【コミュニケーション】部下の生産性を引き上げるために上司がなすべきこと

今回のテーマは、「生産性を引き上げるためにコミュニケーション品質を上げる」というものです。

営業パーソンを育てていく重要なポイントとして、上司と部下、お客様と営業、そして会社と営業といった、様々なコミュニケーションがあります。成果を上げるには成長が必要です。成長を促すにはコミュニケーションが必要です。このサイクルにおいて、あるべきコミュニケーションをどう考え、どう実践していけば良いのかを解説します。

組織内の成果のばらつきを解消する

安定して成果を出していく、生産性を上げていく。そのためには何が大事なのか、まず営業の観点から考えてみましょう。

営業組織のみんなが売れている、逆にみんなが売れていないということはまずありません。「売れる人」と「売れない人」に二極化していることはよくあります。2:8の法則と言いますが、全体の売上の8割を2割の営業が作っているというものです。1人の営業がほぼ全部の売上を作っている会社もたまにありますが、組織としては健全ではありません。

どうすれば成果のばらつきを減らすことができるのか。図にあるように、成果のばらつきが生まれる理由は、属人化、集中化、依存化です。特定の人にしかできない仕事になっている、特定の人にだけ仕事が集中している、特定の人に依存しなければ会社が回らない状態になっている。あなたの組織はこのようになっていませんか?

では、属人化せず、集中化せず、依存化しない組織をどう作っていくか。この観点で研究が進んでいるのが「セールスイネーブルメント」です。

セールスイネーブルメントの基本にあるのは、「仕組みで売る」ということです。最近の営業のトレンドで、営業の分業化、「ザ・モデル」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。しかし、成果にばらつきのない組織を作ろうとするとき、「仕組みを構築する」が答ではありません。「仕組みを構築し、仕組みを改善していくこと」、これが非常に重要なポイントです。

トップセールスは売れている。しかしトップセールスしか売れていない。このような状態から脱却するには、仕組みでみんなが成長できて、そして成果が出せる、成長と成果が両立できる環境を作っていかなければなりません。

安定して高い成果を出す「再現性」を高める

業務のムリ、ムラ、ムダ、こういったものをなくしていく。そうすると標準化、均質化、安定化がもたらされます。みんなが標準的な動きをすれば誰がやっても同じ成果が出る。当然、成果も均質化される。そして安定化していく。見方を変えると、「仕組みを構築する」とは再現性の高い状態を作るということです。

本記事のもう一つのキーワードは、「再現性」です。上の図で「再現性なし」は左下の一つだけです。的の上の点がばらばらです。後の5つは「再現性あり」ではありますが、右上の全てが真ん中に集中している図は再現性が高く、かつ期待する成果を再現できているので理想的です。

図の下段中央はばらばらですが、実は再現されている部分があります。それは、全部外側の枠に当たっている点です。これもある種の「再現性あり」ですが、望ましい状態ではありません。そこで、再現させなければいけないことは何なのか、狙った成果を意図して出せる状態をいかに作るのかを考える必要が出てきます。

「背中を見て学べ」は何が間違っているのか

再現性の高い組織を作るキーワードの一つにコミュニケーションがあります。ここからは、コミュニケーションの話になります。

上司や先輩から、TTPすなわち「徹底的にパクる」、言い換えれば「マネをしなさい」という指導を受けた人がいるでしょう。私もその一人です。学生時代、空気清浄機の飛び込み営業をやっていて、最初はとにかく先輩のマネをしたのですが、全然売れませんでした。そこで、学生時代の私はひたすら我流で工夫して、半年後にようやく成果を出せました。では、なぜ先輩のマネをして成果が出なかったのか。

大事なことは、「正しくマネをする」ということです。上の図の右側、二重丸で表現していますが、「状況を踏まえてマネをする」に尽きます。これを徹底的にやっていくということです。

あらためて再現性を高めるコツを4つご紹介すると、「環境・条件を揃える」「確率論であることを忘れない」「前提が変わればアプローチは変わる」「環境・状況は常に変化をしている」です。「マニュアルに書いてあったからやりました」とか「先輩がやっていた通りにやりました」、これらはマネではありますが、そこにコミュニケーションを加えることに意味があります。要するに、文脈や背景を理解させてマネをさせるということです。

高校時代、私はずっと野球をやっていたのですが、素振りはとてもきれいなのに実戦では全然打てないチームメイトがいました。つまり、ボールという状況に合わせたアプローチが出来ていなかった。この場合は、実際に投げ込まれるボールを打つ練習が必要です。これが環境・条件を揃えるということです。

「マネをする」の目的、本質は何でしょうか?モデルと同じ動きを自分もすることで、できるようになるまでのスピードを上げることです。ならば、自分一人で手探りでバッティング練習するよりも、これまでやってきた先輩に教わったほうが「手っ取り早い」わけです。

上司の仕事は「部下に成果を出させること」

私は、上司の仕事を「部下に成果を出させること」と定義しています。上司が新卒で入社して半年で受注が取れたとすると、部下が同じことができるまでに半年以上かかったら遅いのです。自分が半年なら、部下には5ヵ月、4か月と、どんどんかかる時間を短くしていかなければなりません。アウトプットを出すまでの習熟期間を短くすることが、先に経験した者の務めです。

だからと言って、上司はゼロから全部口頭で教えなければならないということはありません。簡単なことはマニュアルを見れば分かります。ノウハウや手法は、ツイッターやYouTubeを見れば役に立つ情報がいくらでも転がっています。だからこそ上司は、そこに状況、背景、目的、なぜその行動をとるべきなのかを説明してください。手法だけでなく目的や背景を伝えることができれば、「環境・条件」が合っているのかどうかの判断がしやすくなります。

部下のメリットは「後発優位性」です。後から入ったからこそ、早くできるようになれる可能性がある。組織内でそれが実現されていないならば、上司や先輩が先に経験したことを還元できていないということです。上司や先輩の経験を無駄にしないことが、部下を伸ばすことにつながります。習熟速度、知識スキル、失敗リスク、相手反応、結果的にこれらすべてが高い水準、良い状態でアウトプットにつながれば、これが生産性の向上ということです。

Aさんという料理人がいます。Aさんは料理店に勤めて最初の一年間、一緒に入った新人3人とひたすら皿洗いをしたそうです。しかし、Aさんは3人の中で一番早く出世しました。実は、Aさんはいつも下げられた皿に残った料理を舐めて、味付けを勉強していたのだそうです。一年間の皿洗いを通してAさんは料理人の階段を一段上がっていた。このエピソードから何が学べるでしょう。

現代の経営において、一年間ひたすら皿洗いだけさせて成長を促すような「指導」は有効ではありません。3人に1人しか成長しないのも再現性が低く、またそれに一年もかけていては、その間に世の中やマーケットが変わってしまう恐れがあります。だからこそ、部下を早く成長させることは組織の生産性向上のみならず、これからマーケットを取りにいくなどの営業戦略上も非常に重要だと言えます。

成果を再現するための方程式

環境、条件、手法、この組み合わせで成果が決まります。しかし、指導はするのに手法しか伝えていない組織が多いのが現実です。手法に加えて、「なぜこのタイミングでそうしたのか」「なぜこのアプローチをとったのか」をコミュニケーションを通じて明確にするべきです。

そのときはどんな環境であったのか。相手は誰であったか、競合はいたか、予算はどれくらいあったのか。上司や先輩は、そのときの営業における環境を示してください。また、制約条件は何があったのか、最終的にどのアプローチを行ったのか。その掛け算でアウトプット、すなわち成果が決まります。このように補足しながら文脈を伝えるコミュニケーションをお願いします。

「俺の背中を見て学べ」は手法しか伝えていません。背景、文脈、意図、目的、これらを伝えていないと、マーケットやお客様のニーズが日々変わっているこの世の中で、同じことを実行しても同じ成果が得られる保証はありません。競合は新しい手法、新しいサービス、新しいプロダクトを作っています。自分たちも同じことをやっていてはダメ、現代において現状維持は衰退です。

10年前と今でまったく同じ営業手法をとっている組織があれば、間違いなく仕事は難しくなっているはずです。たとえば、昔はアポ率10%でも、同じやり方をしていたら今は1%、むしろ0.1%でも普通です。それは、メンバーの能力の問題ではありません。マーケットをはじめ顧客のリテラシー、情報、知識など、様々な要素が進化・成長しているのに自分たちが適応できていない可能性が高いのです。

全てを再現して初めて成果が再現されます。世の中が変わっているのであれば、アプローチの方法もリニューアルし、カスタマイズしなければなりません。今日お伝えしたかったのは、まさにこの「再現するための方程式」の図です。この公式に尽きます。

成果を再現させるために、環境、条件、手法、これらすべてを含めてマネをさせる。そんなコミュニケーションが取れていますか?さらに言えば、これらを口頭で、レクチャーだけで伝えるならば、レクチャーの再現性が下がる危険性も考慮しなければなりません。上司によって、タイミングによって、時期によって、話す内容にばらつきがあれば、部下の理解にもばらつきが生じます。したがって、説明をテキストに残す、動画を活用するというように、同じことを同じように伝えられる環境を作る工夫も必要です。

まとめ ~部下の生産性を引き上げるために上司がなすべきこと~

繰り返しになりますが、環境、条件、手法、この組み合わせがずれたら、当然成果もずれていきます。ポジティブにずれたら単なるラッキー、運が良かっただけです。現代のビジネスで、特に営業のマネジメントをしている方の責務は、部下に求める成果を求めた通りに出させることです。良い結果が出たら、次回も、次々回も同じ成果を出させ続ける。このことをコミュニケーションにおいて意識してください。

そして、マネをさせるなら正しいマネのさせ方をしてください。それを見極める基準は、求める成果が出ているかどうかです。間違ったマネのさせ方をすると、求める成果が出ないのは必然です。そうならないために、部下とのコミュニケーションにおいては、「なぜその行動をとったのか」「そのときはどういう環境、条件だったのか」を伝えてください。これがコミュニケーションの品質向上であり、部下の習熟時間を短縮できます。

「生産性を上げる」とは、インプットの量、すなわちリソースや時間の投入量を減らしてアウトプットを維持するという見方が一つ。インプットの量は同じ、もしくはインプット量を増やしたとしても、それを上回るアウトプットが出せれば、生産性は向上したと言えます。

売上が3倍になった。けれども広告費も3倍かかった。これでは、意味がないとまでは言えませんが、生産性が向上したとは言い難い。広告費を半分にして売り上げを2倍にできたなら、そしてそれが継続できたなら、生産性は向上したと言えるでしょう。このような状態を目指すには、「なぜうまくいったのか」の分析ができる、それが伝えられるマネジメントを実践してください。

 

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