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【前置きでコミュニケーション攻略】前置きの言葉で相手の印象は激変する

更新日
2024/10/22
公開日
2024/10/22

営業ハック代表の笹田です。

「前置力を磨こう」というのが今日の話です。前置きの言葉って、軽視されがちですが実はビジネスだけでなく、コミュニケーション力アップのためにはとても重要なことなんです。

前置きの一言で相手の印象は激変します。ぜひお付き合いください!

そもそも前置きとは

前置きを辞書で調べると、このように定義されています。

 文章や談話などで、本題に入る前に述べること。また、その言葉。「事情を―してから話し始める」

参照:goo辞書

単刀直入に話をすれば分かりやすいのは事実です。実際に大事なことや提案を話すときは、事前に話す側は何を話そうかまとめていることが多いでしょう。プレゼンテーションなどはまさしくそのとおりだと思います。事前にまとめているがゆえに、前置きがなくなり、すぐ本題に入るのです。

単刀直入に話すことの是非は聞き手のスタンスによってことなります。もし聞き手が何を話されるか分かっており、その話題の分野にも詳しいのであれば、ダラダラと前置きの言葉があると「早く話してよ」となることもあるかもしれません。

しかし一方で、聞き手がその話を初めて聞く場合や、普段考えていないようなことを聞く場合は、当然ながら「戸惑い・警戒・不安」を抱えるものです。話のどの点に注意して聞けば良いか基準を持っていないからです。このような状況は特にビジネスで多いと思います。商談の提案であったり、アポイントの電話であったり、プレゼンテーションであったり、様々な場面が当てはまります。

こういったときに、相手の警戒心を解いたり、話をわかりやすくしてくれるのが「前置きの言葉」なのです。より大事なことを話すときには、聞き手の思いを考えながら、「前置き」をはさみながら本題に入っていった方が効果的だと言えるでしょう。

前置きの一言伝えてますか?

例えばです。「ぼく、かれーが大好きなんです」と言われたら、突然どうしたと思いますよね?不安になりますし、「この人はこれから何を話すんだ」と警戒するでしょう。

また、「かれー」という言葉は、

  • カレーライスが大好き
  • 魚のカレイが大好き
  • 彼が大好き
  • 辛えのが大好き(ちょっと強引すぎますか?笑)

と、聞き取り方次第では全然別のものになります。余計に何についての話を聞かされるのか分からなくなってしまうのも当然のことですよね。

前置きの効果:前提を合わせる力

この「ぼく、かれーが大好きなんです」という言葉に前置きの言葉を入れましょう。

「もうすぐお昼ですね」となると「彼」という選択肢は消えますよね。

また「先日、近くに新しいお店(カレー屋)ができましたよね」という前置き言葉があると「カレイ」も消えます。

一方で「カレー」と「辛えの」は前置き言葉だけでは完全にどちらかを消すことはできません。(そもそも滑舌良く話せという話はなしでお願いします笑)ただ、この状態でも会話は成立します。人間の会話は自分と相手が100%との共通認識がなくても成立してしまうのが、すごいところでもあり、怖いところでもあります。

ただポジティブに解釈をすれば、ある程度の前提が揃えば人間の会話は成立するということは大事なポイントになります。

上記の会話からも分かるように、得てして話のすれ違いやコミュニケーションエラーは起こってしまうもの。それを減らしていくために有効なのがこの「前置きの言葉」であることをおさえておきましょう。

前置きの言葉で話の方向性を明確にできる

また別の例で行けば、テレビのニュースキャスターの例がわかりやすいかもしれません。ニューストピックが変わるとき、「続いてはプロ野球です」など、必ず前置きから入りますよね。前置きの言葉を置くことで、聞き手は「これからどんな話が始まるのか」を簡単に理解できるようになるのです。

「わかりやすい説明」をするコツは、話の方向性を示すこと。

ここの方向性がはっきりしていないと、今自分が何を伝えようとしているのかが、聞き手に伝わりません。

このことはビジネスにおいて、コミュニケーション全般で効果を発揮します。特に分かりやすいのはプレゼンテーション。例えば、「これから〇〇について話します」と一言あるだけでも、聞き手はどこに注意して聞けばよいかが分かります。「ここが大事なポイントです」「ここからが本題なのですが」こういった言葉を一番伝えたい内容の直前に挟むなら、聞き手の注意や思考をプレゼンテーションに引き戻すこともできるでしょう。

前置きの効果:心構えを作る

先程の話の方向性を作る点にも関わってきますが、「これからこの話をされるんだ」と相手が聞く準備をすることができるという効果も見逃せません。

例えば、「大した話じゃないんですが」と言われたら、皆さんはどう感じますか?恐らく多くの人が気楽に構えて話を聞くのではないでしょうか。一方で「実は相談がありまして」と言われると、親身に話を聞こうとする人が多いでしょう。上司と部下の関係性だったら、「辞めちゃうのか…?」なんてドキドキしながら話を聞くかもしれません。

相談なのか、依頼なのか、報告なのか、連絡なのか、それとも雑談なのか。ここがまず明確になるだけでも、「分かりやすい話し方」になるはずです。さらに言えば「〇〇について報告です」と一言入ると、相手は心構えがしやすくなるでしょう。

前置きの効果:感情を伝える力

前置きの言葉で「感情」を伝えることも有効です。例えば営業で行けば、お客様にヒアリングするとき。

「質問よろしいですか?」といきなりヒアリングをスタートするのではなく、

  • 「御社のことをより深く理解したいので」
  • 「御社について色々調べてきたのですが、まだまだ奥が深くて理解しきれていないので」
  • 「御社のお役に立てるご提案がしたいので」

と前置きの言葉をちょっと入れるだけで印象は激変します。

機械的な会話であれば「質問よろしいですか?」「質問お願いします」で、ヒアリングを開始する機能面では十分です。

ただ人間は機械ではなく、効率的な判断だけをしているわけではないのが厄介な部分です。機能だけでなく、情緒に触れる必要があるということです。つまり感情にしっかりと訴える言葉を持っているかどうかです。

また、前置き言葉のメリットは心理学の「カチッサー効果」でも証明されています。人は理由のある依頼とない依頼の承諾率が1.5倍違うと言われています。どんな理由であっても、たとえおかしな理由であったとしてもです。理由があった方が、相手は依頼を受けてくれる確率が高いんです。

前置き言葉の例

実際に使える言葉の例をいくつかご紹介します。上記でお伝えしたものも改めてここでもまとめていますので、見返したいときはこちらをご参照ください。

強調したいときや話を分かりやすくしたいとき

  • 「ここが重要な部分です」
  • 「本日、一番お伝えしたいポイントなのですが」
  • 「ここからが本題です」
  • 「私からご提案したいポイントが3点あります」

情報量が多い話のときや話の方向性を示したいとき

  • 「次に」
  • 「まとめとして」
  • 「話は変わりますが」
  • 「要するに」
  • 「結論として」
  • 「つまり~です」

相手に自分の思いを伝えたいときや依頼をしたいとき

  • 「御社(〇〇さん)のお役に立ちたいので」
  • 「もっと御社のことをよく知りたいので」
  • 「~が目的(背景)なので、お願いできると助かります!」
  • 「〇〇していただきありがとうございます!(以前の件について感謝を伝える)そこでご依頼なのですが~」

相手に丁寧な印象を与えたいとき

  • 「お手数ですが」
  • 「差し支えなければ」
  • 「私事で恐縮なのですが」

この3つの言葉は丁寧な印象を与えることができる一方で、多用しすぎるとよそよそしく思われてしまう可能性があります。相手とどんな関係性になりたいかを考えてから使うことをおすすめします。

前置きの作り方:前置きはなるべく短く

前置き言葉を作ることは

  • 相手の気持ちの代弁
  • 相手への気持ちや熱量の訴求
  • 目的提示
  • 前提共有
  • 相手への配慮やお詫び

この辺りを意識して作ること、かつできる限り一言・短文でまとめることです。あくまで前置きの言葉は機能的には不要な言葉です。ここが長くなれば、相手は「結局何が言いたいの?」となるのでNGです。

前置きの言葉、磨いていきましょう!

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この記事の監修者

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