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リーダーシップの歴史と変遷。それらに共通する優れたリーダーシップを発揮するコツとは?

更新日
2024/10/22
公開日
2024/10/22
  • 急に管理職を任せられた
  • チームリーダーとして組織をまとめられずに悩んでいる
  • リーダーシップについて研究していて、その歴史が気になる

このような悩みや疑問はありませんか?

ビジネスにおいて、リーダーシップは必要不可欠なもの。
経営学の中でも、長年研究が続けられているテーマです。

仕事で成果を出すためには、色々な人を巻き込むことが必要です。
また、ポジションが上にいけばいくほど、リーダーとしてのスキルが求められます。

リーダーシップというスキルは、長年の歴史の中で様々な議論がされてきました。
それだけ組織をけん引していく能力の重要性は、高いと言えるのではないでしょうか。

  • リッカートが唱えたリーダーシップ論
  • レヴィンが唱えたリーダーシップ論
  • pm理論
  • 資質論

と言った数多くの理論が、リーダーシップの歴史には含まれています。

そこで、今回はリーダーシップの歴史を整理し、体系的にリーダーシップについてまとめておきたいと思います。
あなたが身につけるべきリーダーシップについてヒントも得られるはずですよ。

リーダーシップの歴史

リーダーシップの歴史を見ていきましょう。
大きく次の6つの流れになっています。

  1. ①リーダーシップ理論の始まり:資質特性論
  2. ②続いて生まれたリーダーシップ:行動類型論
  3. ③資質・行動に次いで生まれた:リーダーシップ2次元論
  4. ④1960年代後半から始まった:リーダーシップ状況適応論
  5. ⑤1970年代:カリスマ型リーダーシップ
  6. ⑥最近のリーダーシップ:変革型リーダーシップ論

それぞれを見ていきましょう。

①リーダーシップ理論の始まり:資質特性論

才能がリーダーシップである

古くは、個人の特性・特徴に帰着する内容の「資質特性論」から始まりました。

これは簡単に説明すると、「リーダーシップは才能である」という理論です。
「リーダーには生まれながらの共通する資質がある」前提に立っています。

この資質特性論は、19世紀にトーマス・カライルが発表した「リーダーシップ偉人説」という書籍に記された、

他より優れた何らかの資質を持ち合わせた偉人だけがリーダーと成り得る

という主張が、この資質特性論の基礎となっています。

野球部のリーダーはキャプテンになることが多い

簡単に例えるなら、「能力があるからリーダーになれる」と考えるとわかりやすいでしょう。
野球部のキャプテンは野球が一番上手い。
上手いから、部員もその指示に従う。

といった具合です。

リーダーシップの基準定義

様々な研究の結果、資質特性論におけるリーダーシップの基準はこのように定義されました。

知性:学識や判断力、創造性などの知的能力が高い。
行動力:判断力、協調性、社交性、適応力など状況に応じた行動の的確さ。根気、忍耐などの最後までやり遂げる力がある。
信頼感:自信、責任感に溢れメンバーとの関係性を築き上げられる。

    ②続いて生まれたリーダーシップ:行動類型論

    その後、リーダーシップ論は個人の資質から、共通する行動パターンの類型化が図られます
    それが、行動類型論です。

    2つの行動類型論

    (1)レヴィン:リーダーシップ類型論
    (1-1)専制型リーダーシップ
    (1-2)放任型リーダーシップ
    (1-3)民主型リーダーシップ

    (2)リッカート:システム4理論
    システム1:独善的専制型リーダーシップ
    システム2:温情的専制型リーダーシップ
    システム3:相談型リーダーシップ
    システム4:参加型リーダーシップ

    行動類型論(1)レヴィン:リーダーシップ類型論

    アメリカの心理学者レヴィンが、アイオワの大学で行った実験結果に基づいた理論です。
    レヴィンはリーダーシップ、組織のタイプを以下の3つに分類しました。

    レヴィン:リーダーシップ類型論の3つの分類

    (1)専制型リーダーシップ
    (2)放任型リーダーシップ
    (3)民主型リーダーシップ

    分類(1)専制型リーダーシップ

    この専制型リーダーシップは、

    • 部下/集団は消極的・受動的と捉える
    • 命令を与えないと動かない
    • 意思決定、作業手順すべてをリーダーが指示する

    このような特徴を持ちます。

    このタイプのリーダーシップは、立ち上がったばかりの未熟な組織の場合や、切羽詰まった緊急性の高い状況下において効果的に機能すると言われています。
    短期的には仕事量を増やせるため、高い生産性を得る事が可能です。

    しかし、長期的には、メンバーが相互に反感や不信感を抱くようになり、効果的ではないとされています

    新しい職場に配属直後のイメージ

    たとえば、あなたが新しい職場に配属になったとき、勝手がわからず何をすればよいかわからないとしましょう。
    新人同期が複数名いたとして、皆何をすればよいのかわからないので自発的に動こうにも動けません。

    このような場合は、専制型リーダーシップを発揮する者(主に上司でしょうか)が一人いれば、組織やグループとしての行動が円滑に回るでしょう。

    ですが、長く同じ体制を維持し続けると、「なぜあいつに従わなければいけないのか」「もっと効率の良い指示があるのではないか?」などと、リーダーシップの効果にかげりがでる可能性は高いです。

    分類(2)放任型リーダーシップ

    放任型のリーダーシップは、

    • 部下/集団の行う行動にリーダーは関与しない
    • 意思決定、作業手順も部下が決める
    • 集団によって行う

    このような性質です。

    1人1人のレベルが高い専門家集団においては効果的かもしれませんが、基本的には組織のまとまりもなく、メンバーの士気も低く、仕事の量・質とも低くなるデメリットを抱えます

    部活動に興味のない顧問の先生は放任型

    学校の部活動で、内容に興味のない先生が顧問になった場合などがこのパターンでしょう。
    リーダーである先生は基本的に指示をせず、練習内容や試合での戦術や戦略など全ては部員に任せられます。

    部員同士の絆が強い場合、不満のでない良いチームになるかもしれない反面、メンバーの半数が素人であったり、素行に問題のある生徒が混ざっていたりすると、上手くいかないでしょう。

    分類(3)民主型リーダーシップ

    民主型リーダーシップの特徴として、

    • リーダーの援助の下、集団で討議して方針を決定
    • 作業の要領や手順は部下に委任

    というものが存在します。

    短期的には先にあげた「専制型リーダーシップ」よりも生産性は劣りますが、長期的には高い生産性をあげるため、通常の業務においての理想で、民主型を頭に浮かべる人は多いはずです。

    ゼネラルマネージャーは細かい所まで指示しない

    野球チームで言えば、チーム編成を担当するゼネラルマネージャーは、監督や選手との年俸交渉などを行います。
    また、チームの方向性、たとえば「生え抜きを育てるチームにする」といった方針を監督に示します。

    一方で「どのような戦術で勝つのか」「先発出場選手を誰にするのか」「次の1球は盗塁するのか?」など細かい所は、部下である監督や選手に任せるのです。
    監督は監督でリーダーシップが必要になりますが、選手と監督は話し合い、どのように勝利を目指すのか決められます。

    ゼネラルマネージャーの大きな方向性が示されている元でのびのび行動できるため、長い時間をかけると不満のでづらいリーダーシップでしょう。

    行動類型論(2)リッカート:システム4理論

    ミシガン研究とも称されるこの理論は、ミシガン大学社会調査研究所所長、リッカートによって提唱されました。
    リッカートは組織をシステムとみなし、リーダーシップのシステムを以下の4つに分類しました。

    リッカート:システム4理論

    システム1:独善的専制型リーダーシップ
    システム2:温情的専制型リーダーシップ
    システム3:相談型リーダーシップ
    システム4:参加型リーダーシップ

    システム1:独善的専制型リーダーシップ

    このタイプの特徴は、

    • 権威主義的管理方法で、リーダーは部下を信頼せず意思決定に参加させない
    • 部下は、恐怖・脅迫・懲罰によって働かされ、時々与えられる報酬で何とか生活している
    • リーダーと部下の相互作用は稀で、統制機能はトップに集約されている

    こういったものが挙げられます。
    リーダーが常に生産を上げるよう圧力をかけている、いわば課題志向のマネジメントを行っているため、4つのシステムの中で最も生産性が低いとされています。

    独裁国家のリーダーシップ

    これは独裁国家にあてはまるでしょう。
    ナチスドイツを率いたヒトラーは、組織的に大虐殺を行って恐怖による支配をしています。

    会社では、ワンマン社長の会社にこのような形が多く見られるでしょう。

    システム2:温情的専制型リーダーシップ

    このリーダーシップは、

    • リーダーは部下をある程度信頼するものの、恩着せがましいやり方をとる
    • 予め決められた範囲では部下のレベルでも決定できるが、ほとんどの意思決定はトップが行う
    • 報酬・罰をほのめかし、部下の動機付けを行う
    • リーダーと部下の相互関係はあるが、恩着せがましく、部下の側には恐怖と警戒心がみられる

    という特徴を持ちます。
    システム1よりは生産性が高い組織が多いものの、部下への信頼は比較的薄い状態です。

    一見柔軟に見えるワンマン社長が温情専制型

    ワンマン社長の会社で、社長が「新しいシステムや意見をいつでも取り入れたいと思ってるからなんでも言って」と言っているにもかかわらず、いざ提案をすると「それは我が社のポリシーとしてやらないことにしているんだ」とバッサリ。

    最終決定権は社長にあるため、一見穏やかに見えるものの、部下には警戒されているような状況があてはまるでしょう。

    システム3:相談型リーダーシップ

    相談型リーダーシップは、

    • リーダーは部下に対し全面的ではないがかなり信頼しており、基本的方針や全般的決定権はトップにあるが、個別問題は部下に権限委譲される
    • コミュニケーションは双方通行的に行われ、動機付けは報償と時により懲罰、ある程度の参画が用いられる。
    • 相互作用も頻繁になり、統制機能のかなりの部分が部下に委譲されている。

    という性質です。
    課題志向=人間関係志向である状態のことを指します。

    趣味サークルリーダーは人間関係重視

    地域の趣味サークルなどに見られやすいリーダーシップかと思います。
    たとえば、昔知り合いの通っていた市の英会話サークルがこのような形でした。

    年に1回、英会話サークルの運営を担当する委員会メンバーが5人選出され、その中から委員長を一人決めます。
    委員長は最終決定権を持ってはいるものの、メンバー全員のサークルという意識があるため、

    • 委員会メンバーと相談し納得を得たり、
    • 大きな決断の時にはサークル一般参加者にも告知し、意見を募ったり

    します。

    こういったサークルの運営側に回るのは、面倒だと考えている参加者が多いため、人間関係重視のリーダーシップになりやすいのかもしれません。

    システム4:参加型リーダーシップ

    この参加型リーダーシップは、

    • リーダーは部下を全面的に信頼し、意思決定は広く組織全体で行われる。
    • しかし、バラバラにならずに統合されており、コミュニケーションは上下のみならず同僚間でも行われる。
    • 部下は全面的に参画が認められ、動機付けられ、広範な相互作用が確保される。
    • 評価と統制は全ての階層で行われる。

    こういった組織マネジメントができているリーダーシップを指します。
    リッカートはこの民主主義型のシステム4を採用している経営組織の業績が最も高い、理想形であると主張しました。

    結婚式の2次会幹事は参加型リーダーシップ

    結婚式の2次会の幹事の集まりなどが、このような形になりやすいです。

    基本的には2次会の目的が「新郎新婦を喜ばす」ことにあるため、2次会運営メンバーも自分の満足よりも、よりよい会にすることを目指す傾向にあります。

    なぜ2次会を開かなければならないのかがはっきりしており、対象が自分たちの友人のため、モチベーションも高いはずです。

    そのため、幹事のリーダーがいても、幹事全員の意見を拾い上げたり、リーダーの意見だけで無理に決定したりといった場面は少ないでしょう。

    ③資質・行動に次いで生まれた、リーダーシップ2次元論

    続いて、リーダーシップ2次元論が誕生します。
    これは「人」と「仕事」の2つの側面からマトリクス(図や表)で表します。

    PM理論

    リーダーシップ2次元論の代名詞と言えば「PM理論」、という方も多いのではないでしょうか。
    1966年に三隅二不二によって提唱された理論ですが、分かりやすく汎用性も高いため、現在も使われ続けている指標になります。

    このPM理論は、

    P=Performance function:業績達成機能

    M=Maintenance function:集団維持機能

    それぞれどちらを重視するのか、PとMの2軸で表したものになります。

    課題達成機能とは、

    • 納期を厳守するために進捗を管理する」
    • 「ルールや規則を守るために、厳しくメンバーを指導する」

    といった、成果を出すためのリーダーシップのこと。

    一方集団維持機能とは、

    • 「メンバーや部下一人一人を気づかい、積極的に声をかける」
    • 「メンバー間に対立が生じた場合に、その解消に向け積極的に関与する」

    といった、人間関係を良好に保ちチームワークを高めるリーダーシップのことです。
    これらの能力を鑑みて、リーダーシップを以下の4つに分類して評価したのがPM理論です。

    1. pm型=成果をあげる力も、チームをまとめる力も低い
    2. Pm型=成果をあげる力は高いが、チームをまとめる力は低い
    3. pM型=成果をあげる力は低いが、チームをまとめる力は高い
    4. PM型=理想的なリーダー像。成果をあげる力もチームをまとめる力も高い。

    上記のように、PM型のリーダーが最も評価が高く、理想的であると言えます。

    ④さらに1960年代後半から始まったのが、リーダーシップ状況適応論

    リーダーシップ状況適応論は、別名コンティンジェンシー理論と呼ばれるものです。
    2つの理論をご紹介します。

    リーダーシップ状況適応論

    ①フィードラー:リーダーシップ状況適応論
    ②ハーシー&ブランチャート:SL(Situational Leadership)理論

    コンティジェンシーとは

    偶発や偶然を意味します。
    コンティンジェンシー理論とは、「いかなる状況下でも最高のパフォーマンスを発揮する、唯一最善のリーダーシップは存在しない」という考え方です。

    リーダーシップ状況適応論(1)フィードラー:リーダーシップ状況適応論

    フィードラーの状況適応理論: B = f (S×P)
    (B=リーダーの行動、S=状況、P=パーソナリティ)

    これは、状況によって、仕事中心型のリーダーシップと人間中心型のリーダーシップを使い分ける理論です。
    その状況は、

    • 部下との信頼関係(以下、部)
    • タスク構造(以下、タ)
    • リーダーの権限(以下、リ)

    の3つの項目で状況を分類します。

    仕事中心型のリーダーシップは、「部:良・タ:単純・リ:強」時、もしくは「部:悪・タ:複雑・リ:弱」のときに用います。

    人間中心型のリーダーシップは、「部:普通・タ:普通・リ:普通」のときに用いるのが効果的です。

    状況が単純なときや複雑すぎる時は、「仕事中心型のリーダーシップ」でいくべきで、その中間の時は「人間中心型のリーダーシップ」でいきましょうという理論です。

    新プロジェクト開始時、中盤、終盤を考えてみよう

    プロジェクトが始まったばかりの時に、仲良くなろうとしても上手くいかないでしょう。
    仕事を通して、コミュニケーションをすることで仲良くなり、成果も上がりやすくなっていきます。

    かといって、慣れてきたときに仕事ばかりを押しつけても人間関係が良くなりません
    そのようなタイミングでは、社内で飲み会を開くなど人間関係向上のリーダーシップを取ると、全体がうまくいきやすくなるでしょう。

    しかし、ずっと仲良しこよしでやっていても、より成果を上げることは難しいです。
    ある程度仲良くなったら、仕事中心の関係にすることで、より成果を上げられるでしょう。

    リーダーシップ状況適応論(2)ハーシー&ブランチャート:SL(Situational Leadership)理論

    この理論は、部下の成熟度に応じてリーダーシップを変化させるべきという考え方です。
    簡潔に言うと「部下が未熟なら細かく指示し、部下が成長したら任せるべし」です。

    フィドラーの理論をベースに「部下の成熟度」を考えに追加した物と考えるとわかりやすいでしょう。

    順序たてて説明すると、

    SL理論(1)指導型リーダーシップ

    部下が未熟な時に有効なリーダーシップです。

    部下へ細かく指示を出し、協働的行動(自ら考えさせる行動)はいらない。
    しっかりと指示を出して、動いてもらいます

    SL理論(2)説得型リーダーシップ

    部下が成長し始めた時に有効なリーダーシップです。

    部下への指示は必要だが、指導型よりも成熟度が高まっている。
    質問やコメントなどを求め、協働的な行動の効果が高いです。

    SL理論(3)参加型リーダーシップ

    部下が成熟し始めたときに有効なリーダーシップ。

    自主的に動き始めている状態で、指示は不要のため、コーチング的な気づきを与えるアプローチが効果的です。

    SL理論(4)委任型リーダーシップ

    部下が成熟しきった時に有効なリーダーシップです。

    部下に権限を委任し、高い自由度の中で仕事をさせると効果が高くなります。

    イメージのしやすい理論

    この理論はイメージしやすいのではないでしょうか?
    部下が未熟なら当然自分で考えることは難しいでしょう。
    そのため、リーダーシップとしては指示を与えることになります。

    部下が成熟してくれば、いつまでも指示を与えていては成長できません
    自立して仕事してもらうためには、自分で考え動いてもらうことが必要です。
    また、部下としても自分で動けるのに指示ばかりをもらっては、ストレスがたまってしまいます。

    このように、部下の成熟度に応じて、使うリーダーシップを使い分ける理論です。

    ⑤1970年代、皆さんご存知カリスマ型リーダーシップ

    めぐりめぐって、1970年代後半からは聞きなれた言葉で「カリスマ」という言葉が流行ります。
    それまでは、部下を管理することが上司のメインの役目でしたが、このころは「将来のビジョンを描くこと」がリーダーに求められるようになってきました。

    そのようなリーダーにはカリスマ性があるとして、カリスマ型リーダーシップ理論が登場します。

    カリスマとは

    人を惹きつける力のことです。

    これは昔の「資質」型と似ています。
    カリスマ型リーダーシップ理論を唱えたマックス・ヴェーバーは4つの要素でカリスマ性があるか否かを判断しました

    1.  戦略ビジョンの提示
    2. (ビジョン達成のための)部下の規範となる行動
    3. (ビジョン達成のための)現状の正しい評価
    4. (ビジョン達成のための)モチベーション向上や明瞭な言動

    これが備わっているのが、リーダーと定義されています。
    たとえば、インドのマハトマ・ガンジー氏などはカリスマ性があると考えられる人物の代表例です。

    実際に「カリスマ性がある、ない」と考える際に、上記の4項目を物差しにして考えることができます。
    ガンジー氏はイギリスからの独立の際に、インド人の非暴力での団結を呼びかけました。
    『「1.戦略ビジョンの提示」「部下の規範となる行動」をしていた』と考えられます。

    ⑥最近のリーダーシップ、変革型リーダーシップ論

    最近のリーダーシップは「組織を生かすためには、変化をもたらすことが必要」と考えます。

    そんな変化をもたらすタイプの「変革型リーダーシップ」では、リーダーは4つの行動を発揮すると定義しました。

    1. 個への配慮:リーダーについてくるフォロワーへのコーチングを伴う行動
    2. モチベーションの鼓舞:フォロワーに対し、適切な行動をモデル化する行動
    3. 知的刺激:フォロワーに対して、新しい視点から問題を捉えることを促進する行動
    4. 理想的な影響力;フォロワーの感情を高ぶらせ、リーダーとの同一化を促進する行動

    iPodで変革したアップル

    変革型リーダーシップの例としては、スティーブジョブズ氏があげられます。
    元々、自分の創業した会社であったアップルですが、自由に振る舞いすぎて幹部が抵抗し追い出されてしまいます。

    しかし、アップルの経営が傾いた時に復帰しました。
    復帰後に、ジョブズ氏は今までとは異なる商品を発売し、経営を立て直す事に成功します。

    カセットテープやCDプレイヤーが主流だった当時、小さくて多くの楽曲が入るiPodを発売して人々を驚かせます。
    元々はコンピュータを発売していた会社でしたが、音楽プレイヤーを販売したのです。
    このような、新しい視点で問題を捉えたリーダーシップは変革型リーダーシップと言えるでしょう。

    リーダーシップとマネジメントの違い

    最後に、しばしば混同されがちなリーダーシップとマネジメントの違いについて説明します。
    両方とも、目標達成のために行うという点では一緒です。

    マネジメントは秩序やルールを遵守させたり、戦略を立案したりすることがあげられます。
    一方、リーダーシップは人々をやる気にさせたり、導いたりする能力のことです。

    仕組みを使うマネジメント

    たとえば、マネジメントとして目に見えづらい仕事をしてる人も評価できるように、従業員同士で褒め合うシステムを導入します。
    これにより、数字では評価されづらい人事などの仕事の人も評価され、社員全体にやる気がみなぎりました。
    このような仕組みを使うのがマネジメントです。

    統率をとるリーダーシップ

    リーダーシップは、「何も言わずに俺の背中だけ見てついてこい!」「皆が納得いく対話を重視した会社にします」と言ったような「人々の導き方」に主眼が置かれています
    日本語で言うと「統率力」なので、組織の統率を取るための能力です。

    マネジメントは「具体的な手法を用いて目標達成に近づきます」が、リーダーシップは「目標達成がしやすくなるように、組織の統率を取るための戦略」と考えるとわかりやすいでしょう。

    リーダーは導く人

    まとめ

    リーダーシップの歴史

    ①リーダーシップ理論の始まり:資質特性論

    ②続いて生まれたリーダーシップ:行動類型論
    (1)レヴィン:リーダーシップ類型論
    ・(1-1)専制型リーダーシップ
    ・(1-2)放任型リーダーシップ
    ・(1-3)民主型リーダーシップ

    (2)リッカート:システム4理論
    ・システム1:独善的専制型リーダーシップ
    ・システム2:温情的専制型リーダーシップ
    ・システム3:相談型リーダーシップ
    ・システム4:参加型リーダーシップ

    ③資質・行動に次いで生まれた、リーダーシップ2次元論
    ・PM理論

    ④さらに1960年代後半から始まったのが、リーダーシップ状況適応論
    (1)フィードラー:リーダーシップ状況適応論
    (2)ハーシー&ブランチャート:SL(Situational Leadership)理論
    ・(2-1)指導型リーダーシップ
    ・(2-2)説得型リーダーシップ
    ・(2-3)参加型リーダーシップ
    ・(2-4)委任型リーダーシップ

    ⑤1970年代、皆さんご存知カリスマ型リーダーシップ
    カリスマ性の有無の判断基準
    ・戦略ビジョンの提示
    ・(ビジョン達成のための)部下の規範となる行動
    ・(ビジョン達成のための)現状の正しい評価
    ・(ビジョン達成のための)モチベーション向上や明瞭な言動

    ⑥最近のリーダーシップ、変革型リーダーシップ論

    リーダーが取らせる変化
    ・個への配慮:リーダーについてくるフォロワーへのコーチングを伴う行動
    ・モチベーションの鼓舞:フォロワーに対し、適切な行動をモデル化する行動
    ・知的刺激:フォロワーに対して、新しい視点から問題を捉えることを促進する行動
    ・理想的な影響力;フォロワーの感情を高ぶらせ、リーダーとの同一化を促進する行動

    リーダシップの歴史をまとめると、資質・行動・ 仕事・状況・カリスマの順で推移していることがわかります。
    この理論を見て感じて欲しいことは、リーダーはある方向に”導いている”ということ。

    その方向とは、結果を求めること。
    いろんなリーダーシップを見ても、業績や結果を高める・良くする・得るためにモチベーションを活用しています。

    しかし結果を出せると、多くのリーダーが勘違いしていることは

    「モチベーション高=業績高」
    「仲良し=結果良」

    的な風潮です。
    人間関係だけを重視してもダメで、時には厳しく接すること、機械的に指示を出すことも必要になるのです。

    それに、こう考えると、リーダーシップは組織の中だけでなく、対面で目の前の人にもひいては自分に対しても取らなきゃいけないということに気づかされますよね。

    これからリーダーを志す人、リーダーをやっている人は改めて考えてみて欲しいテーマでした。

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