概要
テレアポを行う際、「事前に相手企業の情報を調べてから電話をかけるべきか、それともまずは数をこなすべきか」と悩むことがあります。
事前に情報収集をすれば、相手に合わせた会話ができ、アポイントの獲得率が上がるようにも思えます。しかし、コールドリストへのテレアポでは、ネット上で調べられる情報には限界があり、リサーチに時間をかけすぎることで、かえって接触数を減らしてしまう可能性があります。
そこで重要になるのが、電話をかける前にリストを完成させるのではなく、電話をかけながらリストを育てていくという考え方です。
今回は、テレアポリストを単なる「電話をかけるための一覧」ではなく、営業活動の中で情報を蓄積し、次のアプローチに活用できる「資産」として捉える方法について解説します。
内容
1.事前のリサーチより「電話をしながら情報を集める」
テレアポリストを作る際、1件ずつ企業情報を調べてから電話をかける方法があります。
もちろん、相手企業について知っておくことは重要です。しかし、コールドリストへのテレアポでは、どれだけネット上の情報を調べても、電話に出る相手が営業の話を聞く準備ができているとは限りません。
受付で止められたり、担当者が不在だったりするケースも多くあります。
そのため、すべての企業を事前に詳しく調べてから電話をするよりも、まずは接触し、その会話の中から必要な情報を集めていくことが重要です。
例えば、担当者が不在だった場合、
「いつ頃お戻りでしょうか?」
と確認するだけでなく、
「次回ご連絡する際にお名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
と一歩踏み込んで聞いてみます。
名前を教えてもらえれば、次回はその情報を使って電話ができます。
このように、1回の電話でアポイントを取ることだけを目的にするのではなく、次のアプローチにつながる情報を一つでも増やすという意識が大切です。
2.「リストを育てる」という意識を持つ
テレアポでは、一度の電話で結果を出そうとしすぎてしまうことがあります。
しかし、1回の電話でアポイントにつながらなかったとしても、担当者の名前や戻り時間、部署などの情報を得られれば、それは次のアプローチに活用できます。
例えば、
「鈴木部長はお昼頃に戻られる」
という情報を得たのであれば、次回は、
「先ほど鈴木部長にお電話させていただいたのですが、今お戻りでしょうか?」
と、前回の情報を活用して電話できます。
この積み重ねによって、最初は何も情報がなかったリストが、徐々に具体的な情報を持ったリストへと変わっていきます。
つまり、電話をかけるたびにリストの精度を高めていくことが、リストを育てるということです。
3.一度の接触を「資産化」する
営業活動で重要なのは、電話をかけたという事実だけで終わらせないことです。
例えば、
「昨日もお電話しましたが、タイミングが合わず失礼しました。本日でしたらご担当者様はいらっしゃると伺っていたので、改めてお電話しました」
と伝えれば、相手にも「何度か連絡をもらっている」という認識が生まれます。
営業側が一方的に話すのではなく、相手から得た情報を次の電話で活用し、その情報を相手に返していく。
この繰り返しが、営業におけるコミュニケーションにつながります。
テレアポは、単に電話をかけてアポイントを取る作業ではありません。
相手から情報をもらい、その情報を次のアプローチに活かす双方向のコミュニケーションとして捉えることが重要です。
4.「量をこなす」は接触人数だけではない
営業では、「量をこなす」というと、できるだけ多くの企業に電話をかけることをイメージしがちです。
しかし、重要なのは接触人数×接触回数という考え方です。
100社に1回ずつ電話をかけるだけではなく、一人の相手に対して複数回アプローチできる状態を作ることも重要です。
そのためには、
- 担当者の戻り時間を聞く
- 担当者名を確認する
- 再度電話する時間を把握する
- 前回の会話内容を記録する
といった行動が必要になります。
「1件電話したら終わり」ではなく、「次にもう一度電話できる状態を作れたか」という視点を持つことで、テレアポの質は変わってきます。
5.リストは「業種・エリア」などでカテゴリー化する
だからといって、まったくリサーチをせず、電話帳を上から順番にかければいいというわけではありません。
重要なのは、ある程度共通点を持つ企業をカテゴリー化してアプローチすることです。
法人営業であれば、特に「業種」や「エリア」で分ける方法が有効です。
例えば、ある地域で大きな工場が閉鎖されるという情報を得た場合、その地域の同業企業へアプローチするときに、その情報を活用できます。
「この地域では大きな工場が閉鎖されるという話がありますが、御社では何か影響やお困りごとはありませんか?」
といった形で、前の電話で得た情報を次の企業へのアプローチに活かすことができます。
ほかにも、
- 企業規模
- 設立年数
- 従業員数
- 業種
- エリア
など、さまざまな切り口があります。
個人営業であれば、年齢やエリア、性別、役職など、共通する悩みを持ちやすいカテゴリーを設定することもできます。
6.「この会社と取引したい」場合はアプローチ方法が変わる
ここまでの話は、100社の中からアポイントを獲得するような一般的なテレアポを想定したものです。
一方で、「この会社とどうしても取引したい」というエンタープライズ営業では、アプローチ方法が変わります。
例えば、大手企業との取引を目指す場合、その企業について徹底的に調べたうえで、複数の担当者にアプローチすることが重要になります。
一人の担当者だけに電話するのではなく、さまざまな部署や担当者との接点を作り、その中から突破口を見つけていくのです。
実際に、特定の大手企業との取引を目指して、飛び込み営業を行い、そこで得た社員情報をもとに複数の担当者へアプローチするという方法もあります。
つまり、エンタープライズ営業では、**「1社に対して何人と接点を作れるか」**という考え方も重要になります。
「どこかの企業からアポイントをもらえればいい」のか、「この企業と必ず取引したい」のか。
目的によって、リストの作り方もアプローチの方法も変わってきます。
まとめ
テレアポリストは、最初から完璧に作り込むものではありません。
電話をかけることで情報を集め、次のアプローチに活用しながら育てていくものです。
そのためには、
- 事前のリサーチに時間をかけすぎない
- 電話をしながら担当者名や戻り時間などの情報を集める
- 1回の接触を次のアプローチにつなげる
- 「接触人数×接触回数」で量を考える
- 業種やエリアなどでリストをカテゴリー化する
- 得られた情報を次の営業先にも活用する
という意識が重要です。
テレアポは、一方的にアポイントを取りにいく活動ではありません。相手から情報をもらい、その情報を次のアプローチに活用するコミュニケーションです。
一度の電話で結果を出すことだけを考えるのではなく、1回のアプローチを「資産」として残し、その資産を次の営業活動で活用していく。
この視点を持つことで、リストそのものの価値が高まり、アポイント獲得につながる可能性も高まっていきます。
また、「幅広くアポイントを獲得したい」のか、「特定の企業との取引を実現したい」のかによって、取るべき営業戦略も変わります。
リストをただ消化するのではなく、育てて活用する。
これが、テレアポの成果を高めるための重要な考え方です。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。
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