はじめに
今、弊社はいくつかの人材系企業の営業代行をしていて、月間トータル300アポを獲得できています。500アポを超える月もあります。当然ながら私一人でやっているわけではありません。弊社のメンバーが電話をかけたり、リサーチや分析をしたり、レポートをまとめてお客様とコミュニケーションを取ったり、要するに再現性のある状態が作れているのです。
先に言っておきますが、裏技などありません。やるべきことを正しくやっていく、というのが私のもっとも伝えたいメッセージです。私が営業支援や代行をする際には、クライアントにひたすらそう伝えています。当たり前のことをきちんとやっていくことがとにかく大事です。本当にそこに尽きると思っています。
ただ、正しいやり方とは何なのか、正しい営業とは何なのか、ということがなかなか見つけられないということはあるでしょう。そこで、弊社の膨大な営業アプローチ、毎月2万~4万コールした中での検証実験の結果をご説明します。
アウトバウンド営業の5原則
今回のテーマは「人材業界のアウトバウンドノウハウ」ですが、人材業界の話をする前に、アウトバウンド営業について確認しておきます。アウトバウンドにはテレアポ、飛び込み、FAXのDM送付、手紙の送付等、様々な手段があります。
では、「アウトバウンド営業の5原則」をご紹介します。
1. 大前提は「相手はこの連絡を求めていない」を忘れない
最初に押さえておくべき大前提、それは、「この連絡をお客さんは待っていない」ということです。これがアウトバウンド営業のスタート地点です。インバウンドはお客様のほうからやってくる営業活動ですが、アウトバウンドはこちらが起点になってアプローチする営業手法です。起点が我々であるということは、狙ったお客さんに狙ったアプローチができるというメリットがあるものの、デメリットは「待たれてない」ということです。このことを忘れないでください。
2. 業種・地域によって“価値観”が異なる
我々が支援している会社は業種、地域がバラバラです。仕事を通じて痛感することは、業種や地域によって本当に価値観が異なることです。価値観とは判断基準であり、優先順位の付け方、リスクの捉え方等です。このような相手の前提を受け入れた上でアプローチをしていかないと、提案が「刺さりません」。
3. ターゲットによって“触れている情報”は異なる
人が触れている情報は、相手によって違います。日常的に触れている情報が違っていれば、価値観も変わります。ですから営業のアプローチも変えなればなりません。
4. 仮説は仮説に過ぎない。仮説の固執は首を絞めるだけ
仮説は大事ですが、あくまで仮説です。仮説への固執は自分の首を絞めるだけです。アウトバウンドはお客様からの連絡を待たなくとも営業ができます。今日努力すれば、時間さえあれば、アプローチの母数は担保できます。だからこそ頑張った分を無駄にしないために、PDCAの検証改善のサイクルを早く回さなければならないということです。
5. 解析度をあげられていなければ、ターゲットとは言えない
解析度を上げていなければターゲットとは言えません。「アポが取れたから良いお客様」、「売上受注をもらえたから素敵なお客様」といった結果論ではダメです。誰を狙って営業するのか、アプローチするのかを明確にすることが重要です。「営業先はIT業界で、会社名は〇〇株式会社」というように、顧客に靄がかかったような状態ではなく、明確に「あの会社」と言える状態で営業することが基本です。これらが、アウトバウンド営業の5原則です。
4つの仮説
では、この原則を前提として、日々の活動はどうすれば良いのか。
4つの仮説を用意しました。
1. 地域によってアポイント獲得率に差が出やすい
私は学生時代、全国のバイク屋さんにテレマ営業のバイトをしていたことがあります。「バイクの買取りサイトに掲載しませんか」とひたすら電話をかけるのですが、反響が良かったのは石川県と新潟県でした。悪かったのは大阪府です。石川も新潟も大阪も、私には縁もゆかりもありません。自分の話し方や雰囲気によって相性の合う・合わないがあったということです。
2.挨拶トークにて初回コール時アポ率が高い
私の経験上、人材営業はタイミングが非常に重要です。特に、初回のアプローチが大事だということを強く意識しています。具体的には、アプローチの時期です。ご挨拶をさせていただくならお盆休み前とか、年度始めであれば新年度、一番早くご挨拶したかったので、「なぜ今このタイミングでご挨拶の電話をしたのか」を大事にしています。
3.2回目コール時の接触率が低い
2回目のコールの接触率が大きく下がる傾向は、過去のデータから分かっています。したがって、2回、3回と連絡をして繋がる確率をいかに作っていくかを考える必要があります。
4.担当者名特定リストのアポ率が高い
派遣担当、人事担当の方の氏名が分かっているとアポ獲得率は大きくアップします。担当者の方々の氏名の回収率がアポ獲得において重要度が高いという点も営業活動の中で検証済みです。
地域・業種で反応ワードが変わる
さて、どちらのアポ獲得率が高いと思いますか?
「はじめまして。お世話になっております。テレワークの笹田でございます。ぜひ採用の件でお話しさせていただきたくお電話いたしました。採用のご相談でお願いいたします」。
同じ商材で別の言い方をします。
「はじめまして。お世話になっております。テレワークの笹田でございます。ぜひ派遣の件でお話しさせていただきたくお電話いたしました。派遣のご相談でお願いいたします」。
どちらのアポ獲得率が高かったでしょうか。これは実に面白い結果が出ています。「採用」という言葉でアプローチをした時は、東日本エリアのアポ獲得率が高かったのです。一方で、「派遣」という言葉でアプローチをしたときは、西日本の方が高いという結果が出ました。
非常に面白い結果ですが、電話で話していることは全く同じです。細かく見れば、派遣の営業の中でも福岡と広島ならば広島は「採用」の方が良いという傾向がありました。もちろん時期的、季節的な要因もあれば、営業代行なので名乗っている会社の名前や印象、ブランディングの違いも影響している可能性はあります。しかし、こちらの言っていることはシンプルで、詰まるところ「人を紹介させてください」です。それでも地域、業種で反応するワードが変わってくるのです。
同じことを言っているのに、相手の受ける印象が変わる言葉があります。今、自分たちの会社の商材はお客さんにどのような印象を持たれているのか、先ほどの場合でいけば、「派遣」という言葉を聞いた瞬間にお客様が「もういいです」となってしまうのが、「採用」という切り口にしたらOKになった。不思議ですね。皆さんの営業活動においても、どのような言葉を使うのかはぜひ意識していただきたいところです。
地域・業種で反応ワードが変わる。これは、絶対に押さえておくべきポイントです。同じことを伝えたくても、相手の印象や気持ちにポジティブ・ネガティブとも刺さる言葉は異なります。この点を知っていれば、営業の仕方も変わってくるはずです。トークスクリプトをガラッと変えるよりもアプローチするワードを細かく検証し、改善する。いわば採用アプローチのハッキングとしてご紹介させていただきました。
リストが枯渇するという問題
次に、地域性の分析です。
弊社が営業代行をさせていただく中でも、最初は都道府県単位、その後はより細かく市町村単位で情報の分類をします。通知や書簡の回収をして、数字だけではなく稼働してくれているメンバーの声も収集します。そうやって数値と現場の温度感を確認しながら、どのトーク、どのアプローチ、どのタイミングで何を言うというところまでスクリプトに反映させながらアプローチします。
また、お客様から「300アポ、500アポを作って」と要望された場合、アポ率は概ね2%から3%、調子が良い時で 5%あたりがホールドリストアウトバウンド営業の限界なので、2万~3万コールを掛ける必要があります。したがって、継続的に300アポ以上取っていこうとするとリストが枯渇するという問題が発生します。つまり、営業先がなくなるということです。
「営業先がなくなる」問題を解消するためにやらなければならないことはシンプルです。アポイントがまだいただけていないお客様に対しても継続的なアプローチをしていけばいいのです。いわゆる追客のアプローチができる環境を作っていく必要があります。では、追客できるようにするためには何をしなければいけないのでしょうか。それは、先ほどご紹介した「担当者の氏名や戻り時間を聞いて関係を構築すること」です。
勘違いされる方が多いのですが、こちらから情報提供すれば営業先と仲良くなれると思われがちです。関係構築のコツは2つあります。1つは、受付の方との関係を前に進めていくこと。2つ目が、担当の方との関係を前に進めていくことです。
テレアポする人の間で「受付ブロック」と呼ばれる表現があります。これは受付の方にお断りをされて担当者に接触できないケースです。だからと言って、受付の方との関係を前進させるために情報をお伝えしたところで、その方は派遣や採用の担当ではない可能性が高いでしょう。では、その方との関係を良くするにはどうすれば良いのか。
担当の方に繋いでほしいならば、ご氏名を聞きましょう。「派遣採用ご担当の佐藤様のお名前を伺っておりまして、お電話いたしました」といえば、受付の方も無碍にできません。あるいは「午前中にお電話して、14時頃お戻りと伺いましたので再度お電話いたしました」と言われれば、取り次がなければ悪いと思うでしょう。
受付の方とのコミュニケーションは、「取り次がないとまずいかもしれない」と思ってもらえるように、相手の情報を得ることが基本です。「教える」とか「伝える」ではなく、相手の情報を一つでもいいから回収してください。
エリアの特性を考慮する
では、次にエリアにおけるアプローチを考えましょう。実際には、東日本も西日本も同じような形でエリアを絞ります。当然といえば当然ですが、成果が出やすいエリアに絞り込んでいくことで、反響が一気に上がるからです。
派遣、アルバイト、パートのような非正規の雇用を考えると、それを求めるのは人の出入りが激しい業界と言えます。そこは、それだけ人材業界、人材ビジネスのビジネスチャンスが多いわけです。人が退職すれば、補充、採用しなければならない必要が生じます。ポイントは、そのタイミングでいかにアプローチができるかという点、そして、人の出入りは集中しやすい時期や地域性に左右されるということです。
たとえば、北海道や沖縄のようなところで人を採用したい時期、地域のお祭りやイベント、風習、習慣、慣習といった要素も影響するので、「今、このタイミングで反応が良いところ」にアプローチをかけることが重要です。したがって、一時的にそのエリアを攻めて成果があったのであれば、次は違うエリアにピボットしていく、つまり軸足を固定しつつ少しずつ片足をずらしていくアプローチをすると、引き続き、継続的に成果が出やすい状態が作れます。
地域、業種の特性もしっかり意識していきましょう。北海道は冬に採用が積極化する傾向がありました。接触率は特性の部分になりますが、首都圏は接触率が著しく低くなりがちです。これは、企業が代行サービスを使っているケースが多いからです。
また、派遣のアプローチで地方の工場に電話をかけた際、「派遣の採用担当の方」と言っても繋いでくれないことがありました。それは、採用を担当しているのが工場長や支店長の場合が多かったからです。そこで、「工場長様はいらっしゃいますか」「支店長はいらっしゃいますか」という形で丁寧にアプローチをしたところ、話せる確率は上がりました。誰と、いつ、何をテーマでお話をしたいのか、このことを強く意識する必要があるとうことを、ここで確認しておきます。
ポイントをまとめると、時期や企業によって反響は大きく変わるということです。同じトークを同じように、同じ場所で伝えたところで同じ反響が得られるとは限りません。地域を変えると、同じことを話しているのにアポ率が低いということがあります。先ほど私の学生時代のバイトの例でもあったように、同じ人が同じ日に同じトークをしているにも関わらず、石川県が好調で大阪府はアポ0件といったことが起こるのです。
自分たちが営業をかけている商材のターゲットは、本当に今このタイミングで営業をかけて良いのかどうか。なぜ今なのかを答えられるようにリサーチをして、アプローチをかけるべきと言えるでしょう。
担当者と話せるかどうかで勝負が決まる
次のポイントです。担当者と話せるかどうか、勝負はここで決まります。我々が営業、テレアポをしていく中で、一つの勝負契約アクションと言えるものが、担当者との接触率でした。担当者10人と話せれば最低1件のアポイントが生まれます。つまり、担当者との打ち合わせは、会話ができればアポ獲得率10%という数字が出たわけです。
全ての月ではなく概ね全体の平均値ですが、テレアポしていく中で、やはり受付で電話が止まってしまうケースが非常に多いということが課題の一つとしてありました。そこで、我々が徹底したアクションの一つがこちらです。
1日2コールアクションの実施、つまり同じところに1日2回電話をかけます。当日追客コールの強化ということで、架電をした事実を残して、当日中に再度電話かけました。「午前中にお電話して不在でした。午後にはお戻りですか?15時頃再度お電話かけさせていただいてもよろしいでしょうか?」と、お伝えすると結構成功しました。「では、お待ちしております」と言ってもらえるのです。
受付の方との電話の中で、「15時に戻られますか。では改めてご迷惑にならないようにご担当者様のお名前を教えていただいていいですか?」「今ご対応いただきました方のお名前を頂戴してもよろしいでしょうか?」このようにして相手の情報をもらってください。特に受付の方との会話は、そのようにして相手の情報をもらった上で、2回目の電話で「15 時にお戻りと伺いましたのでお電話させていただきました。先ほど吉田様からお名前をお教えいただきまして、派遣の採用のご担当が佐藤様と伺っております。お取次をお願いいたします」と言われると 取り次がないわけにいきません。
相手はテレアポなど待っていません。待たれていないという前提で考えたときに、やらなければいけないことは何なのか。「待っていましたよね」ではなく、「伺ったのでお取り次ぎください」。相手の反応は「仕方ないな、取り次いでやろう」でOKです。
継続アプローチ先の見極め
では、次のアクションについて説明します。リサーチコールということで、先ほどお伝えしたように、担当者との接触率をいかに上げていくかが重要です。その中で、継続的にアプローチできる先を確定させていくということです。「担当者名の獲得」は当然重要です。次に「派遣利用実績」です。派遣であれば派遣サービスの利用実績、求人媒体の利用実績、他の人材紹介の利用実績、実際に使っていましたか?使った経験はありますか?といったことを人材ビジネスにおいては特に意識してください。その理由は、初めて人材会社を使う会社は非常に少ないからです。求人媒体に載せたことがない、人材派遣や人材紹介を1 回も使ったことがない会社が初めて人材会社の活用にチャレンジするというケースはめったにありません。
したがって、これは営業の種類で言えばリプレイス営業です。アプローチするなら「他社でうまくいかなかったかもしれませんが、弊社を使ってください」「現在他社さんを使っているかもしれませんが、更なる成果、良い成果を出しましたのでうちを使ってください」「うちに変えませんか?」もしくは「うちを使っていただいて他社さんのシェアを少し小さくしてもらえませんか?」といった言葉が浮かびます。
もちろんそんなに露骨な営業はしませんが、意識としてリプレイスはそういったものです。「稼働人数」とは、実際の人材会社の方の言葉です。稼働人数、採用人数といった形で、今何人欲しいのか、どれぐらい使いたいのかを見極めていく必要があります。
人材ビジネスは、「人」が商品です。そこで、今どれくらいの人数を派遣サービスで使っているのかを確認しておく必要があります。先ほど説明したように、利用ゼロから人材サービスを使う企業は非常に少ないと言えます。
差別化が難しい人材ビジネスにおいて、人材会社を利用しようとする会社はやはり大手に流れがちです。大手人材会社は新卒を毎年100人、200人、300人と採用して、4月、5月、6月に新人たちが一斉に飛び出していくわけです。そういったことができる超大手の人材会社に中堅や中小が勝とうと思ったなら、「少しうちにシェアをください」という形でアプローチの幅を広げていく必要があります。
そのようにして、自分たちが営業するべき相手か否かを判断していく。まずこちらが情報収集する。そして、お客様に収集した情報をお伝えしていく。つまり、私たちはお客様の情報収集を代行しているのです。お客様の代わりに情報を整理して、判断できる基準を伝えて、やはりここでやった方がいいですよ、という決定の支援をしていく。営業の仕事はあくまで決断の手助けです。そして、人材ビジネスにおいて特に非正規の雇用・採用のお手伝いであれば、チャンスはたくさんあります。ニーズが発生した時に「あなたにお願いしたい」と思ってもらえる関わり方ができているかどうか。採用したい時にだけ「そろそろ採用じゃないですかね」的なアプローチをしても通用しません。継続的に決断しやすいシーンを作りながら、お客様との関係を前に進めていきましょう。
そして、人によってコミュニケーションが取りやすい手段が違います。アプローチの方法として、電話、SMS、メールといった手段があります。このコミュニケーションを継続して重ねていきましょう。ここで大事なポイントは、単に電話すれば良い、というわけではないということです。SNSを使うのも有りです。お手紙を使うのも有りです。ホームページでお問い合わせをするというのも有りでしょう。電話が嫌いな人もいます。様々なコミュニケーション手段を駆使しながら、相手が話しやすいコミュニケーションツールを選ぶことが重要です。
アポ獲得のための具体的なトーク内容
切り返しよりも日程打診率にこだわる
切り返しトークにものすごくこだわる会社があります。それと同じように日程打診率にもこだわってください。切り返しを何度しても会話は続きません。お客様自身は切り返して欲しいわけがなくて、電話が切りたいからお断りしています。「切りたい気持ち」に対して「そんなことなくてですね」みたいなことを言われてもうんざりするだけです。「ぜひ会ってください、お願いします」と伝える方が、お客様の満足度も貢献度も上がります。
お断りの大半は「何となく」
では、営業マンは何をするべきか。お断りされる理由として多いのはどちらだと思いますか。まず心理的なお断りです。
「営業ハックの笹田でございます。ぜひ御社にご紹介したい方がおりまして、お電話させていただきました。来週月曜日か火曜日にぜひお打合せのお時間をいただけないでしょうか。よろしくお願いいたします」。
これに対して「別にいらないかな、何となく」というのが心理的なお断りです。
論理的なお断りは、「現在うちは10人採用しなければいけないところを5人しか採用ができていない。しかし~~~という事情があるから、今人材会社と打ち合わせをする必要はない」といった理屈や数字から判断しているものです。しかし、このように論理的にお断りしている方がテレアポでどれだけいるでしょうか。大半がなんとなくお断りしているのです。
通話時間は4分
なんとなく、感覚、印象、雰囲気で「まあいいかな、とりあえず大丈夫」。こういったお断りが非常に多いと言えます。これは、弊社が直近いただいた429件のアポイントを分析した結果です。電話をかけてアポイントをいただいて日程、住所など全ての確認も行ってなおかつ、受付の方に取り次いでもらうための会話まで含めて時間を計ると平均4分22秒、中央値は3分59 秒でした。つまり、4分あれば電話をかけてアポイントをいただき、日程、住所、諸々の確認まで全て完了できるということです。これは非常に重要な事実です。
4分でそれほどの会話はできません。4分以上になると、今度はアポイントの獲得率が落ちるということが分かりました。なぜ獲得率が落ちるのか?おそらく電話でいろいろ話しを聞いてしまったから会う必要がないと思われるのではないでしょうか。「なんかもうお腹いっぱいで満足です」「もう十分かな」と思われて、しかしその話は全然記憶に残っていない。「とりあえず大丈夫な気がします」という形で切られてしまう。
テレアポで伝えるべきは4つ
したがって、「4分で電話を終える意識」が大事になります。その4分間のテレアポで伝えるべきことは4つです。理由、熱量、感謝、日時です。私はあなたに会いたい、なぜならば。表面的な言葉ではなく確かな理由を伝えること。そして一所懸命だという熱量を感じてもらうこと。次に感謝。「ありがとうございます」と、きちんと言いましょう。最後に日時。クローズドクエスチョンの2択で選んでいただくのが王道です。「ご都合いかがですか」という聞き方は、日時を聞いてはいるものの提示をしていません。アポの日時は提示することが基本です。このアプローチならば4分で電話を終えることができます。通話時間は4分に抑える。このことは肝に銘じてください。
営業ハックのテレアポ3か条
以下は、営業ハックのテレアポ3ヵ条です。
一、「ありがとう」を1回の電話で3回言う。
一、「よろしければ」は禁止、「是非お願いします」と会いたい気持ちを伝える。
一、日程提示を1回のコールで3回伝える。
これらを目標として伝えています。1 回のコールです。これが弊社に入社した方にまず教える架電のコツです。これで良いのです。切り返し、商材の理解ももちろんします。それらも重要ですが、それよりもこの3ヵ条を実践したほうが決定したほうがアポ率は上がります。それは、弊社メンバーが証明してくれています。
弊社のメンバーは、入社初日からアポを取ってくれます。商材をレクチャーして、ロープレを簡単にやって、「では午後から電話かけてみましょう」でアポを取ってくれる。今日また一名入社してくれたのですが、アポを3件取ってくれました。
商材を詳細まで理解しなくても良いという話ではありません。一定の理解はもちろん必要ですが、まず、マストでやらなければいけないことはこの3つです。声を大にして言いたいところなので、まとめます。
通話時間は4分に抑えましょう。そして、採用活動中の企業をターゲットにしましょう。まだ採用活動をしていない会社にアプローチした方が成果が上がると思う人が結構います。今採用活動をしていないのには理由があるということを忘れていませんか?採用ニーズがないから採用活動をしていないのです。だから、今やらなければいけないことは、今採用活動で動いている会社にアプローチをしていくということです。
そこで、商品を訴求するよりも、「あなたが今困っていることを実現できます」「今の会社から切り替えませんか」「今の会社でやっていることを無駄にしないためにも、ぜひ我々を並行して使いませんか」、ということに意識を向けたアプローチをぜひ心がけていただきたいと思います。
人材営業アプローチにおけるキーアクション
するべきことは、「商品いいでしょう?」ではなくニーズの訴求です。「今困っていることについて我々にお手伝いさせてください」「解決させてください」という提案をしてください。
人材営業におけるアプローチのキーアクションをあげました。
1. 担当者名の獲得
何度も繰り返しますが、これは非常に重要です。担当者と話せれば10分の1の確率でアポイントがいただけます。逆に言えばアポが取れないのは担当者と話せていない可能性が非常に高いと言えます。
2. 継続接触の可否
継続的に接触できる状態を作ってください。それは、タイミングビジネスだからです。今、このタイミングでニーズはないとしても、今日この電話が終わった後、その方の管理セクションでコロナ感染者が出るかもしれません。あるいは急に退職者が出てしまった。派遣のスタッフが「もう来ない」と言い始めた。そのようなことが起こる可能性があります。困った時に思い出してもらえるかどうか、継続接触のメリットはニーズが発生しているタイミングで声をかけてたまたまチャンスをものにできるということと、実はもう1点あります。お客様から声をかけてもらえるということです。したがって、お客様の記憶に残るアプローチを普段からする必要があります。そのタイミング、その都度でのお客さんの状況を確認しながら、「いつも声かけてくれるけれど、これできる?」というような声をかけてもらえるアプローチはできていますか?「いつもお世話になってます。最近採用のご状況はいかがですか?充足されてますか。わかりました。またご連絡させてください」こんな電話でお客様に覚えられるわけがありません。自分は何ができるのか、今何がしたいのか。なぜ私はあなたのお手伝いをしたいのか、ということを常に常に常に伝えてください。
3. 活用実績の有無
実績ゼロの会社よりも、すでに使っている会社、リプレイス営業の方が決まる確率は高いと言えます。なぜなら、採用はお金をかけなくてもできるからです。実際、弊社の採用はお金をかけていません。メルマガ、ブログ、SNS、無料のen-gage、AirWork、Indeed、無料掲載だけです。それだけで毎月5人から10人ぐらい採用できていますし、直近20名程度の応募をいただけています。弊社の採用率は50%もありません。20~30%程度で厳選採用しています。
このように無料で採用しようと思えばできる土壌や環境があります。しかしながら、それだけの根回しとか種を作るとか種を蒔いていくということは非常に大変です。だからこそ企業はお金を払って時間を買っている、すなわち採用にお金を使っているのです。
弊社は無料でも採用できていますが、多くの会社でそれは難しいというのが大前提です。したがって、この難しさを解消するのが人材会社であり、お金をいただいて採用の支援をする、人をご紹介するということだと思っています。お金を払ってでも必要だ、という価値やニーズを感じているお客様が、他社を使っているという実績があるわけです。
「うちはハローワークだけでいいです」といったお断りをされたことがある方はいるでしょう。なぜなのか、無料だからでしょう。「無料だからそれでいい」で終わるのではなく、採用活動にはお金を払う価値や意味があるということを理解してもらうアプローチをする。あわせて、すでに理解がある方に営業する。この点は非常に大事だということが3つ目のポイントでした。
4.取引実績の有無
過去の取引実績を確認してください。取引実績は貴社の別拠点でも構いません。別拠点でも「過去にやり取りがありました」というだけでお客様の安心感は全く変わります。ですから、まず取引実績がないかというところから確認してアプローチしてください。
今のこの世の中、人手不足ではない会社の方が少ないのが現実です。いい人がいたら採用したいと思っている会社がたくさんあります。だからこそ、営業先に「私は御社のお役に立てます。良い人をご紹介できます」としっかり言い切って伝えるべきです。ぜひタイミングを見計らって、タイミングを作っていく意識で、そしてタイミングを逃さない意識で、良きアプローチ、営業をかけることを期待します。
今回ご紹介したデータは、実際に営業代行の支援をしている複数のお客様の実績を統合して出した数字なので、再現性が高いはずです。
質疑応答
初めての接点を作るためのアポ取得方法として効果を高く見込めるかと思います。CRM的に何度も接点を作っていけば受注確度は高いかと思いますが、リードタイムがとても長くなる印象を持ちました。長い目で勝利を見込んだ長期戦を受け入れることから始める戦略なのでしょうか?
これは商材やビジネスモデルによって変わってきます。たとえば、新卒の採用支援は年間1回のイベントです。その1回のイベントは長いのですが、年に1回のイベントというところから予算の使い方や金額感が決まってしまいます。この点においては商材によってリードタイムの変更点は変わってきます。
逆に、前述した非正規型の雇用や採用であれば、今日はニーズがなくとも明日ニーズが生まれている可能性もあります。継続的なコミュニケーション、アプローチをしていくことにおいては、リードタイムの長短といったところにあまり関係はありません。
継続的なコミュニケーションは、取りこぼしをなくすという意味で意識してください。「気付いたら他社で決まっていた」といったことがないようにコミュニケーションを重ねていく必要があります。リードタイムを短くしたいならば、「こんなことができます」と、お客様のニーズをこちらから作っていく意識でコミュニケーションすると良いのではないでしょうか。
テレアポ前にどれくらいの時間をかけて準備をしていますか?
弊社の場合、出稿している求人媒体やWebサイトの情報の確認で基本的にはとどめています。前述のように、担当者との接触率が10~20%なので、会社のことを細かく知る、というよりもニーズ訴求を重視しています。「御社にこの方をご紹介できます」「こういった方のお手伝いができるのでぜひ」ということを伝えられれば良いので、調べる時間は短くしてとにかく架電数を増やすことに注力するべきかと思います。
月に300アポというのは実際に何名で架電した結果なのでしょうか?
弊社の場合、1日2時間の時短勤務の方がいればフルタイムの方もいるという点がイレギュラーではありますが、メンバーの総数は50人~60人くらいです。ただし、これは全員が全員その人材会社の案件を持っているのではなく他社の案件も持っています。意識しているのは、「その人しかアポが取れない」という状態を作らないようにしているところです。
毎月300アポ獲得するために1日何社に電話をかけていますか?
これもまちまちです。何社と言われると難しい部分があります。前述のように1社に2コール、3コールかける場合があるからです。今、アポ率が2%~3%なので、トータルで約2万コールから2万5000コールというところでしょうか。会社数というよりコール数、1社に対して複数回のアプローチをしていくというのが、我々のアプローチです。現在のトレンドとしては、1アポをいただくのに時間がかかる傾向があります。
皆さんの1日の平均コール数は出しているのでしょうか?
メンバーによってまちまちですが、今弊社のメンバーが目指しているのは1時間あたり10~15コールです。当然1件の電話で話し込めば所要時間が長くなり架電数は減り、逆に繋がらない、お話できないならば短くなり架電数は増えます。よって、まずは12コールを目標として設定しています。
私がテレアポする場合、1時間で30~40 コールかけられます。そうやってバリバリバリバリ電話をかけまくるのですが、それを再現するのは難しいのでメンバーの1時間あたりの目標を12 コールとしています。
休眠顧客への有効なアプローチはありますか?
休眠顧客のアプローチは、基本的に情報提供です。情報提供でわざわざ連絡しましたという形で受け入れてもらいやすいのは、ウェビナーやセミナーの告知は非常に反響が高いと言えます。「御社に特別にご紹介したくて電話しました」といった電話をするためには、新商品のリリースやウェビナーが適しているので、ぜひ企画してください。
実績がない新規事業の場合、どのような営業が効果的でしょうか?数値的な説明がまだできない場合です。プレスリリース等、いろいろなツールはありますが…。
基本的に過去の実績がなくて訴求が難しいという場合であれば、表現は雑かもしれませんが、気合いと根性でやっていくしかないと思います。ターゲットの企業にもよりますが、テレアポとの相性は比較的良いと思います。なぜなら、関心を持つ企業はテキストのコミュニケーションやネット上のコンテンツでは物足りない、客観的な情報や根拠が欲しいとなる可能性が高いからです。「とりあえず会ってみたい」という心理を一番作りやすいのがテレアポなので、ここでプッシュ型のアプローチは決して悪くない選択肢の一つと言えます。
リストが枯渇しないために、どのようにリストを準備されていますか?
基本的に、やはり有料でリストを準備しなければ数が足りなくなります。2万コールもかけると電話する先がなくなるという問題が起こるので、実践するべきことはアプローチ先を大量に確保できる状態を作り、しかるべき準備をしておく。継続的にアプローチができる状態を作っておく。訴求できる商材を複数準備しておく。アポ打診、ウェビナー案内、資料のご案内といった形で、いくつか同じ商材ジャンルでご紹介できるものを準備しておくことも意識してください。
PDCAを回すタイミングはどのようにしていますか?
今、弊社はデイリーでレポートをまとめています。1日単位ですが、改善という目線で100~200コールを目安に、期間というよりはコール数で反響を確認するのが良いと思います。
笹田さんは1時間に30コールするとのことでしたが、最高で1時間に何アポ取れましたか?
確か8アポであったと記憶しています。
コールセンターを運営しています。アポ率3%を出していくために教育面で気をつけることはありますか?
商材の理解にこだわりすぎないことだと思います。繰り返しになりますが、アウトバウンドのコールセンターであれば、丁寧な切り返しを磨くというよりも「ありがとう」、「日程提示」、「是非お願いします」、この3つを言い切れているかどうか。あとは長電話になりすぎていないか確認すると良いでしょう。長電話は余計なことを話している可能性が高いので、いかに端的に短く3つのポイント伝え切れているかどうか、この点を検証改善してください。
定期的に何回くらいウェビナーを開催すれば商談アポまで取れるようになりますか?
アポとウェビナーの回数はあまり関係ないと思います。ポイントは、タイミングが適切に作れているかどうか、ウェビナーの内容が会いたくなるコンテンツになっているかどうか。1回でアポが取れるケースがあれば10回やってもダメということもあるでしょう。どちらかというと、ウェビナーのテーマが自分たちの狙った「会いたい企業」への訴求になっているかどうかを意識すると良いと思います。私もセミナーに様々なタイトルを付けていますが、例えば、「トークスクリプトセミナー」とするとプレイヤーの方に多く参加いただけますが、マネージャーや経営者の方向けのご支援内容が多いので、参加者の満足度が上がらない可能性があります。したがって、繰り返し何回やるかというよりも、テーマが自分の会いたい人に合致しているかどうかを確認すると良いのではないでしょうか。
▼営業リスト作りで行き詰っている方に!
【成果の前提はリスト作成にある】営業効率を決めるリストアップ
▼受付ブロックを突破したい方に!
【アポ率アップ】テレアポ受付突破率をあげる4つのコツ
【営業ノウハウ集】たった1週間で 常に3ヶ月先の売上を確保する営業方法
営業マンとして成長する最も効果的な方法は 「できる営業マンの真似をする」ことです。
しかし、自分の周りを見たときに 素晴らしい営業マンがいなかったり他社の営業マンの良いところを 学んだりできないので営業マンとしての成長が遅れてしまうのです。
あなたが営業としてもっと成果を出したければ
自分だけでやろうとすれば 成果を出すのに、時間が掛かります。
だからこそ、先人の営業を真似ることで 2倍も3倍も成果を早く出すことができます。
成長することもできるのです。
そうなりたいという想いを持っていただいたあなたに大学の頃から営業を始め 今では、営業代行として独立し
100以上の商材を営業してきたノウハウを全てまとめた
「たった1週間で常に3ヶ月先の売上を確保する営業方法」
こちらを是非受講してみてください!
実際に営業コンサルでお伝えたところ
最短3日間で受注を獲得した人
売上目標が未達がなくなった人
等など…多くの人が成果を出してくれている営業メソッドです。
下の登録フォームに
「今すぐ受け取れるメールアドレス」
を入力し 受講してください。
メール講座ももちろん無料ですが 受講いただいた方には合わせて
ノウハウ&事例集を 無料プレゼントさせていただきます。
LINEでの受講を希望される方は↓こちらから
LINEでも受講できます。 LINEならではの特典もあります。