- いつまで訪問営業し続けなければならないのだろう・・・
- 成功してもその喜びは一時的、また訪問して断られ続ける・・・
訪問営業や飛び込み営業で、このような悩みはありませんか?
「営業はとにかく訪問してなんぼ」と、私も新入社員の頃、担当上司に耳にタコが出来るほど、言われました。
ある日、「俺っていつまで営業マシーンでいなければいけないんだろう」と思った時、私は営業先に向かうことができなくなりました。
そこで、今日は営業マンの訪問について、考えていきたいと思います。
この記事を読むことで、「訪問営業の成功率が上がる考え方」が身につきます。
後半には「コロナ禍で難しくなった訪問営業」についても記載しているので、最後までご覧ください。
営業支援会社の社長として、営業情報を発信していたらSNSで1.2万フォロワーになっていた私が記載します。
目次
訪問営業の目的を明確にしよう
まず営業で訪問する目的は、どんなものがあるでしょうか。
- 提案
- ヒアリング
- 謝罪
- 契約書回収
- 季節の挨拶
- 担当者変更
- 情報提供
ざっくりはこのようなところでしょうか。
わざわざお客様のところへ足を運ぶと、それだけ時間を使ってしまいます。
1時間の打ち合わせだとしても、移動時間も含めると、1件の訪問で3時間近く必要なこともあるでしょう。
1件の訪問だけで、です。
その訪問を効果的にするためには、やはり目的を明確にしておくことが大切です。
訪問営業の方法は2つ
訪問営業は、「アポイントをもらっているか否か」により大きく2つに分けられます。
- 訪問営業
- 飛び込み営業
- 訪問営業(アポあり)
飛び込み営業
アポイントをもらっていない訪問営業は、飛び込み営業です。
飛び込み営業では、突然の訪問で、相手も心の準備が出来ていません。
その前提を忘れてはいけません。
その前提で、何を伝えるべきか、何を話すかを考えましょう。
▼飛び込み営業が苦手な方は、12のコツをお伝えしています。
「とりあえず飛び込み」の思考から脱して戦略をもつことの大事さがわかるでしょう。
飛び込み営業を成功させるための12個のコツと飛び込みがきつい3つの理由
訪問営業(アポあり)
アポイントをもらっている訪問は、特別な呼称がないので「訪問営業(アポあり)」とここでは呼ぶことにします。
日本語として「訪問営業」といった場合、アポありとアポなし両方の意味が含まれるからです。
訪問営業(アポあり)の場合、事前にお客様と「何の話をするか」を相談できます。
その状況を効果的に使うことが大切です。
日本の営業スタイルは訪問数に依存する特攻隊型
営業の訪問件数、営業マンであれば誰しも上司に突っ込まれたことありませんか?
ただ、日本の営業は今も昔もあまり変わっておりません。
特にアウトバウンド型の、特攻隊スタイルの営業手法は…
企業側から顧客へアプローチする営業のこと



と言われた後に始まるエンドレス訪問(笑)
これは全て私が言われた言葉です。
この営業スタイル、はっきり言って疲れます。
数打ちゃ当たる戦術はそりゃあたりますよ!!
なぜなら、当たるまで訪問するんですから。
けれど、やっぱり疲れるんです。
ちょっと脱線しますが、人と話をし、新しいことを知る・学ぶって楽しいと感じませんか?
(これが嫌、って言われると、きついのですが・・・)
つまり、営業マンはこのチャンスが無限にあるのです。
訪問回数と仲の良さは関係がある
訪問回数が多ければ、それだけで仲良くなれます。
これは心理学で「単純接触効果」と言われています。
単純接触効果とは・・・
ザイオンス効果とは、アメリカの心理学者ロバート・ザイアンスが提唱した、別名「単純接触効果」とも呼ばれている心理効果のことです。文字通り、何度も繰り返して接触することにより、好感度や評価等が高まっていくという効果です。
ザイアンスの単純接触効果、ザイアンスの法則ともいわれています。人間関係においては「熟知性の原則」と呼ばれ、会えば会うたびに、知れば知るほどに好意を持つといった心理効果を意味しています。
興味がなかったり、あまり好きではなかったりするものや人物でも、頻繁に目に触れる機会があった場合、その対象への警戒心や恐怖心が薄れ、良い印象を持つようになるといわれており、ザイオンス効果の顕著な例と言えます。
つまり、接触回数が多ければ多いほど、好感度や評価が高まります。
さらに、この効果で重要なことは、接触する時間が短くても効果がある点です。
極端な話、1年に1回、1日(24時間)しか会わない人よりも、1年に1時間ずつ24回会う方が好感度が高まります。
年に1度会う人と、年に24回会う人どっちが仲良くなるかと考えると、想像しやすいでしょう。
まとめると、短い時間でも接触回数を増やすことが大切なのです。
この意味では、「訪問回数をとにかく増やす」方法もあながち間違いではありません。
▼単純接触の回数を増やすにはアイスブレイクを得意にしておくと有利です。
アイスブレイクとは何か?とその方法についてお伝えしています。
売れる営業のアイスブレイクとは?3つの鉄板ネタと2つの逆鉄板ネタ
むやみに営業の訪問件数を増やさない
必要そうな人に会えば成果はでる
仕事で新しい人との出会いが生まれ、様々な価値観に触れられるって、こんな美味しい話ないじゃないですか?
会う人を変えたければ、転職すれば良い訳ですし!
つまり、特攻隊のようにむやみやたらに訪問しまくるのではなく、会いたい人、会って得する人に会えば、自然と営業では成果が出ます。
- 必要な人に(ここでの真意は『必要そうな人に』)、必要なものを届ける。
- 自分が会いたいと思える人に、会いたいと思っている人が欲しい情報を届ける。
これさえ抑えてしまえば、受注は取れます!契約は取れるんです!!
KPIやKGIを設定しよう
また、今自分がどのくらいの訪問件数なのか客観的に捉えることも大事です。

と言われても、

と思ってしまいますよね。
そのためにはKPIやKGIを設定しましょう。
- 何をしなければいけないか
- どれだけの量をこなさなければいけないか
この2つを決めるのがKPIです。
▼営業の訪問件数を把握することも重要です。
訪問で疲弊しないためにKPI・KGIという考え方を次の記事で学習しましょう。
無駄打ちしない・疲弊しない・成果につながる正しいKPI設定に必要なこと
訪問営業の成果UPには、訪問前に何をするかで決まる
訪問時に「何を話すか」「何を伝えるべきか」「どんな資料を使うか」ばかりに、意識がいく営業マンがいます。
しかし、訪問営業の質を高めるためには、「訪問前に何をするか」が大切です。
具体的には、「リサーチ」「種まき」「準備」の3つを訪問前に必ず行いましょう。
訪問前準備①リサーチ
訪問の質を上げるために、事前に相手を調べ上げることが大切です。
「相手が営業マンの話を聞きたい」と思うには、「この営業マンは私のことをわかってくれている」と感じてもらわなければいけません。
そのために、相手を理解しておくことは、何よりも大切なのです。
また、ヒアリング目的の訪問でも同じです。
なぜならヒアリングの質は、事前の仮説立てで決まるから。
リサーチをしておくことで、相手に刺さる質問や提案ができ、「わかってくれてる」と思われる確率が増えるでしょう。
▼「そもそもヒアリングとは何?今更聞けないな」と思っている方、こちらの記事で詳しく解説しています。
ヒアリング力を格段に向上させるたった1つのコツと7つのアクションと4つの質問フレームワーク
訪問前準備②種まき
「訪問した時に会うから、そのときに全てを伝えればいいや」と思っている営業マンは、一流になれません。
なぜなら、出来る営業マンほど、事前の種まきを丁寧に行っています。
人の話を聞いてどう感じるかは、話の内容以上にその背景が重要になってくるのです。
背景とは、「誰に」「いつ」「どんな状況」で言われるかです。
わかりやすい例で言えば、先生にお説教される場面を考えてみてください。
A先生:いつも相談に乗ってくれる優しい先生
B先生:自分の話は全然聞いてくれず、上から目線で意見を押し付けてくる先生
この2人の先生に、「勉強しなさい」と言われた時、あなたならどちらの先生の言うことを聞きますか?
全員が、A先生だと思います。
これが、「内容よりも背景が大事」という意味です。
この背景を作るのが種まきなのです。
背景づくりとは、具体的には
- 打ち合わせ前にメールで事前資料を共有したり
- 電話で簡単なヒアリングをしたり
- 事前にヒアリングをしたり
- 簡単な説明をしたり
を意味します。
訪問前準備③準備
最後は準備です。
- 打ち合わせで何を使うか
- 何を持っていくか
- 何を伝えるか
を決めて、準備します。
資料や営業トークを決めておくことで、訪問時の質も上がります。
また、何を伝えるかだけでなく、質問に対する回答の準備も重要です。
「こんな質問がされるかもしれない」というものを想定し、その回答を準備しておくのです。
訪問営業で悩む営業に有効な4つのアドバイス
ここまでは、訪問営業のコツやポイントをお伝えさせていただきました。
訪問営業を繰り返し、怒られたり、失注を繰り返したりしてしまうと、訪問すること自体が怖くなってしまう営業も実際います。
そのような場合、次の様なマインドをもって取り組むべきであるとアドバイスします。
①1回の訪問で全てを完結させるな
②売り込むことだけを目的にしない
③自分にコントロールできる目標を持て
④全部自分でやろうとしてしまっている
アドバイス①1回の訪問で全てを完結させるな
訪問営業において、特に飛び込み営業であれば尚更ですが、1回会えたからといってそこで全てが決まることは稀です。
昔以上に今は商材も多く、競合も多く、情報も多い時代です。
そんな環境下において、1回の商談で決まらなかったからといって思い悩みすぎる必要はありません。
アドバイス②売り込むことだけを目的にしない
「1回目で売ることが難しい」というお話をさせていただきました。
では何ができれば、訪問営業が成功と言えるのか。
1つはもちろん「受注」です。
ただもう1つ「顧客理解・関係強化」もあります。
そのために意識して欲しいことは2つです。
- 相手への理解を深める
- 相手からの信頼を得る
顧客理解、関係強化の積み重ねが最終的な受注に繋がっていくことを覚えておいてください。
▼顧客理解の1つとして3つの顧客視点を身につけることを説明した記事です。
掘り下げて考えたい方は、ぜひご覧ください。
新人営業マンが成果を出すために大切な顧客目線
アドバイス③自分にコントロールできる目標を持て
受注だけをゴールにしてしまうのは問題があります。
というのも、受注できるかどうかの最終判断は、自分で調整・コントロールができないからです。
相手に依存してしまう部分だけでは、営業が辛くて難しくなります。
「〜〜を伝える」「◯◯を聞く」など、自分がやるかやらないかで達成可能な目標を持つことで、1つ1つの商談の質を上げていきましょう。
例えば、アイスブレイクとして必ず「今日の天気の話を冒頭に1度する」などでもよいでしょう。
自分でコントロールできる目標を持っていることが大事です。
アドバイス④全部自分でやろうとしてしまっている
営業は今、1人の勝負ではありません。
組織・チームでの営業が求められています。
今1人で商談をする、訪問することが怖いのであれば、上司や先輩に同行してもらうことも1つの方法です。
訪問の質を上げれば、成約率は上がる
今でも営業で最もクロージング率が高いのは、訪問営業です。
これは今も昔も変わりません。
この質を高めていくことが、営業の成果に最もダイレクトに影響が出ます。
営業で成果が出ないと悩んでいるのであれば、まずは訪問営業、特に訪問営業でクロージングしている場合は、この訪問クロージングを見直しましょう。
訪問営業がしっかりとできれば、営業マンとしてのレベルも上がります。
是非、自身の訪問営業を見直してみてください!
▼営業力で悩んでいる方は、営業力の高め方について記載した記事も参考になります。
営業について一から捉え直しましょう。
営業力をあげたい人は必読!営業力の本質と高め方について
コロナ禍で注目される訪問しない営業
最後に補足をさせてください。
コロナ禍において、今急速に進んでいるのは「対面しない営業」です。
非対面商談・非対面営業です。
ソーシャルディスタンスが求められ、人と会うことも制限されている現在は、対面商談・対面営業自体のハードルが上がっていると言えます。
当然ながら飛び込み営業でコロナを理由にお断りをされることも多いです。
実際これまでの営業は対面が大前提でした。
2019年に、Hubspot Japan株式会社が行なった日本の営業に関する意識・実態調査でも「顔を見ずの商談には誠意を感じない」という声があり、多くの営業が対面を強いられていた側面があります。
しかし、今は自分や社員を守るためにそうはいっていられない状況もあるのです。
非対面商談については「オンライン商談とはそもそも何か?8つの営業手法と比較したら見えてきたメリットデメリット」で詳しくまとめていますが、下記のメリット・デメリットがあります。
インサイドセールスとは「顧客先に行かず、電話・メールなどによってコミュニケーションを取っていく営業」
フィールドセールスとは「顧客先へと行き、自社の紹介や製品・サービスの提案などを行う営業」
コロナが落ち着いた後も、テレワーク・リモートワークが一般化し、オンライン商談・非対面商談の割合も変わってきます。
どちらも対応できる営業を目指していきましょう!
訪問営業の成果のあげ方
訪問営業の目的は明確にしよう
→1件訪問するのも時間がかかる
訪問営業の方法は2つ
1.飛び込み営業
2.訪問営業(アポあり)
日本の営業スタイルは訪問数に依存する特攻隊型
→疲れる営業スタイル
訪問回数と仲の良さは関係がある
→短い時間でも接触回数を増やすことが大切
むやみに営業の訪問件数を増やさない
・必要そうな人に会えば成果はでる
・KPIやKGIを設定しよう
→客観的に行動を確認し、効果のありそうな人を見極めよう
訪問営業の成果UPには、訪問前に何をするかで決まる
①リサーチ
②種まき
③準備
→突然訪問するにせよ、準備をしよう
訪問営業で悩む営業に有効な4つのアドバイス
①1回の訪問で全てを完結させるな
②売り込むことだけを目的にしない
③自分にコントロールできる目標を持て
④全部自分でやろうとしてしまっている
訪問の質を上げれば、成約率は上がる
→クロージングの質を高めることが大事
コロナ禍で注目される訪問しない営業
→非対面商談のメリット・デメリットを把握しうまく使い分けよう
コロナ禍において、訪問営業がしづらくなってしまったものの、営業で成果を出すコツはどのスタイルの営業でも変わりません。
今回は、人間関係を作ること、そのためには準備が必要といった内容をお伝えしました。
▼飛び込み営業での細かい技術などは別の記事にも記載しておりますので、参考にしてください。
【飛び込み営業攻略】飛び込み営業で門前払いされないコツ
▼飛び込み営業自体が初めての場合は、メンタル面が大事です。
この記事を読んでモチベーションを上げましょう。
初めての飛び込み営業にチャレンジするあなたに伝えたい10のこと
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。