先日、LINEでこんなご質問をいただきました。
新入社員なのですが、営業で結果が出ないです。どうすれば売れるようになるでしょうか?
めちゃくちゃ曖昧な質問だったのですが、新入社員で営業を始めたばかりだとまだ自分で何を振り返ったり、何をチェックしたら良いのかわからないと思ったので、チェック項目をまとめてみました。
目次
- 1 営業で結果が出ない時にやるべきこと20の確認項目
- 1.1 1.営業のボトルネックを探す
- 1.2 2.そもそもアプローチの母数が足りているか確認する
- 1.3 3.第三者に自分の営業をみてもらう
- 1.4 4.断られる理由を洗い出す
- 1.5 5.トップセールスと自分の違いを洗い出す
- 1.6 6.我流をやめて、売れている人の真似ポイントを10個探す
- 1.7 7.商談で会話ができているかを振り返る
- 1.8 8.そもそもアプローチする相手を間違えていないか振り返る
- 1.9 9.顧客理解ができているか振り返る
- 1.10 10.商材の魅力を20秒で話せるかを確認する
- 1.11 11.アプローチすべき相手の条件を5つ言えるか確認する
- 1.12 12.1日の時間の使い方を確認する
- 1.13 13.自分の提案を聞いて「やりたい」と自分が思えるかを確認する
- 1.14 14.そもそもお客様をどういう状態にしたいか、語れるか確認する
- 1.15 15.挨拶・お礼をちゃんと伝えているか確認する
- 1.16 16.レスは1営業日以内にできているか確認する
- 1.17 17.業界の動向を把握できているか確認する
- 1.18 18.商談やテレアポ等の基本トークは固まっているかを確認する
- 1.19 19.成果が出ていないのに同じ営業手法を続けていないか確認する
- 1.20 20.そもそも「売りたい」と本気で思えているかを確認する
- 2 結果が出なければやっぱり営業は楽しくない
営業で結果が出ない時にやるべきこと20の確認項目
こちらがそのチェック項目の一覧です。1つずつ解説していきたいと思います。
1.営業のボトルネックを探す
営業で成果が出ない時、そもそも何を改善するかどうかを感覚で決めてはいけません。
営業改善の項目と優先順位は常に数字をもとに決めることが大切です。そもそもボトルネックは営業全体の足を引っ張っている、成果を落としている最大要因です。営業は常に上流から下流まで一連の流れ動きます。
例えば、リスト→テレアポ→アポ→見積もり提出→クロージングというステップで営業をしているとき、どんなにリストを増やしても、どんなにテレアポでアポを取っても成約率が0%の営業をしていれば受注は0です。この時改善すべきはアポ取りではなく、クロージング方法や営業ターゲットの見直しですよね。
日々誰かと商談・会話をしていると、目の前にやりたいことややるべきことがどんどん出てくるのが営業です(これは健全な状態です)。ただ闇雲に改善を改善をしても頑張っているのに成果が出ないという状況に陥るだけなので要注意です。
▼ボトルネックについての参考記事
2.そもそもアプローチの母数が足りているか確認する
1でボトルネックの特定の話をさせてもらいましたが、そもそもアプローチの母数が足りているのかという問題もあります。
冗談のようで本当にあるのが、10件受注が欲しいのに5件しか商談をしていないという営業が存在します。このときはボトルネック同行ではなく、まずはアプローチ数を確保することを最優先で動くべきです。
そもそもボトルネックの特定や営業検証は一定数のアプローチを行わなければ次には進めません。元になるサンプル・データが必要だからです。
3.第三者に自分の営業をみてもらう
第三者は上司や先輩だけではありません。要するに自分以外の人から自分の営業に対してフィードバックをもらうことが大切です。私はよくお客さんに「私の営業ってどうですか?差し出がましいお願いだとは思うのですが、フィードバックをいただきたいです!」と新人・若手の頃はお願いをさせてもらっていました。
当然お褒めの言葉もあれば、厳しいお言葉もありますが、本番の営業をさせてもらった相手なので、その言葉・感想の1つ1つはとても参考になります。また、「ここがよくわからなかった」「わかりづらかった」という感想をもらえれば、再度フォローの説明もできるので、効果的なアプローチです。
もちろん上司・先輩にロープレをみてもらったり、同行してもらってフィードバックをもらう方法もありです。
4.断られる理由を洗い出す
同じ商材で同じ営業トークをしていればある程度お断りされるパターンも決まってくるはずです。
下記は営業での失注理由を分類し、その際に出てくるトークをまとめたものです。自分がどういったトークでお断りされることが多いのかを今一度確認して、そう言われた時の切り返しトークやそもそもそう言われないための商談の流れを考えるようにしてください。
5.トップセールスと自分の違いを洗い出す
社内でも社外でも、売れている人もいれば売れていない人もいます。
この記事を読んでいただいているということはおそらく自分よりも売っている、売れている人が周りにいて、早く追いつき追い越したいという思いをお持ちだと、勝手に思い込んで話を進めさせていただきます笑
その際に考えるべきことはトップセールスと自分にはどんな違いがあるのかを整理することです。
- 営業トーク
- 営業ツール
- 身だしなみ
- コミュニケーションの取り方
- 連絡を取るタイミング
- アプローチ方法
- 雰囲気・話し方 など
商談時だけでなく、その前後のコミュニケーション全般を通して比較をしてみてください。また1日の使い方などもみてみると、トップセールスと自分の違いが浮き彫りになることもあります。
▼トップセールスについての参考記事
6.我流をやめて、売れている人の真似ポイントを10個探す
新人・若手であれば尚更ですが、初めて営業をするのに我流を貫くのは無理です。
なぜなら経験がない=自分の中で良し悪しを決める基準がないということなので、正しい判断ができないからです。
そこでやるべきはできている人の基準を真似ることです。できている人・トップセールスの真似すべきポイントを最低10個書き出して、まずは真似から始めてください。
7.商談で会話ができているかを振り返る
売りたいという気持ちを先行するとどうしても、プレゼンばかりしてしまったり、質問ばかりしてしまったりと、営業が話したいこと、聞きたいことばかりを話してしまうということが起きます。こういったことをされると相手側はどう思うか?
売り込みだ
という印象を持ち、営業への印象、つまりあなたへの印象が一気に落ちます、営業はあくまでもコミュニケーションの一種です、最後に何かを買ってもらう、もらいたいというゴールがあるだけで基本的には普段家族や友人との会話と大きな違いはありません(もちろん敬語やルールなどは異なりますが)
なので、まずはお互いが言葉のキャッチボールができているかを確認してください。
8.そもそもアプローチする相手を間違えていないか振り返る
営業で1番改善幅=改善結果が大きな成果に繋がるインパクトが大きいものが”ターゲットの適正化”です。
正しい営業相手に営業ができなければ成果は出ません。正しい営業先とは「支払い能力×問題意識」を持っている相手です。
営業・ビジネスはボランティアではありません。ちゃんと対価を払える相手と取引をすることが大事です。ここを意識しておかないと、未払いや支払い遅延が発生し、後々トラブルや面倒を抱えることになります。
もう一つの問題錦については、こちらが解決できる問題や課題に対し問題意識を持っている、もしくは問題意識を醸成できる可能性がある相手に提案をすることが大切です。
9.顧客理解ができているか振り返る
そもそも営業をする相手のことを自分がちゃんとわかっているのか。また相手に対して興味・関心を持ち、ただ売るのではなく、買った後の絵=相手の変化を想像できているかを確認してください。
相手のことを学ぼうとせずに売り込もうとしても売れないのは当たり前です。
10.商材の魅力を20秒で話せるかを確認する
自分の商材をなぜ20秒で語れなければいけないのか。その理由は営業をする自分自身が商材のことを正しく理解できているかを確認するためです。頭の中で整理できていない人は20秒では語れません。全く話せないか、話がだらだらと長くなり要点を抑えることができません。
そういった整理されていない話をされても、提案を受ける側が判断できるわけがないですよね。
11.アプローチすべき相手の条件を5つ言えるか確認する
営業先の選定基準を言えない営業はローラー営業・どぶ板営業と言われるような闇雲に営業をしているのと同じです。
提案する商材が決まっていれば、ある程度提供できる価値や顧客に対して実現できるものも決まっています。にも関わらず、営業する相手が決まっていない、ちゃんと定めていないのは、営業をちゃんとしていないのと同じことです。
12.1日の時間の使い方を確認する
先日こんなツイートをさせていただきました。
テレアポをして
飛び込みをして
商談をこなして
事務処理をして営業はやることが多く
実は営業しているようで
実は事務処理の方が多かったり
商談2件であとは移動で1日終わり
みたいなことはよくある話より効率的に効果的に営業をするには
経験と気づきを発信して
レバレッジをかけるしかない— 笹田裕嗣@営業ハック (@sasada_36) October 30, 2019
共感いただいた方も多かったのですが、営業をしていると行っても他にやらなければいけないことはたくさんあります。
営業職の営業以外の活動トップ3はおそらく下記だと思います。
- 会議
- 移動
- 事務処理
下手したらMTGや会議、事務処理で1日が終わってしまう日があるという営業の方も多いのではないかと思います。これは働いてはいますが、営業の成果に直結する動きは皆無なのでこういった状態が続けば当然成果は出ません。
13.自分の提案を聞いて「やりたい」と自分が思えるかを確認する
そもそも自分が良いと思えないものを売っていて売れるわけがありません。
特にここ最近の営業は”誰から買うか”の重要度が上がっています。理由は商材・サービスの差別化が難しくなっており、コモディティ化の進む現代では、どこの商材を買っても大きな成果の差が出なくなっているからです。つまり、どこを使っても同じであれば、自分が関わりたいと思える人から買いたいという気持ちが進んでいるわけです。
その中で選ばれる自分になるためにはまず大事なことは、自信を持って提案をできるようにすることです。そのための最低条件は「まず自分が欲しい」と思える提案をすることがスタートラインです。
14.そもそもお客様をどういう状態にしたいか、語れるか確認する
商材・サービスを買うという行為は、自分の身銭を削ってでも欲しい何かがあるということです。
「精神的満足」「金銭的満足」「物理的満足」に分類することができ、16種類あります。
細かく分類すると全16種類です。人は何かを得たくて(避けたくて)買い物をし、実際にその成果もしくはそれ以上の成果を
手にしたことで満足感を手に入れています。つまり、営業は顧客の満足する要因を事前・事後で正しく把握し、提案・実現することが大切となるということです。
15.挨拶・お礼をちゃんと伝えているか確認する
営業で成果が出ない、結果が出ないと悩んでいる人の中で意外と多いのが、当たり前のことを当たり前にやっていないというパターンです。
営業はあくまでコミュニケーションの1種です。普通に会話ができない人、コミュニケーションに違和感やストレスを感じる人とコミュニケーションを取りたいと思う人はいません。
16.レスは1営業日以内にできているか確認する
全項目の「挨拶・お礼をちゃんと伝えているか確認する」と同じで、やりとりに違和感やストレスを感じる相手と話したいという人はいません。
営業にとって契約は1つのゴールです。しかし、相手からすればこれから長く付き合いをする相手を見定める期間が契約前の商談にあるということを忘れてはいけません。
17.業界の動向を把握できているか確認する
業界や世の中の動向・動きを把握することは、営業において前提の理解と同じです。
その場・その環境におけるルールや仕組み、流れ、そこにいる人たちの考え方や今思っていることを理解することは、相手のことを知るということ以上に大事なこともあります。なぜなら相手のことを理解するために必要な情報だからです。
相手が今思っていることが生まれた背景・要因が、相手が所属している・身を置いている環境や状況に起因すること・影響することは非常に多いです。だからこそ、営業は業界や世の中の同行にはアンテナを貼り続けることが求められます。
18.商談やテレアポ等の基本トークは固まっているかを確認する
「標準無くして改善なし」はトヨタの”カイゼン”の考え方の1つです。
売れている先輩社員を見たときに、「そんなトークがあるんですね」「よくそんなトークを思いつきますね」と臨機応変な対応に感動した経験はありませんか?これだけを見てしまうと、トークスクリプトよりもその場その時で的確な切り返しやリアクションを取れた方がカッコよく見えるのは間違いないです。
しかし、営業は継続的に成果を上げ続けなければいけない職業です。日々の思いつきで営業をしていれば、改善が難しく、成果が安定しません。私を含めて凡人はコツコツと営業の改善を重ねながら成果を出していく、そのためにベースとなる基本のトークや動きを先に定めておくことが大切です。
19.成果が出ていないのに同じ営業手法を続けていないか確認する
トークスクリプトや営業の動きを決めておくことが大切とお伝えをしました。
しかし、この一度決めたルールや手法に固執して成果が出ないのであれば本末転倒です。決めたことを守ることが目的ではなく、成果を出すために基本ルールを決めたわけです。成果が出なければ改善を重ねてください。改善を行う時のポイントはあくまで数字をベースに考え、改善箇所を定めていくことです。
20.そもそも「売りたい」と本気で思えているかを確認する
最後です。売れない営業に1番多いのは「本気で売りたい」と思っていないことです。
売りたくないもの、売れないと思っているものはなかなか売れません。また、相手もそう思っている相手から買いたいとは思えません。
営業をする時は本気で売りたいと思える商材を選定し、本当に必要と思ってもらえる相手を探し営業をすることが大切です。
結果が出なければやっぱり営業は楽しくない
営業をやっていて「楽しい」「やりがいがある」と感じるのは、様々な要因があります。また人によっても当然異なると思います。
ただ長く営業を楽しむためにはやはり「売れる」「結果が出ている」状態は必須です。結果が出なければやっぱり営業は楽しくありません。この20項目を自分の営業に当てはめて、今の自分の営業状況はどうかを是非振り返ってみてください。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。