昨日は「経営戦略と人生戦略を重なり合わせろ」がテーマだったのですが伝わりましたかね?結局、目指すべき方向性の重なりが大きいほど頑張れるし、仕事も楽しくなるはずなんです。どんなに知識があっても、経験があっても、最後は”楽しんで仕事ができる人”には勝てないと私は思っているので。
では今日のテーマですが、昨日お伝えした「市場価値」についてです。
昔話からさせてください。
会社人の前に社会人たれ
私が新卒で入った会社は「社会人1年目のうちは大学の同期や社外の人と会うときは上司に報告必須」という環境でした。社会人3年目になったとき、当時の担当上司に「何であんなルールあるんですか?」と聞いたら、「社外の人と話したらうちの会社の異様さに気づいてやめちゃうからだよ」と言われたことを鮮明に覚えています。
ある種の洗脳に近い形なわけですが、ここで大事なポイントは「自分の評価場所をどこで捉えるか」という点です。今自分が所属している会社が全てであればそれでOKです。決して悪いことではありません。
例えば野球選手が超一流の野球選手になりたいと考えるのは、自分の評価場所を”野球”で捉えているということなので当たり前です。しかし、ビジネスパーソンとしてもっと上を目指すのであれば、”野球”ではなく”スポーツ”と捉えた方が良いこともあります。また一流のスポーツ選手は”ヒト”としての価値、アスリートとして子供やメディアに注目される”ヒト”としての評価を大事にされていますよね。
プロ野球の野村克也元監督はこのような言葉を残しています。
野球人たる前に社会人たれ
これは自分の市場・マーケットを拡大して捉えている良い例です。我々も同じでその会社の一員の前に「社会人」でなければいけないと私は考えています。
市場価値の”市場”をあなたはどう捉えるか?
自分の市場をどう捉えますか?
私は学生時代飛び込み営業のインターンシップをやった経験があります。紆余曲折ありましたが、そこでトップの成績を残すことができました。そこで自信満々に次の職場に選んだのは人材会社のテレアポ。「飛び込みでうまくいったんだからテレアポなんか簡単にできる」と意気揚々と臨んだら、なんと2ヶ月で2アポ。クビになりました。
自分はそこで営業の世界は自分の見えていない世界ややり方がたくさんあることをそこで学びました(当時は不貞腐れて、3ヶ月ぐらい営業をやらなかったですが笑)。
ただ市場・マーケットは広いです。営業も分解しようと思うと、様々な切り口があります。
- 法人営業or個人営業
- 大手営業(エンタープライズ営業)or中小企業(SMB(スモールトゥミディアムビジネス)営業)
- ルート営業・既存顧客向け営業or新規開拓営業
- PUSH型セールスorPULL型セールス
- インサイドセールスorフィールドセールスorカスタマーサクセス
- 有形商材or無形商材
- オフライン営業orオンライン営業
他にも業種やエリアなどの切り口も考えられます。
営業と言えば「ゴリゴリ電話をかけて頭を下げる仕事」というのは、法人営業で中小企業向けの新規開拓営業です。
営業と言えば「接待や会食を重ねる仕事」というのは、法人・個人営業でも単価が高く、継続的な取引が中心の営業です。
営業のイメージはとかくマイナスに思われがちですが、営業のイメージは全ての営業に起こることではありません。むしろ、自分がどの営業をやるのか、どのスタイルの営業を選ぶのかで、同じ営業でも全く違うことをすることになります。
この中で今後市場価値が上がる営業は下記3つの条件を満たす営業です。
- 法人営業
- 無形商材
- 高単価
この詳しい話は、下記動画でもじっくりさせてもらっています。
市場価値は需要と供給のバランスで決まる
市場価値の高い人材は「必要だけどできる人材が少ない分野」に該当する人材です。
能力や経験が高い=市場価値が高いと言われがちですが、「できる人が他にもたくさんいる」「これから必要性が低い仕事」だと市場価値は上がりません。
市場価値を高めるポイントは2つです。
- ニーズの高いor高くなる仕事をする
- 自分にしかできない仕事を作る(ポジションの確立)
営業は「AIや機械でなくなる仕事」という記事やニュースが出たことがあります。ダイヤモンドオンラインで掲載された「機械が奪う職業ランキング」では4位に「セールスマン」が入っています。
機械が奪う職業ランキング(米国)の上位15位を抜粋。
- 小売店販売員
- 会計士
- 一番事務員
- セールスマン
- 一般秘書
- 飲食カウンター接客係
- 商店レジ打ち係や切符販売員
- 箱詰め積み降ろしなどの作業員
- 帳簿係などの金融取引記録保全員
- 大型トラック・ローリー車の運転手
- コールセンター案内係
- 乗用車・タクシー・バンの運転手
- 中央官庁職員など上級公務員
- 調理人(料理人の下で働く人)
- ビル管理人
このようなニュースが出ても、私は営業は無くならないと言い切っています。それは
営業の本質はコミュニケーションであり
人を動かすことだから
そもそも営業は会話することが仕事です。会話の先に問題解決や課題の提案があります。人は感情で動く生き物です。最も人の感情を動かすことができるのは、また理解できるのは、そして理解してもらえた・会話ができたことで満足できる対象は今なお人です。だからこそ、営業という仕事はなくならないと私は考えています。
一方で矛盾するようなことを言いますが、ただ営業職はどんどん減ります。従来のようなテレアポや飛び込み営業を主とした営業や会食や接待を重ねる営業は、今回の新型のコロナウイルスの影響もあり、どんどん減ります。またネット社会・オンライン社会の浸透により、営業の働き方も大きく変わりました。
実際に下記のダイヤモンドオンラインで掲載された下記画像をご覧ください。
営業職はどんどん減っています。だからこそ、ホンモノの営業ができる人は市場価値が上がります。
今、求められる市場価値の高い営業とは何か?
今、営業に求められていることは何か?あえて抽象的な表現をすれば
突破力
です。開拓力と呼んでも良いかもしれません。今営業は仕組み化・分業化・チーム化が主流になってきています。今はトップセールスを育てることよりも、チームとして売れる組織を作ることに比重が置かれやすい時代になりました。
しかし、そのような時代の中でも「あのなかなか開拓できなかったお客様を開拓してきた」「なかなか新規受注がもらえなかったお客様から案件をいただいた」「誰が追加提案しても開拓できなかった別部署から受注をいただいた」などは、いつの時代も求められていますし、こういった営業ができる営業、つまり売上や案件を自ら作り出せる営業はどこの会社でもやはり重宝されます。
営業が分業化された時代だからこそ0→1(ゼロイチ)で案件・関係を作れる営業はやっぱり強いです。また実際にやるかやらないかは別としても、最後”なんとかできる営業”はいつの時代も求められています。「これから営業でキャリアを積んでいきたい」「これからも営業として頑張っていきたい」と思っている方は、プレイヤー・マネジャーのポジションに関係なく、「突破力」が自分の市場価値をあげるということを是非覚えておいてください。
また営業の仕組み化・分業化・チーム化という前提の上で営業に求められているスキルがもう1つあります。
言語化力
つまり、感覚で終わらせるのではなく、言葉で説明できるスキルが求められています。今までは「自分が売れていれば良かった」「マネジメントも量を追わせれば良かった」という時代が事実ありました。しかし、現代は商材が増え、情報が増え、営業の難易度が跳ね上がっています。闇雲にただ量をこなせば、追わせれば自動で成果が出る時代は終わりました。ちゃんと言葉で説明できることが求められる時代になりました。また営業のオンライン化がさらにこの言葉での説明スキル・提案スキルの重要性を高めました。なぜなら従来の「とりあえず訪問」というスタイルの営業が回せなくなったからです。感覚派・感情派の営業には辛い時代ですが、嘆いてばかりでは仕方がありません。今の自分にできることを着実に積み上げていくことが大切です。
ということで今日はこの辺で締めたいと思います。明日は最終回です。明日は「今転職すべきか否か」のチェックポイントをお伝えします。先に言っておきますが、営業ハックは転職エージェントとしての機能も持っていますが、人によって「転職すべきではない」と伝えることも多々あります。なので、明日の記事はよくある転職アフィリエイトサイトのように「転職しましょう」的な既定路線の話ではなく、客観的にどうすべきかを考える視点をお伝えしたいと思っているので、最後までお付き合いください。