【気合と根性はNG】新規開拓営業において知っておくべき9個のコツ

今回は新規開拓営業がテーマです。

多くの人が新規開拓営業は辛いものだと感じています。昔は気合と根性でなんとかしろと言われることも多く、もしかすると未だにそういった指導をしている会社もあるかもしれません。ただ、その根性論。もう通用しないです。

とあるデータによると、新規開拓営業に困っている会社は全体の約55%であるという結果が出ています。新型コロナウィルスの影響や、ウクライナとロシアの関係の影響などにより変化を余儀なくされた会社もあっての結果でしょう。

新規開拓営業と言えば、

  • テレアポ
  • 飛び込み

こういったプッシュ型営業をイメージされる方も多いでしょう。ローラー作戦の印象が強いかもしれません。ただ、新規開拓営業において、気合や根性、行動量といった曖昧なもので関係を構築していこうとするのはナンセンスです。そこで今回は、気合と根性に頼らない、新規開拓営業のポイントについて解説していきたいと思います。お付き合いくださると嬉しいです!

新規開拓営業を成功させる9個のコツ

では早速まとめていきます。コツは9個。いずれも私が数多くの企業様の営業支援をしていく中で見つけたポイントです。

新規開拓営業を成功させるコツ①売る相手を間違えない

新規開拓営業についての大前提。それは、「売り込みをする」ということです。自分のことを全く知らない、商品のことを全く知らない相手に対して、しっかり売り込みをしなければ、相手は買うか買わないかの判断がそもそも出来ません。

ただ、いきなり商品を売り込んだところで「要らない」と言われてしまうのは必然です。なぜなら、個人営業であれ法人営業であれ、基本的に相手は既に生活や仕事が回っている状態だからです。知らない人から得体の知れない商品をお金を出して買うなんて博打のようなことはしたくない人が殆どだと思います。

そのため、まずはこの商品を売り込んでいるのは、あなたに役立つという自信や根拠に基づいたものであるということを伝える必要があります。

そして売り込みをすることとセットで前提となるのが、売る相手を間違えないということです。

ついやってしまいがちなNG行動に、「会える人に会う」ということが挙げられます。以前私は新規開拓営業専門の部署にいたことがありました。そこで一緒になったとあるメンバーはいつも忙しそうにしていました。それにも関わらず、彼の受注数は伸びません。それはなぜか。「アポをくれそうな人に電話をかけ、誰でも会ってくれる人に会っていた」からです。勿論人と会わなければ営業は出来ません。ただ、自分の扱う商材を求めている相手もしくはいつか求めるであろう相手に営業をかけなければ、どんなに頑張ったところで成果が出ないのは必然です。

新規開拓営業を成功させるためには、必要な人に売ることが重要です。必要ない人にも強引に売り込もうとすると押し売りになってしまいます。

今会っている人が、必要としている人なのか。お金を払ってでも問題解決したいと考えている人なのか見極める必要があるということです。

新規開拓営業を成功させるコツ②継続的なアプローチ

営業ハックではテレアポ代行も事業として行っていますが、1回の電話でアポイントをいただけるケースは稀です。

  1. メールを送る
  2. 電話を架けるも不在
  3. 担当者情報や戻り時間を聞く
  4. 担当者に繋がるも、アポイントは断られる
  5. 資料送付を代わりに承諾いただく
  6. その後も架電して、アポイントをいただく

こんな流れが積み重なり、最終的にアポイントをいただけるケースも多いです。全体の風潮として、1社からアポイントをいただくために、5~10回電話を架けるといったケースが増えてきています。

つまり、1度の電話で全て何とかしようとすることは非常に難易度が高いです。継続的なアプローチを積み重ねて、「怪しい人じゃないし、この人だったら会ってもいいかな」と相手に思ってもらえてからアポイント打診する方が、新規開拓の場において効果が高いと言えます。

アポイントをいただくということは、相手の時間を自分のために割いてもらう行為です。他にもやるべき仕事が相手にはあるでしょう。その手をわざわざストップして、営業のために時間を空けてもらうのです。新規開拓の営業においてこの点を忘れてはいけません。

現代の人は時間に追われているという感覚を強く持っています。そのため、時間を取られる行為には抵抗感を感じることが多いです。知らない人に時間を割きたくないと考えるのも必然でしょう。つまり、「時間を割いてこの人の話を聞いてみよう」と思ってもらわなければ、アポイントはいただけません。そして、そういった信頼関係を築くには、継続的にコミュニケーションをとっていくのが最も効果的であると言えます。

新規開拓営業を成功させるコツ③リプレイス営業

リプレイスの意識を前提に置く。これはつまり、「相手は既に他社製品を使っており、そのやり方で現時点相手は困っていない」という意識を持つと言うことです。

SaaS系の商材の一番の敵は、「Excel」であると言われることがあります。こんな断り文句を言われることも多いです。

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その新サービスを導入したらもっと便利にはなるのは分かるけど、Excelでもなんとか現状回せているから大丈夫

つまり、「今使っているもので仕事が回っているのは承知していますが、自分の提案したものに切り替えませんか?」というスタンスが重要になります。

リプレイスを前提にしない営業は、例えば以下のような単語を使って商品の説明をしなければなりません。

  • 画期的な商品
  • 他社製品にはない機能

数多くの商品がある現代において、ニッチなニーズをついた、独自性を持った商材を作ることが出来たというのは素晴らしい視点です。ただ、この話を聞いたとき、お客様はこのように感じてしまう可能性が高くなります。

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独自の機能があるのは分かったけど、お金払ってまで欲しい機能かは別の話だな……

会社のお金も個人のお金も、貴重な資産であり、無駄に使いたくないと考える人が殆どです。その商材を使えば便利だということには納得してもらえても、その商材を現状から追加して使うことには抵抗を示す人が多くいるということを忘れてはいけません。現状相手の仕事が回っている状態なら尚更です。

つまり、「相手が今何を使って仕事を回しているのか」このポイントを意識しなければ、売ることは出来ません。お金を払ってでも必要だと思ってもらうことで、その商品を売ることが可能になります。相手が現在使っているツールやサービスを踏まえて、そこから乗り換えてもらえるように営業していく意識が必要です。

新規開拓営業を成功させるコツ④最初は嫌われているという前提を持つ

「新規開拓営業の対応するのが大好きです!」という人は殆どいません。なぜなら、昔と比べて現代は、「何とかなる世の中」だからです。わざわざ新しい提案を受けなくても、今間に合っているから対応する必要がないと考える人は多いでしょう。それだけでなく、押し売りや買うまで帰らない、延々と商品の説明をする、電話でもアポ打診だけひたすらしてくるなどというネガティブな印象を多くの人は営業に対して持っています。そのため、受付の方は個人情報を教えてくれないのです。言葉を選ばずに言うなら、

「新規開拓なんてめんどくさっ!」

こう思われてしまっているという意識を持たなければいけません。正直これは、昔の営業がそういった強引な売り方をしていたのは事実なので、仕方がないです。

この前提を踏まえて、ネガティブなイメージを払拭していく必要があります。そのために出来ることは、「共感」です。相手に負担をかけてしまっていることや、営業対応は面倒くさいという相手の気持ちに共感の意を示すことが重要です。

「正直営業の対応なんて面倒くさいですよね。ご負担かけてしまってすみません」

このように共感した後に、そのうえで、それ以上に相手の役に立てるお話を持ってきたということを伝えましょう。まず、相手のネガティブな気持ちを上回れるほどの情報を持っているかどうか整理することが大切です。

また、ネガティブな気持ちはどうしても態度に出るものです。相手が低いテンションで露骨に嫌悪感を示すことも少なくありません。ただ、それにつられて自分もテンションを下げてしまうことは望ましくありません。お互いに嫌悪感やネガティブな状態で会話したところで、そこからのどんでん返しは絶対にないからです。

相手のネガティブな気持ちには付き合わず、それを上回る熱量を伝えなければ受注は取れないということを意識する必要があります。

新規開拓営業を成功させるコツ⑤自分は他社よりも相手のことを知らない前提をおさえる

新規開拓営業とは、言い換えればまだ取引がない状態の相手に営業をしにいくと言えます。既に他社と取引が相手にある状態なら、遅れをとっている状態です。つまり、競合他社の方が相手のことを知っており、相手に合わせた提案を出来るのは必然なのです。

自分が新規開拓営業をしているときは、「自分は仮説に基づいて提案している」ということを忘れてはいけません。あくまで仮説です。

「多分この状況だと推察したので、この商品があなたにとって役立つと思って営業しにきました」というスタンスになります。そのため、勿論相手の状況が実際に違うこともあるでしょう。自分は仮説に基づいて動いているということを意識しなければ、それは思い込みになってしまいます。そうなると、思い込みから勝手な提案をし続けてしまうことに繋がるのです。それでは競合他社に追いつくことは出来ません。

自分は競合他社より情報を持っていないという意識があれば、自然とリサーチも丁寧に行うようになります。初対面の相手に何の情報や準備もせずに営業をかけたところで、上手くプレゼンが出来ないのは必然です。

相手を理解しているから、良い提案が生まれるのです。営業がすべき話は自分が話したい話ではありません。相手が求めている話です。

新規開拓営業を成功させるコツ⑥入口によって関わり方を変える

  • インバウンド
  • アウトバウンド

この2つの単語を聞いたことはあるでしょうか。営業においてインバウンドとは、問い合わせや資料ダウンロード等、相手から求められた接点のことを、アウトバウンドとは自分から接点を作りに行くことを表します。

インバウンドの営業であれば、お客様が何を課題としていて、何を求めているのかは比較的容易につかむことが出来ます。お客様がダウンロードした資料や、問い合わせの文面等を活用できるからです。

ただ、アウトバウンドの場合はお客様が求めているものを知らない状態です。この、入口が変われば伝えるべき情報や話の内容が変わってくる点をおさえておく必要があります。インバウンドであれば、お客様がその商材に興味を示していることが前提にあるので、会話を進めやすいでしょう。一方アウトバウンドではお客様から営業への信頼を勝ち得るところから会話がスタートします。

こういった違いがあるため、インバウンドとアウトバウンドによって数字の確率も変わってくる点も忘れてはいけません。インバウンドのアポイント取得率が15%だった場合、新規のテレアポのアポイント取得率は必ずその確率より低くなります。どんなに良くてもアポイント取得率は3~5%でしょう。

営業に詳しくない立場の方は、この2つを同等に考え、同等の成果を求める場合がありますが、はっきり言ってそれは不可能です。営業は「必要としている人に売る」という、誰に売るか見極めることが最も重要です。相手が必要としていることが分かっているインバウンドの場合、反応率は高くなる傾向にあります。アウトバウンドではなかなかそうはいきません。

ただ、アウトバウンドには「自分が狙った相手に売ることが出来る」というメリットもあります。それぞれのバランスを大切にしながら、決して同等に考えるのではなく、2つをはっきりと区別して考えるようにしましょう。

新規開拓営業を成功させるコツ⑦複数の出会い方を活用する

新規開拓=飛び込み営業、テレアポ

こういったイメージをお持ちの方は多いと思います。ただ、実際にはもっと数多くの手法を活用できることをおさえておきましょう。

  • メール
  • 問い合わせフォーム
  • オンラインセミナー
  • 手紙
  • FAX
  • Webサイト
  • SNS
  • YouTube

全国的に幅広く営業している場合、インターネットを使ったインバウンドの新規開拓は非常に効果的です。ただ、「○○県の○○地域」や、「○○地域の○○業の会社から問い合わせが欲しい」と言ったピンポイントな営業であれば、テレアポや飛び込みの方が効果的になることが多いです。

つまり、

  1. ターゲットはどんな人
  2. ターゲットはどれくらいの人数
  3. ターゲットにどんな営業をかけたいか

この3つを意識して営業の手法を選んでいった方が、成果は出しやすくなります。とりあえずテレアポ、とりあえず飛び込みをしようという考えは止めた方がいいです。「今の時代はWeb広告だよね」等とそれだけに囚われた考えは危険だということを念頭に置きましょう。

新規開拓営業を成功させるコツ⑧タイミング命

営業をする上で、タイミングは何よりも重要です。例えば、洗濯機がちょうど壊れた人と、昨日洗濯機を買ったばかりの人がいたとしましょう。洗濯機を売りたいとき、買ってくれる可能性が高いのは明らかに前者であることが分かると思います。このように、必要となるタイミングでなければ、商品を売ることは非常に難しいです。

ただ、タイミングをただ待っていたとしてもなかなか都合よくやってはきません。そこで、必要になるタイミングの時期確認をしましょう。また、その必要なタイミングを作り出すコミュニケーションをとることも必要です。

繰り返しですが、現代は今あるもので何とかなっている時代です。その中で、このお客様はいつこの商品が必要になるのか、いつ買い替えるのか、今売り込んだら他社の商品からこちらに乗り換えてくれそうな時期かといったことを見極めることが重要になります。そのためには、リサーチと継続的なコミュニケーションが必須です。

新規開拓営業を成功させるコツ⑨見込み数以上の受注はないことを意識する

見込み客10社で、受注数は100件。こんな事態はありえません。見込み客の数をちゃんと確保しておくようにしましょう。営業は畑に例えられるかもしれません。10個の種を畑にまいたとしましょう。そこから何個の作物が収穫可能でしょうか。言わずもがな、最高で10個です。増してや、肥料や水、日光等長期的な世話が求められます。万全を期したとしても何個かは枯れてしまうこともあるでしょう。

つまり、自分の営業の成功率を大体計算して、そこから受注数の目標に見合うように見込み客を作っていくことが重要だと言うことです。10社のうち2社から受注がいただけている状態で、目標受注数が10社なら、見込み客は50件必要になります。こういった逆算をして考える習慣、意識いただきたいポイントです。

▼新規開拓営業における関係構築の仕方についてはこちらで詳しく解説しています!

【新規開拓営業の極意】新規受注率を上げる人間関係構築のコツ

新規開拓営業を成功させるコツまとめ

今回の内容をまとめると以下のようになります。

しっかりやれば、新規開拓営業でも成果を出すことは可能です。ただ、闇雲にやっていると結果が出るのが先延ばしになっていきます。一つ一つやるべきことを見定めていく意識を持つことが、成果を出す近道です。

今後の参考になれば幸いです。応援しています!

▼動画でも解説しています。他にも役立つ情報を発信していますので、是非見てくださいね!

【気合と根性はNG】新規開拓営業をするなら知っておくべき9個のポイント

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