たかがテレアポ、されどテレアポ。アポ率UPのために知っておいて欲しいテレアポ大全

「テレアポが辛い」
「全然アポが取れない」
「そもそもテレアポって古くない?」

もしこんな悩みや想いを抱えながら、日々の営業活動を頑張られているのであれば、私に時間をください。

先日Twitterでもこんなアンケートを取らせてもらいました。

私のTwitterは多くの方が営業を積極的にチャレンジされていて、PUSH型営業もゴリゴリやられている方が多いにも関わらず、「テレアポがそもそも嫌」という回答です。もっと一般的なアンケートを取れば、この比率はもっと上がるはずです。たまに、ごく稀に「テレアポ大好き」という方がいますが、これは完全にレアケースです笑

テレアポの歴史を調べてみると、もう30年近く行われている”古い”営業手法です。一方で、今なお多くの会社がテレアポで営業を行っているのも事実です。みんなが知っているテレビCMをバンバン打っているあの会社も、あの一部上場企業もまだテレアポをしているんです。

「え??問い合わせがバンバン来るから要らないでしょ?」

と思いますよね。私も昔そう思って、必死にWebマーケティングの勉強をしました。というよりも勉強しなければいけない環境に偶然身を置けたんです。社内ベンチャーで「Webマーケティング支援会社」にジョインし、副業でなぜマーケティングの勉強会を開き、極め付けはWebマーケティングのスタートアップのCOOまでしてしまったからです。

それでも今、私がやっている会社の事業は「営業代行」です。そして、その中心はテレアポやインサイドセールスの代行。つまり電話営業の代行を主に行っています。もっというと、私は大学生の頃、テレアポのバイト2ヶ月でクビになっています。2ヶ月で2アポしか取れなかったからです。さらにいうと、私はテレアポは好きか嫌いかで言えば嫌いです(言い過ぎました。好きではありません。テレアポの神様に見捨てないでください。)

けど、求められている成果・出すべき成果を出すために、最適な手段の1つだからこそ、このアプローチを活用しています。テレアポで悩んでいるあなたの一助になれたら嬉しいです。

あと大事なことなので先に書いておくと、私はテレアポはしなくて済むならなしで良いと思っています。その理由は現場の負担はやはり大きいからです。ごく稀にテレアポ大好き人間がいます。これはこれで素晴らしいことですし、素敵な特性です。「断られることが快感」「断られた分だけ成果に近づいていく」という考えや思考に至るまでに、たくさんのチャレンジをしてこられたはずです。その努力に敬意を表したいです。

けど多くの人が何十回、何百回も断られたら嫌になるのは当たり前です。私もこの感覚です。だからこそ、この記事は営業大好き人間じゃなくても、テレアポと向き合っていくヒントになればと思っています。

そもそもテレアポとは?

テレアポは字の通り、アポイントをいただくための手段です。

テレフォン:電話で
アポイント:アポをいただく

これがテレアポですよね。

またテレアポはPUSH(プッシュ)型営業の1つです。他には飛び込み営業もPUSH型営業の代表格です。PUSH型営業は「押し売りする」「無理やり売り込む営業」と思われがちですが、私が考えるPUSH型営業は関係を前に押し進める営業手法という定義をしています。

PULL(プル)型営業はお客様起点の営業手法です。一方、このPUSH型営業は営業が起点となり営業スタイルのため、営業する相手が現時点はニーズも興味も信用もないところからスタートします。しかし、PUSH型営業は潜在顧客へのアプローチができるように、火がないところに火を起こせる、しかも営業する側が数字をコントロールしやすい営業手法です。

「今月の売り上げが足りない」「あと受注1件で目標達成なのに」

こういった状況の時に成果をコントロールしやすいのがPUSH型営業です。それは成果=成約という営業のゴール(勘違いしてはいけないのは、お客さまにとってはここからがスタート)に向けて、自身の活動量で成果コントロールできるからです。成約とはお客様が「この営業ならお金を払っても良い、お金を預けても大丈夫」という一番高い信頼の証です。

この関係づくりを営業自ら、1人でも作り出すことができるのがPUSH型営業です。私も過去に最終営業日、ここで1件受注がいただけたら部署の営業目標達成という場面がありました。そこで無事に1件受注をいただくことができ、帰社したらヒーロー扱いでした。こういった経験をしてしまうと、「最後の最後まで粘ればなんとかなる」と思ってしまうのは当たり前です。笑

※ただこれは正しいマネジメントではないです。余裕を持ってとまでは言いませんが、前もって見込みを立てておくことが必要です。(PUSH方営業についてはPUSH型セールスの正しい始め方と回し方でも詳しくまとめています。)

ただGoogle先生にお伺いするとこんな検索ワードが出てきます。

「テレアポ 病む」「テレアポ 時代遅れ」「テレアポ うざい」

テレアポってそんなに悪い子なんでしょうか?ただこの検索結果が出てくる理由もわかります。

テレアポの成功=アポイントをいただける確率は新規営業の場合、1~3%を出せれば十分良い数字です。つまり、100回電話をかけて97~99回、ひどい時は100回全部がアポイントにならないことがあります。

99回のお断りの上に1件のアポイントがある

これがテレアポです。営業は99回断られる、もしくは不在や不通と会話もできないという状況が続くので「テレアポ 病む」や「テレアポ 辛い」という方が出るのは仕方がありません。また相手の立場からしても99人のお断りや不在、不通が発生します。自分に関係ない商材や提案であれば「テレアポ うざい」と思うのも当然のことです。

それでもなんでテレアポをするの?という問題について、ここから解説していきます。

テレアポのメリット・デメリット

ここからはテレアポのメリット・デメリットを整理しておきましょう。営業手法は多岐に渡ります(リード獲得手法の整理はこちらの「営業戦略を考える上で欠かせないリード獲得。リード獲得法の選び方と16の方法」をご活用ください)。

様々な手法の中で、テレアポを選ぶべきか否かを是非戦略的に判断してください。「とりあえずテレアポ」はお勧めしません。現場が疲弊するだけだからです。改めてテレアポのメリット・デメリットを整理してみてください。

テレアポのメリット

テレアポのメリットは「大量行動」「低コスト」「即効性」「顧客反応・声の獲得」「潜在顧客への訴求」です。1つずつみていきましょう。

テレアポのメリット①大量行動

1つ目はシンプルに短時間で大量行動ができる、大量アプローチができることです。私は1日MAX245コールしたことがあります(不在ばかりでしたが。。苦笑)

また私のところに営業相談をいただいた方は1日500コールを、しかも毎日していますという猛者がいました(ただこの500コールされていた方は結果が出なくて悩んでいた方でした。。私の怒りのYoutubeはこちらです笑)

つまり、短時間・短期間で相当数のアプローチを実施できる、これがテレアポのメリットの1つです。

テレアポのメリット②低コスト

テレアポは人と電話機さえあれば、営業をスタートできます。マーケティングは媒体の審査やコンテンツの準備、制作などに時間もコストもかかります。しかし、テレアポは繰り返しですが、人と電話機さえあれば営業を開始できてしまうのです。

このご時世の営業で絶対におすすめはしませんが、電話帳を上から下にとにかかくかけまくれば、営業活動自体はできるのがテレアポです。他の追加予算が不要なのもテレアポのメリットの1つですね。

テレアポのメリット③即効性

マーケティングとテレアポの違いは、リストの質の差にあります。下記の図を見てみてください。

Webマーケティングを含むマーケティング活動とはメディアや媒体、他イベント・展示会、DMなど、様々な手段を駆使し、リストを集める作業を行なっています、リスト=リード、つまり見込客を集めるアクションです。つまり、マーケティング主導のアプローチを行っている会社は見込客がいる状態で営業活動を行なっていると言えます。

かの有名なドラッガー氏も「マーケティングの理想は、販売を不要にすることである」と言っていますよね。つまり、最初の接点を持つ前にすでに買いたい状態を作っておく、もしくはそもそも会話なくとも売れる状態を作ることが理想ということです。

このアプローチは非常に理にかなっていて、海外の調査データでは営業に会う前に購買に至るまでの準備の半分以上を完了しているというデータもあります。(画像引用元:BtoBは商談前に勝負が決まっている? 営業が強い企業でもマーケティングが必要になる理由とは | SalesZine

他にも営業のあり方は変わってきていることは昭和・平成・令和の営業を考える 、こちらの記事も是非みてください。

メリットの話なのに脱線しましたが、現実はここにあります。しかし、それでもテレアポのメリットをここで主張するのは、マーケティングは仕組みづくりです。仕組みを作るためには時間をかけるか、コストをかけるかが不可欠です。

一方でテレアポは今からアプローチができ、最短で明日には受注がいただける可能性があります。どんな高額商材であってもです。自分の話す力でそのまま売上、成果につなげることができる、アポイントを今この時から作り出せるのはテレアポだけじゃなく、飛び込み営業なども含めたPUSH型営業のメリットです。

テレアポのメリット④顧客反応・声の獲得

またマーケティングでは難しいけど、テレアポなどのPUSH型営業だからこそできることの1つが、直接相手の反応を得られることも大きなメリットの1つです。

マーケティングももちろん反応が得られないわけではありません。特にWebマーケティングであれば、CTR(クリック率)、CVR(コンバージョン率)、他にも様々な指標で分解、分析することはできます。これは非常に重要です。むしろ数字検証をしないのであればマーケティングはしない方が良いです。

ビジネスの基本は良い打ち手を当てるかではなく、検証改善の上で良い打ち手をいかに打ち続けるかと、悪手からいかに早く撤退するかが大切です。そのためにこの検証アクションは不可欠です。

ただこれはテレアポにおいても同義です。後述しますが、テレアポでも検証改善できるのはトークだけではありません。タイミングやターゲット、訴求軸、前後のコミュニケーション活動など、複数あります。この数字的検証とあわせて、テレアポをやるのであれば絶対にやってほしいことが顧客の声・反応の収集です。

アポが取れた、取れないで一喜一憂するだけでなく、「このリストに」「このタイミングで」「この商品を」「この人が」「このキャッチコピーで」「この伝え方」で伝えるかの検証改善が不可欠です。そして、この検証改善に定量的検証だけでなく、定性的検証を加えることで、改善のヒントが転がっているということです。さらに、営業手法だけの検証改善ではなく、商品・サービス自体の検証改善にも大きく貢献します。

テレアポのメリット⑤潜在顧客への訴求

最後にテレアポ、飛び込み営業などのPUSH型営業のメリットは「潜在顧客への訴求」です。

そもそも顕在と潜在の違いを整理すると、この図で整理ができます。

ネットで検索したり、資料請求や問い合わせを相手が行っている状態は、ニーズがある程度顕在的になっていることがこの図からお分かりいただけると思います。自分の悩みや課題に気づいた人はこのご時世何をするのか。

検索

をしています。Googleで検索をする人が今まではほとんどでしたが、最近はTwitterやInstagram、Youtubeなど検索するツールも多様化していますが、検索するというアクションが多いです。もちろん、マーケティングでも潜在層へのアプローチはできます。ターゲットが見ているツールを想定し、アプローチをすることで訴求をしていきますが、潜在層への訴求力を高める一番の方法は「会話」です。

私はTikTokやYoutube、TwitterなどのSNSを運用していますが、コンテンツ消化速度が年々早まっているように感じています。長文や長いコンテンツをなかなかしっかりと読み込んでくれないのです。最近はYoutubeでもshortという1分前後の短いコンテンツの方が反応が良いのも1つのシグナルかと思います。

ただしっかりと情報を伝え切る、興味・関心を0から作り出す時、やはり一番効果的なのが「会話」です。「ちょっと聞いてみようかな」「それ面白そうだな」と思わせることができるのはやはり会話が一番強いと感じています(この「会話」までいくのが難しいのは事実ありますが。。)

「人の一歩目を踏み出させる」

その一つの手段となるのが、PUSH型営業ということです。

テレアポのメリットまとめ

テレアポのメリットを5つご紹介させてもらいました。ただ一番のメリットはPDCAを顧客の声や反応・数字に合わせて高速で回せること。テレアポにちょっとマーケティング思考を入れるだけで、営業や事業運営のヒントが溢れます。

テレアポのデメリット

テレアポのデメリットは純粋に「きつさ」があります。このキツさをもう少し分解していくと、テレアポのデメリットが見えてきます。

テレアポのデメリット①負担の大きさ

これがテレアポにおける最大のデメリットです。現場が疲弊して離れてしまう問題です。

ただテレアポってなぜ負担が大きいのか、ということをちゃんと整理すると解決できる部分があります。それは「テレアポは誰がやっているのか?」という視点です。多くの会社でテレアポを行う際、誰が行っているのか。

若手や新入社員

というケースは多いのではないでしょうか?これは仕方がない側面はあります。まだ自分で担当顧客を持っていないので、自分で顧客を作り出す必要があるので、自ら開拓して来いというのは理解できます。しかし、商品・サービスの理解がない、商品・サービスでの成功体験や納品実績がない中で、興味関心をまだ持っていない相手にアプローチをして、自分に会ってもらいたいと思われるのは難しいのは必然です。

新卒でテレアポをやっていて

「質問に答えられなかった。というよりも、そもそも質問の内容自体がわからなかった」
「興味はあると言われたんだけど、事例が伝えられずにとりあえず資料をと言われてしまった」
「なんでうちに電話したの?に即答できずに、怒られた」

これ全部、私の経験談です。そして、全ての原因は準備不足・経験不足が要因です。ただ準備不足と言っても、当時は何を準備すべきかがわからなかったので、総じて経験不足と言っても過言ではないと思っています。

実際、営業ハックの新卒で入ったメンバーはこれまでの慣習のように最初はテレアポからスタートしましたが、なかなか成果が出ませんでした。そこでカスタマーサクセスを経験してもらい、徐々に新規割合を増やした結果、どんどんアポもお客様からの信頼も積み上げられるようになりました。

テレアポで成果を出すためには

顧客理解×商品理解×テレアポスキル

で決まります。どれも0の新人、若手にいきなりテレアポをさせるのは、この式を見ても難しいのは必然です。この式から考えれば、すでにお客様の担当を経験した人がテレアポをするか、テレアポスキルに長けている人や業者にテレアポを依頼することが効率的ということがわかっていただけると思います。

またテレアポの辛さはマーケティングや戦略がないことが起因しているケースも多いです。テレアポは「今から営業活動を開始できる」というメリットがあるのは事実です。ただここはマネジメント側の思考停止・思考欠如のツケを現場に背負わせているだけです。

とある一部上場の人材会社は一昔前、テレビCMをバンバン打っていました。この会社で研修をさせてもらった時に「あれだけCMを打つと、求職者の応募がすごい多そうですね」というお話をさせてもらった際、「あのCM、実は求職者集めじゃないんですよ。テレビCMをバンバンやって、認知を上げて、営業をしやすくしているんです」という回答に私は「えっ?」と思ったことがありました。もう少し詳しく伺うと「あのテレビCMをやっている求人媒体です」というテレアポトークを作るためにCMを打っているということだったんです。

ザイオンス効果の1つに「人は知らない人やモノに対して警戒心を持ち、攻撃的な態度を取りやすい」というものがあります。ポイントは「知らない」です。であれば、この人材会社のようにテレビCM等で認知を上げるのも1つです。他にもマーケティング施策と連動を図ることで、効率=アポイントの獲得率が上がります。とある会社では新聞広告を出した日は、アポ率が2倍になったという話をしていました。

またテレアポにおける戦略も重要です。

「なぜこのターゲットなのか」
「なぜこのタイミングなのか」
「なぜこの商品なのか」
「なぜテレアポなのか」

戦略は「戦いを略する」と書きます。この”なぜ”をしっかりと考え設計することが重要なのです。

私は以前作ったテレアポの教科書でこんなメッセージを入れています。

戦略なきテレアポはストレスを生む
マーケティングなきテレアポは非効率を生む

テレアポのきつさは、手法そのものから生まれるきつさはもちろんですが、この思考=戦略とマーケティングがないという側面も大きいということです。

テレアポのデメリット②ブランディングリスク

テレアポのきつさについてお伝えをしてきましたが、テレアポがきつい・つらい要因には外的な要因があります。

それは「テレアポは迷惑」という世の中の認知です。つまり、どんな内容かどうかの前に「テレアポだからダメ」「テレアポだから嫌」という手法自体を否定されているということです。

結果、テレアポをすることで会社のブランドを損ねる可能性があるのも事実です。実際、最近は電話番号検索サイトがあり、テレアポを行っている会社の口コミ(悪評)が書かれているケースも多いです。例えば下記のようなサイト(日本、電話番号検索)です。

今は多くの人が知らない番号から電話がかかってくると、携帯電話の時はいきなり出ずに検索をしているケースが多いです。そのため、こういったサイトの情報を見て、折り返すか否かを判断されています。こういったサイトに載る場合、大抵がネガティブなコメントなので逆ブランディングになってしまう可能性があります。

テレアポのデメリット③クレームリスク

逆ブランディングと合わせて、営業する当事者として辛いのがクレームなどの叱責です。

テレアポは手法の特性上、相手から求められた電話ではありません。営業が営業したくて起こしているアクションなので、相手からすれば不必要なことがほとんどです。ましてや、同業他社だけでなく世の中の多くの会社が今なおテレアポをしている現実もあります。

実際、コロナになってからテレアポを活用している企業は増えました。

株式会社ベーシックが行ったBtoBアナログ営業とデジタル化に関する意識調査によると、テレアポの比率はコロナ以前と比較して10ポイント以上高くなりました。営業する側からすれば初めての会社・相手であっても、テレアポを受ける側からすれば「また営業の電話が掛かってきた」です。

テレアポのデメリット④アプローチ先減少リスク

最後はこちらです。ただこれはデメリットでもあり、メリットにもなりうる側面があります。

テレアポをすることでしっかりとお客様から白黒、つまり必要か不要かをハッキリしてもらえます。白黒はっきりしてもらえることは、営業がアプローチすべき相手に時間を集中できるメリットがあります。しかし、テレアポだけで判断をしてしまうのは危険ということです。

そもそも現代人は電話嫌い、テレアポ嫌いなので、商品・提案内容でNGを出しておらず、テレアポだからお断りしたというケースもあるからです。ブランディングのリスクも含め、アプローチ先が先細りしてしまう可能性が、焼畑的な営業を行なっていると発生してしまうリスクがあります。

テレアポを成功させるコツ①準備編

ここまでテレアポのメリット・デメリットや目的を整理してきました。ここまでですでに8000文字近いのですが、ここから具体的にテレアポで成果を出すためのノウハウを紹介していきたいと思います。

まずは準備編です。

テレアポで準備すべきものは「環境・道具」と「マインド」の2つの側面があります。

テレアポ準備①環境・道具

テレアポを進めるにあたって必要なものはこの6つです。

  • 電話機
  • 静かな環境
  • 営業リスト
  • スクリプト
  • 切り返しトーク集
  • Q&A資料

当然ながら電話機がないと営業活動ができません。また静かな環境を意外と意識できていない方が多いのですが重要です。繰り返しですが、テレアポを待ってくれている相手はいません。つまり、電話がかかってきてノイズが多ければそれだけでただでさえない話す気持ちが、さらに簡単になくなるということです。たまに喫茶店でテレアポをしていたり、周りで絶対テレアポをしている人がいる環境で電話をかけてくる営業がいますが、これだけで減点対象です。

私はですが、テレアポは携帯からAirPodsで通話をしています。AirPodsではなくてもイヤフォンはしておいた方が良いです。理由は相手の言葉をしっかり聞ける環境を作り、両手を空けたいからです。電話をかけながら、PCでメモが取れるようにして効率を上げています。

また当然ながら営業リストです。テレアポにおいて、というよりも営業においてリストは命です。私は営業改善の順番はリストが最優先と考えています。これはテレアポの教科書の一部ですが、今でもこのように考えています。

どうしても営業改善、テレアポ改善と考えると変えやすいスクリプトから着手しがちです。しかし、改善インパクトが大きいのは営業リスト、つまり「誰に営業するのか」という部分です。テレアポ改善の優先順位で整理するとこうなります。

この順番を言い換えると

  1. 誰に営業するのか
  2. いつ営業するのか
  3. 誰が営業するのか
  4. どんなトークをするのか

という順番です。もう一度言います。一番改善インパクトが大きいのは「誰に営業するか」です。実際、私が新卒の頃テレアポをしていた時、今までアポ率が3~4%で推移していたのに、急にアポが取れなくなった時があります。その時やった(やってしまった)のが「リスト改善(改悪)」でした。これまで求人媒体や求人誌からリストアップしテレアポをしていたのですが、社内ツールでハローワークからの求人を自動で抽出してくれるツールができ、それに飛びついたんです。リストアップに掛かる時間は10分の1になりました。しかし、取れたアポも10分の1になりました。

改めて原因を分析すると、ハローワークは無料で求人を掲載できます。つまり、採用課題に対してお金を使って解決したいという企業以外にもアプローチを進めてしまったために、一気に反応が落ちてしまったのです。営業が営業すべき相手は、自身が解決できる問題・課題に対してお金を払ってでも解決したいと思っている相手です。この営業の基本を忘れて、リストアップを楽しようという発想だけで意思決定してしまったがためにこんな結果になってしまったのです。

なので、繰り返しですが、営業リストは特に大事に検証・改善・育成をしていただきたいと思っています。営業リストの「検証・改善・育成」については後述します。

また、最後に残った「トークスクリプト」「切り返しトーク集」「Q&A資料」これももちろん大切です。私のように口から生まれてきたと言われるような人であれば、スクリプトがなくてもテレアポはできます。経験を積んでいけば、スクリプトなしでも営業活動ができてしまうのは事実です。ただそれでも私はスクリプトを作ります。

その理由は再現性を高めるためです。営業における再現性は2つの視点があります。

  • 未来軸:自分が明日以降の営業活動でも同じアクションを再現できる
  • 展開軸:自分以外のメンバーも同じアクションを実践し、同じ成果を出すことができる

再現性を高めるとは、「未来の自分」と「他のメンバー」のための取り組みです。「再現性を高める」とは、明日以降の自分と他のメンバーが①同じアクションを起こすことができ②同じ結果を出すことができる③もしくは同じ過ちを繰り返さなくて済む状態を作ることだからです。

そのためにスクリプトや切り返しトーク集、Q&A集が必要なんです。自身の営業トークを検証するためには基準が必要です。トークスクリプトはうまく話すための資料ではなく、検証改善するための資料であるという認識を持つべきです。

テレアポ準備②マインド

続いてがテレアポを始める前の心と頭の準備です。大きくはこの6つです。

こちらもう少し詳しく見ていきましょう。

まず心の準備ですが、ポイントを先に箇条書きで挙げておきます。

テレアポにおける心の準備
  • 迷惑をかける以上に相手の役に立てる自信
  • 基本はお断り。お断りされることからスタートする
  • 相手は「不安」「警戒」「憤怒」の気持ちを持っている
  • テレアポは求められた電話ではない
  • テレアポはアポイント相談ではなく、アポイント提案
  • 想定外が起こることを想定せよ
  • 関係をいかに前に進めるか
  • 行動量と成果は比例する

ここでのポイントは、テレアポは求められていない電話であり、どんなに良い商品・提案であったとしても相手は聞く耳を持っていないという前提を忘れてはいけないということです。聞く気がない、場合によってはめちゃくちゃ怒っている相手を、一瞬でも自分の話に興味を持たせることができるか否か、これがテレアポにおける勝負です。

だからこそ、テレアポでヒアリングをして条件にあってお役に立てそうな人に日程提示をするという考えは捨ててください。これができるのは相手が自分に興味を持ってくれていることが何かしらでわかっているときだけです。もう一度言います。テレアポはお客様のための営業活動ではありません。営業が営業の成果のために必要なアポイントを獲得するための手段です。相手から求められた電話ではないので、この側面は仕方がありません。

ただ自分のわがままを相手に押し付けましょう、というのも違います。自分のわがままであり、エゴであっても、そのエゴを受け入れてもらえた見返りをしっかりと準備しておく、提供できる可能性がある相手に電話をかける、アプローチすることが大切であり、その気持ちが持てていないのであればテレアポはしてはいけません。

1回会ってもらえたら、1回話をしてもらえたら、絶対に良い話ができる、相手に喜んでもらえる相手を選び、準備をすることがテレアポにおける最も重要なマインドであり、スタンスです。

このスタンスを持つことができれば、テレアポのトークは変わります。

アポが取れないテレアポの多くが、感謝と提案と日程提示がないからアポイントがいただけていないんです。いきなり不躾な電話をかけたにも関わらず、電話に出てくれて、話を一瞬でも聞いてくれて、こちらの言葉に反応してくれて、質問に答えてもらったのであれば、ちゃんとそして何度も「ありがとう」を伝えましょう。会う気がない前に会うことを全く考えていなかった、選択肢にもなかった相手に会うことを依頼するのがテレアポなので、アポイントの相談ではなく会うべき理由をプレゼン・提案しましょう。本気で会いたいのであればちゃんと日程を提示しますよね?しっかりと候補日を伝えましょう。

1件1件のテレアポを好きな子にデートを誘う気持ちでテレアポをしたら、アポはもっと増えます。

営業と思って電話をかけるから、アポイントがいただけないんです。テレアポはデートのお誘いです。自分と会うために、他の予定をキャンセルもしくは入れないでもらうためのお願いの電話がテレアポです。

一方で現実にも目を向けておきましょう。テレアポはどんなに相手のことを想っていても、アポイントにならない確率の方が圧倒的に多いです。この理由は簡単で、相手がこの電話を待っていたわけではないからです。待っていない、求めていない相手にいきなり電話をかけても、断られるのは仕方がないということです。これから自分が電話をかける相手は今どんな状況なのか、仮説は立てられても事実は分かりません。

カレーのテレアポをしたいと思ったとき、「相手はカレーが好きなのか」「相手は今お腹が空いているのか」「相手はカレーを昨晩食べていないか」「お鍋にカレーは入っていないか」、全くもって分かりません。この”わからない状態”で電話をかけるのがテレアポであるということです。

なので、テレアポで成果を出すためには「想定外が起こることを想定しておくこと」「一定の行動量を確保すること」の2つが成果を出すためには必要不可欠なのです。

テレアポを成功させるコツ②リスト編

ではここからはいよいよ実践編に入っていきたいと思います。

まずはテレアポ改善、テレアポで成果を出すために一番大事なリストについてです。今は本当に便利な時代になりました。下記のような営業先をリストアップしてくれるツールがあるからです。

ただ便利になったからアポが自動で増えるのかといえば、これが営業の難しいところです。確かに情報収集の工数は著しく削減できるツールです。しかし、使い方を間違えれば成果は出ません。

良い営業リストとは何か?

答えは簡単です。「売れる営業先が多いリスト」が良い営業リストです。テレアポの話だからと勘違いしてはいけません。「アポが取れるリスト=良い営業リスト」ではないということです。どんなに会える人が多い営業リストであったとしても、それが成約に繋がらなければ、良い営業リストとは言えません。

ではどうすれば売れる営業先が多いリストを作ることができるのか。ポイントは「鮮度」と「精度」と「整合性」です。

良い営業リストの基準①鮮度

鮮度とは新鮮さの度合いが辞書的な意味です。

営業リストにおいても、テレアポリストにおいても、鮮度は重要です。つまり、リアルタイムで最新の情報になっているかどうかということです。採用支援のテレアポをしたいとき、マイナビ2011(私が見ていた頃のマイナビです笑)の情報とマイナビ2022の情報、どちらの方が相手の今がわかるでしょうか?言わずもがな、マイナビ2022です。

テレアポは「今自分に会ってください」という提案です。昔話に花を咲かせる電話ではありません。もちろん過去をリサーチすることも重要です。ただ過去のリサーチをする目的は「今と昔の変化・変化量の把握」と「現在の状況に行き着いた背景の予測」のためです。過去を知り、今を見ることで、未来の予測・仮説を立てること、そしてその実現の支援やお手伝いをする提案をするのがテレアポです。

そして、今この時という”タイミング”を逃さないようにするためにも鮮度は非常に重要なのです。

良い営業リストの基準②精度

また営業・テレアポリストで重要なポイントは「精度」です。これは詳しく話す必要もないですね。嘘・偽りだらけの情報をもとに相手にアプローチをしたところで、会話になるわけがありません。

正しい情報か否か

この視点を持って、リストと向き合うことが大切です。

良い営業リストの基準③整合性

そして最後に「買っていただける可能性がある営業リストかどうか」という視点です。

整合性とは、物事や言動に矛盾がなく、整っていること

引用:weblio

受注をいただく、買っていただくというゴールに対して、商品・サービス・提案内容と営業ターゲットに矛盾がないか、ということです。

テレアポという手法の特性上、営業リストは一定の量が必要です。しかし、必要がない、ニーズが生まれる可能性がない相手にどんなに営業しても売れないのは当然です。

だからこそ、営業リストを作成する際に、ニーズが生まれる可能性がある相手は過去の傾向をもとに分析し、リストを作成することが大切です。また、営業リストは特定の業種や地域、その他の特性に合わせれば母数がどんどん減るはずです。その時は今成果が出ているリストから少しずつピボットしてください。ピボットとは方針転換という意味ですが、簡単に言えばリストの選定基準を少しずつずらしていくことです。

例えば、「東京×人材会社」でアポイントがたくさん取れていたとしましょう。その時にやるべきことは一定の共通項を残しながら、条件を少しずつ変えていくことです。

①千葉(東京近郊だから成果が出るという予測)×人材会社
②大阪(東京と同じく首都圏だから成果が出るという予測)×人材会社
③東京×コンサルティング会社(人材サービスと同じ無形商材だから成果が出るという予測)

このように軸を少しずつずらします。また「東京×人材会社」をもっと詳しく分析すると「東京×人材会社×創業5年以内」という傾向が出てきたら、

④東京×創業5年以内

という軸を考えることもできます。こうやって、自分がやったアクション・成果は経験資産です。資産は運用しなければ増えません。しっかりと活用してください。

営業リストの正しい向き合い方

また営業リストという話をすると多くの営業が「いかに作るか」という考えになりがちです。もちろん、今お手元になければリストを作らなければいけないのは間違いありません。ただ営業リストは無限にあるわけではないですよね。

経済センサス- 活動調査を見ると、2016年の企業等の数は386万。そのうち「法人」に該当するものが188万、「個人経営(個人事業主)」が198万はです。また日本の人口は1.2億人です。

例えば法人営業をしたいと思った時、188万社です。毎日100件、テレアポをしていたら、18,800日でリストが枯渇します。51年分です。当然倒産や開業があるのでもっと営業はできるはずです。ただ50年以上新規営業ができるのは、日本のすべての法人をターゲットにできるときのみです。ここから自社の商品やサービスを提供し、さらに価値を感じていただける方に絞れば、当然ながらもっと母数は減ります。

リストは有限です。無限に増え続けるものではありません。限られた中で成果を出すために持つべき意識は「検証・改善・育成」です。

良い営業リストを作るコツ①検証

うまくいっていない営業組織は「営業リストを消化すること」が目的になっているケースが多いです。そして、一通り営業が終わって、まだ良い人はそこで振り返りをします。一番ダメなパターンは振り返りもせずにまた次のリストを探し出すのです。以前こんなツイートをしました。

一流の営業は一定量で検証し、場合によってはせっかく集めたリストへのアプローチを中止します。売れないリスト、反応がないリストに同じアプローチを、同じタイミングで行なっていても成果が出ないのは必然です。

ちょっと脱線しますが、私は営業において大事なことの1つに「戦略的撤退」ができるかどうかと考えています。1日24時間、限られた時間でいかに成果を出すのか、この視点で考えたとき、根拠を持って止めるは大事なことです。

良い営業リストを作るコツ②改善

一定の量はどれぐらいか、と言われますが、私はだいたい100コールを目安に反応を見ます。100コールを1セットと考えた時に、2セットやって全く反響がなかったら潔く引きます。そして大事なことは、この検証結果からリストをどう改善していくかです。

営業リストの反応を見るのは「誰に(Who)」「どんな商品を(What)」「どんなトーク(How)」でアプローチしているかです。

営業リストの改善は、このWho×What×Howの組み合わせを変えることです。そのためには顧客理解が必要です。100コール行った中での数字的・定量的結果・傾向のチェックと、実際の電話でお客様から受けた声をベースにこの組み合わせの見直し、変更をおこなっていくことが「改善」です。

良い営業リストを作るコツ③育成

そして最後に営業リストにおいてやってほしいことは「育成」です。

知らない人からの営業は反応がない、というよりも警戒心から攻撃的になるとお話ししました。ガチャ切りなんて日常生活で絶対にしない人が、営業からの電話やオレオレ詐欺からの電話はガチャ切りするんです(オレオレ詐欺と一緒にするなという話ですが、、笑)。

なぜか。怖いか苛立ったかのどちらかです。

この問題の解決策は営業トークが一番の手段ではありません。事前に自分のことを知ってもろうアプローチをすることです。

ちょっと想像してみてください。どんなに素晴らしいトークを考えついても、どんなに素晴らしいキャッチコピーを考えても、相手は聞く気がないんです。だからこそ、事前に知っているという状況を作ることが大切です。

初めての電話でもクラスメイトからの電話だったら話をしますよね?初めての電話だから相手はガチャ切りをしているわけではありません。電話前の関係性があるから、話を聞いてくれているのです。この関係性を意図的に作り出すことが大切です。テレアポを成功させるコツは「いかにトークを磨くか」よりも「いかにアポイントをあげないといけない状況を作るか」です。

アポはトークではなく、断れない状況で取る

わかりやすい例で言えば紹介です。「◯◯さんからのご紹介でお電話しました」となれば、こちらのアポイントの打診って相手は断りづらいですよね。これがまさに状況でアポを取った一例です。だからこそ関係性を作り出す意識は非常に重要です。

ただ意図的に関係性を作ると言っても難しく考え過ぎる必要はありません。電話をかける前に自分のことを正しく知ってもらうアプローチをすることが大切です。

  • 広告や広報で知名度を上げる
  • SNS等で個別にコンタクトを取る
  • 手紙や問い合わせフォームから情報提供をする
  • テレアポ前にヒアリングの電話をする
  • 友人・知人から紹介してもらってから電話をする

育成とは自分への興味関心を作り出し、「一度話してみたいと思っていました」を事前に作ることです。

営業リストについては悩みの原因は営業リスト。売れる営業先を山のように確保する16の作り方でもまとめているので、ぜひご覧ください!

テレアポを成功させるコツ③話し方編

話し方の本題に入る前にメラビアンの法則の話です。詳しくはこちらの営業は第一印象が大切。重要性を学ぶメラビアンの法則とは?を参考に見ていただければと思いますが、簡単にいうと下記の画像です。

テレアポは視覚情報がありません。つまり大部分のインパクトは「話し方」で決まるということです。

ちょっと振り返ってみてください。自分、部下、メンバーのテレアポの録音を聞いたことはありますか?初めて聞く際、自分が思っている6割ぐらい話せてません(経験談です。私だけかもですが、思っている以上に話せてはいないのは間違いないです)。

テレアポにおける話し方のコツを整理しておくとこちらです。

テレアポの話し方のコツ7選
  • 声の大きさは普段の1.2倍増し(いつもより大きく)
  • 声のトーンは普段の1.1倍増し(いつもより少し高く)
  • 声のスピードは相手の話すスピードよりやや早く
  • テンションはいつも通り(不自然に上げすぎない)
  • 言葉遣いは普段の会話をやや丁寧に
  • 語尾はしっかり言い切る

嫌われるテレアポの話し方

ここでは先にNGな話し方からチェックしていきたいと思います。なぜなら、ポイントは至ってシンプルで「違和感・不快感を相手に与えていないか」というポイントがテレアポの話し方において重要だからです。明らかに”変”という話し方は嫌われます。もっとわかりやすくいうと、電話を受けた側にとって「違和感」「不快感」を与えていないか、という視点を持っていただければと思います。

では違和感・不快感を与える話し方とは何か?相手が普段話している雰囲気の人と違う話し方です。大事なことなのでもう一度言います。”相手が”です。例えば、相手が我が家の嫁を例にすると、私の嫁は専業主婦であり、家でイラストや絵の勉強や仕事をしています。比較的、がっつりビジネスの話は日常ありません。そこでいきなり電話がかかってきて、いきなり「LTVは〜〜でして」「CPAはうんぬんかんぬん」と言われてもちんぷんかんぷんです。(ちなみに「ちんぷんかんぷん」は「珍紛漢紛」という漢字を書きます、ということを今変換で知りました)

テレアポの話し方のコツは相手の日常に合わせる

これが最も重要です。そして、相手の日常を予測するためには業界や地域、年齢や性別等の特性から予測することと、相手の話し方をしっかりと聞くことです。人の癖は環境から生まれます。つまり、相手の話し方、癖、雰囲気は日常生活の中で身につけたものなので、相手に意識を向けることが大切なのです。早口の人は周りの人にせっかちな人やそもそも早口な人が多かったり、話が冗長な方は上司がそういった話し方をしていたり、というケースが多いんです。

では、比較的嫌われる傾向が高い人の話し方もまとめておきます。

嫌われるテレアポの話し方①気合い・根性全面出しの体育会系トーク

「やけに声がでかい」「元気だけはやたら良い」「必要以上に”そこをなんとか”を連呼する」「”絶対に後悔させませんので”と言いながら中身がない」など、こういった傾向の人たちです。とにかく声が大きく、一方的に話しまくるんです。

ロジック皆無の気合・根性120%という感じですね。ただ難しいのは一定数、こういった勢いだけでも好む人たちが世の中にはいるということです。なので、そういった割り切りがあればOKですが、ないのであれば相手の話し方に合わせた話し方と、最後相手が悩んでいる時に一部だけこのノリを適用することをお勧めします。

ただこの手のタイプは、自分が一方的に話しているときや相手と会話が盛り上がっているときは良いのですが、アポイントがもらえない、求める結果がもらえないとき、明らかにテンションが下がる人が多いです。これは完全に嫌われるのでやめましょう。

嫌われるテレアポの話し方②理屈・偏屈小難しい系トーク

「言っていることはわかるけどなんか面倒臭い」「話が冗長でよくわからなくて嫌」「とりあえず生理的に無理」というタイプです。

  • 理由や説明はできるけど、相手の聞きたいポイントをちゃんと押さえていない
  • 質問をしてもその回答はない
  • 結論が見えないので、結局何が言いたいのかわからない
  • けど話はとにかく長い
  • けどアポイントの打診はしてこない
  • 極め付けは「それで私の話に興味ありますか?」的なことを言ってくる

まぁ、ブチ切れますよね笑

嫌われるテレアポの話し方③専門用語・カタカナ言葉乱立トーク

最近でいえば誰これ構わず、「DX」「デジタルトランスフォーメーション」「カーボンニュートラル」「SDGs」を使いたがる人が増えました。トレンドであり、世の中の注目度も高いので、使うこと自体を否定したいわけではありません。

ただ大事なことは相手は普段その言葉に触れていますか?ということです。

私は以前Webマーケティングの営業をやっていたことがありますが、私がどんなに「CPA」はいくらですか?と聞いても、相手はアポ単価と答えるんです。当時、馬鹿だった私は先方にご丁寧に「アポ単価をマーケティングの世界ではCPAって今は言うんですよ」と教えてあげました。するとどうでしょう、もう一度その方に会うことはありませんでした。

そりゃそうです、面倒臭いですよね。

【まとめ】嫌われるテレアポの話し方

違和感、不快感というお話を最初にしましたが、まとめると【面倒臭い】の一言に尽きます。

テレアポはそもそも相手からすれば面倒臭い、煩わしいという気持ちからスタートします。その気持ちをさらにかき立てるような話し方をしてしまえば、嫌われるのは必然ですよね。

嫌われないテレアポの話し方

嫌われるテレアポの話し方を解説しましたが、この逆は「好かれる」が正しいのですが、テレアポで好かれることは難しいです。これは再三お伝えしている、テレアポは相手から求められた電話ではないと言う事実からで、そこから目を背けてはいけません。

ただ話を聞いてもらうためにはいかに話し方の時点で嫌われないか=話を聞いてあげても良いと思われるかが大切です。キワられない話し方のコツをまとめるとこちらです。

嫌われないテレアポの話し方7選
  • 明るく元気に爽やかに
  • 声は大きく自信を持って
  • 結論をしっかりと明確にし伝え切る
  • 質問を受けたら、ごまかさずにしっかりと伝え切る
  • 語尾を曖昧にせず言い切る
  • 説明はできる限り端的にわかりやすく
  • 相手の聞きたい情報は多少長くても丁寧に伝え切る

1つずつ解説していきます。

嫌われないテレアポの話し方①明るく元気に爽やかに

これは基本です。話していて元気がもらえる人は、話し方が元気な人です。

「他人は自分を映す鏡」って本当にその通りで、テレアポにおいても同じです。相手の歯切れが悪く、どんどん元気や活気がなくなっていったら、それは相手のモチベーションや話し方に引っ張られて、自分も暗くなっていると思った方が良いです。

相手の話し方に合わせるという話をさせてもらいましたが、テンションの低さまで引き継がないで下さい。

嫌われないテレアポの話し方②声は大きく自信を持って

これも大事なことですが、テレアポにおいては特に重要です。なぜか、電話だからです。相手はどこで電話を出ているかわかりません。携帯電話に架電をしたら、なおのことです。

人は五感による知覚の割合として8割以上の情報は視覚情報に頼っていると言われています。産業教育機器システム便覧では下記のような割合を出しています。

人は情報処理・把握の手段として大部分を依存している”視覚情報”がない状況でテレアポを行なっています。つまり、自分のことをちゃんと理解、把握してもらう手段として電話は対面と比べれば圧倒的にビハインドを抱えています。この状況下において、聞き取りづらいという状況だけで電話を切られることが起こるんです。

「ちょっと聞こえづらいんで、とりあえずいいです」

こう言われたことがある方、1人や2人ではないはずです。

また、人は厄介なことに見えている(テレアポの場合は聞こえている範囲ですが)で勝手に判断をします。これはヒューリスティックと呼ばれる人間の思考法です。全ての判断・思考をしっかりと吟味し、検証し、整理していたら人間の脳はパンクするので、経験や先入観で直感的に答えを導き出そうとするのが、このヒューリスティックです。

そして、テレアポで厄介なヒューリステックが2つあります。「利用可能性ヒューリスティック」と「シミュレーション・ヒューリスティック」です。利用可能性ヒューリスティックは自分の見えている範囲、知っている範囲の情報から判断する思考プロセスです。シミュレーション・ヒューリスティックは経験則で「架空のシナリオ」を考え、結果を推定する思考です。

つまり、テレアポにおいては「声が小さい人は自信がない」→「自信がない人は良い提案ができない」→「商談をしてもたぶん無駄になる」という思考の人が多いと言うことです。もっと言うと、テレアポという手法自体がシミュレーション・ヒューリスティックから「テレアポの電話は長くて結局自分に必要ない話が多い」と話を聞く前から経験則で「無駄」という判断をしているケースも多いです。

だからこそ、この経験則にハマらないようにするために、自信を持って声を大きく堂々と話すは非常に重要ということです。

他にもテレアポや営業で使える心理学は営業で活用すべき心理学56選。売り込み以上に活用すべき心理学の使い方でもまとめているのでよければ一緒にみてください!

嫌われないテレアポの話し方③結論をしっかりと明確にし伝え切る

特にビジネスコミュニケーションで嫌われるのがこの結論が見えない話し方です。

なぜこの話し方が嫌われるのか、これは現代人の時間感覚にあります。現代人は「自分の時間を奪われる感覚」が嫌いです。

セイコー時間白書2020では「時間に追われていると感じますか?」という問いがあります。毎年、6割以上の方が「時間に追われている」という感覚を持っていることが、4年続いています(2021年の調査ではこの項目はなかったのですが、大きな変化はないと予想しています。2020年段階でリモートワークしている237人では73.0%が「時間に追われている」と答えており、リモートワークではない人と比べ10ポイント以上高いという結果も出ていました。)

時間意識が高い現代人に結局何が言いたいのかが見えないコミュニケーションはアウトです。

嫌われないテレアポの話し方④質問を受けたら、ごまかさずにしっかりと伝え切る

これもテレアポでやりがちなミスです。例えば、「営業ですか?」と聞かれた時に多くの営業はごまかしに入ります。「いや営業ではなく、ご相談で。。。」「資料の件で」とごまかすんですよね。これは以前ツイートした内容ですが、今でもこのトークの会話率は高いです。

ごまかしや曖昧にして会話を進めようとすると、相手からすれば、「誰が」「何のために」「なぜ自分に」電話をしてきたのかがわからなければ、テレアポ・電話での営業において、そのまま会話を続けるか否かの判断がつかないということです。

嫌われないテレアポの話し方⑤語尾を曖昧にせず言い切る

ここでも出ました(私が出しているのですが笑)曖昧です。

テレアポはは相手にとって不安です。個人宅や携帯電話に掛けている電話であれば尚更です。相手の立場からすればオレオレ詐欺と変わらないからです。現在の営業における競合は同業他社だけではありません。類似品を提供している会社はもちろん、他のツールや商材なんだけど使い方で解消できてしまう商品、サービス。情報だけで問題や課題が解決できてしまうためインターネットやSNSもライバルです。インターネット・SNSであれば、他の視点で可処分時間の奪い合いという側面もあります。また電話回線の取り合いという視点で見れば、オレオレ詐欺も立派な競合です。

そして、これだけの情報が有象無象に溢れている現代だからこそ、しっかりとはっきりと伝え切る・言い切る姿勢は不可欠です。

嫌われないテレアポの話し方⑥説明はできる限り端的にわかりやすく

また現在の情報過多の時代を背景に捉えることは別の視点でも不可欠です。現代人が1日に触れる情報量は江戸時代の一年分、平安時代の一生分と言われています。情報が多すぎる現代に起こっていることを整理すると

  • 情報へのアクセスがインターネットやスマートフォンで容易になった
  • コンテンツ作成ハードルが下がり、誰でもコンテンツを作れるようになり、情報の信頼性が落ちた
  • TikTokやYoutubeのショート、Twitter、Instagramのように短時間で消費できるコンテンツが増えた

これらが情報化社会における変化であり、営業する上でも理解しておかなければいけないポイントです。その上で現代人は情報処理に時間がかかるコンテンツに対してどんどん億劫になっている傾向が強いと感じています。ググれば必要な情報にアクセスできてしまうため、「考えるよりも探す」「理解を深めるよりも別のコンテンツに触れる」が増えたということです。

もし最近の若者は理解力がない、と考えている上司や先輩がいたら、これは理解力がないわけではないと私は考えています。情報処理能力以上に情報処理集中力がないと私は考えています。セイコー時間白書2021を見てみると、倍速視聴を学校のオンライン授業では半数以上がしているという結果が出ていました。

情報が多すぎる昨今では、自分に関係ないと思ったらすぐに次のコンテンツにシフトしてしまうのが現代人です。それだけコンテンツが溢れているからです。テレアポも同じで、自分に関係ないと思ったその瞬間に相手は電話を一気に切りたくなるということです。

嫌われないテレアポの話し方⑦相手の聞きたい情報は多少長くても丁寧に伝え切る

一方で先ほどの学生の倍速視聴の統計を見てもらうとわかるのですが、録画番組のテレビを倍速で視聴する人は23.2%で、学校のオンライン講義の半数以下です。これは興味がある情報やコンテンツであれば、しっかりと聞いてくれる・見てくれるということです。

つまり、テレアポにおいても”相手が聞きたい情報はしっかりと伝える姿勢”を持って良いということです。と各ビジネスコミュニケーションは「結論から端的に」が優先され過ぎてしまっています。弊社メンバーのテレアポの録音を聴いていても、アポイントをいただけているときはなんだんかんだお互い結構話をしているんです、10分ぐらい盛り上がっているケースも多々あります。

相手は話を聞いてくれないのではなく、相手が聞きたいと思える話をテレアポや営業する側が話せていないケースが多いということです。

テレアポでは「話を聞くモチベーションの提供」と「聞きたい話の提供」が不可欠で、聞きたい話は端的にまとめる以上に相手の聞きたいポイントをしっかりと押さえる意識が大切です。

テレアポを成功させるコツ④テレアポトーク

さて、ここからがテレアポトークの具体的な内容に入っていきたいと思います。

私はテレアポトークを考える時に下記の7つを意識しています。

  • 「ありがとう」からの逆算
  • 感情ステップと感情想定
  • 「え?」と思わせる他社との差別化訴求
  • 「ありがとう×3」と「日程提示×3」
  • 情報最大化からの絞り込み
  • 万人受けトークを作らない
  • 1回の電話で全てを完結させようとしない

ここを1つずつ解説していきます。

テレアポトークを作る7つのポイント①「ありがとう」からの逆算

営業のゴールってシンプルに「ありがとう」と言われることだと思っています。テレアポも同じで「電話してくれてありがとう。当日楽しみにしてるね」と言われる流れになっているかを考えるということです。

これまで多くのスクリプトを拝見させていただいてきましたが、基本的に自分の言いたいことを一般的なテレアポフローに当てはめているだけのケースが多いです。例えば、こんなテレアポトークって聞いたことないですか?

〜受付〜

  1. 挨拶:お世話になっております。◯◯の〜〜と申します。
  2. 簡易説明:弊社業界No.1の□□を提供している会社でございまして
  3. 担当者接続依頼:△△のご担当者様いらっしゃいますでしょうか?

〜担当者〜

  1. 担当者挨拶:お世話になっております。◯◯の〜〜と申します。
  2. 簡易説明:弊社業界No.1の□□を提供しております。
  3. ヒアリング:御社で〜〜にお悩みや課題はございませんでしょうか?
  4. 切り返し:左様でございますか、ただ弊社は××に強みを持っておりまして、他社様とは違うご提案が可能です。
  5. 日程提示:もしよろしければ、来週お打ち合わせのお時間をいただけないでしょうか?

このスクリプト、今(早朝4時)息子の泣き叫ぶ声を聞きながら(寝言)、2分で打ち込んだ内容です。笑

よくあるテレアポトークって本当にこんな感じのトークばかりなんです。しかし、このトークを見て「電話してくれてありがとう。当日楽しみにしてるね」と思われる要素が1つもないことをわかっていただけると思います。

テレアポのゴールは「アポイントをいただくこと」です。つまり、「会いたい」「そこまで言うんだったら、一回話を聞いてみようか」「じゃあ、とりあえず詳しい話聞かせて」という気持ちを相手に持っていただきたいのがテレアポです。必要な情報を伝えるから、相手が自然と会いたくなるわけではありません。

テレアポは感情勝負です。

突然事前のお断りもなく掛かってきた電話です。相手はいきなり論理的に物事を判断することはできません。相手は今ちょうど大事なMTGが終わったばかりで、今からコーヒータイムだったかもしれない相手です。やっと資料作成が完了して一息ついたところかもしれません。上司に鬼詰めされて落ち込んでいるところかもしれません。リモートで自宅だったら、Youtubeを見て爆笑していたところかもしれません。Twitterいじっていたら、間違って通話ボタンを押しちゃっただけかもしれません。

そんな相手の状況や様子を全く理解することができないのがテレアポという現実から目を背けてはいけません。人は心のスイッチを入れるのに時間がかかります。真剣に考えて、検討するためには心の準備が必要なのです。しかし、テレアポという行為自体は相手の心のスイッチを切る可能性があるアプローチです。

「また営業から電話がかかってきた」

という気持ちになる人が多いからです。「今日も俺にテレアポの電話がきた!嬉しい!」という人はいません。「面倒臭い」という気持ちで頭と心がいっぱいになっている人の方が多いはずです。だからこそ、相手はいきなり考える気持ちも準備がないので、「とりあえず要らない」という返答になるのは必然なのです。

だからこそテレアポは「ありがとうからの逆算」が必要なんです。「ありがとう」は感情です。それも自分に対して前向きな気持ちを意図的に作る、前もって準備しておくことが大切です。

テレアポトークを作る7つのポイント②感情ステップと感情想定

「ありがとう」も感情ですが、最終的に感情をこちらに向けてもらうためには何が必要なのか、ということ考えておく必要があります。

私はテレアポトークを作る時にこの言葉で相手のどんな気持ちを引き出したいのか、を常に考えるようにしています。

例えばこれは営業ハックの自社でのテレアポを前にやっていた時のスクリプトの一部です。

今オンラインで見込客を200社集める取り組みを行っておりまして、ぜひ御社にも見込み客のご紹介をさせていただきたいと思ってお電話いたしました。

ここで相手にどんな気持ちになって欲しいのかを整理すると、「200社見込みが増えるのはいいな」「そもそも見込み客の定義って何?」「紹介するってことはすでに候補者がいるの?」「無料キャンペーンとかかな?」という気持ちです。いきなり感謝されることはないので、まずは自分の話に興味を持ってもらうことが大切です。

テレアポや営業は「いかに端的にわかりやすく、認識のズレが起こらないように話すか」ばかりが重要視されがちです。その視点で見ると、この営業トークはツッコミどころが多すぎるのでNGだと思います。しかし、端的にわかりやすく認識のずれが内容に伝えるべき相手は、自分に興味を持ってくれていて、会話が成立している相手です。

映画の予告編を考えてみてください。絶対に結論までは予告編だけをみてもわからないですよね。予告編で「今回の映画の結末は〜〜となります」なんて予告されたら、見る人はいなくなりますからね。笑

テレアポも同じです。嘘をついてはいけません。ただ相手が興味を持ってくれるポイントをいかに作り出すのかが大事ということです。そこには正確性よりも面白さや相手の期待を言語化する簡易提案が必要です。

具体的にはこんなトークで営業をしておりました。

またその上で意識して欲しいことはいきなり「会いたい」という気持ちにならないことをテレアポでは意識しておくことが大切です。

「初めまして。こんにちは。営業ハックの笹田と申します。来週会いましょう」→OK!

とは絶対にならないですよね。「来週会いましょう→OK」となるのはすでに関係ができている時のみです。昔からの友人や会社の先輩から来週飲みに行こう、と言われたらすぐに「来週のいつにします?」という会話になりますが、テレアポは当然ながら、この電話で会話をする前の関係が0のコミュニケーションです。もっと言えば、テレアポというアプローチのせいで、むしろ関係はマイナスからスタートしていると言っても過言ではありません。

だからこそ、相手の感情をいかに一歩ずつ前に進められるか、という意識を持つことが大切なのです。そこで大事にしたいのが3つの壁を乗り越える意識です。その壁とは「話したくない」「答えたくない」「会いたくない」です。

テレアポのゴールは「この電話で契約をいただくこと」ではありません。「今すぐにでもめちゃくちゃ会いたい」と思ってもらうことでもありません。ただ理想ではあるのは事実です。しかし、テレアポをしている相手が「いますぐ客」である可能性は現代は非常に低いです。理由はインターネットです。現代人は困ったら営業に聞くのではなく、Google先生やSNSで答えを探します。質問ではなく、検索で答えを見つけることができます。そのため、営業に声を求めるときは、相手も何かを売り込まれることがわかっているので、自分の中である程度答えが定まっています。

つまり、テレアポという最初の接点を無理やり作り出そうとしているアプローチで「今すぐ客」を求めようとするのは危険であり、非常に確率が悪いということです。意識すべきことは「将来的に顧客になってくれる可能性がある人を逃さない」ようにすることであり、テレアポでの最初のコミュニケーション段階では「会ってあげても良い」という気持ちをいかに作るか、というレベルの方がテレアポはうまくいくということです。

テレアポトークを作る7つのポイント③「え?」と思わせる他社との差別化訴求

テレアポでなぜ多くのお客様は「また同じ電話が来た」「また似たような電話が来た」と思うのか考えたことはありますか?こちらからテレアポをするのは初めての相手であっても「そういうのは間に合っているので」「上からお断りするように言われています」と、あたかもこの電話が来ることがわかっていたかのように受付の方は断れるのでしょうか?

答えは簡単です。

テレアポの電話はみんな同じようなことを言っているから

これはテレアポに限らず、営業の現場でも同じなんですけどね。。結局同じようなことしか営業する側が言わないから、イツものパターンで相手はお断りするのです。そして、そのいつものパターンを何回も繰り返させられるから、相手は嫌になっているという現実があります。この対処法は簡単です。

  • 他社が言っていないことを言う
  • 他のテレアポが入っていないトークをする

大事なポイントはテレアポにおいては競合他社だけがライバルではないと言うことです。お客様、また電話に出てくれる受付の方からすればどんな商品、サービスであったって、「テレアポをしてくる商材」は全部一括りです。社内の受付の人に聞いてみてください。

「今日テレアポで受けた電話って何の商材があったか覚えてる?」

私が新卒でいた会社の受付の方は何も覚えていませんでした笑

Webサービスでも、コンサルティングサービスでも、コピー機でも、太陽光でもテレアポトークの中に「コスト削減」というキーワードがあれば、「なんかコスト削減したいと言っている人から電話が来た」です。人材サービスでも、Webサービスでも、Web制作でも、SNS運用代行でも「売上アップ」というキーワードがあれば、「なんか売上増やせますって言ってますけどどうします?」で終わるのがテレアポです。

だからこそ意識しなければいけないのは、他のテレアポが使っていない言葉を使うことができるかと言うことです。要するに、耳慣れていない言葉を持っているかどうかがテレアポやPUSH型営業を成功させるコツということです。

私の人生最初のPUSH型営業は大学3年生、20歳の時のダスキンの空気清浄機を法人に売り込むという飛び込み営業でした。笑っちゃうぐらい、誰も「ダスキンの空気清浄機のご相談で」というと「間に合ってます」と言う返事でした。そこで私がやったことは「ダスキンの空気清浄機をいきなり買ってもらうことは無理」という判断をし、私が作ったトークは「大学3年生でインターンシップで営業をしています。私の応援団になって欲しくてお伺いさせていただきました」です。

自分で振り返ってもアホなトークを作ったものだと思いますが、おぼろげな記憶ですが、100社に訪問し5社と話せたら御の字だった飛び込み営業が、100社に訪問したら20社話を聞いてくれるようになり、「汗だくだね、ティッシュで拭きな」とティッシュをもらえるようになり、「空気清浄機は要らないけど、お水をあげるから飲んでいきな」というお水をもらえるようになり、「あんたみたいなアホ好きやで」と1時間以上お話をさせてもらえるようになり、「てめぇふざけてんのか」と胸ぐらを掴んでもらえるようになりました。

怒りも含め、感情を動かすことに成功したのです。感情を動かすためには機械的にお断りできる営業トークではダメです。そのためには、相手の心が動くかつ他が言っていないテレアポトークを構築することが大切です。

他が言っていないテレアポトークを作るコツは「他の営業トークを知ること」です。

  • ホームページやランディングページで他社商品の訴求軸をリサーチする
  • 他社の口コミやSNSをリサーチし、お客様の声を調べる
  • すでに取引のあるお客様にどんな営業が最近来ているかを聞く

こう言った活動を丁寧に重ねるだけでも営業トークはどんどん洗練されていきます。

テレアポトークを作る7つのポイント④「ありがとう×3」と「日程提示×3」

テレアポは繰り返しですが、PUSH型営業です。PUSH型営業=押し売り営業と思われがちです。この押し売りも、相手がNoを突きつけてきたら、そこから何とかして粘る営業と思われがちです。しかし、正しいPUSH型営業は関係を前に進める営業です。

テレアポやPUSH型営業において、関係を前に進めるために意識すべきは「自分への興味関心を高めてもらうこと」と「相手に求めるアクションをしっかりと求めることです。

難しく考えることはありません。自分への興味関心を高めてもらうためにやるべきことは、まず自分が相手に興味関心を持っていることをしっかりと示すことです。そこで一番相手への興味関心が伝わるのは、色々なトークやキャッチコピー、セリフを考えてみましたが、結論は感謝をしっかりと示すことでした。

私がPUSH型営業において一番大事にしていることは「返報性」です。相手にやって欲しいことはまず自分から先にやるということです。相手に「ありがとう」と言って欲しいのであれば、まず自分から「ありがとう」を伝える。自分の質問に答えて欲しいのであれば、まずは自分から自己開示をする。本音で話をして欲しいのであれば、まず自分が本音で話す。PUSH型営業において大事なことは「まず自分から」という意識を持つことです。

テレアポでも営業でもお客様から「ありがとう」をいただくためには、まずは自分から積極的に「ありがとう」を伝えることが大切なのです。

またテレアポで意識すべきことは繰り返しです。一回で相手が動いてくれる確率は著しく低いです。テレアポって運命の出会いを見つける活動ではなく、すでに誰かと付き合っている相手にデートを持ちかける活動です。

「お前は不倫推奨か?」というおかしなことになりそうなので、ちゃんと補足をしておきます(私は嫁・息子ファーストな男です。20歳の頃から付き合っていた彼女と結婚し、この歳になりました。って補足はこの部分じゃないですね)。これだけ便利になった時代です。相手が自分が提案している商品サービスを全く知らないと言うことの方が稀です。「業界初」「世界初」という切り口やサービスはあるかもしれませんが、お客様の立場からすれば、「今使っている〜〜と似たようなやつか」「前に提案に来た営業が似たような話をしていたな」ぐらいにしか思っていません。また全く同じジャンルの競合他社商材を使っていなくても、他のツールや手段で解決できてしまっているケースも多いです。私は過去にスタートアップを経営し、倒産させた経験もありますが、当時を振り返ると本当に「電話とメールとExcelがあればビジネスはできる」という感覚があります。つまり、この時代は新しい道具がなくても1つの事業は簡単に立ち上がる時代ということです。

そんなご時世の住人に営業をする=特別今に困り事を抱えていないし、提案しようとする内容は他社の商材か自分の工夫でなんとかなっている相手に営業をする、ということを忘れてはいけないという話がしたかったのです。テレアポのベースは「リプレイス(切り替え)営業」という意識が必要です。そして、リプレイスを前提で考えれば、1回アプローチしたぐらいで、心が傾いてくれる確率が低いのは必然ということも理解いただけると思います。

なので前段が長くなりましたが、1回お願いをしてお断りされたぐらいでアポイントの打診を諦めている場合ではないのです。

営業ハックのメンバーには「ありがとう」と「日程提示」を1回の電話で3回伝えるという練習をしています。3回言うために、会話の前半から積極的に伝えないと言い切れません。

テレアポトークを作る7つのポイント⑤情報最大化からの絞り込み

テレアポは伝えたいことをできる限り短い言葉で端的に伝えることが基本です。

ただ端的にまとめすぎると、テレアポって「はじめまして。営業ハックの笹田です。営業代行をしています。一度打ち合わせをさせてください」以外話すことってありません。もっと言うと営業は「買ってください」以上、というはなしになりますよね。

これでお金を払ってくれる人も、自分のために時間を作ってくれる人も生まれるわけがありません。つまり、情報はある程度伝えないと相手を動かすことはできないと言うことです。そこで大事なポイントは、まず相手に刺さる要素やメッセージ、情報を一度洗い出すことが必要です。

営業ハックでは以前、「1+1=2」を端的に話す訓練ではなく、とにかく長く冗長に話すと言うロープレを行いました。うちのメンバーのツイートがこちらです。

難しく話すことで改めて商材と向き合うきっかけになり、また長く話すために様々な視点や情報が必要になります。その上で今自分が話す相手に合わせた情報やメッセージを取捨選択することが、相手を動かす営業トークを作り出すということです。

テレアポトークを作る7つのポイント⑥万人受けトークを作らない

テレアポであろうと、飛び込み営業であろうと、インサイドセールスであると、いかなる営業も「人を動かす」が私の定義です。人を動かす言葉は、相手に届く言葉です。もっといえば、相手が自分のことを、自分のために話してくれていると伝わる言葉を持つことが大切です。

つまり、テレアポや営業トークはいかに自分ごと化してもらえるかが鍵になります。そこで大切なことは「なぜ」の追求です。

  • なぜ今なのか?
  • なぜあなたなのか?
  • なぜ自分なのか?
  • なぜこの商品なのか?
  • なぜ弊社なのか?

この「なぜ」にしっかりと答えられるかどうかをチェックしてみてください。この回答が難しいときは質問を少しいじることをお勧めします。

  • なぜ今なのか? → なぜ来月ではなく、今日なのか?
  • なぜあなたなのか? → なぜ同業他社の◯◯ではなく、あなたに営業をしているのか?
  • なぜ自分なのか? → なぜ隣の席の山田くんではなく、私が営業をするのか?
  • なぜこの商品なのか? → なぜ〜〜ではなく、弊社のこの商品なのか?
  • なぜ弊社なのか? → なぜ今取引のある〜〜ではなく、弊社と取引をすべきなのか?

この「なぜ」の追求なき営業トーク・テレアポトークは、誰にでも同じ営業トークができるあがっているはずです。

テレアポトークを作る7つのポイント⑦1回の電話で全てを完結させようとしない

また最後にテレアポは「人を動かす=自分のための時間を確保してもらう」アプローチです。営業が営業の都合(=営業目標達成ため)の電話で、自分のために時間を確保してもらうと言うのは非常にハードルが高い行為です。

そんな高ハードルな営業活動であるテレアポを前提で考えると、1回の電話で全てを完結させることに固執しない方が良いです。今営業ハックで代行させていただいているお客様は「資料送付→アポイント打診」という2回のフローでのアプローチをおこなっています。

元々1%前後だったアポ率が、今は10%近い結果になっています。1回のコールで完結することに固執しすぎると、「とにかく粘れ」「あそこの押しが足りなかった」という押しの強さだけのテレアポアドバイスになるので要注意です。

テレアポを成功させるコツ⑤トークスクリプト

ではここからどうやってトークスクリプトに落とし込んでいくのかです。「メイントーク」と「切り返しトーク」に分けて解説していきたいと思います。

メイントーク

メイントークとは基本的なトークの内容や流れです。相手の質問やお断りにどう対処するかではなく、自分が何を伝えるかを定めた部分です。テレアポにおいては大抵が3人の登場人物がいます。まずは営業をする「自分」。そして相手は電話に出てくれた「受付」の方と自分が話をしたい「担当者」です。

受付の方にお願いしたいことは「電話が入っていることを担当の方に伝えてもらうこと」です。担当の方にお願いしたいことは「自分のために時間を確保してもらうこと」です。つまり、受付の方には「いかに〜〜の件で相談が入っていますと担当者に伝えてもらうか」、担当者の方には「いかに”とりあえず”会いたいと思ってもらうか」が勝負になります。

受付トーク

多くの営業が悩んでいるのが「受付ブロック」を突破できないと言う問題です。ただ担当者と話せない=受付ブロックと考えるのは危険です。なぜならお断りを出しているのは誰かによって打つべき施策が変わってくるからです。

本当の受付ブロックは「受付の人が担当の方に確認もせずにお断りになっている状態」です。例えば「そういったお電話はお断りするように言われております」「営業のお電話は全てお断りにするように言われております」といったお断りです。受付判断で担当の方に話もしてもらえない状態です。

一方で、受付の方が担当者に一度確認を入れてくれたにも関わらず、お断りになってしまうケースがあります。そのパターンは3つしかありません。

①担当者がお断りと言っている
②担当者が不在
③担当者が居留守

つまり、担当の方と話せない理由は全部で4つしかないのです。

  1. 受付判断でお断り
  2. 担当者に確認いただくも、担当者が不在
  3. 担当者に確認いただくも、担当者が不要と言っている
  4. 担当者に確認いただくも、担当者が居留守にしてと言っている

受付判断でのお断りに関してですが、こうなってしまっている営業の多くが話しすぎです。聞いてもいないのに「業界No.1の」とか「現在、利用企業社数1000社を突破しまして」とか、モロ営業します感を出すからお断りをされているケースがほとんどです。余計なことは言わずに「こんにちは。営業ハックの笹田と申します。〜〜のご担当者お願いいたします」でOKです。ここの確率を上げるのであれば、事前にメールやフォームを送るのも1つです。「先日お送りさせていただいた資料の件で」など、相手と関係があることを伝えることで突破できる確率が高まります。

受付判断でのお断りを減らすコツは「関係性の明示」です。担当者名がわかっている時は必ず伝えてください。わからないときも相手への営業のアクション履歴を伝えます。先ほどの資料送付の件も1つです。他にも「昨日お電話させていただいたのですが、本日であればいらっしゃると伺いましたのでお電話しました」なども有効です。

担当者が不在という場合は、これはタイミングを改めるしか方法はありません。テレアポの最大の弱点はお互いが今通話ができる状態ではなければいけないという点です。だからこそ、相手の予定はしっかりと確認する習慣を持ちましょう。

担当者が「不要」「居留守」は、商品・サービスが必要ないというケースよりも、テレアポや営業が面倒臭いというケースが多いです。ただこれも営業側に問題があります。受付の方への伝言依頼をちゃんと行っていないのです。私宛に営業電話が来て、メンバーが取り次いでくれるときも大抵が「マーケティングの件で話したいという電話です」「コスト削減のご提案の件で◯◯という会社から連絡が入っています」というレベルがほとんどです。つまり、営業する側が社名と何をやっているかぐらいしか伝言の内容を伝えていないのです。営業ハックが自社のテレアポをする時は、伝言内容も「御社の見込客を200社増やすという相談が来ているとお伝えください」と明示して依頼をしていました。

担当者向けトーク

受付の方に伝言してもらい、担当の方に替わってもらえて、初めて営業はアポイントのチャンスを手に入れることができます。じゃあ、このチャンスの使い方は、以前のこのツイートがまさに答えです。

テレアポにおいて担当者に伝えるべきことは「いかに相手に会いたい」と思ってもらうかです。知らない人からの突然の電話にも関わらず、「とりあえず会ってあげても良い」と相手を思わせることができるか否か、これがテレアポの勝負です。ここはトークスクリプトのパートですが、内容以上に話し方が重要です。

「こいつは本気だな」「何を言っているかはよくわからないけど面白そう」と思わせたら勝ちです。綺麗にテレアポでアポを取ろうとしすぎる営業ほど、小綺麗な誰もが言っているような営業トークをツラツラと並べて失敗します。小綺麗なトークは耳障りは良いんです。ただ、相手の心に引っかかるポイントもないのです。

営業が持つべき言葉は綺麗ない言葉ではありません。相手を動かす言葉です。だからこそ、相手が自分に会うべき理由をしっかりと作ることが大切です。

テレアポトークの基本的な流れ

ということで、ここまでの内容を整理すると、テレアポトークの基本ステップは実は6つしかありません。

  1. 受付挨拶
  2. 担当者接続依頼
  3. 用件説明
  4. 担当者挨拶
  5. 担当者用件説明
  6. 日程提示

テレアポはシンプルに「自分と今度会って話しましょう」という約束を取り付ける電話なので、知り合いへの電話だったら2分もあれば終わるのがテレアポです。それが初めての相手との会話だから、いざ話すと余計なことを伝えたくなったり、色々と話し過ぎたりしてしまうのですが、基本ステップは6つしかありません。

そして、テレアポは常に日程の相談ではなく、打診の電話であり、さらにはショートプレゼンの場という意識を持つことが大切です。

切り返しトーク

テレアポはショートプレゼンというお話をさせてもらいましたが、相手が本気で考える=自分の時間をこの営業に使うかどうかを考えれば考えるほど、必ず生まれるものがあります。それが質問です。

テレアポにおいては基本トークと合わせて、相手からの想定されるお断りや質問への対処法も事前に考えておくことが大切です。ただそうは言ってもテレアポにおけるお断りはそこまで種類は多くありません。

テレアポお断り12選
  • 予算がない
  • 忙しい
  • 他社にお願いをしている
  • 新規お断り
  • 営業NG
  • 現状に満足している
  • 興味がない
  • 困っていない
  • 必要ない
  • 今は考えていない
  • 価格が高い
  • とりあえず大丈夫

他に困っているものがあれば是非言ってください。追記・更新しますので。

ただテレアポで相手がお断りをする理由は単純明快です。「メリットがない」か「面倒臭い」かです。言い換えれば、私にはあまり必要じゃなさそうと感じているか、面倒臭いのハードルを下げるかしか、テレアポではやれることはありません。基本的に営業はコストパフォーマンスで捉えると選択肢が増えます。

「そこをなんとか」というアプローチは「メリットの増強」にも「ハードルの低減」にもなっていません。アポイントがいただけるのは

会うことで得られるベネフィット>会うことで生じるコスト(手間・時間)

この状態になっていると、相手が感じたときだけです。大事なことなのでもう一度言います。営業がこれを提示し、相手がその通りと感じてくれたときだけです。メイントークでこのコスパの良さをしっかりと伝えると同時に、相手からの質問にも「メリットの増強」か「ハードルの低減」を常に提案することがテレアポに切り返しトークの基本姿勢です。

また、切り返しトークにおいてもう1つ考えておかなければいけないことは、「相手は本音で断っている可能性が低い」ということです。テレアポでアポイントの打診をしたら、「今うち予算がなくて」と言われたご経験をされた方は多いと思います。けど振り返ってみてください。自社サービスや提案内容の金額って明示しましたか?金額を伝えていないのに予算がないって、本当はおかしいんです。

確かに法人営業であれば年内、年度内で使えるお金を使い切ってしまっているかもしれません。しかし、年内はお試しで来年からのご相談という電話でも「予算がない」という回答が出てくることがあるんです。これがまさにテレアポにおける闇です。つまり、相手のお断りは「検討した結果」ではなく、「早く電話を切るための口上」であるということです。

もっとわかりやすく言いましょう。相手のお断りは「電話を切るための理由」であるという話です。これを鵜呑みにして、真剣に「いや、そんなことないんです」と説明を始める営業がいますが、相手は話を聞きたくなくて伝えてきています。検討結果ではなく、電話を切る都合の良い話の可能性が高い内容を一生懸命切り返す必要はありません。

意識すべきはいかに切り返すかではなく、いかに「とりあえず話を聞いてあげても良い」と作るかです。

切り返しトークの基本の型

テレアポの切り返しトークの基本の方は

感謝+受容+再提案

ここでやりがちなミスは切り返しの際に「今すぐというお話ではなく、御社のご状況をお伺いして」とヒアリングの相談に入ってしまうパターンです。「ヒアリングして提案」というのは相手からすると「面倒臭いの増長」です。会うべきか否か、何ができるか否かもまだ判断がついていない相手の質問に答えないと、提案がもらえないのであれば「とりあえず不要」となるのは当たり前です。

だからこそ仮説ベースで良いので「提案」をする姿勢が必要なのです。この型をベースに各々のトークを考えていきたいと思います。

切り返しトーク①予算がない

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます!ただ今回のご提案はいきなり「買ってください」というお話ではなく、私がどんなお役に立てるか、勝手に色々と調べさせていただいたので、〜〜について一度プレゼンのチャンスをいただきたいというご相談でございます。今後の◯◯様の選択肢の1つとして知っていただくだけでも後悔させません。」

切り返しトーク②忙しい

「突然お忙しいタイミングでお電話をしてしまい、大変失礼いたしました。そのような中でお電話に出ていただき、ありがとうございます。◯◯様がお忙しいことはこのお電話をかける前から予想はしておりました。ただそれ以上に今是非知っていただきたい、お伝えしたい内容があり、お電話させていただいた次第です。今から1分でプレゼンさせていただくので、それでも必要ないということであれば諦めますので、もう少しだけお話聞いていただけますか?」

切り返しトーク③他社にお願いをしている

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます。御社であれば間違いなく、すでに今回のご提案のような取り組みは先進的に取り組まれているかと思っておりました。今回、いきなり他社との契約を終了して弊社に切り替えてください、という業界を荒らすようなご提案がしたいわけではございません。ただ私なりに御社のことを調べさせていただいたところ、〜〜の点が少しもったいないと感じたので(もしくは「私のお客様で損をしている方が多かったので」)、こちらのご説明だけでもさせていただければと思い、お電話させていただきました」

切り返しトーク④新規お断り

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます。毎日私のような営業電話は御社のような素敵な会社であればバンバン掛かってきていますよね。失礼しました。ただお電話自体は今回初めてですが、実はずっと御社や御社の業界のことを調べて参りました。なので、3分私にプレゼンのチャンスをいただけませんでしょうか。その上で他社の営業と同じかご判断だけお願いしたいです」

このトークは担当者向けのトークです。受付の方が「新規お断り」となった際は、色々な説明は不要で、「〜〜の件はお話を聞いていらっしゃいますか?」「先日ご依頼いただいたメールの件だったのですが」と商品ではなく、関係性の明示が大切です。

切り返しトーク⑤営業NG

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます。毎日私のような営業電話は御社のような素敵な会社であればバンバン掛かってきていますよね。失礼しました。ただ私も個人的に御社とお付き合いしたいと思っております。なので、3分私にプレゼンのチャンスをいただけませんでしょうか。その上で他社の営業と同じかご判断だけお願いしたいです」

切り返しトーク⑥現状に満足している

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます。現状お困りごとがないとのこと、本当によかったです。最終的に弊社の商品を◯◯様に使っていただきたいのが、私の本音ですが、現状うまくいっているということであればそれが一番ですし、私が出てこないことの方が◯◯様にとって良いことだと思うので承知いたしました。

ただ今後万が一何かあった時にお力になれないのは私としても不本意ですので、今後のために私の顔と名前を覚えていただく機会だけ来週□曜日か△曜日の〜時にいただけないでしょうか?」

切り返しトーク⑦興味がない

「貴重なご意見をお教えいただき、ありがとうございます。これは完全に私の営業トークと弊社のプロモーション不足でございます。ただ今回私も闇雲にお電話させていただいているわけではございません。御社だからこそ、是非〜〜をご提案させていただきたいと思って、お電話させていただきました。ちなみに○○(相手が得られるベネフィット)はご迷惑になってしまいますか?」

切り返しトーク⑧困っていない

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます。ただ私としては「困っていない」ではなく、今後私のような営業電話が来たら、◯◯様には「満足している」という言葉が即答いただけるような状態になっていただきたいので、一度ご提案させてください。

ただ今後万が一何かあった時にお力になれないのは私としても不本意ですので、今後のために私の顔と名前を覚えていただく機会だけ来週□曜日か△曜日の〜時にいただけないでしょうか?」

切り返しトーク⑨必要ない

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます。現状は必要ないとのことで理解いたしました。ちなみに必要ないというのは、弊社の商品が現状他社さんとのお取り組みや◯◯様が社内での努力の賜物かと思うのですが、〜〜が実現できるというのは御社にご迷惑をお掛けしてしまいますか?」

切り返しトーク⑩今は考えていない

「率直なご意見をお教えいただき、ありがとうございます。もちろん今すぐにというご提案ではございません。そんなこと言って結局打ち合わせをしたら契約させようとするんでしょ、と言われますが、本当にいたしません。お打ち合わせ前に誓約書を書いても良いので、是非一度まずは弊社の取り組みが◯◯様にとってどんなお役に立てるのかご紹介させてください。もちろん弊社の商品を買っていただかなくても、参考にしていただける事例や情報をお持ちしますので、お打ち合わせしたことを後悔させません。」

切り返しトーク⑪価格が高い

「貴重なご意見をお教えいただき、ありがとうございます。これは完全に私の営業トークと弊社のプロモーション不足でございます。高い・安いは我々が決めることではなく、ご評価いただくものなのでご意見として非常にありがたいです。ただいただいた金額に見合う成果を出す自信がありますので、こちらだけでもご紹介させてください」

切り返しトーク⑫とりあえず大丈夫

「ご状況お聞かせいただき、ありがとうございます。「今は大丈夫」とのこと、安心いたしました。もしすぐにでも必要ということであれば、御社内ですでに問題や課題がおありということでしたので。このお電話もまずは弊社を知っていただきたいと思ってのお電話でしたので、ご対応いただきありがとうございます。ちなみに〜〜が実現できるというのは御社にご迷惑をお掛けしてしまいますか?」

【まとめ】切り返しトーク

繰り返しですが、切り返しトークは「感謝+受容+提案」です。必ず最初に「感謝」を示してください。

反論処理・切り返しトークでは「Yes But法」や「Yes so that話法」などがありますが、大事なことは相手が自分の言葉を受け入れてもらえるように、まずは感謝と受容を示すことです。ここがないと、この営業は売りたくて、アポが欲しくて粘っているなと思われて、その電話は良い結果になりません。

また必ず自分に会うべき理由の提案につなげてください。そのためのトークとして「ちなみに」や「ご迷惑になりますか?」という言葉をよく私は使っています。

ちょうど一年前ですが、以前撮影したテレアポの切り返しトークがあるので、是非参考にご覧いただけたら嬉しいです。

反論処理の詳細はステップはこちらもご活用ください!

営業の切り返しを楽にするクッション言葉と6つの反論処理パターン

反論処理・切り返しトークを成功させる基本7ステップと鉄板2大トーク

テレアポを成功させるコツ⑥マネジメント

テレアポを成功させるためのコツ、最終章は「マネジメント」です。

正しいテレアポマネジメントはいたってシンプルです。

PDCAを高速で回す

これに尽きます。テレアポのメリットは「大量行動を短期間で実施し、すぐに結果が出る」ということです。すぐに結果が出るにも関わらず、結果を検証せずに、とりあえず電話をさせているというテレアポを使っている営業会社は実は多いです。

テレアポでは100〜300コール単位で検証し、場合によっては戦略的に撤退することも大事なポイントです。たまに時間や日数、期間での検証改善はどうですか?と聞かれることがありますが、テレアポは1日や1週間、自動で回せば母数が増えるものではありません。人が1件1件電話をかけて初めて量が担保されるのがテレアポです。だからこそ、件数ベースでの検証をお勧めします。

戦略的撤退とは根拠とネクストアクションを明確にした撤退です。営業やテレアポは、常に最終ゴールとして「売上」や「受注」「アポイント数」といった絶対に達成しなければいけない数字があるはずです。撤退をしたからと言って、目標達成に近づくわけではないので、必ず次の一手が必要です。

また撤退と言っても完全撤退のケースのあれば、部分撤退もあるはずです。「このリストにはこのトークを止める」「このリストのこのセグメントには架電をしない」など、小さく撤退・小さく改善がテレアポマネジメントにおいては重要です。大きく変えれば、何が良かったのか・悪かったのかの判断がつかないからです。

またKPIについても触れておきましょう。多くのテレアポ管理は「リスト」「接触数」「アポ数」ぐらいが多いです。もう少し詳しくみているところで「受付ブロック数」「不在」「ニーズなし」ぐらいです。

ただテレアポ管理において意識して欲しいことは誰がお断りをしているのか、という点で、その後に使える情報が大きく変わってくると言うことです。例えアポイントがいただけなくても、担当者と話せた上でお断りとなっていれば、商品・サービス自体が市場に求められていないと言う可能性も出てきます。

こういった検証・改善を行うために、テレアポにおけるKPI項目は細かくやるとこんな感じです。

  1. リスト数
  2. 架電数
  3. 通話数(ここでNGの場合は不通数)
  4. 受付接触数
  5. 担当者伝言数(受付の方が担当の方に用件を伝えてくれた数。ここでNGの場合は「受付ブロック」)
  6. 担当者接触数(担当者の方と話せた数。ここでNGの場合は「担当者NG」or「不在」)
  7. 冒頭挨拶数(ここでNGの場合は「ニーズなし」「時期NG」等)
  8. 商品説明数(ここでNGの場合は「ニーズなし」「時期NG」等)
  9. アポイント打診数
  10. アポイント承諾数

細かくやること自体が正義ではないですが、自身の営業状況に合わせた管理・KPI設定が必要不可欠です。

テレアポマネジメントのコツをまとめるとこちらです。

テレアポマネジメント
  1. いきなり正しい目標を求めず、テストコールを実施する
  2. やると決めたら、早く動く
  3. 100〜300コールで検証を実施する
  4. 改善は早く・小さく・細かく実施
  5. 撤退OK!しかし、全停止の前に部分停止

このマネジメント視点は「チーム」でも「個人」でも同じです。闇雲に量をこなすことをおすすめはしません。しかし、必要な量をしっかりと確保し、その掛けた努力にレバレッジを効かせるためにも「検証改善」を繰り返すことが大切です。

【今すぐ使える】テレアポ成功のコツ

最後にテレアポで今すぐ使えるコツをご紹介させてください。

  1. 相手に言われたくない言葉は先回りしてこちらから伝える
  2. 話したい相手が特定できたら、必ず相手の名前を呼ぶ(名前がわかっているときは、名称や部署、役職呼びをしない)
  3. オープンクエスチョンではなく、クローズドクエスチョンを中心に後から展開する
  4. 「あれ?」「ひょっとして?」のテンションで会話を進める
  5. 主語は必ず相手にする
  6. テレアポはショートプレゼン。ピッチのつまりで提案を。
  7. 万人を狙うな。「あの人」を狙え。
  8. ポジティブに相手の揚げ足を取ろう
  9. ロジックよりも感情に訴える。「仕方がないなぁ」が作れれば勝ち。
  10. タイミングは探るのではなく、タイミングを作り出す。
  11. 必要なのは「短いトーク」ではなく、「短く感じさせるトーク」
  12. 商談で話したい内容の8割を伝え、2割を伝えるアポを取る。
  13. 先に聞かない。先にプレゼンをする。ヒアリングをしてから条件に合ってから打診をしない
  14. ちゃんと断られるから、次の提案ができる

これ以上、書く気力がなくなったので、詳細の解説はYoutubeや別の記事にまとめていきたいと思います笑

他にもテレアポについては下記の記事もチェックしてみてください!

テレアポを初めてやる人に伝えたい12のポイント

テレアポが苦手な人がしがちな3つの問題

【まとめ】これからのテレアポ

この長文に最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。これだけテレアポについて書いたのは初めてでしたが、この記事を読んでくれた方のアポ率が0.1%でも上がればと思い、頑張らせていただきました。

その上でテレアポはこれからどんどん減る営業手法だとも思っています。営業ハックはテレアポを中心にした営業代行の事業を行なっています。直近は新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークが増え、改めてテレアポに取り組む会社も増えました。

しかし、長期的に見ればテレアポは減ります。これはWebマーケティングや他にも様々な集客手法が台頭してきているとともに、テレアポをやりたくないという営業とお客様の本音からです。イノベーションは「不から生まれる」という前提で見た時に、このテレアポという活動は多くの人のお断りから1件の成果が生まれる営業手法です。またそもそも電話離れが進む日本社会において、テレアポの反応率はこれから下がっていくはずです。

結果としてテレアポに注力する時代から、デジタル活用に注力する時代になるのは間違いありません。しかし、それもまだ少し遠い未来です。テレアポといういきなり不躾ながらも直接会話ができるのは、やはり営業手法としても大きいです。ソーシャルディスタンス等で物理的な距離が生まれた影響もあり、デジタル化はここ2年で急速に進みました。一方で、改めて人は「繋がり」「関わり」を求めていることも証明されたと思っています。

こういった繋がりや関わりを営業自ら作り出せる、また成果を出すために自分でコントロールできる変数を持つことができるテレアポは、もう少し日本の新規開拓を支えると思います。数十年、生まれきらない新規開拓の新しい手法が確立されるその日まで、つまりテレアポで悩んでいる人が1人もいなくなるまで、私もテレアポと向き合い続けたいと思います。

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