テレアポをやっていると、基本的には断られることが多いと思います。PUSH型セールスの性質上ある程度は仕方ないものです。それでもテレアポにおいて成果を出すためには、断られる確率を減らしていく必要があります。
そこで今回は、お断りの対処術・回避術を解説していきたいと思います。ただ、今回焦点を当てるのは、「反論術」ではありません。お客様のお断りに対して反論したり、論破しようとすることは避けるべきです。営業活動においてお客様の意見に反論してしまうなら、成果を出すことは出来ません。なぜなら、相手に言い負かされたいお客様はいないからです。どれだけ理路整然と論破されたとしても、お客様は反論してきた相手のことを「自分を否定してくる人」とみなします。自分を否定してくる人ともっと話したいと思う人はいないはずです。
今回は、相手を論破する方法について解説はしません。相手にどうやって自分に会いたいと思ってもらえるか。このポイントを解説していきます。最後までお付き合いくださると嬉しいです!
目次
- 1 テレアポお断り突破術①テレアポの前提
- 2 テレアポお断り突破術②テレアポのお断りの種類
- 3 テレアポお断り突破術③担当者からのお断り突破のコツ
- 4 テレアポお断り突破術④まとめ
テレアポお断り突破術①テレアポの前提
まず最初に、テレアポをする上で必要なスタンスについて解説していきます。そのためには、テレアポの前提を改めて認識しておくことが重要です。おさえておくべき前提は以下の4つのポイントになります。
テレアポの前提①相手からするとテレアポは初めての電話である
特に新規開拓の営業においてこの前提は重要です。当たり前のことかもしれませんが、実は意外とどんな営業であっても忘れてしまいがちなポイントになります。なぜなら、営業は毎日数多くの件数テレアポの電話をかけているため、どうしても段々と慣れが生じ、新鮮味がなくなってしまうからです。
ただ、お客様からすると、突然知らない人からかかってきた初めての電話になります。それなのに営業は何回も電話しているような話し方やスタンスで話をしてくる……。この認識のずれは、お客様が違和感を感じる原因になってしまうのです。
そのため、例え営業は何回も電話をかけていたとしても、相手は初めてと思っているかもしれないという認識を持つことが重要だと言えます。
裏を返せば、その相手に電話をかけるのが初めてではない場合は、しっかりとその旨を相手に伝える必要があるということです。担当者の名前を知っている、元々関係がある等、こういった情報を受付の相手に伝えることで、受付の突破率はぐんとあがります。このことは心理学で「ザイオンス効果」という言葉を使って定義されています。つまり接触回数が増えれば増えるほど、相手は自分に好意的な反応をしやすくなるという人間の本能があるのです。
関係がある相手にはその関係を明示すること、初めての相手には初めての電話であるという意識を持つことを前提としておさえておくようにしましょう。
テレアポの前提②相手は正しい判断が出来ていない
テレアポは、営業が営業のためにかけている電話です。営業が受注目標を達成するために、テレアポという手法を使い、見込み客開拓をしているものになります。この目的には、お客様都合のものは1つも存在しません。つまり、お客様が求めている電話ではないのです。
そのためお客様からすると、話す準備も心の準備も出来ていない状態で電話を受け取ることになります。そこで営業がアポイントを打診したとしても、
「知らないから要らない」
これで終わってしまうのです。商品やサービスが要らないから断るのではなく、知らない人から営業電話がかかってきたから断っていると言えます。この前提も忘れてはいけません。
以前若手の営業からこのような話を聞きました。
テレアポをしていると、断られたとき、自分が否定されている気持ちになるのでテレアポが苦手です
こういった意見をお持ちの方は多いかもしれません。ただ、断られているのは決してあなたのせいではありません。あくまでテレアポという手法がお客様の警戒心を高めているだけです。商品が悪いわけでも、あなたが悪いわけでもありません。このことを念頭に置いていただきたいと思います。
テレアポの前提③相手は会いたくないから断っているわけではない
人を動かすには「感情」と「論理」の2つの要素が必要です。ただ、突然初めての相手からかかってきた電話に対して、お客様は当然ながら論理的に断るだけの情報を持っていません。電話してきた営業のことも知りませんし、サービスのことも知らないからです。
そのため、お客様の「感情」にまずは訴えかける必要があります。
「この人だったら、話を聞いてあげてもいいかな」こうお客様に思ってもらえるように、まずは自分の感情を伝えなければいけないのです。
しっかりと商品説明をして、その商品がお客様の役に立つことを理解してもらい、商談の機会を得る。これはある種理想ですが、あくまで理想にすぎません。その商品やサービスに対して考えるというモチベーションがお客様にない段階で、どれだけ論理的に説明したところで意味はありません。なぜなら相手は聞いていないからです。「いきなりそんな細かい話されても……」これで終わってしまいかねません。
相手の感情に訴えかける方法。それは、自分の気持ちをしっかりと伝えることです。「あなたに会いたい、会って話をしたい」という思いをしっかりと伝えることが重要になります。
テレアポの前提④相手の言葉を鵜呑みにしすぎない
先ほど、お客様は論理ではなく感情で判断をしているということをお伝えしました。このことから話を広げると、相手のお断りの言葉に論理的に対処したところで意味がないと言えます。なぜなら、それは事実を伝える言葉ではなく、突然の電話に対してお客様が咄嗟に発したお断りトークだからです。
知らない相手だし、こう言っておけば引き下がってくれるよね
こういった思いで相手はお断りの言葉を言っていると言えるでしょう。つまり、相手の言葉を真に受けすぎてしまうと、上手くいかないのは必然です。実際の事実とは異なる可能性もあり、お客様はただ断りたくて言っているにすぎないからです。
以上の4つの前提を忘れないことが、テレアポで成果を出す第1歩になります。
テレアポお断り突破術②テレアポのお断りの種類
テレアポの具体的な解説に入っていく前に、テレアポのお断りには2種類あるということも忘れてはいけません。それぞれのお断りの違いはシンプルです。
「受付担当」の人に断られるパターンと、「担当者」に断られるパターンです。自分が話したい人に電話がつながるかどうかによって違うことになります。
大きく言ってしまえばどちらもアポイントNGになってしまうと言えるでしょう。ただ、取次担当の人に断られるのか、話したい人と会話できた上で要らないと言われたのかによって改善すべき施策が変わってきます。
更に、コロナウィルスの影響により、受付でNGをもらう可能性は高くなりました。「リモートで不在」「コロナの影響で会って商談出来ない」と言った、断る理由が明確になったからです。また、テレワークの普及により、変化が起きたことがあります。出社する人数が減少した結果、電話の受付代行が増えたのです。そのため、「必要があればこちらから連絡させていただきます」というマニュアルに沿った返答を貰う可能性も増えました。昔と違い、担当者等社員の状況がテレワークで違う場所にいることにより分からなくなったため、受付判断でブロックすることが増えたのです。
受付の方のお断り→取り次ぎNG
担当者のお断り→アポイントNG
この違いをおさえておく必要があります。理由が厳密には異なることを意識していないなら、適切な対策を取ることが出来ません。担当者のお断りについては後ほど詳しく解説するとして、まず受付担当のお断りについて解決方法を解説していきます。
受付担当に断られる場合
繰り返しですが、受付で断られる場合、取次がNGであるという断りになります。「会議中」「席外し」「断るように言われているので」といった、取次が出来ない理由がセットで付け加えられることが殆どです。
こういった受付の方の断り方には、明確な理由を持っているケースと、持っていないケースと2種類存在します。
明確な理由。それは、会社のルールで決まっているときです。「営業電話は断るように言われているので」と言った場合、会社もしくは担当者からルールとして決められたものになります。つまり、受付の方はある種のマニュアルに沿って判断していると言えるでしょう。
また同じような営業電話かかってきたからいつものように断ろう
こういった形で判断し、ルーティン化した対応を取っているのです。この場合、どうすれば受付から取り次いでもらえる確率をあげることが出来るでしょうか。少し語弊があるかもしれませんが、受付の方が判断できないイレギュラーを起こす必要があります。
また、取り次ぎNGの内容にも、
- そもそも取り次いでもらえない(受付で取り次ぐ必要がないとの判断がされる)
- 担当者が取り次ぎを断る
この2つに分類することが出来ます。
そもそも取り次いでもらえない場合
受付で取り次ぐ必要がないと判断されてしまう場合は、他の営業と同じような電話であるという印象を受付の方に持たれてしまっていることが殆どです。つまり、受付で断られてしまう時にすべきことは、他の営業と同じことをしないことであると言うことが出来ます。
そのために効果的な方法は、既存のお客様に普段他にどんな営業が来ているか聞いてみることです。
- 最近どんなテレアポがあったか
- どんな提案とか切り口が多いか
こういった情報を仕入れておくことで、他社と差別化することが出来ます。この差別化の意識を持つことで、アプローチを改善することが出来ます。
担当者が取り次ぎを断る場合
担当者が取り次ぎを断る場合。これは受付の人が判断していない分、他社との差別化を図ることが出来ています。このパターンでは、説明の仕方に問題があることが多いです。その結果、電話の向こうでは、
何だか営業の電話来てますがどうしますか?
営業ならいらないや
このような取り次ぎ方をされている可能性すらあります。この事態を避けるには、詳しくどういったことを伝えてほしいのか受付の方に説明してもらうことが必要です。
営業ハックという会社で、売り上げを2倍にする支援をしている会社だそうです。一度だけ話を聞いてほしいと言っているのですがどうしますか?
ここまで聞いてもらえるなら言うことなしです。
- 自分たちは何をやっている会社なのか
- どういった思いで担当者に会いたいのか
このことを伝えることで、しっかりと相手が電話を受け取るか判断してくれる確率があがります。
テレアポで一番多い断りの理由は「反射」です。知らない人だから、テレアポだから、営業だからと言った理由で咄嗟に断ってしまうケースが本当に多く存在します。この反射の反応をどうしたら生み出さずに済むか、意識しておくことが重要です。
テレアポお断り突破術③担当者からのお断り突破のコツ
では、担当者がよく使うお断りのフレーズと、それに対応した解決方法を解説していきます。
担当者のお断りフレーズ①他社と付き合いあるから大丈夫
自社のこと何も言っていないのに、相手から先にこのような断りを言われてしまうなんてこともあるものです。この言葉を言われたときに、どう対応するのが良いのでしょうか。
NGトーク例
「ありがとうございます。ただ弊社は他社様と比較しても強みのある会社ですので、一度商談の機会いただけませんでしょうか」
相手の言葉に対して反論してしまうことは避けるべきです。なぜなら、今付き合いのあるその会社との関係性を否定してしまっているからです。知らない人からアドバイスや否定の言葉を貰ったところで、それを受け入れようという気持ちになる人は殆どいないでしょう。
お客様がちょうど他の会社に取引先を変えようと思案していることがはっきりしているなら、上記のトークのような自社アピールも良いかもしれません。しかし、そうでないなら、お客様の意思決定や決断を否定してしまうことがあるため、自社アピールには注意が必要です。
全体に言えることですが、関係性が構築できていない新規開拓の場で、相手を否定するような言動はNGです。
OKトーク例
「ありがとうございます。御社のような素敵な会社ですし、一緒に事業を伸ばされているのもHPで拝見しておりましたので、他社様と一生懸命事業をされているのも分かっておりました」
まず行うべきことは、相手の意思決定を称賛し、理解することです。受け入れる姿勢をこちらが見せないなら、相手もこちら側を受け入れてくれることはありません。
相手のことを受け入れたうえで、次に行うべきこと。それは、自社商品を「買ってもらう」ことではなく、「会ってもらう」ことに焦点を当ててアポ打診をすることです。以下、先ほどのトークの続きになります。敢えて話し言葉で書いているため、長く感じるかもしれませんがご容赦ください。
「我々も新しい取り組みや提案はさせていただいていますが、いきなり会って買ってくださいという話がしたいわけではありません。御社のご状況もあるかと思いますし……。とはいえ、課題感であったり、もっとよくできるポイントがあるのではないかということで、一度御社の状況についてもお話させていただければと思います。個人的にも、是非お話させていただいて、何か役に立てることがあればご提案させていただければと思いますので、一度打ち合わせの機会いただけませんでしょうか」
相手を称賛し、それを受け入れる。そのうえで、買ってほしいのではなく、まずは会ってほしいという思いを伝えることに焦点を当てるようにしましょう。
営業=物売り
こういったイメージをお客様は持っています。まずはそのハードルを下げることから行うことが必要です。いきなり物売りはしないということを、しっかり宣言することがそのためには重要になります。
担当者のお断りフレーズ②価格が高いので大丈夫です
これも結構言われることがある言葉になります。価格の話をこちら側で一切話していないのにこのように断られた、なんて話も聞くくらいです。では、なぜこの言葉を言われてしまうのでしょう。これは、相手の先入観による場合が多いです。業界全般に対する「高い」というイメージを相手が持っているのかもしれません。以前他の会社が、競合他社の料金としてあなたの会社の参考金額を出していたのかもしれません。
NGトーク例
「いえ、高いなんてそんなことはございません。価格についても一度ご説明させていただきたいので、打ち合わせの時間をいただけないでしょうか」
ここでも繰り返しですが、相手を否定することは避けるべきです。反論してしまうと、相手は「こんな感じの会話がずっと続くのか」と不安に感じ、不快になります。営業に不利な情報が出たら論破してくる状況が続くと、相手は面倒に感じて心を閉じてしまうのです。
OKトーク例
「ご意見ありがとうございます。実際にもう少し安くならないかというご要望をいただくことも確かにありますが、ご納得いただいたり、『その価値ならお金それくらいかかるよね』と言ってくださるお客様もいらっしゃいます。価格に関しては様々な意見があるかと思いますし、真摯に受け止めさせていただきますが、ご納得いただける価値をご提供できる自信がありますので、一度お話聞いていただけませんでしょうか」
事前情報によって人はそのものに対しての印象を決める性質があります。心理学用語でアンカリング効果と呼ばれるものです。例えば同じ100万円という金額でも、事前に1万円の商品を出し、後に100万円の商品を出せば、相手は高いと感じます。反対に、1000万円だと言ってから値引きして100万円と言えば、安いと感じる人は増えるでしょう。
つまり、高い、安いという言葉は相対的なその人の評価であり、事実ではないということです。そのため、相手が何を基準にしてそういった評価をしているのか捉えていく必要があります。ただ、いきなり「なんでそう思ったんですか」なんて聞いても答えてくれる人はまずいないでしょう。
そこでこのテレアポの段階で出来ることは、高い、安い両方の意見をいただいていることを伝えるということです。
「両方の意見をいただきますので、そういった意見については真摯に受け止めたいと思います。弊社もサービスをどんどん進化させていきますので、是非高いと感じた理由であったり、他社からどのようなご提案があったのか等ご教示いただければ、弊社としてもお手伝い出来ることのご提案が出来るかと思いますので一度お打ち合わせのお時間いただけませんでしょうか」
こういった答えも効果的です。
お客様が高いと感じている要因を見つけなければ高いという意識を改善することは出来ません。まず、その要因を見つけられる場を作ることに焦点を当てていく必要があります。金額面のお断りの言葉は商談で解決する意識を持つようにしましょう。
担当者のお断りフレーズ③今忙しいので大丈夫
これもよくある言葉だと思います。ポイントは「今」ということです。「今」ダメなら、将来的には大丈夫かもしれないと言えます。こういったポジティブに揚げ足を取っていく意識も必要になります。
NGトーク例
「いや、そんなことないです、お役に立てる提案できますのでそこをなんとか……」
相手がせっかく今の状況を教えてくれたのに、それを否定してしまうのは最悪のパターンです。また、相手の言葉をスルーしてしまうこともNGです。「こいつ話聞かないな」と余計に悪印象を持たれてしまいます。
OKトーク例
まずは、相手の言ったことを受け入れるようにしましょう。
「忙しい」この言葉に対して営業がしなければいけないこと。それは、
「共感」です。
「そうですよね……○○様のような方であればお忙しいだろうなと思ってはいたのですが、それでもお役に立てる情報や提案を私なりに考えましたので、お話だけでも聞いていただけませんでしょうか」
まずは相手の話を受け入れ、それを分かったうえでこちらも電話をかけているということを伝えましょう。時間がないのは承知の上だけれども、それでもお客様にとって有益なことが出来るという気持ちを伝えることが必要です。「打ち合わせにかかる手間以上に有益なことをお伝えします」こういった思いを相手に届ける意識を持ちましょう。
「共感」と「理解」テレアポにおいてとても重要な要素です。相手の感情に訴えかける意識が必要になります。
「本当に役に立つの?」
この言葉を言われて初めて、ロジックの出番です。
「御社のHP拝見して、IR資料や事業計画書も読ませていただきました。御社がこれから~~といった戦略を取っていく中で、ベストな解決策をご提案出来ますので、そちらをお話させていただきたいと思います」
上記は例の1つですが、相手の理由があって初めて、論理的に語ることが出来るのです。その際に相手に、相手が自分に会うべき根拠や理由を伝えることで、承諾率をぐんとあげることが出来ます。HPの情報では足りない場合は、業界のトレンドや世の中の動きに関する情報も活用しましょう。
担当者のお断りフレーズ④今は考えていないから大丈夫
「今は考えていないから大丈夫」この言葉で断られることもあるでしょう。「今考えていない」そう言われるのは当たり前です。相手は電話がかかってくる直前まで別の仕事をしており、突然かかってきた電話にただ出ただけだからです。
NGトーク例
「そうですよね……。ただ、競合の他社様等の情報収集もいただいてますのでお役に立てれば」
相手の言葉をスルーして、自分の都合の良い方に誘導しようとしてしまうと、相手は「この人自分のペースに引き込もうとしているな」と感じます。知らない相手から行動を制限されてしまうと、相手は警戒心を強めてしまうのです。
OKトーク例
「ご状況教えていただきありがとうございます。突然の電話ですし、ちょうどそのことについて考えていたなんてことはないかなと思ってはいたのですが、御社にとって、私はこういったことが必要だと思って今回ご連絡させていただきました。いきなり買ってくださいというわけではありませんので、一度情報交換も兼ねて、弊社が出来ること、また御社に必要だと個人的に考えたことがありますので、30分お話聞いていただけませんでしょうか」
お客様の意思決定を買うことではなく、話を聞くことに対して焦点を当ててもらうように話していくことが重要です。決断するポイントを提示することによって、「話だけだったら聞いてあげてもいいかな」という気持ちを引き出すことが出来ます。
今考えていないのは当たり前のことだという前提を受け入れたうえで、まず話を聞いてもらえるように会話をしていきましょう。テレアポは、契約をもらうことがゴールではなく、アポイントを取ることがゴールだということを意識していただきたいと思います。
担当者のお断りフレーズ⑤予算がない
予算面をネックとした断りをする人もいます。
NGトーク例
「失礼しました。でも今後のために情報交換だけでもさせてください」
何に対して予算がないのかを確認していないのにも関わらず、ただその言葉を受け入れてしまうことは望ましくありません。
もし、本当に必要なものだったら優先してお金をそっちに回すはずです。何にお金をどの程度使うか話していないのに「予算がない」というのは、コミュニケーションが成立していない状況になります。そのため、テレアポ段階で「予算がない」という言葉には、そこまで敏感になる必要はありません。
予算がないと言われた段階で引いてしまう営業は少なくありません。ただ、その言葉の真意が分からないうちに引いてしまうのはもったいないと言えます。1円も使えないのか、50万円までしか使えないのか、100万円までなのか。人によって「予算がない」の基準がバラバラな以上、相手の基準がどのようなものなのか明確にしていく必要があるのです。
OKトーク例
「ご状況教えていただきありがとうございます。今回いきなりこんな話をされて、お金準備してくださいと言っても無理だと思っています。そのことは重々理解していますので、予算を準備してくださいというお電話ではありません。ただ、御社のことを調べさせていただいたなかで、是非御社に必要だと考えた点がいくつかありました。そのことをお伝えしたいので、一度お時間いただけませんでしょうか」
まず予算をいきなり考える必要はないということをしっかり伝えるようにしましょう。そのうえで、どういう価値があるのか相手に分かってほしい、伝えたいのだということを相手に話すことが重要です。相手に伝えるべきはお金の話ではありません。「御社にはニーズがある」ということです。必要性があって初めて、相手は予算を回してくれるのだということを意識いただきたいと思います。
担当者のお断りフレーズ⑥現状満足しているから大丈夫
この言葉に対しても他のフレーズと同様、否定することは避けるべきです。
NGトーク例
「そういうことよく言われるんです、ただ実際に弊社のサービスを導入されたお客様からはご満足いただいているのでお打ち合わせの機会いただけませんでしょうか」
このトークでも一定の反応は得られると思いますが、ただ、これは「相手に対して自分は興味を持っている」ということを伝えることが出来ていない話の内容です。相手からすると、「機械的な反応で、気持ちがこもってないなこの人」という印象を得てしまう可能性が高くなります。
ここでのポイントは、「現状満足」この単語を相手は良い意味で発しているということです。満足出来ている、相手はポジティブな話をしています。
OKトーク例
「ご状況お聞かせくださりありがとうございます。こちらとしても、御社のお役に立てることがないかと思っての電話でしたので、現状良い状態だと聞けて良かったです。ただ、将来的に何かご一緒出来ることがないかと、私個人的にも御社のお役に立ちたいので、一度ご挨拶かねて打ち合わせの機会いただけませんでしょうか」
相手が良かったと言っているなら、こちらも「良かったです」と嬉しい気持ちを示すことが重要です。営業は相手の不幸を願ってものを売る仕事ではありません。相手が課題を抱えていて、今不幸な状態だから契約やアポイントが取れる。これは事実だと思います。ただ、どんな相手でもそのスタンスで話をしてしまうなら、「売りたいから不幸であってくれ」という気持ちがにじみ出て、相手に伝わってしまいます。そうなると相手が不信感を抱くのは必然でしょう。
課題がないことは素晴らしいことです。本来おめでとうと言うべきはずのことです。この前提にプラスして、自分が何をお手伝いできるのかということを考えるようにしていきましょう。
担当者のお断りフレーズ⑦興味がないので大丈夫
NGトーク例
「本当ですか。他社様は積極的に使ってくださっているのですが……」
この言葉を言われたときに、「噓でしょ?」といったテンションで食い気味に切り返すように、なんて教育している会社もあります。ただ、冷静に考えてみてください。
これ、ただのマウントです。
上から目線で反論したり切り返すことは絶対NGになります。
「興味がない」これは突然の電話なので当たり前です。ただ、ここではき違えてはいけないことがあります。それは、お客様の興味がないのは商品ではなくテレアポという手法であるということです。
「あなたがやっているそのテレアポ興味ないから」と言われているのです。そこですべきこと。
それは「謝罪」です。こちらに対してネガティブな意見をいただいている状況なので、その言葉にしっかりと対応する必要があります。
OKトーク例
「失礼いたしました。貴重なご意見ありがとうございます。まだこちらも商品の説明などしっかり出来ておらず、そういった印象を与えてしまい申し訳ありません。ちなみにですが、どういった点でそのように感じたか、ご教示いただけますでしょうか。」
まずは相手と会話を続けて、相手の意見を聞くことが出来るようにしましょう。その意見を踏まえて、相手が自分に会ってもいいかもしれないと感じるようにコミュニケーションをとることが重要です。
担当者のお断りフレーズ⑧他社で買ったばかりだから大丈夫
この言葉に対しても否定はNGです。
NGトーク例
「そうだったんですね。ただ、他社様の商品上手くいかないというお話も聞きますので、リスクヘッジのために一度お話聞いていただけませんでしょうか」
これは、相手の不幸を願っているがゆえに出てくる言葉です。買ったばかり、これから成果を出せるとお客様は期待に胸を膨らませている状態です。その気持ちをわざわざ萎ませにいく営業は、お客様にとってマイナスでしかありません。
買ったばかりだから大丈夫。これは当たり前の状況です。洗濯機買ったばかりの人にそれすぐ壊れるかもしれないからと新しい洗濯機を勧めたところで、買いたいと思う人はいません。
まず相手の決断したことを尊重するようにしましょう。
OKトーク例
「こちらのご提案のタイミングが遅くなってしまい申し訳ございません。今回お使いいただく商品が上手くいくことがベストだと思いますので、時期を改めてこちらからまた連絡させていただければと思います。もし、不明点や比較したいことがありましたら是非ご一報いただければ嬉しいです。ただ、知らない会社にいきなり連絡するのは難しいかと思いますので、一度弊社がどんな会社で何をやっているのか、ご紹介だけさせていただければと思いますので、お時間30分程いただけませんでしょうか」
今買うか買わないか迫るのではなく、今後何かあったときにお役に立てれば嬉しいという意思を伝えることが重要です。そもそも相手は判断材料を持っていない状態のため、意思決定は出来ません。
「今後何かあったときに私に相談したいと思ってくれる関係になりたいんです」このお断りフレーズについてはこういった方向からアプローチしていくようにしましょう。
テレアポお断り突破術④まとめ
ここまで具体的に解決してきました。
その中でも最も意識していただきたいポイントをまとめるとこのようになります。
- テレアポは相手にとって初めての電話。基本的に断りたいという前提をおさえる
- 誰が断っているのかに注意深くある
- 相手の言葉への感度をあげ、否定したりスルーしない。相手の言葉をしっかり聞き、受け入れたうえで会話をする
テレアポの上手さは切り返しの上手さではありません。しっかり会話が出来るかどうか、ここに尽きます。これらの点を意識いただきながら、テレアポ頑張っていただきたいと思います。応援しています!
▼テレアポの突破方についてはこちらでも解説しています。ご参考ください。
テレアポでアポを取りたい人が必ず言うべき言葉
【テレアポテクニックとコツ】営業代行会社がやっているテレアポテクニック
▼動画でも解説しています。他にも役立つ情報を発信していますので、是非見てくださいね!
(6) 【テレアポ攻略】8つのお断り突破のコツ – YouTube
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。