株式会社帝国データバンクは、2022年9月15日～9月30日に、全国2万6,494社を調査対象として人手不足に対する企業の動向調査を行いました。有効回答企業数は1万1,621社（回答率43.9％）でした。
人手不足企業の割合
2022年9月時点における正社員の人手不足企業の割合は50.1％となり、2019年11月（50.1％）以来2年10カ月ぶりに5割を上回り、新型コロナウイルスの感染拡大後としては最大となりました。2020年4月に発出された1回目の緊急事態宣言では、経済活動がストップしたことで人手不足も一時的に緩和され、29.1％まで急激に低下しました。その後、徐々にウィズコロナが定着し、景況感も上向くなかで人手不足割合も20ポイント近く上昇。こうした流れに歯止めがかからず、ついに半数超を記録しました。
非正社員についても同様の傾向が見られ、30.4％となりコロナ禍で初めて3割を上回りました。2020年4月時点(15.2％)と比較すると、人手不足企業の割合は倍増しています。
業種別、人手不足企業の割合
業種別では、正社員では「情報サービス」が71.3％で最も高く、DX需要が旺盛ななか、他業種と比較しても景況感は高水準で推移しており、IT人材不足が深刻さを増しています。続いて、「人材派遣・紹介」も65.0％と高く、「IT人材の需要が強い」や「人手不足で、派遣社員の供給が容易ではない」との声がみられました。また、「メンテナンス・警備・検査」（64.6％）や「建設」（64.4％）など、4業種が6割台となりました。
非正社員では、「飲食店」が77.3％と群を抜いて割合が高く、5割以上は6業種を数え、いずれも前年同月から大きく上昇しました。
「旅館・ホテル」では、正社員では62.5％、非正社員では62.3％が人手不足となり、それぞれ6割を上回る高水準となりました。10月11日には、観光需要喚起策である全国旅行支援がスタートしました。企業の34.3％が「自社にプラスの影響」と回答した一方で、観光業界内からは「人手不足で思うように需要を取り込めないのでは」「人材がおらず旅行者の受け入れ対策に課題がある」など不安を感じている声が多いく、今後も継続的な支援策による観光業界の復活が望まれるなかで、人手不足が回復のボトルネックとなる懸念が生じています。
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