他社に決まった。このことを聞いて嬉しい営業はいません。
競合していた他社に決まり、自分が選ばれなかったとき。こんなときにどんな対応をすることが必要なのでしょうか。
他社に決まった時のマインドについて、今回は解説していきたいと思います。
目次
他社決定した時やるべきこと①昔の経験談
少し昔の話をさせてください。
私は以前多くの数他社決定されてしまっていました。昨今はインターネットの普及もあり、ノウハウを得やすい豊かな時代ですが、成約率100%というのはなかなか難しい数字です。
当時私は新規開拓の営業を中心に行い、プッシュ型営業をする日々でした。プッシュ型営業の性質上、成約率100%というのは難しい数字です。
しかし、絶対に失注してはいけないという最大手の企業に対する提案の機会をいただいたときに、他社決定をされてしまいました。期待を裏切られた気持ちになり、落ち込みました。ただ、このときに良くない対応をしてしまったことは反省点です。他社決定されたときにどのように対応するかによって、成果を出す営業と出せない営業の分岐が生じるのです。
他社決定した時やるべきこと②ダメな営業
他社決時にやってはいけないことがあります。
それは、「テンションが明らかに落ちた対応をする」ということです。当時の私はこれをしてしまいました。自分の力不足ではなく、「なんで他社を選んでしまったんだ」という思いが漏れ出た状態で相手に伝わってしまったのです。このような営業に、今後何かあった際に提案してもらいたいと思うでしょうか。そんな人はいないはずです。
もちろんその前の段階でお客様と関係構築ができていれば、再び提案のチャンスをいただける可能性はあるでしょう。
ただ、お断りの連絡をしたときに、負のオーラを感じたなら、お客様は罪悪感を感じます。そうなると、「また検討した結果お断りの連絡いれることになるのが嫌だからそもそも提案受けない方が楽だな」という考えにつながりかねないのです。
そのため、是非意識いただきたいのは、今回他社に決まってしまったとしても、それが永遠の別れではないということです。
次を見据えてコミュニケーションをとらないのであれば、次の案件をお客様からいただくチャンスを自ら手放してしまうということができます。他社に決まった時に、ものすごく辛く感じる気持ちはわかります。ただ、その気持ちを相手に伝えるのは更なる悪循環に陥ってしまいます。
「テンションが明らかに落ちた対応」はNGです。お客様に罪悪感を与えてしまい、次回の提案のチャンスを逃してしまうという悪循環に陥ってしまいます。
▼失注の原因についてはこちらでも解説しています。
失注の原因は8つ!これだけはしてはいけない営業提案を事例を基にまとめてみた
他社決定した時やるべきこと③具体的にやらなければいけないこと
では、他社に決まってしまった時、どのように対応すればよいのでしょうか。
まずは、自分の力不足を詫びた後、相手が課題解決に向けて前進したというその決断を尊重することが大切です。
そして、次のステップへつなげるための重要なポイントがあります。
「ちなみに今回、どういったことが理由で、他社様に決まったのか今後のために教えていただけますでしょうか」
是非、相手の意思決定の基準をつかむようにしましょう。
相手にとっても決め手となるところが必ずあるはずです。自分の提案には何が足らなかったのか、どこへの思考が不足していたのかという相手のジャッジポイントを把握することが必要になります。
このことを聞くことで、今後の見直しだけでなく、相手の勘違いも防ぐことができます。意外とお客様が自分自身で解釈してしまい、事実と異なる認識をしているパターンは起こり得ます。本来意思決定前にそういったことは払拭すべきではありますが、最終決定の段階でもそのポイントに気付き、フォローすることで「なら、もう一回考えるよ」となるケースは事実存在します。
是非しっかりと、なぜ決めたのかということを聞いて確認するようにしましょう。
更に、売れる営業とそうでない営業の差はこのあとの活動にでます。
売れない営業は、このあと音信不通になります。
新しい取り組みを始めたお客様は、必ず手探りの状態からスタートします。様々な環境の変化で負荷がかかった状態にお客様はなるのです。
このような状況において、すぐに受注にならなかったとしても定期的にコミュニケーションを営業がとることが重要です。そうすることで、お客様に「この人はしっかり向き合ってくれているんだ」という印象を与えることができます。
勿論営業は即決してくれた方が嬉しいのはその通りです。しかし、これだけ情報が溢れている世の中において、初対面でいきなり受注を決めてくれるケースは殆どありません。
そのため、「いつかお客様になってくれるように」というお客様を育てていく意識がとても肝要になってきます。
現代の営業は、見込み客から顧客化するまでの検討期間を短くすることを重要視しています。この視点は勿論大事です。営業コストを下げるために大事な視点ではありますが、失注になってしまったお客様を放置することは最もNGな行動です。
「いつかお客様になってくれるように」という意識が重要です。そのために、何が決め手になったのか、相手の意思決定の基準を確認するようにしましょう。そうすることで、今後の見直しや、相手の勘違いを防ぐことが出来ます。
他社決定した時やるべきこと④サブスク系の商材の場合
サブスク系の商材の場合、失注した際にそのお客様との関係を放置するのは更に良くない影響があります。
失注した際に関係をそこで絶ってしまうと、どんどんと見込み客が減っていきます。
サブスク系の商材の特徴は、月々のコストが低いことです。月々の利用料を支払う形のため、他の商材に比べて乗り換えが起こりやすいということができます。
そのため、1度失注になったとしても、いつ切り替えが起きるか分かりません。そのタイミングに備えて、失注になったあとも継続的に連絡をとることが重要です。
▼他社と比較されていることが分かったタイミングの対応の仕方にはこちらで解説しています。
「他社との違いは?」競合他社と比較されているときの正しい答え方
他社決定した時やるべきこと⑤まとめ
今回の内容を1枚の画像にまとめるとこのようになります。
営業は難しいものです。しかし、切り替えが容易に可能な商材も昨今増えてきました。是非定期的なコミュニケーションをとることを意識していただきたいと思います。今後の営業活動の参考になれば幸いです。応援しています!
▼YouTubeでも発信しています。
他にも有益な情報発信を続けておりますので、見てくださいね。
他社決時は負けたことを認めつつ「判断基準」を聞きましょう。 – YouTube
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。