営業マネジメントをするときや採用をするとき、営業パーソンを育成しようとするとき、営業戦略を立てる時などに、このような対立がよく議論されます。そこで今日は営業マネジメントの話でどっちが大事か話になりがちなテーマを挙げてみました。
営業マネジメント時に起こる10の対立
- 量VS質
- ロジックVS感情
- 採用VS育成
- 新規VS既存
- 人間関係VS提案スキル
- 質問スキルVSトークスキル
- ヒアリング力VSプレゼン力
- マニュアルVS対応力
- 人間力VS仕組み
- お金VSやりがい
今回はこの「どっち?」について考えていきたいと思います。
営業マネジメント対立問題①量VS質
どの業界、どの世界でも言われる量と質の問題。
量を求めればブラック企業と呼ばれてしまう今の風潮。
しかし、目標達成にはある程度の量が必要。
この狭間で戦っているマネージャーの方は多いはずです。
ここでの結論は「両方」です。ただ問題なのは闇雲に量だけで全てを解決しようとするマネジメントに問題があります。目標から逆算をしたときに、何をどれだけやらなければいけないのか?またどれぐらいの確率で次のステップ(架電からアポ獲得、商談から見積もり提出など)に進まなければいけないのか、ここを明確にできなければいけません。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題②ロジックVS感情
先日Twitterで自分の脳特性を簡単に知る方法が流れてきました。
画像引用:【うさ脳】手・腕の組み方でわかるアナタの適職と特徴 | メモペーパー
私は「う・う脳(インプット右脳・アウトプット右脳)」だったのですが、営業に向いているのは「う・さ脳(インプット右脳・アウトプット左脳)」らしいのでちょっと残念です笑
ただ営業においてロジックを立てて戦略や次のアクションを考えられないのは致命的です。日々ノリと勢いで頑張るという形になってしまうからです。モチベーションが高い時は良いですが、成果が出なかったり、モチベーションが落ちてしまった時、一気に成績が落ちます。
一方で他人の気持ちや感情がわからないことも、営業というコミュニケーション職である営業では致命的です。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題③採用VS育成
「採用の失敗は、教育では取り返せない」
これはよく採用界隈では言われるセリフです。ビジョンや考え方に共感できていない人、働き方や営業のやり方に納得できない人などを採用してしまうと、その考え方ややり方を理解し合うことに多くの時間を費やすことになります。さらに、相手側(新しく採用した人)がネガティブな捉え方をしていると、なかなかその考えをひっくり返すのは難しく、最終的には離職につながるケースも多いです。
ちょっと余談ですが、「人が組織に共感する要素」として、「4つのP」があるといわれています。
Philosophy(理念・目的):ビジョン・目的に対する魅力
Profession(仕事・事業内容):組織内の活動・仕事内容から得られる魅力
People(人材・風土):メンバーとの人間関係で得られる魅力
Privilege(特権・待遇):組織に属する事で得られる処遇や特権
このどれかにズレやミスマッチがあると、それを教育や育成でカバーしようとするのは難しいということです。
じゃあ採用だけを頑張れば良いのかといえば決してそうではありません。組織として営業を育てるためには、上司や先輩の教育力に依存することは危険です。理由は上司や先輩は営業を”教える”という教育を受けた人がほとんどいないからです。つまり、自分の感覚や経験を伝えるだけになりがちで、その人やメンバーに合わせた指導やマネジメントができる人が少ないからです。
また営業パーソンの退職理由で多いものは「ちゃんと育ててもらえなかった」「教えてもらえなかった」というのはよく挙がる理由の1つです。教育や育成も1つのコミュニケーションです。そこを疎かにしてしまえば、当然働いている人も離れていってしまいます。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題④新規VS既存
自社サービスにおける顧客の退会率をご存知でしょうか?
この退会率やサービスの利用停止率、購入停止率が仮に今100%であったとしても、新規営業をやめてしまうことは危険です。どんなに良いサービスであっても長い目線で見れば、必ず顧客の退会は起こるからです。これhBtoBでも、BtoCでも同じです。
理由は環境も人も変化をするからです。ここでいう人は法人も含みます。
古いデータですがこれは企業の生存率のデータです。
出典:中小企業庁HP 中小企業白書2011年版全文 第3-1-11図
最近のデータでもこの数字はほぼ同じです。このデータでは1年後の生存率は97%、5年後で82%、10年後で73%という結果です。ただデータ元が帝国データバンクである程度の規模感のある会社のみなので、ここに個人企業・零細企業やフリーランスなどの個人事業主が入ると、もっと数字は低くなると言われています。
つまり、どんなに良いサービスでも相手側の理由でサービス利用が止まるどころか、相手がいなくなる確率も高いということです。当然、個人にも寿命があります。もちろん寿命だけではなく、環境や状況の変化も常に起こるこの時代で、既存のお客様だけで安定しているから新規開拓不要と考えるのは危険ということです。
ただよくある体育会系の会社では売上のベースを新規開拓で確保をしようとします。今新規開拓は重要とお伝えはしましたが、売上の確保を新規に依存することも危険です。理由は新規営業は不確実性が高く、かつ工数が非常にかかるからです。
新規開拓の大変さは下記の記事にまとめています。
ポイントをかいつまんでお伝えすると、新規営業は既存営業よりも5倍販売コストがかかると言われています。また顧客離れを5%改善すれば、利益が25%改善されるというデータもあります。新規で顧客数を維持しながら、売上を既存顧客から積み上げていくのが、安定した経営を実現するためのコツということです。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題⑤対人スキルVS提案スキル
営業は対人スキル、人間関係をいかに築けるかが重要とはよく言われます。もちろんここに異論はありません。
しかし、人間関係構築スキルさえあれば、提案スキルはいらないのかは別の話です。人脈の多いが全員が全員トップセールスかといえば決してそうではないですよね。
ブライアン・トレーシーの「最強の営業」という本では契約に影響を与える4つの要因を下記のように記しています。
- 信頼(40%)
- ニーズ(30%)
- プレゼン(20%)
- クロージング(10%)
昔は商材も少なく、競合も少ない、かつ情報も少なかった時代は、クロージングとプレゼンの比重が高かったのは事実です。しかし、モノ余り・情報過多の昨今は信頼を築くことが1番高いウエイトが求められているのです。とはいえ繰り返しですが、対人スキルだけで売れないのが今の営業です。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題⑥質問スキルVSトークスキル
営業はヒアリングだ!営業は質問が大事!というセリフもよく聞きますね。
一方で営業をやっていると「話すのが上手くないといけない」という先入観で、営業を敬遠してしまっている人もいます。
営業は相手の悩みや課題、またその問題が生まれている原因を見つけて、その解決策を「やりたい」と思ってもらい、行動に移させて初めて契約が成立します。当たり前ですが、聞くだけではダメ。話すだけではダメなのです。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題⑦ヒアリング力VSプレゼン力
ヒアリング力とプレゼン力も質問スキルVSトークスキルと同じです。
どんなにプレゼンが上手くても相手が聞きたい話を的確にできなければ、どんなに面白い話をしたところで相手からすればつまらない、面倒、押し付けがましい話だという形で終わります。一方でヒアリング力だけが長けていても最終的に相手が「やりたい」と思い提案ができなければいけません。
ヒアリング話法の1つにSPIN話法があります。
Situation Questions=状況質問(顧客の現状を把握する)
Problem Questions=問題質問(顧客に問題に気づかせる)
Implication Questions=示唆質問(問題の重要性を認識させる)
Need-Payoff Questions=解決質問(理想のあるべき状態をイメージさせる)
S→P→I→Nの順番で質問をしていくことで最終的にクロージングまでたどり着けるという質問テクニックです。
▼SPIN話法の詳細はこちら!
ここに書かれているのは場面やタイミングに合わせた質問をするという話ですが、プレゼンも基本的には質問です。自分が相手に伝えたいことをしっかりと伝え「どうですか?」と聞きますよね?営業において、本当はプレゼンもヒアリングも区別はなく、常にヒアリングであり、常にプレゼンであるという意識を保つべきです。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題⑧マニュアルVS対応力
営業におけるマニュアルの典型は「トークスクリプト」があります。トークスクリプトが嫌いな人は「型通りの営業になることはない」「型にはめることでお客様の臨機応変な対応が疎かになる」「顧客思考の対応ができない」というのが言い分です。一方で営業をやめてしまう人のが多くが「ちゃんと教えてもらえなかった」「上司のやり方を押しつけられる」といった理由があります。
つまり、教えても教えなさすぎてもダメということです。もっと言ってしまえば成果が出ていないから嫌ということです。
ただ営業において”型”は大切です。トヨタのカイゼン方式の考えの一つに「標準なくしてカイゼンなし」という言葉があります。営業の型=マニュアルやスクリプトは改善をするために必要なモノであり、営業を型に当てはめようとするモノではありません。
標準とは今、この時点でベストと思えるもので、常に改善が必要です。その姿勢を持っていれば、型があるから営業できないという考えにはならないはずです。
一方で対応力だけに依存するマネジメントも危険です。というよりも、こういったマネジメントをするのであれば上司やマネージャーはそもそも不要です。マネージャーの存在意義は成果を出させることであり、その確率・再現性を高め、誰にでもできる仕組みや体制を整えることだからです。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題⑨人間力VS仕組み
「営業は人間力だ」
よく聞く言葉です。営業は人と話をする、コミュニケーションを取ることが仕事なので、この考え方自体は間違っていません。しかし、人間力だという言葉を使って、「もっと成長しろ」「もっと頑張れ」というマネジメントや教育は、マネジメントの立場からすれば何もしていない・何も言っていないと同じです。
営業は仕組みの上に立ち、それを最大限に活用するために人間力があるというのが、マネジメントする上での考え方です。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題⑩お金VSやりがい
やりがいだけでは食べていけません。一方でお金だけを目的にしても長続きしません。
営業に限らずビジネス全般において「継続できる」環境を整えることは非常に重要です。そのためにはその場その時において優先順位は変わると思いますが、お金だけを選ぶ、やりがいだけを選ぶという考え方自体がそもそも間違っています。
つまり、どっちも大事ということです。
営業マネジメント対立問題、結論!!
つまり、どっちも大事ということです。
この言葉をここで使うのは11回目です。笑
やりがいがあれば、お金はなくて良いのか?
新規ゴリゴリ攻めてるから、既存は疎かでOK?
人間関係構築ができていれば、誰でも受注できる?
全部Noです。大事なことはバランスで、二極化論争自体が無意味ということです。
なぜ人は一つの答えを出したがるのか?
複雑に考えるよりもシンプルに考えたい
これが答えだと思います。また、「本当はやった方が良いけどやりたくないこと」から避けたいのも人間的ですよね。もう一度言いますが、両方大事です。どちらかがあるからOKという考えでは、営業自体も成立しないですし、営業の働き方にも限界がきます。
バランスを取るためには「時間配分」を考える必要があります。というよりもこれが全てです。
そのために意識すべきは、自分の行動変化にともなる成果の伸び率を意識することです。何となく良さそうなことを何となく始めると、タスクが増えまくって結局やりきれずに終わってしまうことが多いです。正しい時間の使い方は成果に繋がる動き、貢献幅・改善幅が大きいものに時間を使うということです。
ただ、成果に直結することだけをやっていると、将来の投資時間が減ります。そのことを1番わかっている組織がGoogleだと思います。Googleの20%ルールって聞いたことありますか?業務時間の内の20%を「普段の業務とは異なる」業務にあてて良いという制度です。
自分の時間の使い方と向き合うこと、全部が必要・全部があった方が良いというのは全員一緒ですが、その中で自分の活動・営業に繋がるものが何かを取捨選択しながらやっていきましょう。
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営業マンとして成長する最も効果的な方法は 「できる営業マンの真似をする」ことです。
しかし、自分の周りを見たときに 素晴らしい営業マンがいなかったり他社の営業マンの良いところを 学んだりできないので営業マンとしての成長が遅れてしまうのです。
あなたが営業としてもっと成果を出したければ
自分だけでやろうとすれば 成果を出すのに、時間が掛かります。
だからこそ、先人の営業を真似ることで 2倍も3倍も成果を早く出すことができます。
成長することもできるのです。
そうなりたいという想いを持っていただいたあなたに大学の頃から営業を始め 今では、営業代行として独立し
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