私の会社は営業代行会社です。新規開拓営業の仕組みづくり・代行をメインの生業にしている会社です。
営業ハックで行なっている新規開拓営業のやり方は色々あります。
- 問い合わせフォーム営業
- メール営業
- テレアポ
- 飛び込み営業
- SNS営業(Facebook・Twitter 等)
- Q&Aサイト活用
- FAX営業
- Web営業
などなどあります。
今回はこの中の「問い合わせフォーム」を活用した営業についてお伝えしたいと思います。
目次
Web上でのプッシュ型営業が問い合わせフォームのアプローチ
営業にはプル型とプッシュ型のアプローチがあります。
▼プッシュ型営業とプル型営業の違いについて、詳しくはこちら
【リード獲得とは】17のリード獲得方法と正しいリード獲得方法の選び方
新規顧客獲得の施策としてはどちらかをやれば良いというわけではなく、どちらの施策も組み合わせてアプローチすることが求められます。プル型の営業は仕組みづくりが必要で、ある程度の期間がないとできません。一方のプッシュ型営業は今からでもすぐにスタートはできます。
ただこれまでの営業をそのまま踏襲していたり、営業の企画力がないものの営業人員や営業力がある会社は、気合いと根性でテレアポや飛び込みばかりにKPIが設定されがちです。
しかし、プッシュ型の営業は飛び込み・テレアポだけでなく、Web上でできるプッシュ型アプローチが問い合わせフォームのアプローチなのです。
▼新規開拓について、こちらもご参考にどうぞ!
新規開拓営業が難しい理由を理論と実務ベースで考えてみた
問い合わせフォームの営業の効率的
私が過去に人材系の商材でアプローチをした際の結果はこちらです。
営業手法 | アポ確率 | 1時間辺りのアプローチ数 |
問い合わせフォーム営業 | 10% | 40件 |
テレアポ | 3% | 25件 |
メール営業 | 0.5% | 1万件(システムを利用) |
FAX DM | 0.3% | 1,000件(業者に依頼) |
表をみていただいてわかる通り、圧倒的に反応率が高いことがわかります。また1時間辺りのアプローチもテレアポよりも高いです。
メールは1回文章を作り、配信システムを活用すれば、1万件以上送ることは可能です。しかし、システムの利用料金とそもそもメールアドレスをどう取得するか、という点が一番大きな問題になります。すでに名刺を抱えているという場合であれば、どんどん活用すべきです。
FAX DMも1回資料を作ってしまえば、非常に楽なアプローチですが、その資料を作ることの工数やWebではないため改善検証のし辛さがネックです。
このような数字をみても、問い合わせフォームの営業が効率的なことがわかります。
また、実は最近私が扱う商材で問い合わせフォームへのアプローチを行なっていました。すると返信率が12%、しかもそのうちの半数が社長か取締役でした。メールと違い、問い合わせフォームからの連絡は取材依頼や顧客からの問い合わせも多いため、上層部もチェックしていることが多いのです。
そもそも問い合わせフォームからの営業はOKなの?
問い合わせフォームにもいくつか種類があります。
- 総合(全ての問い合わせ)
- 採用(転職希望者や学生向け)
- 顧客向け
- 注文窓口
- 相談窓口(カスタマーサポート)
- アライアンス・代理店向け
当然ながら、その種類によっては問い合わせフォームからの営業は控えるべきです。
その理由は大きく2つ。
担当者にアプローチできる確率が低い
先ほど私が問い合わせフォームからアプローチをした際、取締役以上の役職者からの返信が多かったという話をしました。しかし問い合わせフォームが目的ごとに分けられている場合は、当然問い合わせフォームごとに担当者もしくは部署共有のメールアドレスに問い合わせがあった旨の通知が入っている可能性が高いです。つまり、営業を行うにあたっては、担当者に繋がる可能性が著しく落ちてしまいます。
クレームになりやすい
もう1つの大きな問題が、そもそも役割分担されている問い合わせフォームは、問い合わせるべき人が決まっている問い合わせフォームということになります。これは該当者以外の問い合わせを受けた際、しかも営業とわかった際にクレームになりやすいリスクがあります。
クレームが来ればまだ良いですが、ほとんど無視されることが多い上に、相手からみた時に自社の印象が悪くなるというリスクもはらんでいます。
そもそも問い合わせフォームの仕組みはどうなっているの?
この画像は、このページの問い合わせフォームの作成画面です。
問い合わせフォームを作るときは、様々なソフトを使ったり、私のようにサイトのプラットフォーム(私はWordPress)にプラグインなどで機能を追加して実施するケースが多いです。
問い合わせフォームには、「名前」や「連絡先」などの登録項目をつけて、自動返信メールや登録完了後のお礼メッセージなどが設定できます。ご存知かもしれませんが、問い合わせフォームからメールがすぐに帰ってくる「ご登録ありがとうございました」「後日担当者から連絡いたします」などは、自動返信でメールが飛んでいる場合がほとんどです。
さらに、そのメールと同時に社内の担当者に問い合わせがあった旨が、これも自動で連絡が行っていることが多いです。
問い合わせフォームから送るべき内容とは?
問い合わせフォームから送るべき内容は大きく3つあります。
・自己紹介:何をしている会社か、何者なのか
・意図:連絡をした理由
・要望:求めるアクション
1つずつ見ていきましょう。
簡単な自己紹介
当然こちらから一方的に連絡を入れているため、相手はこちらのことを知りません。なので、当たり前ですが、自己紹介が必要です。
ポイントは”簡単な”です。つまり、詳しく事細かな自己紹介はここでは不要ということです。まだ相手は問い合わせをしてきたあなたにそこまで興味を持っていません。なので、行数でいけば3~5行ぐらいで十分です。
ただお伝えした通り、相手はまだあなたに興味を持っていない、もしくは仕事の問い合わせと思ったら営業だったとがっかりしている可能性もあります。そのため、相手が興味を持ってくれるような文章があるとなお良いです。
興味を持ってくれやすいポイントとしては、「数字」「共通点」「苦労話」などがあります。
数字
- 社員数1,000人の会社で営業成績トップでした
- 営業コミュニティを運営し、現在2,000人弱のメルマガ読者がおります
- 半年でクライアントの売上の半分を、営業代行の私が作りました
- 現在、1社の会社役員・5社の営業部長を務めています
上記は実際に私がメッセージを送る時に使ったことのある文例です。
数字を使うときは「実績」と「期間」を示すと、より数字のインパクトが示せます。
共通点
これは相手と自分の共通点を示す時に使います。
- 人材会社のアプローチ:元々前職がネオキャリアという人材会社でした
- 開発会社のアプローチ:これまで5社以上の開発会社の営業をお手伝いしてきました
- 理念共感:貴社の理念である〜〜を拝見し、非常に共感しご連絡させていただきました
- プライベート:Facebookでお子さんの写真を拝見し、私も子供がおりますので、是非情報交換できたらと思い、ご連絡いたしました
実際に経験があることを示したり、考え方や個人的に共通点を示すことができれば、相手との距離は近くなります。
苦労話・失敗話
自分の苦労話や失敗話をすることは、自分が知られたくないことを開示しているということです。こういったことをしっかりと伝えることは相手との距離を近づけてくれます。
- 売りたくないものを売る、という経験から、病んだ経験があり、今では自分が納得いくものだけを営業しております
- 新卒の頃はとにかく気合いと根性で、毎日20時間近く働いていたので、体力には自信があります笑
意図
少しでも自分のことを理解してもらえたら、次はこちらが連絡をした理由を伝えます。ここもダラダラと長文で書く必要はありません。逆に長すぎると結局何が言いたいのかわからない文章になってしまうことが多々あります。
実際、私のホームページにも問い合わせメールは毎日のようにきますが、長い文章ほど「だから何?」とイライラすることも多いです。笑
変に隠そうとせず、ストレートに伝えた方が相手にも伝わるものです。
営業提案
貴社のホームページを拝見し、弊社では〜〜(サービス名)という取り組みを行なっており、貴社のお力になれるのではないかと思い、ご連絡いたしました。
アライアンスの打診
本日貴社のホームページを拝見したところ、弊社サービスとの親和性が非常に高いのではないかと思い、今回ご連絡させていただきました。
アポイントの打診
弊社では貴社と同業他社のお手伝いをさせていただいており、貴社のお力にもなれると考え、一度ご挨拶の機会をいただきたく、ご連絡いたしました。
要望
最後に伝えるべきは、この問い合わせに対してどういったリアクションを求めているのかです。
「返信が欲しいのか」「アポイントの候補日が欲しいのか」「とりあえず資料を見て欲しいのか」など、こちら側が相手にやって欲しいアクションをしっかりと伝えましょう。「問い合わせてるんだから、返信が欲しいに決まってるじゃん」と相手に察してもらうことを求めるのはNGです。
また、相手に配慮しすぎて、「よろしければ」「ご都合あえば」「お時間あれば」などの「たら・れば」で打診をする人がいますが、これもNGです。自分が相手に動いて欲しい気持ちをしっかりと伝えましょう。
下記は文例です。
- 貴社とはこれから良いおつきあいをしたいと強く思っておりますので、ご返信のほど何卒よろしくお願いいたします。
- 候補日をいただければ、貴社にお伺いさせていただきます。是非情報交換の機会をいただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
問い合わせフォームのアプローチは一言を添えるだけで反応が変わる
人は”特別感”のあるものには反応しますが、「これ、全員に同じ連絡をしてるんだろうな」と思われた時一気に反応が落ちます。
これは、問い合わせフォームの文面がコピペだなと思われたら、反応が大きく落ちるということです。コピペと思われるパターンはいくつかあります。
- 企業名や名前が間違っている
- 日にちがずれている
- 文章に感情がない
上記2つはケアレスミスですが、「文章に感情がない」は致命的です。これを解消するコツが、一言ホームページやネットでも良いので、調べた情報を入れることです。
返信率16%、アポ率60%の問い合わせフォーム文面
お世話になっております。
営業代行を行なっております営業ハックの笹田と申します。突然のご連絡、ご容赦ください。
簡単に自己紹介をさせていただきますと
私は前職がネオキャリアで3年間個人事業主として
人材業界の案件を中心に営業代行を行い
今年の4月に株式会社営業ハックを設立いたしました。お伝えしました通り、元々人材業界に身を置き
独立してからは「採用学研究所」のサポートなども行い
これまで採用に関する分野で仕事をしてまいりました。そこで今回、お願いがございます。
貴社を弊社クライアントにご紹介させていただけないかと思っております。
私は様々なパートナー企業様に採用支援の提案を行っておりますが
現在扱っている商材だけでは、クライアント企業様のニーズに
お応えできないケースが増えてきております。これまでのセミナーや営業の取り組みを通し
人事担当者のアプローチ先が1万社を超えており
多様化するニーズや期待に応えるべく
今回、ご連絡させていただきました。ゆくゆくは営業ハックでは、「採用支援会社のHUB」となるべく
勉強会やコンテンツ配信なども定期的に行なっていく予定です。先行して行なっております勉強会では
100人以上の新卒採用担当者を集めたセミナーや
ここ最近では毎週開催している人事セミナーで
席数が満席となり、3回連続で増席するなど
問い合わせ・アプローチ先は日々増えております。詳細は下記にまとめましたので、ご覧いただければと存じます。
http://sales-ureru.com/service-menu/adoption-support/ご興味を持っていただけるようであれば
上記Webページか、メールにてご連絡いただけますと幸いです。また、私が個人的に営業職向けのコミュニティの運営をしており
現在50人を超えるメンバーがおります。
転職の相談も多く、よければこの点もご相談させてください。ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
問い合わせフォームアプローチのチェックポイント
問い合わせフォームに送る文章とリストができても、送り方を間違えてしまうと成果が出ません。そこで問い合わせフォームからアプローチする際のチェックポイントをまとめておきます。
- 送信先のチェック
- 文面のチェック(誤字・脱字・前回送信文面の修正など)
- 連絡先の確認(こちらのメールアドレス・電話番号)
送り先を間違えないこと、誤字脱字や文章の修正漏れを徹底することは当然のことですが、意外と間違いがちなのが、自分の連絡先を間違えてしまうことです。
相手が話を聞きたいと思っても、連絡先が間違っていたらそこから話は進みません。先方も自分で相手のことを調べてまで話を聞こうとするケースは稀なので、しっかりと確認してください。
問い合わせフォームのアプローチを効率化する方法
問い合わせフォーム営業のデメリットは、1アクション=1アプローチという点です。メールはソフトを使えば、1アクションで数千件のアプローチも可能ですが、問い合わせフォームのアプローチは1件1件送らなければなりません。
では、どうすればアプローチの母数を増やせるのか。そのポイントは「業務の外注化」です。外注化できるポイントは全部で5つ。
- メール文章の作成
- リスト作成
- 送信対応
- 問い合わせ対応
- 検証・改善
外注することでコストはかかりますが、自分の時間は作れます。費用対効果を見ながら、外部への依頼もうまく活用できると良いですね。
営業は投資対効果で考える
営業は限られた時間の中でいかに成果を出すかが求められます。
寝る間も惜しんで結果を出す、というのはやろうと思えば簡単にできます。私が新卒の頃はそんな働き方で営業トップになりました。しかし、そんな働き方・動き方は継続できません。
やり方を工夫し、効率的に成果を出すための方法を柔軟に考えられるようになれば、営業がもっと楽しくなるはずです。その選択肢の1つが問い合わせフォームのアプローチでした。自身の営業で使えそうであれば、是非活用して見てください。
▼YouTubeでも発信しています。
他にも有益な情報発信を続けておりますので、見てくださいね。
【気合と根性はNG】新規開拓営業をするなら知っておくべき9個のポイント – YouTube
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。