営業勉強会のささだです。

ヒアリングは営業で最も大切なスキルですが、実際に実践するのは難しいと思ってしまいがちです。しかし、しっかりとしたヒアリングは質問力やコミュニケーション能力よりも大切なことがあります。今日はそのことについて、お伝えしていきたいと思います。

ヒアリングは情報収集に過ぎない

前回、ヒアリングのコツは『インタビュー』にあり、と伝えました。
(前回記事はこちら:知らないだけで損してる!営業を飛躍させるヒアリングのコツ

しかし、これだけでは不十分。だって、ヒアリングもインタビューも情報を集めただけに過ぎないからです。ヒアリングした内容をどう活用するかが、最も重要なことなのです。

料理するのに、食材買ってきて満足してもらっては困るわけです。参考書を買ってきて勉強した気になっている、とかは私の心が痛むので触れませんw その情報をどう料理するのかが、営業マンの腕の見せ所なわけですよ!

昔、私の同期で、

「今日は2時間も話し込んじゃったよ」
「◯◯さん、俺のこと好きだから、色々教えてくれたよ」

とか自慢されたことがありましたが、私からすれば「それで?そっから受注になるの?」ってことのほうが大事なわけです(決して同期の仲が悪い訳ではないですよ!!笑) つまり、落とし穴とは、「話すこと」「聞けたこと」に対して満足してしまうことなんです。

ヒアリングの目的は提案にある

まず目的を履き違えないようにしましょう。ヒアリングを行うことは、営業において1つのプロセスです。極端な話、ヒアリングはできなくても/しなくても良いのです。

ヒアリングを行う目的は、お客様により良い提案をするため

これに尽きます、これができるのであれば、ヒアリングはなくても良いのです。

しかし、相手のことがわからないと、良い提案ができないので、ヒアリングを行なっていくのです。ヒアリングをより効果的・効率的に行うための方法をこれからお伝えします。

ヒアリングで大切なことは仮説を立てること

聞いた情報から『仮説』を立てて、それを検証していかなければ、情報を得た意味がないんですよ。

たくさん表面的な情報や、売るために関係ない情報をたくさん持っていても契約はもらえません。いただいた情報から、目の前のお客さんって

◯◯で困って要るんじゃないかな?
そうは言っても、問題の本質はこっちだよな?

とか、自分で仮説を立てることが重要なんです。そして、その仮説が正しいかをまた質問して検証していくことがポイントなんです。

そうすれば、自然と会話ができるんですよ。ちょっと例を出してみましょう!!

場面は、人材紹介会社で営業をやっている営業マンとそのお客さん。お客さんは飲食店を経営している会社の人事さんです。そこで、どんな会話が繰り広げられるかと言うと…

 

ダメダメ営業マンは

営業
御社のお困りごとは何ですか? 
お客様
今、人事の人手がいないことだね。 
営業
なるほど。では、人を連れてきますね!!頑張ります!! 

的な感じなんです。極端ですが。

 

できる営業マンは

営業
御社のお困りごとは何ですか?
お客様
人手がいないことだね。 
営業
そうなんですか。人手がいないと、負担が◯◯さんにきてるんじゃないですか?
大変ですね!!
お客様
そうなんだよ。今、忙しくて大変だよ。 
営業
ですよね!ちなみに、なんで人手が不足しちゃったんですか?
お客様
実は今、うちの会社繁忙期、人事も現場に駆り出されちゃってるんだよね。 
営業
なるほど。だと、現場も大変だし、人事も業務が止まっちゃいますよね?
お客様
そうなんだよ。早く帰ってきてくれないかな〜笑 
営業
そうなりますよね。ということであれば、現場で活躍できる人がいれば、現場から人事の人戻って来れますよね!私、探してみますよ!

どうですか?この違い。

前者は完全に勢いだけで、会社の課題を全然つかめていないですよね?けど、後者は「人手がいない⇒◯◯さんが大変」って仮説を立てて話を組み立てる訳です。仮説があると、話にも一貫性が出ますし、会話がどんどん深まっていくのを感じていただけたんじゃないですか?

偉そうに書いてますが、前者は私の社会人1年目の時の営業がこんな感じだったわけなんです。ただ、「仮説」を持て、と誰かに言われてから、お客さんの一言やいただいた情報を基に仮説を立てて、それが合っているかを確認しよう、そんな意識を持ち始めたら、営業でお客さんと話すのが楽しくなったんです(もちろん、いや〜なお客さんもいますけどw)

営業での仮説ヒアリングでやるべき4つの具体的アクション

1)企業やお客様のホームページやFacebookを調べる

仮説をたてるためには、事前情報は必要不可欠です。今はインターネットの時代、ネットで検索すれば、相手のことを知ることができます。相手のビジネスや会社のことを知るためにはホームページを、個人のことを知るためにはFacebookを調べるのがオススメです。

2)競合他社や業界のことを調べる

仮説をたてるためには、実は大切なことが競合や業界のことを知っておくことです。仮説が正しいか否かは、相手のことだけを知っていてもダメなのです。相手の置かれている環境、状況も調べておきましょう。一番手っ取り早いのは、お客様の同業他社に営業をすることが一番です。なので、1社にアプローチする際は、同業他社にも同時にアプローチしましょう。そうすると、情報が転用できます。

ここまでが仮説をたてるための事前準備です。ここまで調べておけば、お客様にヒアリングしたい内容も頭に浮かんでいるはずです。

3)仮説が立てやすいヒアリングの順番で質問をする

仮説を立てながらヒアリングをするためには、ヒアリングする順番も大切です。ここでのポイントは2つあります。

1つ目は「個人→組織・企業」の順番でヒアリングをすることです。関係がちゃんと築けないと、どんなに丁寧にヒアリングしようとしても、相手は答えてくれません。しかし、お客様が私のことをわかってくれているという状況が作れれば、ヒアリングをどんなにしてもお客様は気持ちよく答えてくれるのです。

いきなり会社や組織のこと、ビジネスのことを話そうとすれば、こいつは営業に来たな、とヒアリングがしにくい環境を自分で作ってしまう、ということを覚えておいてください。

2つ目のポイントは「現在→過去→未来」の順番で話をすることです。これには2つの理由があります。1つは、この順番が一番相手が話をしやすいからです。もう1つは、この順番で聞くことで、お客様が実現したいことややりたいことの背景を探ることが事前にできるので、最終的に未来の話をするときに仮設を立てやすくなるからです。

仮説ヒアリングで最も大切なことは、未来の話をするときに、仮説をちゃんと持って話せる状態にしておくことです。なぜなら、営業マンの提案はそもそも未来を変える提案なので、そのタイミングでお客様の状況がわかっている状態にしておくことが大切なのです。

4)未来×組織のヒアリングをするときは、4W2Hの仮説が揃ったタイミングで

仮説ヒアリングをする際、最も重要なヒアリングが「未来×組織」のことを聞く時です。このヒアリング結果は、そのまま提案内容につながります。このヒアリング時に大切なことは、4W2Hが揃っていることなのです。

  • What:何が欲しいのか?何を良くしたいのか?何を避けたいのか?
  • Who:誰が決めるのか?
  • When:いつやりたいのか?どのぐらいの期間でやりたいのか?
  • Where:どこで必要なのか?
  • How:どのように使うのか?
  • How much:いくらで使いたいのか?

項目が多いので、全てが揃うことは難しいかもしれません。しかし、ある程度の情報が揃ってから話をしなければ、ヒアリングをしてもお客様から「ボチボチ」とか「時期が来たら」など、曖昧な回答ばかりで提案できない、という最も営業マンとして避けたい状況になりかねないのです。

項目にすると多いように感じますが、売れる営業マンは営業の中で自然にやっていることばかりです。出来るようになるには、日々の練習しかありません!!今日の1件打ち合わせから意識していきましょう!!

▼仮説の大切さはこちらでも述べております!

▼ヒアリングすべき情報についてまとめています!

▼ヒアリングする際の姿勢についてはこちら!

ヒアリングは相手にいかに話してもらうか

ヒアリングで大切なことは、仮説を持つこととお伝えしました。そして、仮説の検証を重ねていくことがヒアリングです。しかし、ヒアリングという言うと、いきなり自分が聞きたいことを矢継ぎ早に質問してしまう営業マンがいます。これではお客様はもっと話したい、とは思えません。

大切なことは、お客様が話したいと思える状態を作り、そして会話の中で自然と聞きたいことが聞ける状況を作ることです。いきなりこのように言うと難しく感じてしまうと思いますが、まずは相手が気持ちよく話せる状況にすることが何よりも大切です。そのあとに自分の聞きたいことを質問するのです。

相手が話したいと思えるための方法ももちろんあります。

まずは自分のことをちゃんと伝える

営業マンが売り込みに来たのはお客様はわかっています。変に隠そうとするから、余計に怪しまれるのです。しっかりと自己紹介をし、何をいくらで売りたいのかをちゃんと伝えましょう。

しっかりとリアクションを取る

お客様は自分のことを、”わざわざ”あなたに話してくれているのです。なので、相手が気持ちよく話ができるようにする義務があります。その時に大切なことは、こちら側のリアクションです。大きくうなづいたり、相槌をいれたりすることで、相手も気持ちよく話せます。

テクニックには知らない

ラポールを築く、ミラーリング、おうむ返しなど、心理学で言われる方法はたくさんあります。しかし、相手にわかるようなテクニックの乱用は、相手からすると不愉快です。相手に興味を持って、話をしっかりと聞くことが大切なのです。

質問を使い分ける

なんでもかんでも聞きたいことを聞いていたら、質問を受ける側も不愉快な気持ちになります。質問というと、聞き出そうとする質問をしがちですが、質問にも種類があります。

  • 情報を聞き出す質問
  • 気づきを与える質問
  • 行動を促す質問

具体的に質問の例で考えてみましょう。

〜情報を聞き出す質問〜
現在、お困りごとはありませんか?

〜気づきを与える質問〜
原因は、○○ではないですか?

〜行動を促す質問〜
それであれば、□□を取り組まれた方が
良さそうですね。いかがですか?

このようなイメージで質問をしていきます。

営業
最近のWeb広告の調子はどうですか?

↑情報を聞き出す質問

お客様
比較的順調かな
営業
いいですね!さすがです。ちなみ、今使っているWeb広告で、ここがこうなったらいいなとか、もう少しここが改善されたらと感じてることってありますか?

↑気づきを与える質問

お客様
そうだな〜。言われてみると、もうちょい露出を増やしたいかな
営業
確かに、お話伺うと、効率はすごくよいみたいなので、露出量が増やせれば、売上アップが期待できそうですね。

↑気づきを与える質問

お客様
そうかもしれないね
営業
弊社でもお力になれそうなので、是非ご提案させてください!ちなみに、予算いくらぐらいだったら、検討できますか?

↑行動を促す質問

お客様
そうだねー、30万円ぐらいかな。

売り込まれたとお客様が感じるのは、営業マンに押し付けられた時です。しかし、ヒアリングを通して、お客様が自ら気づいたと感じてもらえれば、営業はスムーズに進むのです。

商談でなかなか答えてくれないお客様がいるときは、大抵がお客様が「自分のこともわかっていない奴が偉そうに」などと、心を開いていないうちから、色々と聞き出そうとするから不快な気持ちになって話してくれないのです。

▼リアクションが悪いお客様への対応についてはこちら

聞きたいことを聞くではなく、聞きたいことをお客様が話したいという状態を作って、お客様が気持ちよく話してくれる。結果として聞きたいことが聞けているが、ヒアリングの成功パターンです。是非、今日から実践してください!

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