ラポールの極意
概要
営業において重要な「ラポール」とは、単にお客様と仲良くなることではありません。相手が「この人なら本音を話してもいい」「この人の話を聞いてみよう」と思える関係性をつくることが重要です。
テレアポや新規開拓営業でも、まずは相手との関係性を築き、会話を続けやすいコミュニケーションを意識することが、アポイント獲得につながります。感謝を伝える、具体的な日程を提示する、質問を一つに絞るなど、相手の立場に立った対応が求められます。
また、テレアポでは相手から情報を引き出してからアポイントにつなげるのではなく、まず「なぜ会うべきなのか」という理由を明確に伝えることも大切です。アポイント獲得後にヒアリングを行い、必要な情報をもとに提案へつなげていきます。
本記事では、営業におけるラポールの意味や雑談・アイスブレイクの考え方をはじめ、テレアポで実践できる具体的なTipsを紹介します。ヒアリングや説明の進め方、相手への伝え方、スクリプトや声のトーン、アポイントの出口を変える方法など、成果を高めるための実践的なポイントを解説します。
内容
1.営業においてラポールが重要な理由
営業活動は、「ラポール」「ヒアリング」「プレゼン」「クロージング」「エンゲージメント」という流れで進んでいきます。
その中でもラポールが最初に位置づけられているのは、関係性ができていなければ、相手から本音を引き出すことが難しいからです。
例えば、初対面の営業担当者から突然「貯金額を教えてください」と聞かれても、簡単には答えられません。しかし、その営業担当者が自分の資産運用や将来設計について親身になって考え、自分のために提案してくれると理解できれば、必要な情報を伝えようという気持ちに変わります。
つまり、まず関係構築があり、その上でヒアリング、プレゼン、クロージングへと進んでいくことが重要です。
現在は商品やサービスの選択肢が多く、インターネットで情報を調べることもできます。そのため、以前のように強いクロージングだけで契約につなげることは難しくなっています。
現代の営業では、ラポールとヒアリングによって、相手を理解し、本当に必要な提案につなげることが重要です。
2.ラポールとは「本音と本気」を引き出すこと
ラポールは心理学やカウンセリングなどで使われる言葉で、「心が通い合っている状態」や「リラックスした関係」「信頼関係」を表します。
営業におけるラポールでは、営業担当者が自分自身を理解してもらうだけではなく、
- お客様が営業担当者のことを理解している
- お客様が自分のことを話してくれる
- 営業担当者がお客様のことを理解している
という3つが揃うことが重要です。
特に大切なのは、「本音で話そう」「この人の話を本気で聞こう」と相手に思ってもらえる状態をつくることです。
ラポールが十分に構築されていれば、単なる情報交換ではなく、お互いに深いコミュニケーションができるパートナー関係へと発展していきます。
3.ラポールのテクニックに頼りすぎない
ラポールを構築する方法として、バックトラッキングやペーシング、ミラーリングなど、さまざまなテクニックがあります。
例えば、相手が「最近ゴルフにはまっていて」と話したときに、「ゴルフですか?」と相手の言葉を繰り返すことで、相手の話をきちんと聞いていることを示せます。
しかし、テクニックを意識しすぎることには注意が必要です。
「この人、テクニックを使っているな」と相手に感じられてしまえば、かえって距離を置かれてしまう可能性があります。
テクニックはあくまで手段であり、目的ではありません。目の前のお客様を「攻略する」のではなく、心を通わせ、本音と本気で会話できる状態をつくることがラポールの本質です。
4.「信頼関係」の前に「関係構築」がある
営業では「お客様と信頼関係を築こう」と考えがちですが、信頼関係はいきなり生まれるものではありません。
初対面の相手に対して、いきなり「この人は信頼できる」と判断することはほとんどありません。
まずは「この人とは話せそうだ」「この人なら会話を続けてもよさそうだ」という関係構築から始まります。
そこから会話を重ね、「話していて楽しい」「親身に話を聞いてくれる」「相談してもよさそうだ」と感じてもらうことで、徐々に信頼関係が形成されます。
営業における最上級の信頼とは、お客様が自分の大切なお金や時間、人脈などを「この人のために使いたい」と思える状態です。
だからこそ、営業では「お客様がお金を払ってくれること」を当たり前と考えるのではなく、そこまで信頼してもらえたことに価値を感じる姿勢が重要です。
5.一つの行動が積み重ねを壊すこともある
ラポールは、一つひとつの行動やコミュニケーションの積み重ねによって形成されます。
一方で、これまで積み上げてきた関係が、一つの行動によって崩れてしまうこともあります。
例えば、採用面接で非常に好印象だった候補者が、最終面接に遅刻したことで不採用になるケースがあります。
それまでの評価が高かったとしても、重要な場面での一つの行動によって「信頼できない」と判断される可能性があります。
相手がどう判断するかを決めるのは、あくまで相手です。営業においても、これまで築いてきた関係を台無しにしないよう、一つひとつの言動を意識する必要があります。
6.ラポールの目的は「仲良くなること」ではない
ラポールについて、よくある誤解が「お客様と仲良くならなければいけない」という考え方です。
しかし、営業におけるラポールの目的は、仲良くなることではありません。
重要なのは、
「本音を話そう」と思ってもらうこと
「相手の話を本気で聞こう」と思ってもらうこと
です。
そのため、雑談が得意でなくても問題ありません。雑談やアイスブレイクは必須ではなく、営業活動が前に進むのであれば、多少コミュニケーションの距離があっても構いません。
最終的な目的は、お客様の課題を解決し、やりたいことや実現したいことを前に進めることです。
「仲良くなること」そのものを目的にしてしまわないことが重要です。
7.安心感・興味・専門性を伝える
ラポールを構築するためには、まず相手に安心してもらう必要があります。
そのためには、
- 自分は敵ではないこと
- この商談には意味や価値があること
- 相手の期待を理解していること
- 自分が何を提供できるのか
を伝えることが大切です。
商談の冒頭では、挨拶だけで終わらせるのではなく、「今日は何のために時間を使うのか」「どのような話ができればよいのか」を明確にし、相手と認識を合わせます。
また、商談中は一方的に話を進めるのではなく、「この認識で合っていますか」「ここからヒアリングしてもよいですか」など、相手からの合意を得ながら進めることも重要です。
特にオンライン商談では相手の表情や仕草が分かりづらいため、言葉による認識合わせを意識する必要があります。
8.自己紹介は「自分が何者なのか」を伝える
自己紹介では、自分の経歴や趣味を一方的に話すだけでは十分ではありません。
例えば「高校球児でした」と伝えるだけでは、相手とのビジネス上の関係にはつながりにくいでしょう。
重要なのは、「自分が何者なのか」「何ができるのか」「相手のために何をしたいのか」を伝えることです。
自分の経験や強みを、相手の課題解決と結びつけて伝えることで、「この人に相談してみよう」と思ってもらえる自己紹介になります。
自己紹介は単なる自己開示ではなく、自分の考えや気持ち、仕事への熱量まで伝えることで、ラポール構築につながります。
9.接触回数を増やし、返報性を活用する
関係構築では、一度の長いコミュニケーションよりも、接触する頻度を増やすことも重要です。
人は、知らない相手よりも、何度も接触する相手に親しみを感じやすくなります。そのため、メールや会話などのコミュニケーションの回数を増やすことが、関係構築につながります。
また、「返報性」も重要なポイントです。
相手に本音で話してほしいのであれば、まず自分から本音を話す。相手に興味を持ってもらいたいのであれば、まず自分から相手に興味を示す。
つまり、相手にしてほしいことを、まず自分から行うという考え方です。
営業としての立場や自分自身の目的も含めて率直に伝えることで、相手からも自己開示してもらいやすくなります。
10.雑談の目的は「盛り上がること」ではない
「営業なら雑談が得意でなければいけない」と考える必要はありません。
雑談の目的は、面白い話をして場を盛り上げることではなく、相手が話しやすいきっかけをつくることです。
例えば、
- 相手のホームページに掲載されたニュース
- 決算資料
- 最近の企業活動
- 業界の動き
- 競合他社の動き
など、相手が話しやすいテーマを営業側から提示します。
ここで重要なのは、営業がたくさん話すことではありません。
営業が話すのは、相手に話してもらうためのきっかけをつくるためです。
相手の話に対して共感や相づち、感謝などのリアクションを返し、話しやすい環境をつくることで、自然と会話を広げることができます。
11.雑談から「主観的な事実」を集める
雑談やアイスブレイクには、もう一つ重要な役割があります。
それは、相手が「どう思っているのか」という主観的な情報を知ることです。
ヒアリングでは、客観的な事実だけでなく、
- 相手は何を考えているのか
- 何に困っているのか
- 何を悩んでいるのか
- 何を実現したいと思っているのか
といった情報も重要になります。
相手に自由に話してもらうことで、こうした主観的な情報が見えてきます。
客観的な事実だけを集めても、相手が本当に求めていることを理解できなければ、適切なソリューションを提案することはできません。
だからこそ、ラポールや雑談の段階から相手の思いを知ることが重要です。
1.「ありがとう」を3回伝える
テレアポや飛び込み営業、メール営業など、新規開拓では「感謝の言葉」を意識的に伝えることが重要です。
突然の電話や営業であっても、人は「ありがとう」と言われるとうれしく感じます。また、人には何かをしてもらったらお返ししたくなる「返報性」の心理が働きます。
そのため、「お電話に出ていただいてありがとうございます」「ご質問にお答えいただいてありがとうございます」「ご状況を教えていただいてありがとうございます」など、1回の電話でも感謝を伝える機会をつくることができます。
最終的には、お客様から「時間を取ってくれてありがとう」「話を聞けてよかった、ありがとう」と自然に言ってもらえるような関係を目指します。
2.日程提示は「3回」を意識する
アポイントでは、相手から都合のよい日程を提示してもらうことを待つのではなく、こちらから具体的な候補日を提示することが大切です。
「ご都合がよろしければ」「お時間があれば」と相手に判断を委ねるのではなく、「来週の月曜日か火曜日、11時頃はいかがでしょうか」と具体的に伝えます。
また、日程提示はできるだけ早いタイミングで行うこともポイントです。会話の後半になるほど、日程を提案する機会がなくなってしまうため、「早く、多く」を意識して提案します。
3.「一つだけ」を使って質問する
テレアポでは、限られた時間の中で何でも聞こうとするのではなく、「一つだけ教えてください」と質問を絞ることが有効です。
突然の営業で多くの質問に答えてもらうのは難しいため、テレアポでは情報をすべて集めようとせず、商談につなげるための一つの情報を得ることを意識します。
また、営業側が自社のアピールをするよりも、相手について知るための質問をすることで、次回の会話につながる接点をつくることができます。
4.「よろしければ」を使わず、依頼を明確にする
「よろしければ」「ご興味がございましたら」「タイミングが合えば」といった言葉は、相手に判断を委ねてしまう表現です。
営業側が本当に会いたい、話したいと思っているのであれば、その意思を明確に伝える必要があります。
「ぜひお会いください」「ぜひお願いします」のように、こちらから具体的な依頼を伝えることで、会話を前に進めやすくなります。
5.商材ではなく「課題」や「成果」を提案する
営業が単なる「御用聞き」になってしまうと、相手にとって営業に相談する理由がなくなってしまいます。
現在は無料ツールなどを使って、自分たちで解決できる問題も増えています。だからこそ、営業には相手自身がまだ気づいていない課題を見つけたり、実現できる未来を示したりする役割が求められます。
「このようなことが課題になっていませんか」というネガティブな側面だけでなく、「本来はもっとこうなれるはずなのでもったいない」というポジティブな可能性も伝え、相手に新しい気づきを提供することが重要です。
6.「具体的には」は一言で伝える
「具体的には」と言った瞬間に、詳しく説明しすぎてしまうケースがあります。
しかし、営業では情報量が多ければよいわけではありません。「具体的には」と前置きしたのであれば、相手が求めている情報を一言で簡潔に伝えることが大切です。
自社の実績や自慢話を長くするのではなく、相手にとって役立つ簡単なノウハウなどを端的に伝えることを意識します。
7.「個人的に」という言葉で感情に訴える
新規営業では、論理的な説明だけでアポイントを取ろうとしても、相手は突然の電話に対して冷静に判断できるとは限りません。
そこで、「個人的に」という言葉を使い、営業担当者自身の気持ちを伝えることが有効です。
「個人的に御社のファンで、ぜひお会いしたいと思ってお電話しました」のように伝えることで、会社対会社ではなく、人対人のコミュニケーションになります。
営業では、理屈だけでなく相手の感情に訴えかける言葉を準備しておくことが重要です。
8.相手に聞く前に、自分で調べる
営業では、自分で調べれば分かることを相手に質問してしまうケースがあります。
例えば、会社の住所など、ホームページを見れば分かる情報を直接聞くことは、相手にとって良い印象にはつながりません。
アプローチする前に相手についてしっかりリサーチし、調べれば分かる情報は自分で確認しておくことが大切です。
9.こちらから「断りやすい言葉」を出さない
「お忙しいと思いますので」「お時間ないですよね」「難しいですよね」といった言葉を、営業側から先に伝えていないでしょうか。
このような言葉を投げかけると、相手に「そうですね」と断るきっかけを与えてしまいます。
営業側が勝手に相手の状況を決めつけて断りやすい環境をつくるのではなく、まずは相手に判断してもらうことが重要です。
10.相手の言葉を一言入れる
相手のホームページや社長メッセージ、理念などを事前に確認し、そこに書かれている言葉を会話に取り入れることも有効です。
例えば、相手が掲げている目標について触れ、「その言葉に非常に力強さを感じ、お電話しました」と伝えることで、きちんと相手のことを調べたうえで連絡していることが伝わります。
営業では、自分たちの言葉だけで話すのではなく、相手の言葉を借りてコミュニケーションすることが大切です。
11.相手の会社名・サービス名を繰り返す
「御社」と呼ぶだけではなく、相手の会社名やサービス名を意識して会話に入れることもポイントです。
実際に「御社」という呼び方を会社名に変えたことで、担当者との接触率が上がった事例も紹介されています。
相手の名前や会社名を直接呼ぶことで、「自分に向けて話してくれている」という感覚を持ってもらいやすくなります。
12.情報提供よりも情報収集を意識する
テレアポにおいて重要なのは、自分たちがどれだけ情報を伝えたかではなく、相手からどれだけ情報を得られたかという視点です。
新規開拓では、自分たちを知ってもらうことだけを目的にするのではなく、相手の状況や課題を知るためのコミュニケーションを重ねます。
「一つだけ教えてください」という質問も、この考え方につながります。一度の電話で大きな成果を求めるのではなく、会話を積み重ねながら相手への理解を深めていくことが重要です。
13.「ゼロベース会話」をやめる
一度でも電話やメールなどで接点を持った相手に対して、毎回「初めまして」から始めるのは避けるべきです。
例えば、前日に電話したものの担当者が不在だった場合は、「昨日15時頃にお電話しましたがご不在でしたので、本日改めてお電話しました」と、前回の接点を会話に取り入れます。
過去のやり取りをつなげることで、相手にも「継続して連絡を取っている」という認識を持ってもらいやすくなります。
14.挨拶で自ら距離をつくらない
「お世話になっております」「はじめまして」「こんにちは」など、場面によっては挨拶の言葉が相手との距離感をつくってしまうことがあります。
もちろん、実際には会ったことがない相手に「お世話になっております」と伝えるなど、不自然な表現を使う必要はありません。
大切なのは、言葉や話し方によって自分から相手との距離を遠ざけていないかを意識することです。
15.「勝手に断られない」ことを意識する
「お忙しいと思いますので難しいですよね」といった言葉は、先ほどの「勝手に断られない」という考え方にもつながります。
営業側が相手の状況を決めつけ、断る理由を先に提示してしまうと、相手はそのまま断ることができます。
相手がどう判断するかを営業側で決めつけるのではなく、まずはきちんと意思を伝え、相手自身に判断してもらうことを意識することが大切です。
16.ヒアリングはアポイントをもらってから行う
新規営業では、最初の電話で「予算はあるか」「決裁権はあるか」「ニーズはあるか」などを細かく確認し、その条件に合う相手だけにアポイントを提案するケースがあります。
しかし、突然営業を受けた相手にとって、質問に答えるメリットや目的はまだ明確ではありません。
そこで、まずアポイントを獲得し、その後に「当日の打ち合わせをより有意義にするため、3点だけ質問させてください」と伝えることで、質問に答える目的を明確にします。
**「ヒアリングをしてからアポイントを取る」のではなく、「アポイントを取ってからヒアリングする」**という順番を意識することがポイントです。
17.聞かれていないことを説明しすぎない
テレアポでは、相手がまだ話を聞く準備ができていない段階で、営業側が一方的に多くの情報を伝えてしまいがちです。
基本的には、相手から質問をされたり、断りの理由を伝えられたりしたタイミングで、その内容について説明します。
話す際も、結論から伝えるPREP法などを活用し、必要な情報を端的に伝えることが重要です。
「聞かれたことに答える」というシンプルな姿勢を持つことで、余計な説明によって相手の負担を増やすことを防げます。
18.話したいことが10個あっても、伝えるのは一つに絞る
営業には伝えたい情報がたくさんあります。しかし、すべてをそのまま話してしまえば、相手にとって何が重要なのか分からなくなってしまいます。
まずは自分が伝えたいことをすべて書き出し、その中から最も伝えたい内容を一つに絞ります。さらに、その一つを短く、分かりやすく整理して伝えることが大切です。
最初から無理に短くするのではなく、**「全部出す→整理する→絞る」**という順番を意識することで、伝わりやすい営業トークをつくることができます。
19.「何が良いか」より「なぜ会うべきか」を伝える
営業では、「自社の商品はここが優れている」「多くのお客様から評価されている」といった商品説明に偏りがちです。
しかし、テレアポの段階で最も重要なのは、商品の良さそのものではなく、**「なぜ相手が自分と会う必要があるのか」**を伝えることです。
商品説明や自社の実績を並べる前に、相手にとって会うことでどんな価値があるのかを明確にする必要があります。
20.「なぜ今会うべきなのか」まで伝える
「なぜ会うべきか」をさらに具体化するためには、4つのWhyを意識することが重要です。
- Why Me:なぜ自分なのか
- Why You:なぜあなたに連絡したのか
- Why Us:なぜ自分たちなのか
- Why Now:なぜ今なのか
特に新規営業では、「なぜこの会社に連絡したのか」「なぜこのタイミングなのか」が伝わらなければ、相手の気持ちは動きにくくなります。
自社の商品やサービスの説明だけではなく、相手が「今、会う理由」を理解できるように伝えることがポイントです。
21.「何を言うか」より「どうなってほしいか」を明確にする
テレアポでは、完璧な言葉遣いや営業トークそのものにこだわりすぎる必要はありません。
重要なのは、最終的に相手にどうなってほしいのかが伝わることです。
そのため、言葉をきれいに整えることだけに意識を向けるのではなく、「この人に会ってほしい」「この課題について考えてほしい」など、自分が相手に求める行動を明確にしたうえで話すことが大切です。
22.テレアポも「ショートプレゼン」と考える
アポイント獲得のための電話を、単なる日程調整だと考えてはいけません。
「なぜ今、自分と会うべきなのか」を短い時間で伝え、その内容に理解や共感をしてもらうことが重要です。
商談だけがプレゼンの場ではありません。テレアポや飛び込み営業も、短時間で価値を伝える「ショートプレゼン」と捉えることで、会話の目的が明確になります。
23.切り返す前に、まず感謝する
相手から断られたり反論されたりした際、すぐに「ですが」「そうではなく」と切り返そうとする営業は少なくありません。
しかし、相手は知らない営業から突然電話を受け、それでも電話に出て話をしてくれています。
だからこそ、反論や切り返しの前に、
「ご意見ありがとうございます」
「教えていただいてありがとうございます」
と感謝を伝えることが重要です。
「ありがとう」なくして切り返しは禁止というくらい、まず相手の言葉を受け止めることを意識します。
24.うまくいかないときほど、話を増やさない
アポイントが取れないと、「もっと説明しなければ」「情報を増やせば伝わる」と考えて、話す量を増やしてしまうことがあります。
しかし、本当に伝わる営業トークは、ポイントが整理されていて端的です。
うまくいかないときこそ、自分が一番伝えたいことを一つに絞り、余計な言葉を削ることが重要です。
**「話しすぎ厳禁」**を意識し、文章を増やすのではなく、伝える内容を磨いていきます。
25.これまでの関係性を明示する
過去にメールを送った、問い合わせがあった、以前電話をしたなど、相手との接点がある場合は、それを会話の中で明確に伝えます。
「先日メールさせていただいた件でお電話しました」
「先日お問い合わせいただいた件でご連絡しました」
と伝えるだけでも、会話の印象は大きく変わります。
これまで自分が行ってきた営業活動を「なかったこと」にせず、過去の接点を次のコミュニケーションにつなげることが大切です。
26.スクリプトを「読んでいる感」をなくす
営業スクリプトは便利な一方で、そのまま読み上げていることが相手に伝わると、機械的な営業トークだと感じられてしまいます。
そのため、スクリプトを完全に忘れるのではなく、内容を十分に理解したうえで、自分の言葉として自然に話せる状態を目指します。
相手が「台本を読んでいる」と感じた瞬間に気持ちが離れてしまう可能性があるため、自然な会話として伝えることが重要です。
27.最初の4文字を1.5倍のトーンで話す
電話では、最初の一言の声が小さいと、そのまま声のトーンが低い状態で会話が続いてしまいがちです。
そこで、最初の4文字程度を意識して少し高めのトーンで話し、良い第一印象をつくります。
後からテンションを上げるのは難しいため、最初から声のトーンを意識することがポイントです。
28.アポイントの「出口」を変える
30分や1時間の打ち合わせをいきなり依頼しても、相手にとってハードルが高い場合があります。
その場合は、「5分だけお電話で状況を伺いませんか」といった形で、ゴールを小さく設定する方法があります。
また、資料送付やウェビナー参加など、アポイント以外の出口を設定することもできます。
「会うこと」だけにこだわるのではなく、相手との接点をつくるためにゴールを変える柔軟性が重要です。
29.営業である自分を否定しない
「営業ですか?」と聞かれた際に、「違います」と答えてしまうのは避けるべきです。
営業であることを否定すると、相手から見てかえって不自然な印象になってしまいます。
「営業です。ただ、いきなり売り込みたいわけではなく、御社の状況や課題を伺いたくてお電話しました」のように、営業であることを認めたうえで、電話をした目的を伝えることが大切です。
自分が営業していることに自信を持つことは、自分自身の自己肯定感だけでなく、相手から「この人に会ってみたい」と思ってもらうためにも重要です。
30.あえて長く話すという選択肢も持つ
営業では「結論から短く、端的に」という考え方が基本になりますが、すべての商材や営業に当てはまるわけではありません。
商材やサービス、相手との状況によっては、1回の電話でじっくり話し、電話そのものを商談のように進める方法もあります。
大切なのは「短く話すこと」自体を目的にするのではなく、最終的なゴールを考えることです。
アポイントを取ることが目的なのか、その電話で受注までつなげられるのかなど、自分の営業にとって最適な方法を選ぶ必要があります。
まとめ
営業において成果を高めるために重要なのは、営業側が一方的に話して相手を説得することではありません。大切なのは、相手の立場に立って会話を進め、「この人なら本音を話してもいい」「この人の話を聞いてみよう」と思ってもらえる関係性を築くことです。
テレアポでは、「ありがとう」を意識的に伝える、具体的な日程をこちらから提示する、質問を一つに絞るなど、相手が会話を続けやすいコミュニケーションを心がけます。また、商材の説明や実績のアピールに偏るのではなく、相手の課題や実現したいことに目を向け、事前に調べた情報や相手自身の言葉を会話に取り入れることも重要です。
一度の電話ですべてを聞き出そうとするのではなく、まずは「なぜ今、会うべきなのか」という理由をつくり、アポイント獲得後にヒアリングを行います。伝えたいことを一つに絞り、過去の接点を活かしながら自然な言葉で会話することで、相手との接点を少しずつ前に進めることができます。
また、雑談やアイスブレイクも、必ずしも長く行う必要はありません。重要なのは営業側が話し続けることではなく、相手が話しやすいきっかけをつくり、本音や考え、悩み、期待を引き出すことです。
「仲良くなる」ことをゴールにするのではなく、相手を理解し、信頼関係を築きながら、最終的に課題解決や実現したいことにつなげていく。まずは「ありがとう」と「お願いします」をしっかり伝えることから始め、一つひとつの接点を大切に積み重ねていくことが、営業におけるラポールとテレアポの成果を高めるポイントです。
Q&Aから学ぶポイント
①「今、お時間ありますか?」は聞かないほうがいい?
質疑応答では、初めて電話する際に「今お時間ありますでしょうか?」と確認することについて質問がありました。
これに対して、突然の電話で「ちょうど時間があります」と答えられるケースは少なく、むしろ「今お時間ありますか?」と聞くことで、相手に断るきっかけを与えてしまう可能性があると説明されています。
そこで、「お忙しい中とは重々承知していますが、それでもどうしてもお伝えしたいことがあり、お電話しました」のように、相手への配慮よりも営業側の熱量を伝えることがポイントとして紹介されました。
②業界No.1や実績は最初から伝えるべき?
業界No.1や利用実績などは、相手から聞かれた場合には伝えて問題ありませんが、新規営業の最初のトークでいきなりアピールする必要はないとされています。
相手がその実績の価値を知らなければ、営業側が「すごい」と思っている情報でも、相手にとっては必要のない情報になってしまいます。
そのため、最初は「なぜこの会社に連絡したのか」「相手にどんな価値を伝えたいのか」を優先し、実績は必要なタイミングで伝えることが重要です。
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「もう少しアポイントが欲しい」「営業にもっと注力したい」「売上をもっと上げたい」という方がいらっしゃいましたら、ぜひ営業ハックにお問い合わせください。
貴社の営業の課題解決のために伴走させていただきます。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。
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