今日のテーマは”質問”についてです。最近は「〜〜力」とか「〜〜学」といった言葉が増えましたが、「質問」についても「質問力」という言葉は良く使われていますよね。そこで今日は質問力を深掘りしていきたいと思います
目次
質問力を分解する
質問力を私なりに分解すると
- 疑問・課題を見つける
- 疑問・課題を言語化する(質問に変換する)
- 相手に質問をする(「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」)
- 正しい回答をもらう
- 回答を理解する
という5つのアクションが必要になります。
学校や上司から「わからないいことがあったら質問して」と言われても、質問できない人は多いです。その理由は質問をすること自体を躊躇してしまうケースもあれば、疑問自体がそもそも生まれていないということも多いです。ただ質問をすると言っても、その裏では様々なプロセスを得て質問が生まれ、最終的な回答を人は得ているということです。
今日はこの中の「相手に質問をする」「正しい回答をもらう」という点についてです。人が答えたくなる質問術についてお伝えしたいと思います。
答えなくない・答えられない質問とは?
まず人が質問に答えたくない・答えられない理由を整理しておきます。
答えたくないとはモチベーションの不足、答えられないはスキルの不足です。このスキル・モチベーション不足が生まれる要因は3つあります。
- 回答のイメージが湧かない(答えがわからない)
- 回答するメリットがわからない
- 答えることで恥をかきたくない(間違いたくない)
基本的にはこの3つです。
答えなくない・答えられない質問を生まない12のチェックポイント
では、この回答のスキル・モチベーション不足が生まれないようにするための注意すべきポイントもまとめておきます。
- 前後の文脈・流れを意識する
- 質問に対して感謝を伝える
- 質問の回答を否定しない(アドバイスも要注意)
- リアクションをしっかりと取る(バックトラッキングをうまく活用する)
- いきなり全ての回答を求めない(順序立てて質問をする)
- 具体的な質問から抽象的な質問に移行する
- 否定的に質問しない
- 都度確認を入れながら、質問をする
- 相手が答えに詰まったら、手を差し伸べる
- 質問の目的を明確にする(確認or相談)
- 聞くタイミングを意識する
- 困ったら「ところで」「ちなみに」
この12のコツを使いながら、質問=一方的なインタビューではなく、会話になるように是非意識してください。
良い質問を定義する4つのチェックポイント
良い質問とは下記の4つを満たした質問のことを指します。
- 理解しやすさ=わかりやすさ
- 簡易性=答えやすさ
- 安心感=間違えても大丈夫という気持ち
- 成果=求めている答えが得られる
さらに理想は「相手に気づきを与えられる」質問です。自分の質問の方法はこれらを満たしているかどうかを、是非考えてみてください。
人が答えたくなる質問術(実践編)
ではここおからは実践編ということで、具体的にどんな質問をすれば良いのかを考えていきたいと思います。質問内容はもちろん重要ですが、流れも大切なので、この点についてみていきたいと思います。
答えたくなる質問①言葉
質問の内容で意識すべきはどんな言葉を使うかです。言葉のチョイスで意識すべきことは下記3つです。
- これまで使っていた言葉を使う
- 相手が使っている言葉を使う
- わかりやすい言葉を使う(専門用語は使わない)
まずはこれです。質問のスタートラインは「相手に質問内容をわかってもらう」ということにあります。
答えたくなる質問②内容
答えたくなる質問内容を作るコツは情報を付加して質問をすることにあります。
わかりやすい質問をするためには、質問の前後に何を伝えるかも重要な要素です。質問の型は3つあります
自己開示+質問
「私はカレーが好きなんですけど、○○さんは何が好きですか?」
自己開示とは、自分の情報(考え・思い・事実)を伝えることです。こうすることで、相手は回答のイメージが持ちやすく、答えやすくなります。間違えるという心理的ハードルも下がります。また、人は「返報性の原理」があり、お返しをしたい気持ちを持っています。つまり、先に自分の情報を伝えることで、相手も答えたいという気持ちが沸きやすいのがこの質問の流れです。
質問+例え
「好きな食べ物はなんですか?例えば、カレーとかどうでしょう?」
これは回答のイメージを持ちやすくするために、例示をする方法です。
意図+質問
「ランチに何を食べるか決めたいんだけど、○○さんは何が好き?」
質問に答えるときに、「これって何の意味があるんだろう」と思ってしまうと、なかなか回答が進まないことがあります。そこで予め質問の意図・目的を伝えておくのも1つの方法です。
答えたくなる質問③リアクション
1回の質問には答えてもらえても、2回・3回と質問が続くと答えてもらえない人がいます。その理由は”相手にとって答え甲斐”がなかったということです。
- 答えても反応が薄い
- 答えても伝わっているのかわからない
- 答えても御礼も言われない
- 質問をされすぎて、答え疲れしてしまった
という気持ちにさせてしまうことで、相手は継続して答えようというモチベーションがなくなってしまったということです。こうなってしまうと次のアポイントももらえなくなってしまうので要注意です。ポイントは「相手の反応を見る」「リアクションは大きく」です。人は誰しも質問に答えたら、”相手のために”やってあげたという気持ちを大なり小なり持っています。関係が希薄な相手ほど、”答えてあげた”という気持ちが強くなります。この状況でお礼の言葉がないと相手は回答モチベーションがどんどん下がります。
また”答えてあげた”にも関わらず、リアクションが乏しいことも相手のモチベーションを下げる要因です。会話を盛り上げる1つのコツは「相槌」と「バックトラッキング(鸚鵡返し)」です。
相槌のコツ
大きくうなづいたり、複数パターンの相槌を持っておくことがまずはオススメです。
- なるほど
- そうなんですね
- はい
- わかりやすい
- 納得です
- うんうん
- メモしてもいいですか?
- 勉強になります
- すごいですね
などは相手に合わせて使い分けられる様にしておくと良いです。またここに書かれている言葉は普通と思われた方も多いと思います。けどそれでいいんです。変に気の利いた返しを考えるとリアクションが遅れます。大事なのはリアクションの大きさとテンポです。
バックトラッキングのコツ
またバックトラッキングとはオウム返しです。ただ言葉を繰り返すだけでなく、3つのパターンをうまく使うとより会話が盛り上がります。
- 事実を繰り返す
- 感情を繰り返す
- 要約する
下記例文をおうむ返ししてみると
「昨日カレー屋さんに行ったんだけど、そこのカレーがめちゃくちゃ辛かったんだけど、すごい美味しかったんだよ」
事実:昨日、カレー屋さんに行ったんだ
感情:美味しいカレー、良いね。私も食べたくなってきた
要約:昨日辛いカレー食べたんだ
的な感じです。あくまで一例ですが、この様な形で相手の言葉をおうむ返しすることで、相手にちゃんと聞いていることを伝えることができます。
さらに会話を盛り上げるコツは、オウム返し+質問で会話を深掘りすることです。
事実:昨日、カレー屋さんに行ったんだ。ここから近いの?
感情:美味しいカレー、良いね。私も食べたくなってきた!何カレーを食べたの?
要約:昨日辛いカレー食べたんだ!じゃあ、今日のランチはさっぱり系がいいね?
という形で、会話を深掘りすることで、より深く相手の理解が進んだり、相手の思っていることを言語化できたりできます。
テクニックに走りすぎる必要はないですが、一連の流れやパターンを自分の中で複数持っておくと、相手との会話がよりスムーズになるのでオススメです。
質問が上手くなれば営業の質は数段上がる
質問は相手理解のためだけでなく、関係構築や気づきの提供など、実は多岐にわたる効果・効能があります。
つまり、質問を使いこなせることが営業としてレベルを高めるということです。是非、営業成果を上げるために質問コミュニケーションの力を高めてください。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。