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受注して終わりにしない。期待値調整から単価アップ、リピート受注につなげる営業

更新日
2026/09/24
公開日
2026/09/24

概要

営業では、受注を獲得することだけでなく、受注後にお客様へどのように対応し、次の提案や継続的な取引につなげていくかが重要です。

受注後のお客様には「期待」と「不安」があるため、事前に期待値や条件を適切にすり合わせることで、認識のずれや不要なコミュニケーションコストを抑えることができます。

さらに、納品して終わりではなく、購入理由や利用後のフィードバックを把握し、適切なタイミングで追加提案を行うことで、単価アップやリピート受注につなげられます。

本記事では、受注後の期待値調整から、既存顧客との関係性やデータを活かした継続的な提案まで、営業成果を伸ばすための考え方を解説します。

内容

1. 受注後に営業がやるべきことは「納品」

受注とは、お客様から注文をいただいた状態です。飲食店でカレーの注文を受けたのであれば、当然カレーを提供する必要があります。

営業でも同じように、受注後には商品やサービスをきちんと納品することが求められます。無形商材であればサービスの提供、プロダクトであればIDやアカウントの発行など、納品の形は会社や商材によって異なります。

重要なのは、受注した時点で終わりではないということです。お客様は商品やサービスの提供に対して期待を持っているため、その期待に応えることまでが営業活動の重要な役割になります。

そして、受注から納品、さらに再受注へとつなげるサイクルを作ることも大切です。

2. 売上を伸ばすために考えるべき3つの要素

営業として売上アップを目指すのであれば、売上を構成する要素を分解して考える必要があります。

大きく分けると、

  • 受注数を増やす
  • 受注単価を上げる
  • 購入回数を増やす

という3つのポイントがあります。

受注数を増やすことはもちろん、サービスのカスタマイズやクロスセルなどによって単価を上げる方法もあります。また、1回あたりの購入金額を抑えながら、継続的に購入してもらえる仕組みを作ることも、売上を伸ばす方法の一つです。

自社の商品・サービスにおいて、どの数字を伸ばすことが営業成果につながるのかを考えることが重要です。

3. 受注後のお客様には「期待」と「不安」がある

受注したお客様は、必ずしも安心しきっているわけではありません。

「期待している成果が本当に得られるのか」
「ちゃんと予定通り進むのか」

といった不安を抱えている可能性があります。

そのため営業が行うべきことは、

期待に応えることと、不安を解消すること

の2つです。

不安が大きくなると、お客様から「本当に大丈夫ですか」「ちゃんと進んでいますか」といった確認が増え、必要以上のコミュニケーションが発生する場合があります。

こうした状況を単純に「お客様からの連絡が多い」と捉えるのではなく、営業側の情報提供やコミュニケーションに改善できる部分がないかを考えることが重要です。

資料や情報、メール、会話など、お客様が安心できる材料を事前に提供することで、不安を解消しやすくなります。

4. 期待値は高ければいいわけではない

営業では、お客様の期待を高めることも重要です。しかし、営業側が提供できる商品・サービスのレベルを超えて期待値を上げてしまうと、受注後のトラブルやクレームにつながります。

例えば、家庭教師が「テストで80点を取らせます」と約束したとします。

実際に90点を取れれば、期待を上回ったため満足につながります。一方、70点だった場合は、もともと30点から40点上がっていたとしても、「80点という約束には届かなかった」という評価になってしまいます。

つまり、期待値は「どれだけ成果が上がったか」だけではなく、事前にどこを基準として約束したかによっても変わります。

だからこそ営業には、実現可能な範囲を正しく伝え、適切な期待値を設定することが求められます。

5. 「期待値調整」は成果の数字だけではない

期待値調整というと、「期待されている成果を下げること」と捉えがちです。しかし、実際にはそれだけではありません。

確認すべきなのは、

  • いつまでに必要なのか
  • なぜその成果が必要なのか
  • どのような方法で実現するのか
  • どの程度の確率を求めているのか
  • どれくらいのコストをかけるのか

といった条件です。

例えば、お客様が80点を求めていたとしても、その80点が必要なのは「特定の学校に合格するため」だった場合、実際には75点でも目的を達成できる可能性があります。

営業側が提供できる範囲を明確にし、不足する部分についてはお客様自身に取り組んでもらうなど、条件を整理して合意することも期待値調整の一つです。

6. 営業のゴールは「売ること」だけではない

営業側は受注を目標にすることがありますが、お客様が本当に求めているのは「購入すること」ではありません。

商品やサービスを購入した先にある、自分たちがどう変わるのか、どんな成果を得られるのかを求めています。

営業が「売ること」だけをゴールにしてしまうと、お客様との間に認識のズレが生まれます。

特に、実現できる成果以上の期待を持たせて受注すると、納品後に「思っていたものと違う」「約束と違う」といった問題が起こり、対応のためのコミュニケーションコストが増えてしまいます。

そのため、受注前にできること・できないことを明確にし、お互いの認識を合わせておくことが重要です。

7. 事前の期待値調整がコミュニケーションコストを減らす

契約後に「そんな話は聞いていない」とならないためには、受注前に必要な情報を伝えておくことが大切です。

契約書に記載されている内容を守ることは当然ですが、それだけでは十分とは限りません。営業は人を相手にコミュニケーションを行う仕事だからこそ、相手の感情も含めて、双方が同じ認識を持っている状態を作る必要があります。

先に伝えておけば問題にならなかったことを、契約後に後出しで伝えると、不要なコミュニケーションが発生します。

だからこそ、

「出せる成果」「スケジュール」「誰が何をするのか」「コスト」

などを事前に確認し、合意しておくことが重要です。

8. 継続受注を意識し、LTVを高める

営業では新規受注だけでなく、既存のお客様から継続して受注をいただくことも重要です。

講義では、新規受注は継続受注と比較して大きなコストがかかるという考え方が紹介され、新規営業と継続営業にはコスト面で大きな差があると説明されています。

一度受注をいただいたお客様とは、すでに関係性ができています。その関係を活かし、次の提案や新たな受注につなげていくことが、営業活動の効率化にもつながります。

そこで重要になるのが、**LTV(ライフタイムバリュー/生涯顧客価値)**という考え方です。

LTVとは、一人のお客様と長期的に取引する中で、最終的にどれだけの価値を生み出せるかという考え方です。

例えば、1年間に10万円の取引を10年間続ければ、単純計算で100万円の取引になります。

目の前の「今回の受注」だけを見るのではなく、長期的な関係の中でどのような価値を提供できるのかを考えることが、営業戦略として重要になります。

9. 「満足=リピート」ではない

一度お客様に満足してもらえたからといって、必ず次の受注につながるわけではありません。

例えば、一度動画を制作して満足してもらったとしても、「もう動画は必要ない」となればリピートにはつながりません。

また、同じサービスを繰り返し提供する場合、最初は大きな感動があっても、慣れることで徐々に新鮮さが薄れていくこともあります。

そのため、「満足してもらう」だけではなく、また使いたい、継続して利用したいと思ってもらえる商品・サービスの設計が必要です。

営業側も、一度の受注で終わらせるのではなく、次にどのような提案ができるのかを考えておくことが大切です。

10. 利益を出す営業には「コスト」の視点も必要

営業で利益を出すためには、売上を増やすだけでなく、コストを抑えることも必要です。

新規顧客との関係構築には、アポイントの獲得や商談など、多くの時間や工数がかかります。一方、すでに関係性ができているお客様から継続受注や追加受注をいただければ、新規開拓に比べて営業コストを抑えられる可能性があります。

営業には時間という限りある資源があります。

A社との商談に時間を使えば、その時間はB社との商談には使えません。だからこそ、「今、自分はどこに時間を使うべきなのか」を考え、営業活動の優先順位を判断することも重要です。

新規開拓を続けながら、既存のお客様との関係を深め、継続受注や追加受注につなげる。こうした両面から営業活動を考えることが、利益を生み出す営業につながります。

11. 単価アップは「どう売るか」だけでは決まらない

単価を上げようとすると、「何を追加するか」「どのようなオプションを付けるか」「どう説明して売るか」といった営業方法に目が向きがちです。

しかし、単価アップを考えるうえで重要なのは、現在利用しているお客様が、今以上の金額を払う意欲や必要性、そして支払える体力を持っているかどうかです。

現在の価格で十分な価値を感じている場合、単純に機能やオプションを追加しただけでは、単価アップにつながるとは限りません。

12. お客様が「なぜ購入したのか」を理解する

単価アップを実現するには、そもそもお客様が自社の商品・サービスを購入した理由を理解する必要があります。

たとえば、「成果を上げたい」という目的で利用しているのであれば、より大きな成果につながる提案には、追加料金を払う可能性があります。

一方、「他社より安いから」という価格を理由に選ばれている場合、価格を上げることで、他社への切り替えにつながる可能性があります。

つまり、単価アップを考える前に「お客様は何を理由に自社を選んでいるのか」を把握することが重要です。

13. 追加機能を付ければ単価が上がるわけではない

新しい機能やオプションを追加すれば、高いプランが売れるとは限りません。

お客様がその機能を必要としていなければ、「その機能はいらないので安いプランでいい」と判断されたり、場合によっては値下げ交渉の材料として使われたりすることもあります。

大切なのは、機能を増やすことではなく、「お客様が高い金額を払ってでも利用したい」と思える価値を提供できるかどうかです。

14. 最初の価格が判断基準になる「アンカリング」

最初に提示された金額は、お客様にとって一つの基準になります。

たとえば、最初に50万円と伝えた後で60万円を提示すれば、「最初より10万円高い」と感じます。一方、最初から60万円と提示していれば、その金額を前提として判断できます。

単価アップを考える場合には、後から価格を上げるのではなく、最初の価格設定やプラン設計の段階から、提供する価値と金額の関係を明確にしておくことが重要です。

15. 単価アップにはコミュニケーションも影響する

単価アップを妨げる要因として、コミュニケーション不足も挙げられます。

お客様が「自分たちのことを大切にしてくれていない」「サポートが十分ではない」と感じている状態では、高い金額を払うことへの抵抗感が生まれます。

一方で、日頃から丁寧なサポートやコミュニケーションができていれば、商品・サービスそのものだけでなく、その支援や安心感にも価値を感じてもらえる可能性があります。

16. リピート受注の本質は「受注→納品→提案」

リピート受注は、単純に「満足してもらえば自然に注文が来る」というものではありません。

受注して納品する。そして納品後に次の提案を行い、再び受注する。このサイクルを繰り返すことが、リピート受注につながります。

特に重要なのが、納品後の「提案」です。

営業が次の受注を意識して提案を行わなければ、リピート受注の機会そのものを逃してしまいます。

17. 「商談数」だけでなく「提案回数」を増やす

既存顧客はすでに取引実績があり、契約や信頼関係も構築されています。

そのため、営業が意識すべきなのは、単に定期訪問をすることではなく、次につながる提案をどれだけ行えているかです。

「今の使い方にプラスできることはないか」「新しい商品やサービスはないか」「見直しや改善によってできることはないか」など、顧客の状況に合わせて提案を続けることが重要です。

18. 納品後のフィードバックから次の提案を作る

既存顧客に対しては、納品して終わりではなく、その後のフィードバックをしっかり集めることが大切です。

お客様が実際に使ってみてどう感じたのか、どんな悩みや課題が出てきたのかを知ることで、次の提案につながる情報を得ることができます。

新規営業ではホームページなどから情報を集めて仮説を立てますが、既存顧客は実際の取引を通じて得られた情報やデータを持っています。

この「実際の情報」を次の提案に活用できることが、既存営業の強みです。

19. 既存顧客の強みは「関係性」と「データ」

既存顧客に対する営業が持つ強みは、これまで築いてきた関係性だけではありません。

取引を通して蓄積されたデータや、お客様の内部事情を理解していることも大きな強みになります。

同じような提案を新規企業と既存企業が行った場合、既存企業にはこれまでの取引で得た情報があります。

その情報を活用して、お客様が次に必要とするものを予測し、新規営業よりも早く、より具体的な提案をすることが重要です。

20. 提案の勝敗を分けるのは「内容・タイミング・スピード」

提案で重要なのは、内容の良さだけではありません。

「相手が必要とするタイミングを逃さないこと」「求められるタイミングより少し早く提案すること」「スピード感を持って対応すること」も重要です。

どれだけ良い提案でも、タイミングが遅ければ他社に先に提案されてしまう可能性があります。

既存顧客だからと安心して待つのではなく、常に他社からも提案を受けているという前提で、継続的に提案していくことが求められます。

まとめ

受注は営業活動のゴールではなく、その後の顧客との関係をつくるスタート地点でもあります。

お客様が何を期待しているのか、どのような成果を求めているのかを事前に確認し、現実的な条件や提供できる価値をすり合わせることが、受注後の満足度やコミュニケーションコストに大きく影響します。

また、満足してもらうだけではリピートにはつながらないため、納品後のフィードバックや顧客データをもとに、新たな課題やニーズを見つけて提案することが重要です。

単価アップやリピート受注を実現するためには、「受注して終わり」ではなく、納品後もお客様との関係を継続し、内容・タイミング・スピードを意識して提案を重ねていくことが営業成果につながります。

この記事の監修者

営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。

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