概要
テレアポでお客様から断られた際、どのような言葉で切り返せばアポイントにつながるのでしょうか。今回は、飲食店向けのテイクアウト・デリバリーサイトを提案する営業担当者から寄せられた相談をもとに、切り返しトークが相手に響かない理由と、効果的な反論処理の考え方について解説します。
お客様の断り文句に対して、単にメリットや正論を伝えるだけでは、相手の気持ちを動かすことはできません。相手の本音を理解し、受け止めたうえで、納得感のある提案につなげることが重要です。
内容
1. 相手の断り文句に合った切り返しができているか
今回の相談では、飲食店にテイクアウト・デリバリーサイトを提案する際、次のような断り文句が挙げられました。
- 固定客がいるので必要ない
- 小規模店舗で人手が足りない
- テイクアウトにそれほど力を入れていない
これに対して営業担当者は、「新規顧客が増えれば売り上げアップにつながる」「繁忙状況に応じて注文受付をオン・オフできる」「中食需要が高まっている」といった説明をしていました。
しかし、これらの説明では、お客様が断っている理由に十分に答えられていません。
例えば、人手不足を理由に断っているお客様に対して、売り上げが増えることだけを伝えても、忙しさが増すことへの不安は解消されません。相手の断り文句に対して適切な切り返しをするには、何を理由に導入を避けているのかを理解する必要があります。
切り返しの基本は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、相手の認識や考え方に誤解がある場合に、その見方を変えてもらうことです。2つ目は、相手が負担に感じていることを上回るメリットを具体的に伝えることです。
ただし、どちらの場合も、相手の状況や気持ちを理解せずに説明しても、効果的な切り返しにはなりません。
2. メリットは具体的な数字で伝える
「新規顧客が増えるので、売り上げアップにつながります」という説明は、営業としては当然の提案であり、お客様にとって導入を決める十分な理由にはなりません。
大切なのは、導入によってどの程度の成果が期待できるのかを、具体的に伝えることです。
例えば、実際の導入事例として売り上げが3倍になった店舗があるのであれば、その実績を紹介しながら、次のように伝える方法が考えられます。
「導入当初はご負担もあったと伺っていますが、実際に売り上げが3倍になった事例もございます。もちろん、すべての店舗で同じ成果が出るとは限りませんが、売り上げを伸ばす選択肢の一つとして、一度お話を聞いていただけませんか?」
このように、相手の負担を理解したうえで、具体的な成果や導入する価値を伝えることが重要です。
売り上げが増えるという抽象的な説明だけではなく、相手が導入を検討する判断材料を提示することで、提案への関心を高められます。
なお、実績を紹介する際は、実際に確認できている事例や数字を用いることが前提です。
3. 相手の感情を受け止めてから提案する
テレアポで断られる背景には、電話での営業を負担に感じていたり、忙しくて話を聞く余裕がなかったりといった感情が隠れていることがあります。
こうした気持ちに対して正論をぶつけても、相手は納得するどころか、反発を感じてしまう可能性があります。
例えば、「小規模店舗で人手が足りないから難しい」と言われた場合、すぐにメリットを説明するのではなく、まずは相手の状況を受け止めることが大切です。
「そうだったのですね。少ない人数でお店を運営されていると、新しい取り組みを始めるのも大変ですよね」
このように、相手の言葉を受け止め、理解していることを伝えます。
そのうえで、テイクアウトやデリバリーの仕組みを知ってもらうことが、将来的な選択肢の一つになると説明し、短時間でも話を聞いてもらえないかと提案します。
相手の気持ちを無視して説得しようとするのではなく、理解を示してから提案することで、話を聞いてもらえる可能性が高まります。
4. 「顧客の顧客の声」を代弁する
相手の気持ちを動かすための方法として、営業先のお客様だけでなく、その先にいるお客様の立場から考えることも重要です。
今回の飲食店への提案であれば、店舗側の人手不足や忙しさだけでなく、「お店に行きたくても行けない人がいる」という消費者側の事情にも目を向けます。
例えば、次のような伝え方が考えられます。
「今はさまざまな事情で、なかなかお店に足を運べない方もいらっしゃいます。そうした方にもお店の料理を楽しんでいただける方法の一つとして、テイクアウトやデリバリーについて知っていただければと思っています」
このように、顧客の顧客の声を代弁することで、サービスの導入を単なる売り上げアップの手段としてではなく、お店を利用したい人のニーズに応える選択肢として伝えられます。
営業担当者が自社の商品やサービスのメリットだけを説明するのではなく、その先にいる人の立場も踏まえて提案することが、相手の共感や納得につながります。
まとめ
切り返しトークが相手に響かない原因は、断り文句に対してメリットや正論を伝えるだけで、相手の本音や感情を十分に理解できていないことにあります。
効果的な反論処理を行うためには、まず相手の言葉を受け止め、断っている理由や背景を理解することが重要です。そのうえで、具体的な実績を示して導入するメリットを伝えたり、顧客の顧客の声を代弁したりすることで、相手が提案を受け入れやすい状況をつくります。
営業において大切なのは、相手を論破することではなく、相手の立場に立って納得できる理由を伝えることです。断られてから切り返すことだけに注力するのではなく、相手の気持ちを理解し、自然に話を聞いてもらえる関係づくりを意識することが、アポイント獲得につながります。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。
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