同じ質問をしたとしても、好かれる人と嫌われる人と評価が二分する可能性があります。
なぜでしょうか。また、改めて「好かれる質問」とはどのようなものを指すのでしょうか。
今回はこのポイントを深ぼりして解説していきたいと思います。
目次
好かれる質問の仕方①質問のタイプ
質問は細かく見ると4つに分類することができます。
質問のタイプ①深ぼる質問
相手が返答してくれたことに対して、その理由・背景をさらに聞き出す質問のことです。様々な聞き方がありますが、
- 「と、おっしゃいますと……?」
- 「具体的にはどのようなものでしょうか?」
- 「なぜでしょうか?」
- 「ほかにはございますか?」
このような質問が挙げられます。
質問のタイプ②広げる質問
視点や視野を変えたときにどのように感じるのか、またほかのテーマに移っていく質問です。
質問のタイプ③まとめる質問
内容をまとめて認識合わせをする質問のことです。
- 「この認識で合ってますか」
- 「ここまでの内容を整理すると」
このような質問が分類されます。
質問のタイプ④合わせる質問
まとめたあと、最後に認識があっているか、同じ価値観を持つことができているのかを確認する質問です。
これらの質問を普段駆使してヒアリングを営業は進めています。
▼ヒアリングのコツについてはこちらで解説しています。
https://hiroshi-sasada.com/blog/ask-2/
好かれる質問の仕方②好かれる・嫌われるは何で決まるのか
相手に好かれるかどうかということは2つの側面から決まっていきます。
①関係性
同じ質問をしているのに、好かれる人と嫌われる人がいる。この原因は「関係性」にあります。
例えば、
「預金残高いくらですか」
この質問をしたとします。そのときに、素直に答えてくれるケースもあれば、「なんでお前に答えなきゃいけないんだ」と嫌われるケースもあります。
なぜそうなるのか。理由は、病院のお医者さんをイメージすると考えやすいでしょう。お医者さんから「体調はどうですか」と聞かれたら、多くの人は素直に答えるはずです。一方、上司や先輩から「体調どう?」と聞かれたら、どうでしょうか。「何かあったかな」と、少し警戒してしまうかもしれません。
つまり、相手は自分のことをどう思っているのかということによって、相手が質問に答えてくれるかどうかが決まってくるということです。
②質問の内容
「なんでそんな質問をするんだ?」と相手に思われてしまうと、好かれるのは難しくなります。
- 自分にあまりに関係がないと思われる質問
- 失礼な質問
こういったものをしてしまわないように注意が必要になります。
「この質問は相手を不快にさせないだろうか」この視点を持つことが重要です。
好かれる質問の仕方③好かれる質問のポイント
好かれる質問には前提として3つのポイントがあります。
- 話しやすい
- 楽しい
- 聞いてくれてうれしい
こういったポジティブな気持ちが生まれていると、お客様は営業に好感を抱きます。
好かれる質問の仕方④具体的なトーク
それでは、これから具体的に何を聞けばよいのか、7つのポイントに分けて解説していきます。
好かれる質問の仕方①体験談を聞く
自らが経験した事柄というのは話しやすいものの1つです。人によっては詳しく、また楽しそうに話してくれる話題でもあります。
「どうお考えですか」という質問の内容についてだけではなく、なぜそのように感じるようになったのか、歴史・体験を聞くことで、「この人は真摯に話を聞いてくれる」とお客様は感じてくれるようになります。相手が気持ちよく話せるテーマを提供して、真剣にその話を聞くという立場をとることが重要です。
好かれる質問の仕方②相手の意見を深ぼりする
「なぜそのように感じたのか」などと、なぜそう考えたのかという相手の意見に対してさらに詳しく聞いていくための質問が2つ目です。単発の質問を繰り返してしまうことはなるべく避けるべきです。アンケートに回答するときのような形式的なものをお客様は感じてしまい、心のどこかで「この人はあまり話を聞く気がないんだな」と思われる危険性があります。
体験談を聞くの部分でお伝えしたことと重なりますが、相手がくれた意見に対して、「もっと聞かせてください!」というスタンスをとることが重要になってきます。
好かれる質問の仕方③相手の気持ち・感情を聞く
言い換えるならば、「共感ポイント」を作ることである、ということができます。
人は行動を起こすとき、そこには必ず感情がセットに存在します。そこで、「今どのように感じているのか」ここを把握することができれば、会話がスムーズに進むようになるのです。基本的に人は感情を伝えるとき、相手に好意をもっていなければいけないケースが多く存在します。
好意を持ってもらいたい、そう思ったときにまずやるべきことは「好意をもっているであろう行動を先にさせる」ということです。
「アドバイスシーキング」という言葉があります。
これは、人はアドバイスを求められると、自分が好意を持っていると錯覚するという人の心理を表した言葉です。なぜなら、嫌いな人に教えようという人は存在しないからです。
このように、教える行為を先にすると、好きであると錯覚する傾向が人にはあります。好意を持ってもらうには、好意を持っているであろうアクションをしてもらうように働きかけることが重要なのです。
好かれる質問の仕方④相手の興味があるものを聞く
どうすれば相手の興味があるものを見つけられるのでしょうか。
よくある手法としては、相手のSNSの発信情報から探すものがあります。また、所属している環境や状況に合わせた質問も有効です。法人営業をしているときなどは、その担当者の所属する会社が行っている取り組みの情報をもとに切り込んでいくのも1つの方法として存在します。また、目の前の担当者の身に着けているものなど、個人的な部分から質問していくこともできるでしょう。
このように、相手をきっかけにしたコミュニケーションをとっていくことが重要になります。
SNSで情報を発信している人は、「自分のことを見てほしい」という思いが根底に隠れています。相手に目を向けることで、効果的に会話を進めていくことができるのです。
好かれる質問の仕方⑤相手の楽しい・嬉しいを思い出させる質問
楽しかった思い出を語るとき、人は楽しい気持ちになります。
そのようなことが会話にでると、その後もポジティブな会話が続いていきやすいのが人間心理です。そのため、明るい話をできるように意図的に問いかけるということが重要になります。
会話が終わったあと、この人良かったなと思ってもらえる時は、「ポジティブな要素が多かった」ときです。
「ピークエンドの法則」という言葉があります。
これは、人が最も印象に残っているのは、感情が最もたかぶった出来事と終わり頃の出来事の2つであるというものです。終わり際に、ポジティブな話で終わることができるように意識していただきたいと思います。
好かれる質問の仕方⑥相手が自信を持って取り組んでいることについて聞く
例えば、相手が営業についてブログやSNSで発信していたなら、その人は営業に自信がある人だといえるでしょう。
情報発信は、自信や興味があるから行っていることです。好きなものや、自信のあることについて話すとき、人は楽しいと感じます。
そのため、日々相手が発信しているものにアンテナを張っておくことが重要です。発信するということは相手は話のタネを沢山持っていることの証拠でもあります。その内容について詳しく話を聞くことで、相手が気持ちよく話せる場を提供することが出来るようになるということ、意識していただきたい点です。
好かれる質問の仕方⑦相手が最近取り組んでいることについて聞く
「最近始めたんだよね」このことについて質問することも有効です。なぜなら、答えやすい質問だからです。
- 昔の話
- 今の話
- 未来の話
この中で一番話しやすいのは、「今」について話すことです。昔のことは思い出す必要がありますし、未来のことは考える必要があります。ただ、今については比較的話すことが容易です。
コミュニケーションをスムーズにとっていくために、答えやすい質問を投げかけるということはとても有効になります。
▼質問の仕方についてはこちらでも解説しています。
https://hiroshi-sasada.com/blog/sales-question-skill/
好かれる質問の仕方⑤まとめ
好かれる質問の内容を1枚の画像にまとめるとこのようになります。
「あの人いい人だったな」このように思ってもらうには、ポジティブな気持ちにどれだけさせることができるかというのが大きなポイントです。
質問を効果的に投げかけることにより、「この人はちゃんと興味を持って、しっかりと接してくれているんだな」と印象付けることができます。
これらの質問の根底には、自分の好意を相手に伝えるという意識が肝要になります。是非意識いただければと思います。
▼YouTubeでも発信しています。
他にも有益な情報発信を続けておりますので、見てくださいね。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。