今、多くの会社は「営業戦力」の不足で悩んでいます。

この問題は常につきまとう課題であるのは事実です。しかし、これは単に人材を採用すれば解消するという問題ではありません。人材を採用してもミスマッチでパフォーマンスが低かったり、成果が出せなければ、逆に他のプレイヤーにしわ寄せがいってしまったり、マネジャーの負担が増え、逆に問題が根深くなるケースも多々あります。

営業ハックは「営業戦力不足の解消」を支援している企業です。具体的な手法としては「営業マネジメントコンサルティング」及び「営業人材の採用支援」を行っています。

良い営業マネジメントとは何か?

良い営業マネジメントとは売れる営業習慣を身につけさせることです。

社長にご判断いただきたいことがあります。マネジメントの指針を明確にしてあげてください。もしくはマネジャーの決めた指針を承認してあげってください。

営業ハックが提唱するとマネジメントのベースは「タッチポイント起点」での営業管理です。タッチポイントとは顧客接点を指します。そして受注をいただけて初めて売上が生まれわけですが、まずは受注をいただける関係構築をベースに考えていきます。その上で、その”受注”の単価、いただける期待値=期待料をいかに高めることができるかを考える「提案品質」の2つの視点で考えます。

営業をシンプルに「受注数×顧客単価」の目線で考えていく視点です。

受注獲得戦略=タッチポイントマネジメント
売上獲得戦略=提案品質マネジメント

複雑な営業管理をよりシンプルに、わかりやすく、成果に直結する管理ができる支援、お手伝いをさせていただいております。

【受注獲得戦略】タッチポイントマネジメント理論

タッチポイントマネジメントを推進していくにあたってキーワードは5つです。

「見込み100人」「3ヶ月10回接触」「メディアミックスアプローチ」「ショートMTG」「5回提案」

営業を進めるにあたって「相手のニーズにあたって提案をしたい」と、全ての営業は思っているはずです。そのためにヒアリング力を磨き、提案スキルを高め、同時に情報収集能力も向上したいと誰しもが思っています。しかし、スキルありき、技術ありきの能力開発には限界があります。

その理由は顧客不在の営業スキルになってしまうからです。

タッチポイントマネジメントのベースは「顧客ありきの営業能力向上」「目標達成に向けた必要行動の担保をベースにした能力開発」に主眼を置いています。上記5つのキーワードを念頭に繰り返し、念仏のように唱えることで、何をすべきかが明確になります。そして、このマネジメント戦略を詳しく解説すると下記になります。

タッチポイントマネジメントの営業戦略は、既存・新規問わず顧客・見込客となるアプローチしたい相手を見込客100人(100社)定め、3ヶ月10回接触を短期集中でデジタル・アナログ/対面・非対面/メール・電話・SNSなど、相手が使っているコミュニケーションツールを駆使して、メディアミックス戦略アプローチで相手に接触。さらに、この期間に電話商談などのショートMTGを含めた5回提案を行い、早期に4回お断りをもらい、相手のニーズを明確化し受注をいただくアプローチ戦略とその管理・徹底を行うこと。

各項目について、こちらで詳細を解説させていただきます。

タッチポイントマネジメント①見込み100人

見込客100人というのは、営業1人当たりが担当する顧客・見込客の限界人数としての定義です。

「ダンバーズナンバー」という理論があります。これは安定した関係性を維持できるのは150人が上限という英国の人類学者ロビン・ダンバーの研究理論です。もちろん人によって前後もあるかと思います。ただ私の個人的な経験やこれまでの多くのメンバーの営業マネジメントを行なってきた経験から、1人の営業がお客様1社1社、1人ひとりとしっかりと向き合い、ちゃんと顧客のことを把握できている状態は100社が限界だったと感じています。

なぜ150人ではなく、100人なのか。

そもそもこの150人の中には社内の人間関係やプライベートの人間関係も含まれています。この点から考えた時に100人が営業における限界という定義です。もちろん商材や営業手法に前後はあるかと思いますが、まずは受注・未受注問わず「自分が担当しているお客様」が100人いる、そして自他ともに理解している状態を作るべきです。

また新規・既存問わずというのもポイントです。タッチポイントマネジメントのゴールは「受注数の最大化」が目標です。新規開拓におけるゴールはわかりやすく新規受注です。一方で既存のお取引先に関してもリピート受注をいただくという発想で営業をかけることを推奨しています。つまり現在取引のあるお客様も次の受注、リピート受注の見込客という捉え方をするということです。

新規・既存問わず、常に見込客が100人いる状態を毎月作る意識が必要です。

タッチポイントマネジメント②3ヶ月10回接触

人間は忘れる生き物です。ましてやお客様の立場からすれば、日々の業務に忙殺され、毎日のように他の会社からも営業の電話やインターネットをひらけば広告が溢れているご時世で、1回商談をしたからと言って、しっかりと記憶してもらえることは非常に稀です。さらに、昨今はオンライン商談も増えており、五感を使ったコミュニケーションができないため、さらに相手の記憶に定着しづらい環境が生まれています。下記の図は「エビングハウスの忘却曲線」と呼ばれる、人間はどれほど記憶”できないか”を研究した内容をまとめたものです。

ご覧いただいてわかる通り、20分後には42%を忘れ、1日経つ頃にはどう74%もの情報を忘れています。ここで一通、商談後の御礼メールを送っていたら、学習面で言うと「復習」が生まれ、再度記憶の定着化が進んでいくわけですが、こういった定期接触を疎かにしている営業が非常に多いのです。ここでのポイントは、人は忘れることを前提にコミュニケーションを図ることです。

良い提案をする、相手と良好な関係を築くことを考える前に、しっかりと相手の記憶に残るアクションを重ねることが大切です。記憶に残るメカニズムは「インパクトが大きい出来事・事象があるか」「復習の回数が多いか」です。インパクト×回数、この方程式を意識したアプローチが大切です。

営業をするにあたって、インパクトのある商談をしたいと言うのは気持ちがわかります。しかし、「面白い商談」「他とは違った商談」を作り出すのは、個人のパーソナリティにも依存する部分であり、再現性を高めることが難しいことも事実です。一方で回数をこなす、という視点であれば、これは誰でもできます。

タッチポイントマネジメントでは営業マネジメントをシンプルに、かつわかりやすくすることが狙いです。結果として再現性高く、多くの営業が成果を出せることを目指すために、まずはしっかりと回数を重ねることをメインにしています。そして、そこで意識してほしいのが3ヶ月10回接触です。繰り返しですが、人は忘れる生き物です。にも関わらず、新規・既存問わず、1ヶ月に1回定期的に打ち合わせをしています、では相手の記憶に刺さることは難しいです。

営業が自分の狙った提案で受注するためには、自分の提案した内容、解決すべきと提示した課題の重要性及び緊急性を高めてもらう必要があります。その前提となることが記憶です。覚えていないことを人は重要度も緊急度も高めることはできないからです。短期集中で相手の記憶に残るまでアプローチをまずはやり切ること、ここをスタートにすることが大切です。

タッチポイントマネジメント③メディアミックスアプローチ

一方で、3ヶ月に10回接触をする、連絡を取ることは難しいと言う声をいただくのも事実です。まず3ヶ月10回接触のルールとして下記を押さえてください。

3ヶ月10回接触ルール
  • 接触理由は自由(提案以外でも情報提供やプライベートの話でも可)
  • ツールは電話・メール・SNS・チャットは問わないが、相手が使っているツールを選ぶ
  • ツールは1つではなく、最低2つ以上活用する
  • 10回のうち、3回はリアルタイム・双方向で会話ができるツールで行う
  • 商談時は次回アポイントか宿題をもらう

「3ヶ月に10回接触してきてください」

という指示を昨年、クライアントの営業パーソンにお伝えしました。しかし、反応はネガティブなものばかりでした。そこでよくいただいた3つの質問に対して回答していきたいと思います。

man1

忙しくて、3ヶ月に10回も連絡を取ることなんてできません。

この気持ちは非常によくわかります。一方で3ヶ月に10回を全て電話や商談、個別のメールと思わなくてOKです。そもそも営業活動において意識してほしいことは、まずは記憶に残ること、という話をさせてもらいました。記憶に残るポイントは2つあります。

  • 提案している内容及び課題に対して記憶に残してもらうこと=問題意識を持っていただくこと
  • 自分という営業パーソンが何ができて(何屋=何の専門家)、どんな役に立ってくれるのかを理解し覚えてもらうこと

多くの営業が自分の顔と名前を覚えてもらう努力と工夫が少なすぎるのです。昨年、実際に営業同行をさせてもらった際もお客様から名前を呼ばれていない営業パーソンが非常に多く、会社としての付き合いになっているんです。おそらく、お客様先の社内では営業のことを「◯◯さん」と名前で呼ばれるのではなく、「〜〜会社の営業さん」と言われているはずです。

「知名度、認知度がある」「有名企業である」「上場している」など、社名で自社のことが全てわかるのであれば、これで良いです。しかし、大半の営業パーソンはそもそも勝ち戦からコミュニケーションがスタートしているのではなく、知名度やブランド、商品力等何かで負けているところからスタートするケースがほとんどです。特に中小企業の営業であればここは必然です。

私は以前、営業研修でも「負け犬の営業戦略」というタイトルが強すぎて、周りから引かれてしまった営業セミナーを開催したことがあります笑

ここでお伝えしたかったことは、まず営業の前提として下記を押さえることです。

負け犬の営業戦略
  • お客様は現状ビジネスが回っている状態にある
  • 情報・ツールが溢れかえる世の中で、ベストではなくても何とかなっているベターを既に選択をしている
  • 人が意思決定をする根拠は機能や有用性がベストか否かよりも、権威性や関係性で決まることも多い
  • どんなに良い提案でも実施されない理由の1つは「面倒臭い」。相手の重要度・緊急度を上げるアクションが必須
  • 「何でもできます」は大手・有名企業に負ける。「これができる」の一点突破を探る

営業は常にロジックと感情が不可欠です。どうしても多くの営業はどちらかに偏ってしまいがちです。しかし、人の一歩目を引き出すのは論理性よりも感情にいかに訴えかけることができるかです。

感情訴求力は単に相手に響く言葉を持っているかどうかではありません。むしろ、言葉だけの営業はお客様から信頼してもらうことは難しいです。そこにはストーリーが必要なのです。箱根駅伝で自分の息子でもないランナーを人はなぜ応援してしまうのか。毎年テレビを見たり、街頭に行って応援してしまうのは、まさに感情が動かされた証拠です。そこには「この駅伝のために毎日懸命に練習を重ねてきた姿」「その襷(たすき)をちゃんと繋ぐために懸命に走っている姿」から、応援したいと言う気持ち・感情が生まれているのです。

営業においてもこの”姿”を見せることが大切なのです。この人なら応援したい、この人にうちのビジネスを手伝ってもらいたい、そう思ってもらえる姿を見せるためには1回の商談でなんとかできるような営業はごく僅かです。短い期間でまめに連絡を入れることで、「この営業は他社の営業と違う」と感じてもらうことが大切です。

man2

10回も連絡を取る理由もネタも持ってないです。

これは先に断言しておきます。

そんなことはありません

と言うよりも、3ヶ月で10回も連絡ができるネタがないのであれば、これは営業の勉強不足です。3ヶ月の間で、お客様のビジネスは何も変化をしないのでしょうか?業界は動かないのでしょうか?法改正や競合他社の新しい動きは出ないのでしょうか?社内でも事例やナレッジは集積されていないんでしょうか?

変化の激しいこのご時世、現状維持は停滞です。だからこそ、日々の状況変化に合わせるとともに、先行きを予測したアクションが不可欠です。

ただ毎回訪問して、商談をすると言うのは現実的では無いこともわかります。私が会社員だった十年前は「お前、日中に社内にいるなんてさぼっているんじゃねぇ」と怒られました。しかし、今は時代が違います。もちろん会ってコミュニケーションを図ることは大切ですが、お客様も忙しいです。情報提供だけであれば、わざわざ商談をする必要はありません。

商談=ディスカッションの場です。情報をただ伝えるだけであれば、メールや電話で十分です。単なる説明だけであれば内容を録画して、Youtubeにアップして伝えるでもOKです。商品説明もただ一方的にデモを見せたり、商品パンフレットの説明をするだけであれば、動画やホワイトペーパーで十分です。

毎回商談を重ねようとするからネタや情報がなくなるという発想を是非持ってください。

むしろ良い商談を実現するために、商談前後のコミュニケーションを大切にする意識を持ってください。商談を行う前に、商談のアジェンダを送ったり、自己紹介の資料を送る、これも大事なコミュニケーションであり、コンタクトです。商談が終わった後にちゃんと議事録や御礼、宿題をもらったらその宿題の回答をちゃんと伝える、メールや目セージを送っていますか?

営業=商談をしてなんぼ
テレアポ=電話をかけてなんぼ

という発想から、ちょっとの工夫で印象も変わります。

「やればできる」「頑張ればできる」ではなく、どうすればできるかを一度冷静に考えてみてください。情報提供のスタンスをいかに購入に繋げるかと言う視点から、

  • 相手の情報の過不足や誤解を埋める支援
  • 会話やディスカッションのきっかけを生み出す活動

この2つの視点を意識しながら、コミュニケーションを図ってみてください。

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なんとか頑張ってみますけど、100社全部にやるんですか?

基本は100社を推奨します。そのために営業のDX(デジタルトランスフォーメーション)化は必須です。

なぜDX化が必要なのか。経済産業省は「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」にて、DXの定義を下記のように記載しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること

また研究会で発表した「DXレポート2.1」ではDXにおける企業の姿を下記としています。

DX の終着点における企業の姿とは、価値創出の全体にデジタルケイパビリティ(価値を創出するための事業能力をソフトウェアによってデジタル化)を活用し、デジタルケイパビリティを介して他社・顧客とつながり、エコシステムを形成している姿

デジタルトランスフォーメーションは単なる事業のデジタル化ではありません。厳しいビジネス環境に勝ち残るために、事業のプロセスや業務の進め方、さらには風土・文化の見直しを行うと言うものです、これは現代の営業においても向き合わなければいけない大事な課題感です。

オンラインでの商談が増え、Twitterなどをみていると経営者のMTG・打ち合わせが1日20件という方もいます。実際に私の知り合いの経営者も、今日はずっとリモートで30分刻みでアポが入っていると言う話をしていました。1日8時間、30分刻みでアポイントがあれば16アポです。こういった状況下で相手の記憶に残るアプローチをしていかなければいけないのが昨今の営業なのです。

忙しいから連絡を取らなくて良い

これは未来の自分を苦しめる行為です。営業の成果は今日の自分の頑張りではなく、過去の自分の頑張りの集大成です。そのためにも100人のアプローチは継続すべきです。

ただ大事なポイントはアプローチに優先順位をしっかりとつけると言うことです。この議論をすると「営業が顧客を選ぶのか」という話をされる方がいます。結論は

しっかりと顧客を選ぶべき

と言う結論です。自分の限られた時間の中で全ての人に価値提供することはできません。万人に対等に平等に営業する時間はありません。一方で関わる覚悟を持った相手を疎かな対応をしてはいけません。また連絡頻度が減れば、結局忘れられて終わりです。

営業が意識すべきことは、全てのお客様、全ての見込み客に同じことを繰り返す営業から脱却が必要なのです。下記、5つのチェックポイント、いくつ当てはまるかを少し考えてみてください。

営業DX化推進チェックポイント
  1. 営業は常にお客様先に出向き、対面での商談のみを推奨している
  2. アポイントの獲得方法は基本的に電話で全て行っている
  3. 受注確度以外の顧客分類基準がない
  4. 一斉に連絡を取る手段や情報提供を行うツールを使っていない
  5. 日程調整はメールや電話で随時調整している

「Excelで顧客管理をしているからDX化ができていない」「CRMやSFAを導入していないからDX化できていない」ではありません。営業パフォーマンスを最大化させる、効率的に営業活動ができる環境が作れていないから、100社のコンタクトが取れないと言うことです。

100社のコンタクトは難しいことではありません。ポイントは3つです。

  • 顧客分類を行う
  • メール・SNSを活用した情報提供の実施
  • 電話を活用したショートMTGの活用

全ての顧客に毎月2回商談、個別に情報提供メールを週に1回送信、連絡が来たら即アポイントで訪問、というような営業活動を続けていたら、とにかく働くしかなくなります。しかし、働き方改革関連法がスタートし、従来のような「売れるまで営業を続けろ」「アポが取れるまで帰るな」というようなマネジメントはもうできません。

だからこそ、この3つのポイントを押さえた営業マネジメントが不可欠なのです。DX推進はツール導入だけでは実現しません。まずはマネジメント体制や指針を明確にし、営業メンバーの習慣変容が先にあります。

man4

そんなに連絡を入れたら、お客様に面倒くさがられません?

先日、こんなツイートを私宛にいただきました。

これもまさにDXで解消できる部分ですが、情報提供のために毎回毎回、商談を持ちかけられれば、相手も面倒臭いと思うのは必然です。営業が情報提供をする目的は「アポイント数の確保」のためではありません。関係を強化することが目的です。営業における関係強化とは何か?

この人にだったらお金を払って、私の問題・課題を解決してもらいたい

と思ってもらうことです。ただ多くの営業はこの点を勘違いしています。プライベートな付き合い、関係があれば、どんな問題・課題でも「お金を使う大義名分」があれば依頼は来ます。しかし、営業とお客様という関係ではどんな問題・課題でもというわけにはいかず、営業のビジネス範囲内における問題・課題に限定されます。

つまり、とにかく仲良くなれば良いという営業スタイルでは厳しいのです。さらに新型コロナウイルスの影響で、ゴルフや接待、飲み会・会食なども減り、営業と顧客の関係は今まで以上にビジネス側面のみのプライベートな関係性が生まれづらい状況になっています。だからこそ現代の営業は、3つのお客様から「営業理解」が必要不可欠であり、理解され力が不可欠です。

  • 自分が何者であり、何の専門家かを理解してもらえている
  • 具体的にかつ鮮明に何をしてもらえそうかを想像してもらえている
  • この人だったら約束したこと、期待したことをしっかりと叶えてくれると感じてもらえている

そして、最後は

この人だったらお金を払って、私の問題・課題を解決してもらいたいし、解決してくれる

と信頼と期待を持っていただく関係を持つことが大切なのです。

タッチポイントマネジメント④ショートMTG

さて、ここまで短期間に10回以上の接触回数を重ねるお話をさせていただきました。

ちょっと脱線しますが、なぜ有名人って存在すると思いますか?有名人だって、元々有名だったわけではありません。短期間に集中してテレビで見る機会があり、多くの人に記憶が残っているから有名人になれたのです。もしくはお笑い芸人であればM-1グランプリや美少女コンテスト、オリンピックなど、会自体が著名なイベントや大会で優勝したり一定の成績を残したりすることで、有名人になっていくわけです。

有名=多くの人の記憶に残るためには、大会で優勝するではなく、やはり短期的に目にする機会を増やすことが大切で、営業に置き換えたら、自分の名前を何回も見てもらえる機会を意図的に作ることです。

しかし、これだけでは営業は成果になりません。営業のゴールは有名になることではありません。依頼・発注をいただいて初めて成果が生まれます。これが受注です。つまり、マーケット内における知名度ではなく、自分がアプローチをしている相手の検索エンジンの中で上位表示されれば良いのです。GoogleでもTwitterでもマーケットでもなく、営業相手の脳内SEOが実現できれば良いのです。

そのための短期集中マルチメディア戦略ですが、検索されるためにはもう1つ必要な要素があります。それが提案です。

営業の理想はとかく紹介や問い合わせなどのPULL型の営業とされがちです。もちろん、自動化された営業は理想であり、PUSH型営業と並行して仕組みとして整えることは必要不可欠です。しかし、営業を複数人抱えている組織は、マーケティングありきの営業だけでなく、営業主導の営業も並行して準備しておくことで、組織の売上・受注獲得チャンネルを増やすことに繋がり、事業のリスクヘッジに繋がります。

そして本題に戻ると、営業において大事なことは繰り返しですが、提案をいかに行なっているかということです。

提案をしなければ受注は生まれません。営業におけるKPIを個人でも組織でも色々と考えてきましたが、一番大事なことは提案回数でした。提案回数を最大化するためには、商談を設定すること以上に提案に必須な下記ポイントについて議論を重ねることが大切です。

営業提案必須の5ポイント
  1. 相手の課題は何か
  2. 今やるべきことは何か
  3. 自分にできることは何か
  4. なぜ自分なのか
  5. なぜ他者よりも自分の提案なのか

またこれまでの営業は1回の商談で決断を促すことが美徳とされていました。もちろん今でも1商談1受注は営業効率が高く、理想的です。しかし、これだけ情報が溢れ、競合他社の多いご時世で、1商談1受注は非常に難しいのが現代の営業です。

一度に全てを伝えることを目的にするのではなく、提案=自分の考え(仮説)提示+相手からのフィードバックをもらう機会と捉え、複数回に分けて議論を交わす・重ねることが大切です。そして、そのためにやるべきことが電話を活用し、ショートMTGを行うことです。

現代の営業の基本の型とされているのが「The Model(ザ・モデル)」です。マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールス・カスタマーサクセスと、営業を分解・分業し、営業効率を上げていく考え方です。

  1. マーケティング

  2. インサイド
    セールス

  3. フィールド
    セールス

  4. カスタマー
    サクセス

これを1人や少人数の営業においても取り入れることはできます。営業をシンプルに活動を定義すると下記になります。

自分の商品・サービスで解決できる内容が必要な相手を探し出し、その相手に自分の必要性とこの人だったら大丈夫と信頼をしてもらい、契約書にサインをいただくと同時に、約束した結果を相手に納品すること

 

営業は集客活動でもあり、関係構築活動でもあり、課題解決でもあり、受注獲得活動でもあり、売上獲得活動でもあります。全ての活動を網羅的に行わなければいけないのが営業の難しさです。しかし、1つひとつを分解して丁寧に取り組んでいけば、成果は出ます。

営業を分業かしようがしまいが、集客を行い、関係を強化し、提案を重ね、相手の成果にコミットするのは必要不可欠な行為です。これを分解し、より丁寧に行なっていくためには1回の提案での一発勝負のような博打営業ではなく、「仮説提案」「アイデア相談」をこまめに行う、そんなショートMTGの機会を複数回増やすことが必要です。

ショートMTGはできる限り、相手の負担を減らす形式をベースに考えます。そこでおすすめなのは電話での商談を10分〜15分で行うことです。1人で悶々と考えるよりも、直接相手に聞いた方が相手のことや相手の課題への解析度は格段に上がります。

タッチポイントマネジメント⑤5回提案

5回提案のポイントは「1人に5回提案をする」です。5人5回ではありません。

そしてもう1つポイントは「早々にお断りをされてくる」ということです。多くの営業はお断りをされることが嫌いです。しかし、それは前述した一発勝負の博打営業だからです。そうではなく、もっとアイデアを提案する、仮説を相手に伝える議論のきっかけを提供すべきなのです。

「前に伺ったお話をもとに、こんなことを考えているんですが、御社にはどうですかね?」
「他社のご支援をさせていただく中で、〜〜がうまくいったんですが、御社にも転用できると思っているのですが、ご興味ありますか?」

こういったまだ提案書に書き起こせないレベルで良いので、相手に意見を聞くことが大切なのです。こういった相手へ考える材料を提案すると

「いやー、予算的に厳しいかな」
「実は前に他社と似たような取り組みんをしたんだけどうまくいかなくて」

と相手のことをより深く知ることができます。人が答えづらい質問は「未来質問」です。「どうなりたいですか?」「何がしたいですか?」と聞かれても、多くの人は解答に苦しみます。自分に置き換えて考えてみてください。「3年後、どんな人生を歩んでいたいですか?」「理想のキャリアを教えてください」と言われても、答えられない人がほとんどです。しかし、「これだけは絶対にやりたくないことってありますか?」「これは避けたいって考えていることってありますか?」と聞くと、なぜか解答がどんどん出てくるんです。

人間はプロスペクト理論と呼ばれる「損失回避の法則」があります。得をすることよりも損をすることを避けたい意識が強いのです。

この否定される意見を積み重ねることが、相手の本音を引き出すコツなのです。多くの営業は相手の本音を聞きたいと思ったら、ヒアリングスキルを高めにいきます。しかし、トップセールスを研究してわかったことは、どんどん自分の考えや仮説を提案し、相手からフィードバックをもらうことで、相手の本音に近づいていくのです。

そもそもトップセールスは「お客様自身が自分のことをしっかりと理解しきれていない」という前提で会話を重ねています。一方で成果が今一つの営業はお客様の言葉を鵜呑みにして提案を行い、失注しているケースがほとんどです。

営業は早い段階で失敗=お客様からのNoをもらっておくことが提案の精度を上げるのです。精度を上げるには先に失敗することが1番早いです。そのためには5回提案を私は推奨しており、まず4敗=4回のお断りをいただき、最後の1回で勝利=受注をいただく「4敗1勝営業」をお勧めしています。1戦1勝、百発百中の営業は時代変化が激しい中では非常にハードルが上がるとともに、お客様との関係構築においても貢献しません。

熱心な営業と思われている人は、繰り返し提案を重ねています。「違う」「それは不要」「間に合っている」と言われても、相手の言葉を元にしながら、「であればこういったアイデアはいかがですか?」「このようなお取り組みはいかがでしょうか?」と、何度も何度も提案をしているんです。

営業は失敗が悪の仕事ではありません。むしろ失敗を積み重ね、お客様のニーズと距離を縮めていく仕事です。

【売上向上戦略】提案品質マネジメント理論

営業における売上はどう決まるのか?

受注数×受注金額

シンプルにこれだけです。タッチポイントマネジメント理論は「いかに受注数を増やすか」という発想のマネジメントです。またお気づきかもしれませんが、やるべきKPI・指標は明確なので、タッチポイント管理においては会議は不要です。やっているかいないかを確認し、「いつまでに」「どうやって」数をこなすかを決めて、最後やり切るだけです。

この部分をマネジャーや管理職が問いただす、通称「詰め会議」は実施しないでください。本人たちに「見込み客100人」「3ヶ月10回接触」「5回提案」のスケジュールをひかせ、できているか否かの進捗チェックだけをしてください。

一方で、上司と部下の営業会議で行ってほしいことは「提案品質管理」です。受注金額、受注単価は「提案で決まる」という考え方です。これまでの私の経験上、提案していた金額を下回る受注はあっても、お客様からそれ以上お金を払いたいと言われることはほぼありません(実は0ではないのですが、ほとんどが提案金額以下に着地します)。

つまり、売上目標を達成するためには「提案金額が売上目標を超えている」状態を目指さなければいけないということです。

もちろん単価が決まった商材もあると思います。しかし、これからの営業に求められるのは付加価値をいかに付け加えていくかです。

「媒体を販売しています。単価は10万円です。営業目標は300万円です。」

この状況のみで思考を狭めてしまうと、受注を30件をいかに達成するかしか考えられません。しかし、一人で対応できるお客様の数には限界があるというのがタッチポイントマネジメント理論でお伝えした内容です。1ヶ月30日とすれば1日1受注、20営業日で考えれば1日1.5受注が現実的か否かで考えます。またこのご時世、売り切りモデルではなく、継続的にお客様との関係を維持・向上していくことが大事です。

この視点で見た時に、いかに「高単価な提案ができるか」という視点は常に持つべきであり、単価が高い提案になればなるほど、相手のことを深く理解しなければ受注には至りません。もちろんただ闇雲に提案金額を上げれば良いのかと言えば、決してそうではありません。

そこで意識して欲しいことは2つです。

  • 松竹梅提案(極端の回避性を活用したゴルディロックス効果提案)
  • 未検討領域提案
  • 付加価値提案
  • 3倍目標提案

1つずつ解説していきます。

提案品質マネジメント理論①松竹梅提案

人間には「極端の回避性」という心理が働いていると言われています。

松竹梅と3つのプランがる時、真ん中の「竹」が選ばれやすいという理論です。人間は極端な選択(1番高い・1番安い)を避ける傾向があります。その理由として、1番高いものを選んだ時に納得できなかった時に後悔をしたくない、1番安いものを選んだ時は周りの視線が気になるという意識です。結果として、中間価格・真ん中のものを選んでしまうという心理です。

法人営業において、こういった感覚・感情優先の意思決定は個人判断よりも起きづらいのは事実です。その理由は意思決定に関わる人が複数人におり、決断における説明責任が発生するケースも多いからです。しかし、決断・意思決定を行うのは人間であることも事実です。法人営業であっても提案・商談を行うのは、個人・人間です。だからこそ、人間心理を活用した提案は常に意識すべきです。

また売りたい商品・買って欲しい商品があった時、それだけを提案しても相手は比較材料がないため、わざわざ他社の声を聞いてしまうというケースもあります。人は説得で購入するのではなく、納得して買いたいという心理があります。納得するために自分で選んだ実感を提供する必要があり、だからこそ複数プランを提示する必要があるのです。

提案品質マネジメント理論②未検討領域提案

また価格勝負でいつも勝てないという営業がいます。この理由は、営業に問題があるというよりも、商品に価格優位性がないことがまず問題です。しかし、その前提を踏まえた上で、価格勝負をいつまでも続けている営業に問題があります。

「価格では競合や大手には勝てない」

ということを受け入れた上で、自分に何ができるかを考えていく必要があります。つまり、顧客の顕在化した課題のみに提案を行っていれば、お客様は自ら情報を集め、優位に商談を進めていくことは必然です。

今、営業がやらなければいけないこと、さらに言えば営業だからこそできることは「相手がまだ考えていない・検討を開始していない領域の提案を行えるか否か」が今後の営業としての存在価値に大きく影響するということです。

この未検討領域を提案するためには、顧客接点をベースとした仮説構築力が必須となります。机上の空論を並べるのではなく、お客様との会話をベースにしながら相手に必要な取り組みや今後発生しうる課題を提案できる営業がこれからの時代を作り出せる営業です。

提案品質マネジメント理論③付加価値提案

これは実際にあった私が担当していたお客様のコンサルティング前の話です。

笹田

今月はあと何件、受注が必要なんですか?

お客様

あと30件です

笹田

ということはざっくりですが、1日1.5件の受注を20営業日で考えると必要ですね

お客様

そうですね

笹田

今、見込みの数でいくと何社ぐらいありますか?

お客様

現場からは今はほぼないと聞いています

笹田

なるほど。わかりました。じゃあ新規から売上を作っていかなければですね。新規の提案から受注までは大体平均してどれぐらいかかりますか?

お客様

ちゃんと集計したわけじゃないですが、3ヶ月ぐらいです

笹田

そうなると、今月の目標達成は厳しいですよね

お客様

え?なんでですか?

この会話の問題を整理すると、これまでの営業スタイルでは「新規の提案から受注獲得まで3ヶ月かかる」という前提があります。つまり、今月の受注をいただくためには3ヶ月前からの”仕込み”が不可欠です。この前提を無視して、現場に今までのスタイルのまま「営業目標達成してこい」はマネジメントではなくハラスメントです。

営業において大事なことは「前提をしっかりと理解した上で設計をすること」です。例えば、1ヶ月で最大の受注獲得数が100件だった営業組織があったとしましょう。その商品の単価が10万円だったら、月の最大売上は1000万円です。にも関わらず、闇雲に「今月いけたから来月は売上目標2000万円だ」というような目標設定をすれば、現場は混乱し疲弊するだけです。

受注ありきで売上目標を達成しようとすれば、無理な行動量を現場に強いるだけになり、マネジメントとはどんどん離れていきます。高い売上目標を達成したいと思ったら、意識すべきことは「単価を上げる」視点を持つことです。単価を上げるには、相応の価値を相手に提供・提案しなければいけません。しかし、購入理由が「安いから」という提案から脱することができれば、お客様は高くても買っていただけます。

例えば、これまでの営業が「商品ありきの納品営業」だったとしましょう。しかし、その商品に対して、「私が考えた商品アイデアを毎月10個セットでプレゼントします」という提案をしてみてください。売上が上がるイメージが持てたとしたら、そのお客様は高いお金を払ってでもお願いしたいとなるはずです。自分の営業活動自体も商品にする、この意識を持つことが付加価値提案です。

付加価値提案ができるようになれば、1社・1人当たりのお客様からいただける単価が上がります。単価を上げることができれば、一人一人のお客様に向き合う時間を増やすことができます。1000万円の売り上げ目標を単価1万円の商品で実現するためには1000件の受注が必要です。これを10万円の単価に上げることができたら、100件の受注で達成になります。20万円にできたら50件です。お客様はお金を払った事実があれば、高くても安くても顧客意識が生まれ、営業に期待をします。

営業する側は「そんな安い金額じゃそこまでできない」と思っていたとしても、お客様にはその金額の比較材料がないため不満に繋がるのです。現代の営業は「いかに継続していただけるか」は非常に大事なポイントです。だからこそ、「安いから買う」という提案ではなく、「〜〜を実現するために◯◯を使う」という提案を意識することが必要です。

提案品質マネジメント理論④3倍目標提案

そして、最後のポイントですが、

松竹梅提案・未検討領域提案・付加価値提案を行った上で意識してほしいポイントは「提案金額の総額」を売上目標を上回らせるということです。

1000万円の売上目標に対して500万円しか提案していなかったら、売上目標に到達しないのは必然です。また失注もあります。値引き交渉をされることもあるはずです。一方でお客様からの方から値上げ交渉されることは稀ですよね。つまり、売上目標を達成するためには「提案総額を売り上げ目標を上回らせる」というシンプルなやるべきことを徹底すべきということです。

その1つの基準として「売上目標の3倍」の提案を行うということを営業ハックでは基準にしています。

売上2倍を達成するために必要なこと

売上を2倍にするためには今までの活動の効率化=母数アップだけでは実現はできません。また気合と根性だけで解決しようとしても、継続しない取り組みになってしまいます。大事なことは「再現性の高い取り組みを継続できる仕組みに整えること」です。

私は営業マネジメントの仕事は「勝ちパターンを増やすこと」と「再現性を高めること」と定義をしています。マネジメントは結果を”出させること”が仕事であり、役割です。そのために何をして、何をしないと決断をするのか、このアプローチが非常に重要になります。

営業をもっとシンプルに、かつ成果が出て楽しいものに変えるべく、今日も明日もこれからも日々私も精進していきたいと思います。

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