知っておいていただきたいのが、完全歩合制(フルコミッション)は「出来高払制の保障給」という考え方があり、労働者として雇用する限り、いかに「歩合制」、「出来高払い」といえど、一定の給与を保証しなければなら違法となります。

昇給・賞与の支払いが契約通りに行われない

最後は昇給や賞与の支払いです。求人票や契約書に記載されている昇給の実行や賞与の支払いが行われないケースも、当然違法行為であり、ブラック営業会社です。

人事

不平等な評価

評価が不平等であれば当然働く側のモチベーションも上がりません。こういった問題が起こる背景は評価基準の未整備が問題としてあげられます。

不平等な評価になるパターンとしては

  • 上司の好き嫌い
  • 年齢・性別
  • 新卒・中途

評価は当然ながら報酬や待遇にも影響する部分です。こういった評価制度が未整備かつ差別的な評価が行われている実態はブラック営業・ブラック企業の可能性が高いです。

大量採用・大量離職

業績が伸びており、そのために人材が必要となったというのは喜ばしいことです。しかし、大量採用の裏側で大量の離職が行なっており、その補填のための採用活動ということであれば、この企業は危険な可能性が高いです。

人を使い捨てるパターンの企業もあれば、大量に採用し厳しいノルマや労働条件を課すことで人材をふるいにかけるパターンの企業があります。一定数の離職はこのご時世であれば仕方がないことはわかります。しかし、人が大量にやめている・継続的にやめている場合、組織に問題があるケースが多いです。

早期の管理職昇進

この早期の出世と見ると聞こえは良いですが、この出世・昇進に実態が伴っているかが大事なポイントです。

早期の出世が行われる理由として、このどちらかの場合ブラック営業・ブラック企業の危険信号です。

  • 名ばかり管理職にする
  • 人の離職が早いから、管理職にならざるを得ない

名ばかり管理職とは、字の通り実態はともないものの管理職のポジションだけ与えられるパターンです。なぜこのようなことを企業側がするかというと、「管理監督者」にあたる人は、残業代を払わなくて良いという定めが労働基準法にあるからです。この制度を悪用して、人件費の削減を企てる企業がいるということです。

また、早期の退職者が多い会社でかつ大量採用をしている場合、教えられる人が採用のペースに追いつかず、入社してすぐの人が管理職やマネージャーのポジションについているというケースもあります。

求人票と異なる就業環境や条件

ハローワークにおける求人票の記載内容と実際の労働条件の相違に係る申出等の件数が平成28年度に何件あったか、ご存知ですか?

その数はなんと9,299件。前年は1万件を超えていました。その内訳は下記です。

人を集めることだけを考えて、採用するためだけに嘘をつく企業です。当然入社後も問題が発生する可能性は大です。

不当解雇

解雇には正当な理由が必要です。

一例としては、このようなものがあります。

病気や能力不足などによる解雇:普通解雇

  1. 病気やけがによる就業不能
  2. 能力不足、成績不良
  3. 協調性の欠如
  4. 頻繁な遅刻や欠勤
  5. 業務命令に対する違反

規律違反による解雇:懲戒解雇

  1. 横領、着服
  2. 私生活上の犯罪
  3. 転勤の拒否
  4. 無断欠勤
  5. セクハラ
  6. パワハラ
  7. 機密情報漏洩
  8. 会社に対する誹謗中傷
  9. 経歴詐称

人員整理が目的の解雇:整理解雇

  1. 余剰人員の整理

参考:正当な解雇理由とは?15個の理由例ごとに解雇条件・解雇要件を解説

解雇には種類があり、労働者側に起因する理由働き続けることが困難となった際、会社側が解雇を回避するための努力をしたにも関わらず状況が好転しなかった場合に行う普通解雇、違反行為を行なった制裁に値する「懲戒解雇」、人員整理の「整理解雇」があります。

これに該当しない解雇は不当解雇になります。不当解雇は当然法律違反です。

過度な退職引き止め

日本国憲法第22条第1項において「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択 の自由を有する。」 と定められている通り、職業選択の自由を有しています。過度な退職引き止めはこの憲法を侵害しているため違法行為となります。

また、民法 第627条に「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する」の定められています。一般的には1ヶ月前の申告が就業規則等で定められていることが多いですが、民法(国の法律)>就業規則(会社の法律)です。当然国の法律の方が優先されるため、2週間前に退職届けを出せば退職することは法律上可能です。

ちなみにこの”やめづらい環境”を解決させるために、最近では退職代行サービスなるものが広まっています。

ハラスメント

セクハラやパワハラなど、ハラスメントという言葉を耳にする機会は、ここ最近急激に増えました。

ハラスメント(Harassment)とはいろいろな場面での「嫌がらせ、いじめ」を言います。その種類はさまざまですが、他者に対する発言・行動等が本人の意図には関係なく、相手を不快にさせたり、尊厳を傷つけたり、不利益を与えたり、脅威を与えることを指します。

引用:大阪医科大学「ハラスメントの定義」

特に営業において多いのが、マインドコントロールをすることで、会社・組織にとって都合のよく働かせる手段です。こういった状態が続いている営業組織はブラック営業の典型です。

洗脳・マインドコントロール

ブラック営業で多いのがこの洗脳・マインドコントロールです。自社や特定の個人にとって都合の良い価値観を持たせるために偏った情報を与え続けることです。「会社・組織の未成熟をごまかす洗脳」「ノルマや過剰労働を引き出す洗脳」「退職誘発のための洗脳」があります。

会社・組織の未成熟をごまかす洗脳・マインドコントロール

給料の少なさや組織体制の不完全さを補うために、社長や組織がすごいと思われることで、社員のモチベーションを向上・維持させようとしたり、採用しようとしたりする洗脳です。実態が伴っていないため、入社後や働くことを継続することで組織への不信感や違和感を覚えるパターンです。

ノルマや過剰労働を引き出す洗脳・マインドコントロール

絶対に達成できないようなノルマや目標を課しているものの、「成長」などを謳い文句に社員を追い込んだり、過剰に働かせることを自発的に誘発したり、強制したりするための洗脳です。

このように人格を否定する言葉を繰り返して従業員を精神的に追い込んだり、とても達成できない目標設定や課題を与えて脅したりといったことを、ブラック企業では行います。こういった洗脳・マインドコントロールを行い続けることで、目標やノルマが異常でも達成できていない自分を責めたり、自発的に労働時間を増やさせたりすることが目的です。

退職を促す洗脳・マインドコントロール

うつ病や適応障害になってしまった社員や成果が出ていない社員に対して、組織側からは解雇ができないため、退職に追い込むためのマインドコントロールを行うケースもあります。こうやって「自己都合退職」に持って行こうとしています。

その他ハラスメント

ハラスメント行為には全部で30を超えると言われています。特に職場で多いのが、職務上地位が上の人が自分の権利を乱用する「パワー・ハラスメント」、性的な嫌がらせの「セクシャル・ハラスメント」などがあります。

マネジメント

マネジメントが「精神論」「量」のみの指示となっており、具体的な施策や取り組みがない組織は、ブラック営業会社です。営業成績を個人に依存しているため、当然個人への負担が大きくなります。さらに施策や組織の取り組み自体も成果に直結しないものを過去の慣習から継続しているというケースも多いです。

ブラック営業は「成果」「成長」という言葉を後ろ楯に、労働者から「時間」「お金」「心」を搾取させていきます。

時間の搾取

ブラック営業の典型が様々な理由で長時間労働を正当化したり、強制したりすることで、営業の時間を奪うことです。営業社員の労働時間を奪う方法として下記のようなパターンがあります。

  • 就業時間前の出社を強要する
  • 社内で実施されるMTGは早朝or定時以降
  • 入社1週間以内に現場での営業を1人でやらされる
  • 成果が出ていない際は残業や自宅作業を強制される
  • 報告書やレポートを勤務時間外に実施させられるor常態化している

お金の搾取

残業代の未払いや給与の規定なき減額は先ほど紹介しました。他にも営業におけるブラック体質のパターンとしては、過去に郵便局やコンビニなどで問題となった自社商材を営業に買わせる自爆営業や、営業に必要な備品や教育コストを個人に負担させることなどがあります。また直接的なお金の搾取ではないものの、成果・評価を横取りする上司の存在もブラック営業の1つです。

  • 成果が出ていないときは自分で商材を買わせる
  • 研修や書籍などの費用を自費で参加を強制する
  • 営業で必要な備品を自費で購入させる
  • 上司が部下の手柄を横取りする

心の搾取

ブラック営業に気づけない人が一定数いる原因を作っているのが、この心の搾取問題です。

先日、「ブラック企業体験イベント」というホラーイベントが勤労感謝の日に実施されていたのですが、私も過去に経験した内容が多々行われていました。

具体的には下記のようなことを行なっている会社はブラック営業の危険性が大です。

  • 営業指示が精神論しかない
  • 大声での朝礼や唱和を強制させられるor異常にテンションが高い
  • 成果が出ていないと公開での説教や立たされる
  • 売るために嘘をつくことも厭わない
  • 上司の顔色を伺いながら仕事をしている
  • 人格否定することで、転職・退職を抑え、過剰労働を正当化する
  • 外部との連絡を押さえ込む

ブラック営業の3パターン

非常に長くなりましたが、もう一度お伝えしておきます。

 ブラック営業とは「違法な労働を強い、労働者の心身を危険にさらす営業のやり方を強要する企業もしくはその方法 です。人は幸せになるために働いているにも関わらず、不幸になるために働いている状態を作っている会社・組織・営業方法ということです。

つまり、営業を頑張れば頑張るほど、時間と心とお金を奪っていく状態ということです。

組織がこういったブラック営業を強いている・行なっている理由は、NPO法人POSSE代表の今野晴貴氏がインタビューで話していたブラック企業の3つのタイプを見るとわかります。

  • 使い捨て型:働かせるだけ働かせ、働けなくなったら退職させる
  • 選別型:ついていけない人・成果が出せない人を退職に追い込み、優秀な人だけが残るように仕向ける
  • 無秩序型:問題の放置

会社・組織を運営せず、悪質な働き方を課すことで、経営者を含むマネジメント側の怠慢を営業社員に課しているのです。

ブラック営業をなくすために必要なこと

ブラック営業をなくすために、企業の意識・リテラシーを高めて、職場環境を改善させる

これは一見正しく見えますが、この方法で解決できるようであれば、とっくにブラック営業はなくなっているはずです。

ブラック営業をなくすために必要なことは、ブラック営業会社で働く人を辞めさせ、新たに働く人を生まない

これしかありません。ブラック営業がはびこる最大の要因は

  • ブラック営業をさせられていることに気づいていない人がいる
  • 気づいてはいるけどやめられない状況にいる人がいる
  • ブラック営業会社にしか就職ができない人がいる

という状況があるからです。

つまり、ブラック営業をなくすために必要なことは下記だと考えています。

  • 自分がブラック営業をさせられていないかの基準を持ってもらう
  • ブラック営業に属している場合は、そこから脱せる仕組みを作る
  • 組織として営業育成や仕組みができていないのであれば、外部に解決できる仕組み・環境を作る

800万人を超える人たちが現在営業職についていると言われています。

800万人の人たちがより幸せに働ける環境を作るべく、今年は取り組んでいこうと思います。

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