初回商談を経て、2回目、3回目と商談を行い、提案をする。どの営業も受注に向けては必ずこの流れを踏みます。
以前の記事では、初回商談や2回目商談に向けて意識すべきことについてまとめさせていただきました。
▼初回商談についての記事はこちら!
▼2回目商談についての記事はこちら!
普段研修やコンサルティングをさせていただいて、よくいただく相談の中に、「商談後のフォローや追客で上手くコミュニケーションをとることが出来ない」というものがあります。そこでそういったお悩みを解決するお手伝いが出来たら嬉しく思い、今回は「提案後のフォロー」について解説させていただきます。最後まで是非お付き合いください!
後追い営業の目的とは
まず後追い営業の目的について整理しておきましょう。
営業が行う後追いや追客の目的は「決断を促す」ことです。理想形は受注をいただくことではあります。ただ前提として、「YESorNOをもらう」このステップを踏む意識を持つことが必要です。〇か×かをもらうことが出来なければ、こちら側から次に行うことが出来るアクションが定まりません。〇をもらうことが出来れば、次のステップは利用に向けた相談なはずです。一方×であれば、なぜ他のところに決めたのか理由を聞いたり、その上でこちら側でお客様のために出来ることがないか考えたり、また次の相談に入ることが出来ます。
しかし「検討してる途中です」「まだ悩んでて」こういった状態だと、営業が支援できることがほとんど無くなってしまうのです。宙ぶらりんな状態だと、次こちらで何をしたら良いかというアクションが見えてくることはまずありません。つまり、現時点での答えをもらうことを意識していく必要があります。
決断が出来る環境をしっかり作っていく。このことが後追い営業や顧客フォローの主な目的となります。
相手が決断できない理由は何か後追い営業で突き止める
相手がどのポイントで悩んでいるのか。ここを突き止めていくことが重要です。大きくポイントは以下のように分けることが出来ます。
相手が悩むポイント①やるかやらないか
そもそも問題や課題の解決に対して取り組むべきかどうかを悩んでいる。これが1つ目のポイントです。
- 新規開拓営業に注力する
- 社内のDX化
例えばこういった課題解決の取り組みがあったときに、「本当にそれは今うちの会社に必要なんだろうか」「後回しでいいんじゃないか」このように相手が考えているなら、当然ながら受注や依頼は生まれません。そもそも論としてここを悩んでいる場合は、まず課題解決の必要性を相手に伝えていく必要があります。
相手が悩むポイント②外注か内省化か
やることは決まったけれど、外注するのか、それとも自社内のメンバーだけで取り組むのか。このポイントが2つ目です。お金をかけて外注するより、自分たちでなんとか出来るのならばその方が良いと考える人は多いでしょう。実際私自身も営業代行支援をしていますが、営業リソースを社内でまかなえるならその方が良いと思っています。自分たちで解決できる範疇なのか、それとも外部の力に頼った方が良いのか。ここに悩んでいるケースも存在します。
相手が悩むポイント③どこに依頼するか
上記2つのポイントを経て、そこでようやく「どこの誰に依頼するか」というポイントになります。このご時世、ライバルとなる同業他社はほぼ必ず存在するもの。ここで悩んでいる時には、比較表などをお渡ししてそれぞれのメリット・デメリットを解説して、どの選択がおススメかお伝えする動きが重要になってきます。
相手が悩むポイント④いつから始めるか
お願いする相手も決まった。すると「いつから開始するか」という点を考える必要があります。先日ご支援させていただくことが決定したお客様を例に出すと、そのお客様は決裁フローの都合上開始まで数カ月待ってほしいという状況でした。スタート時期が明確にならず、いつ始めるかをすり合わせするパターンも存在します。
相手が悩むポイントはこの4つ。それぞれステップがあるということを念頭におくようにしましょう。相手がどのポイントで悩んでいるのかを明確にすることで、それに合わせた動きをすることが出来ます。
あくまで意識すべきなのは「相談」であること。
- いかがですか
- どうですか
- ご検討状況は
こういった回答だけを確認しにいくコミュニケーションはNGです。意識していただきたいと思います。
後追い営業の必要性
なぜ後追い営業は必要なのでしょうか。この点についてまとめていきます。
後追い営業の必要性①優先順位の確定
優先順位を高めていく。このためのコミュニケーションとして後追い営業は重要な手段です。
- そもそもやるべきか
- 今決断すべきか
- どの相手に依頼するか
- 時間をどの程度かけるべきか
人は全てにおいて「優先順位」を決めて行動しています。1日が24時間という制約がある以上、全てをやりきることは不可能なわけです。意識無意識関わらず、人はやるべきことを順番決めして動いています。
このことを考えたときに、「自分の提案は相手にとってどのくらいの優先順位なのか」ということを自問することは重要です。優先順位が低いなら、お客様の検討が進まないのは必然だと言えるでしょう。このことを避けるためには、「なぜ今やるべきなのか」という点から訴求していくことがポイントとなります。
優先順位を上げたいと考えたときに、多くの営業はニーズ喚起から入ります。ニーズ喚起は言わずもがな重要な点です。ただ、優先順位を高める上でもう1つ意識すべきことがあります。それは、
「いつまでに必要なのか」
ということです。例えば、商材を導入して成果がでるのが3ヶ月後という商材であれば、最低でも期限の3ヶ月前には導入しなければ意味がありません。つまり、目の前の相手がいつ成果が欲しいのかを確認して、そこから逆算することが必要だと言うことです。
この逆算をすることなく、「今すぐやりましょう」ということしか言わないならば、お客様は「なぜ今やるべきなのか」という理由を理解出来ません。ここが明確にならないと、「後回しでいいや」という考え方になってしまうのも必然だと言えるでしょう。
この「いつまでに」は優先順位を上げるためには必須の観点となる点をおさえておきましょう。
後追い営業の必要性②決裁の下ろし方を確認する
当然ですが受注には決裁権を持つ人や部署の承認が必要になります。ここで多くの営業はアプローチの際、「決裁権ありますか?」という質問をして、決裁権がない場合は上司に繋いでもらうように依頼する場合がありますが、望ましくないと言わざるを得ません。正直対応してくださっている方に失礼です。
本来ここで確認すべきなのは「決裁の下ろし方」です。実際決裁権を持つ人でも、自分1人で決めるのではなく周りと相談して決めているパターンも存在します。こういった相手に対して決裁権を持っているからといってガンガンアプローチをしてしまうなら、それは逆効果になりかねません。
こういった決裁の仕方であれば、現場の声を集めて相手が判断しやすい環境を作っていくことが必要だと言えるでしょう。ポイントは「相談のハードルを下げていくコミュニケーション」をしていくことと、「決断のハードルを下げる」ことです。
決断は大変なものであり、労力を使うものです。リスクを背負う以上、気軽に決断することは出来ない場合も多くあります。金額や規模が大きくなるほどその傾向は強くなるでしょう。そうなると、当人だけではなく周囲とのコミュニケーションや、言い方を選ばなければ根回しが必要になってきます。
つまり、「これをやることに決めたので皆さんよろしくお願いします」ということをお客様が社内に伝えやすい環境を作っていく意識が必要だと言うことです。例えば社内用の資料を作って、皆さんに見てもらう。これがあるだけでもお客様の社内への説明の手間が省けるでしょう。コストが減ると、「お願いしようかな」という状況を作ることが容易になります。
後追い営業の勘違い
後追い営業にはよく勘違いされているポイントがあります。ここを整理しておきましょう。
後追い営業は督促ではない
督促とはお金の未払いに対して等、やると決めている相手に対して強く依頼をするコミュニケーションのこと。本来履行されるはずのものがされていないのであれば督促というコミュニケーションも間違いではありません。
ただ、営業において決断を促すというのは、決して相手から合意を得ているものではないということは念頭に置くべきです。口約束で期限は決めているかもしれませんが、その約束は契約書に記載されているような正式なものではないからです。
このことを考えたときに、督促されたところで相手はネガティブな感情しか抱かないことは想像に難くないでしょう。
- めんどくさい
- しつこい
- ゆっくり考えさせてほしい
コミュニケーションにおいて壁でしかないネガティブな気持ちを、督促によって営業自ら作り出してしまうのです。コミュニケーションの上で、相手がストレスや不安を感じてしまうなら、決断を促すことはおろか相談相手になることも出来ないでしょう。
商談において解消すべき不の文字
商談中の話になりますが、「不」の文字に注目してコミュニケーションをとることが後追い営業をしやすくする上で重要になります。「不」とは、
- 不便
- 不満
- 不足
このことを指します。営業の提案は基本的には課題解決のために行うものです。課題はお客様が抱いている理想と現実のギャップから生まれます。このギャップを埋めるために営業の提案は存在しているのです。つまり、『「不」を解消するためのお手伝いを私なら出来ます、是非私にさせてください』ということをしっかりと伝えていくことによって、「じゃあお願いしてもいいかな」という気持ちを引き出すことが出来るということです。
反対にいえばこの状態が作れていないなら、いくら提案後のフォローや後追い営業をしたところで効果は発揮されないと言えるでしょう。なぜなら、相手が必要性を全く感じていないからです。
お客様と営業が「必要なものである」という同じ認識を持てていることが前提にあって初めて、後追い営業は効果を発揮します。この点をおさえておきましょう。
提案後の具体的なアクション
提案後の動き方。ここで一度是非振り返って考えていただきたいのが、「相手にネガティブな感情を与えるやりとりになっていないか」という点です。
ビジネスにおいて、「即レス」が大事だという話を聞いたことがあるでしょうか。即レスが大事だというのは間違いありません。しかし、なぜ大事なのかという本質を掴んでいる人とそうでない人では、即レス意識の定着に差が生まれます。即レスをすることによって「相手の待ち時間」というストレスが減ることが即レス意識の一番のメリットです。
- この人めんどくさいな……
- この人と話すとなんか疲れるな……
こういった人に会ったことはあるでしょうか。正直こういった方とは仲良くしたくないですよね。プライベートでも、営業と顧客であってもこの点は共通です。「面倒だ」こう思われてしまったが最後、その営業から商材を買う意欲が減退するのは間違いありません。
「他にも似たような商品があるから他の営業でいいや」
「督促ばっかで関わるのが面倒くさい、もう会うの止めよう」
嫌われないようにする工夫が大切。この目線で見たときに、向き合うべき「不」があります。大前提として、不快や不安を与えないコミュニケーションが出来ているかどうか一度見直すことが重要です。この不快や不安を与えないためのテクニックとして、上述した即レスがあるのです。
お客様のモチベーションが高いタイミング
お客様のテンションやモチベーションが最も高いタイミングはいつか。それは、商談時です。時間がたつほど徐々にモチベーションは落ちていきます。「よくよく考えてみたけど段々やりたくなってきたよ」ということはあまりありません。もし商談時に相手のモチベーションが高まっていないなら、提案内容を振り返る必要があるでしょう。
商談時にモチベーションを高め、そのモチベーションを下げないように関わっていく。この意識が必要になります。
不を解消するコミュニケーションを
上述した部分とも重なりますが、営業は基本的に「不」を解消するコミュニケーションが大切です。先ほどのポイントの他にも、
- 不信
- 不適
- 不要
- 不急
こういった数々の「不」のポイントを解消するコミュニケーションを積み重ねていくことが、信頼や相手との良好な関係を築くことに繋がります。
お客様は営業からの情報や材料を待っています。決して督促を待っている人はいないでしょう。お客様が検討を進めるにあたって役立つ情報をくれる営業に対しての信頼度があがるのは必然でしょう。営業はお客様の相談相手であるべきです。この意識を持たないと、押し売りや相手にストレスを与えるコミュニケーションをしてしまいがちになります。この点を是非意識していただきたいと思います。
提案から提言へ
商談時に提案を行った後は、その提案に対して自分の見解や意見を伝えていく必要があります。
- 私の個人的な意見ですが……
- 私はこのように考えているのですが……
こういった自分の見解を伝えてあげることによって、相手が決断をする上で必要な判断材料・判断基準が生まれていきます。このことなしに検討状況のみを聞いてしまうがために、お客様からするとコミュニケーションに価値を見出せなくなってしまうのです。
相手がコミュニケーションに価値を見出せるためにも、提案で終わらず提言をしていく意識を持つことが重要になります。
後追い営業を成功させるコツ
最後に後追い営業を成功させるコツをまとめさせてください。ポイントは以下の通りです。
後追い営業のコツ①必要な材料・情報の提供
決断を促すことが後追い営業の目的です。その中で情報不足であるなら、お客様は決断をすることが出来ません。情報不足は不安や不信を生むからです。
連絡をとっているから大丈夫だとは思わないでください。相手が決断できていないポイントに合わせた、ある種処方箋ともいえるような適切な情報を提供することが必須です。情報やコンテンツを継続して渡すことで、相手が考えやすい環境を作ることが出来るようになります。
後追い営業のコツ②必要な時期からの逆算
相手が成果を求めている時期を確認し、そこから逆算した提案にしましょう。上述した部分ですが、ここをまとめることで、「なぜ今やるべきか」という点に根拠のある理由付けをすることが出来ます。
後追い営業のコツ③なぜ弊社であるべきなのかを伝える
意外と出来ていない人が多い部分です。「なぜ弊社であるべきなのか」「なぜ我々が支援することがベストなのか」「なぜ自分と関わるといいことがあるのか」このなぜの部分を明確に感じてもらえる意識が必要になります。
当然のことですが、最後決断するのは機械ではなく人間です。会社という箱があったとしても、最終的には人間の感情に左右されます。この点は忘れてはいけません。
感情全振りはNG
ただ1つ注意点として、根拠のない感情論だけに頼ることは避けるべきです。なぜなら、法人の場合特にですが、担当者が社内に説明するというステップが存在するからです。周りに説明するためには理屈がなければいけません。感情だけで全ての人を納得させるのは非常に難しいものです。「この営業元気がいいので決めました」だけで上司や関係者にOKをもらえるとは考えにくいですよね。
しっかり根拠を合わせてコミュニケーションをとることが重要になります。
音信不通になってしまう理由
音信不通になったり、会話が出来なくなってしまう最たる理由は「督促しかしていない」ということです。督促はマイナスでしかないので、繰り返しですが情報提供の意識を持つようにしましょう。
後追い営業のコツ④違う理由を作る
ここでいう理由とは「会うべき理由」のことです。
アポイントを取る理由が検討状況や提案内容の確認のみでなく、もう1つ理由を作ると効果的です。これは別件で会ったり、プライベートに関することでも問題ありません。こういった理由があれば、「ついでに」状況確認をすることが出来ます。ついでであれば、相手も本音を話すハードルが下がるため、スムーズなコミュニケーションをとれるようになるため重要です。
後追い営業のコツ⑤ヒアリングの積み重ね
常に相手をとりまく状況は変化しています。世の中の変化が激しい時代において、相手の状況だけが変わらないということはまずありません。常にヒアリングで状況をアップデートしていく意識が必要になる点をおさえておきましょう。
相手のことを考えたフォローを
ここまで様々な要素をまとめてきましたが、あくまで「相手が正しく決断できるよう促す」ことが営業のこの段階における本質になります。決して商談をして終わり、提案をして終わりにならないように、常に相手のことを考えたコミュニケーションを行っていく意識を持つと、商談後も良好なコミュニケーションをとることが出来るようになっていくと言えます。
今後の営業活動の参考になれば幸いです。応援しています!
▼動画でも解説しています。参考になる情報を発信していますので、是非見てくださいね!
【受注を確実に!】提案後にすべきアポ相手のフォロー
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