市場価値を高めるキャリアの考え方

今日は個別で相談を乗っている方から「市場価値の高め方を教えてください」という相談をいただいたので、市場価値をテーマにお伝えしたいと思います。

そもそも市場価値とは何か?

市場価値は英語で言えば「マーケットバリュー」です。辞書的な意味は

生産条件の異なる企業によって生産される同種商品全体の平均価値。市場での競争によって決定され、市場価格が成立する基礎となる。

引用:ことバンク

市場価値は需要と供給で決まります。欲しい人はたくさんいるけどモノ自体が少ない場合、市場価値は上がります。一方でどんな商材自体の質が高いモノであったとしても、同業他社が類似品をたくさん作っていたら当然市場価値は下がります。

例えば、年越し蕎麦。年末にみんなこぞってお蕎麦を買うので、知り合いの働くスーパーでは蕎麦や天ぷらの値段が普段よりも2倍近く高くしていると言っていました。それでも売れる状態にあるでの、大晦日は蕎麦や天ぷらの市場価値が上がっていると言うことです。

転職やキャリアにおける市場価値を考えると、これも需要と供給で決まります。

簡単に言えば、「いそうでいない人材」×「でも多くの企業が欲しい人」が市場価値の高い人材と言うことです。なので、資格取得やスキルアップの勉強をしている人がいても、一概に市場価値が高まるとは言えません。成長のための努力は素晴らしいことですが、今取得しようとしているスキルや資格がマーケットから評価・必要とされていなければ、市場価値は上がらないからです。

そもそも現在の市場はどういった状態なのか?

市場価値は需要と供給、つまり市場が決めると言うお話をさせてもらいましたが、そもそも今の人材市場はどういった状態なのでしょうか?

マーケット自体の状況

現在、日本に限らず世界全体が不確実性が高く、先の予測が難しい時代に突入しています。このような市場状況は「VUCA」と呼ばれています。VUCAとは下記の言葉の頭文字をとって付けられた名称です。

  • Volatility(変動性)
  • Uncertainty(不確実性)
  • Complexity(複雑性)
  • Ambiguity(曖昧性)

これらを簡単に言えば、変化が激しい時代(変動性)で、かつ想定外のことが容易に起き(不確実性)、さらに様々な要因が絡み合って(複雑性)、結果が出るもののその結果が出た要因は因果関係が不明確(曖昧性)になっていると言うことです。

このようなマーケットの中で現代人はキャリアを積み上げていかなければなりません。またこういった市場下では経験やナレッジよりもコミット量や思考の柔軟性が求められるケースも増えてきます。実際に学生起業家なども増えており、今後も此の流れは止まりません。

人材マーケットの状況

副業を多くの企業が解禁し、シェアリングエコノミーの時代です。インターネットを通じて、モノや場所、スキルや時間などを共有する経済の形が出来上がってきています。つまり、単にスキルや作業であれば社員でなくても、外注・アウトソースすることが選択肢として一般化してきており、スキルだけで自分の価値を高めていくことが難しくなっている時代と捉えることができます。

市場に求められる人材の定義

先ほど、「いそうでいない人材」×「多くの企業が欲しい人」が市場価値の高い人とお伝えしました。

いそうでいない人とはどんな人か?

これまでのキャリアの中で単一の経験ではなく、複数の経験を持っている人です。

営業職として5年、10年やってきましたという単一キャリアの人は多いですが、経理×営業をやってましたと言う人は少ないですよね。ただこういった人は数字的感覚が強く、さらに営業としてのコミュニケーション能力が長けていると言うことであれば、当然マーケットの評価は高いです。

このように複合キャリアの視点が今まで以上に求められるのが現代です。VUCAの説明をしましたが、予想通り進むことが難しい昨今では、これまでのキャリアや経歴に縛られる人では市場価値が上がりづらいです。

より柔軟に様々な視点から仮説を立て、検証し、行動・改善を起こせる人が現在求められている希少価値の高い人材です。

多くの企業が欲しい人とはどんな人か?

さらに希少価値の高い人材という目線で考えると「先行者優位の構築」も1つのポイントです。例えば、ここ最近でいえばインターネット企業が躍進していることは誰もが周知の事実です。そして、今著名な経営者などは先行してインターネットマーケットでビジネスを起こした人たちが多いです。その理由はマーケットに属することで、マーケットの成長と自身の成長がリンクするとともに、後発で参入してきた人が先行者の経験やナレッジを欲するためです。つまり、多くの人がマーケットが伸びて後発企業が参入してくることで、その人の経験を求めるので市場価値が上がるということです。

また、当たり前の話ですが、ビジネスの現場で闘うにあたっては当たり前の数式があります。

利益=売上-費用

ビジネスの基本式はこれです。つまり市場価値が高い=企業に求められる人材になるには利益が出せる人であることが求められます。下記いずれかに当てはまる人材でなければならないのです。

  • 売り上げを伸ばせる
  • 費用・コストを削減できる

この2つのどちらかです。そして、この目線で単一キャリアを伸ばしていく時は市場価値を「専門性」か「マネジメント力」のどちらかが必須になります。言い換えれば「この人にしかできない仕事ができる」か「メンバーにも成果を出させることができる」のどちらかが求めらるということです。

ただお伝えした通り、過去の成功体験がマーケットの変化が早すぎて使えないリスクもあるため、自身でキャリアを考える時もマーケットの変化には意識を配る必要があります。

共通して求められる人材に必要なこと

ただどの市場、マーケットにおいても必要なものがあります。それは「コミュニケーション」と「熱量」です。

リモートワークなど直接会う機会は減っても対話・会話はなくなりません。その上でコミュニケーション能力はいつの時代も不可欠と言えます。またもう1つがVUCAの時代だからこそ”熱量”が求められると考えています。「この商材をもっと世に届けたい」「もっとこの市場をよくしたい」「〜〜で困っている人を助けたい」などの会社・商品のビジョンや理念への共感値と熱量の強さが不可欠です。この熱量がなければ、もっと楽に稼ぎたいという動き方になってしまい、現代の働き方に合わなくなってしまうからです。

市場価値を高めるためのキャリア戦略

以上をまとめると

  • 市場価値の高い人材は希少価値の高い人材であり、「いそうでいない人材」×「多くの企業が欲しい人」であること
  • マーケットの変化が激しい中で求められるのは豊富な経験や知識以上に、コミットと柔軟な思考
  • スキルや知識で市場価値を高めようにも、副業やスキルシェアで代替可能なため、市場価値が上がりづらい
  • 市場価値を上げるためには「キャリアの掛け算」か「先行者優位の構築」が必要
  • どのマーケットにおいても不可欠なのは「コミュニケーション」と「熱量」

自分のキャリアを高めるために、今何ができるか、何をすべきか是非考えてみてください。

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