概要
営業活動において、クロージングの場面で「ご都合いかがですか?」と相手に判断を委ねていないでしょうか。
一見すると自然な聞き方に思えますが、この問いかけによって、相手から「忙しいので難しいです」「今は間に合っています」といった断りの言葉を自ら引き出してしまうことがあります。
今回の内容では、テレアポや商談におけるクロージングで、自分が欲しい答えを明確にしたうえで、その答えにつながる言葉を投げかけることの重要性について解説します。
「何を言えばいいのか」だけではなく、「相手からどんな答えを引き出したいのか」という視点から、営業トークの組み立て方を考えていきます。
内容
1.営業は「欲しい答え」を決めてから言葉を選ぶ
営業活動では、最終的に欲しい答えがあるはずです。
テレアポであれば「アポイントを取りたい」、商談であれば「契約につなげたい」など、営業をする目的は明確です。
それにもかかわらず、「ご都合いかがですか?」とだけ聞いてしまうと、相手に判断を委ねることになります。
例えば、
「ちなみに普段こういったお話を聞かれるときは、午前と午後どちらの方がお手すきですか?」
という質問をした場合、「そもそもこういった話は聞かないです」「忙しいので難しいです」といった答えが返ってくる可能性があります。
しかし、本当に知りたいのは「午前と午後、どちらが空いているか」ではありません。
営業側が欲しいのは、「話を聞いてみます」という答えです。
だからこそ、欲しい答えが決まっているのであれば、その答えを引き出せるように言葉を選ぶことが重要です。
2.「NO」という選択肢を自分から作らない
営業のクロージングで意識したいのが、相手に「断る」という選択肢を与えないことです。
例えば、
「今週、木曜日か金曜日でしたら、どちらがご都合よろしいですか?」
と聞けば、相手は木曜日か金曜日のどちらかを選ぶ形になります。
一方で、
「いつがご都合よろしいですか?」
と聞いてしまうと、「忙しいので無理です」という第三の選択肢が生まれてしまいます。
つまり、営業側が意図していなくても、質問の仕方によって「断ってもいい状況」を作ってしまうのです。
大切なのは、相手に選んでもらえる状況をあらかじめ作ることです。
「いかがですか?」と判断を丸投げするのではなく、具体的な選択肢を提示することで、相手が答えやすい状態を作ることができます。
3.丸投げ質問をしない
テレアポでは、「どうでしょうか?」「ご感想を教えてください」といった質問も注意が必要です。
電話を受けている相手は、そもそも話したくて電話に出ているわけではありません。突然電話がかかってきたため、対応しているケースも多くあります。
その状態で、
「お話を聞いてみたいと思いましたか?」
「ご感想を教えてください」
と判断や意見を求められると、相手にとっては負担になります。
テレアポの段階で必要なのは、相手の詳細な感想や意見ではありません。
まずは「一度会って話を聞いてみよう」というYESをもらうことが重要です。
そのため、相手に考えさせすぎるのではなく、答えやすい質問を投げかけることを意識します。
4.「何を言うか」より「どう伝えるか」
営業トークを考える際、「何を言えばいいのか」と悩む人は多いでしょう。
しかし、それ以上に重要なのが「どう伝えるか」です。
例えば、
「ぜひお役に立てるお話をお持ちしたいと思っています。しっかり準備をさせていただきますので、今週木曜日か金曜日に少しお時間をいただけないでしょうか。話を聞いてよかったと思っていただけるような提案を準備しますので、ぜひ一度お話を聞いてください。」
このように、自分がどれだけ相手のために準備しているのか、どんな価値を提供したいのかを伝えたうえで、具体的な日程を提示します。
すると、単に「アポイントをください」とお願いするよりも、相手は「そこまで準備してくれるなら、一度話を聞いてみよう」と感じやすくなります。
重要なのは、相手が「断るのはもったいない」「一度聞いてみたい」と思える状況を作ることです。
5.「断られた後の切り返し」より「断られない問いかけ」
営業では、断られたときの切り返しトークや反論処理を学ぶことも重要です。
しかし、そもそも断られる言葉を相手から引き出しているのが、自分自身の問いかけである可能性もあります。
「ご都合いかがですか?」と聞いて、
「今は忙しいので……」
と言われてから切り返す。
「ご興味ありますか?」と聞いて、
「特にないです」
と言われてから反論処理をする。
この繰り返しでは、営業側も相手側も負担が大きくなります。
それよりも、
「どうすれば、相手から欲しい答えを引き出せるか」
を先に考えることが重要です。
「NO」という答えが出る前に、YESにつながる言葉を選ぶ。
これが、営業におけるクロージングや提案の成約率を高めるポイントになります。
まとめ
営業では、相手に何を言うかを考える前に、**「相手からどんな言葉をもらいたいのか」**を明確にすることが重要です。
アポイントが欲しいのであれば、アポイントにつながる問いかけをする。契約につなげたいのであれば、その判断につながる言葉を選ぶ。
「ご都合いかがですか?」のように相手へ判断を丸投げしてしまうと、意図せず「忙しい」「必要ない」といったNOの答えを引き出してしまうことがあります。
だからこそ、
- 欲しい答えを先に決める
- YESにつながる言葉を考える
- NOという選択肢を作らない
- 相手に判断や感想を丸投げしない
- 断られた後ではなく、断られにくい問いかけをする
という視点を持つことが大切です。
営業トークを磨くときは、「何を伝えるか」だけではなく、**「自分は相手からどんな答えを引き出したいのか」「その言葉を引き出す問いかけになっているか」**を意識してみましょう。
言葉の選び方を少し変えるだけでも、テレアポやクロージングの成約率を高めるきっかけになります。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。
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