営業のコミュニケーションも多様化しました。
私が新卒の頃、十数年前の当時はまだ支給される携帯電話もガラケーで、お客様とのやり取りは「メール」「電話」「対面」の3択のみ。社会人3年目の頃、アライアンスの打診や副業をゴリゴリ始めた時は、Facebook全盛期ということもあり、Facebookのメッセンジャーでのやり取りが増えました。
そこから数年経ち、メールや電話ではじまったご縁も「メッセンジャーでグループを作りましょう」「LINEやってます?」「チャットワークで今後はやりましょう」「Slackでチャンネル作っておきます」など、SNSにコミュニケーションチャンネルを切り替えることも増えました。
そんな中でふと社内で盛り上がった議題が「スタンプありなし問題」です。
ビジネスは礼儀作法、ビジネスマナーが求められます。ましてや、営業というコミュニケーションを生業にする仕事は特にです。しかし、丁寧だから正解とも限らないのが営業の難しさ、気軽に楽しくやりとりができるのもスタンプの魅力。ということで、今回はアンケート調査を実施したので是非ご紹介させてください。
営業でスタンプは使って良いのか?
気になる回答はこちらでした。
全営業パーソンにお聞きしたい!お客様とのやりとりで「スタンプ」って使いますか?LINEやMessengerなどで連絡を取り合うこともしばしば。ツールに合ったコミュニケーションって大切ですよね。みなさん、どうされているのかな?とふと興味が。その選択に理由もあればリプもお待ちしております!
— たなか しほ|キャリア×営業 (@tana_shi_44) June 14, 2022
商材や業界特性、相手との関係性よって回答は変わると思いますが、非常に面白い結果になったと思っています。
「関係性ができたら使う」という回答はお客様起点ではなく、営業起点での判断という点です。自分が「この人とは仲良くなれたと思うから」という理由でスタンプの使用可否を判断しているということですよね。
ちなみに私はスタンプは使いませんが、「!」や「?」は使います。この使うか否かの判断は「関係性の有無」ではなく、「相手が使っているか否か」が判断基準です。ちなみにこちらもアンケートを取ってみました。
先日、弊社のメンバーがお客様とのコミュニケーションで「スタンプを使うか」というアンケートをやってくれたのですが、メールやSNS、ビジネスチャットのやり取りの時に「!」や「?」は営業時に使いますか?
— 笹田裕嗣 | 営業ハック (@sasada_36) June 19, 2022
スタンプ締めというLINE技を使う人もいる
LINEのスタンプ締めとは字の通り、LINEの最後のメッセージはスタンプで締めるという方法です。
このメリットはスタンプにすることで通知が「スタンプを送信しました」で終わるため、通知だけでは内容がわからないということです。つまり開封しないと中身が読めないので、開封率が上がるという裏技です。
営業をする側がこれまでの苦悩の中から生み出した工夫であることは事実ですが、あまりお勧めはできません。その手前の関係性ややり取りに問題がある可能性が高いからです。
ツールと関係性によってコミュニケーションの正解は変わる
これは絶対に意識した方が良いことなのですが、使用するツールによってコミュニケーションの正解は変わります。
わかりやすいところで言えば、メールは固い文章の相手でも対面で話すと非常にフランクな方っていますよね?これは決して二重人格というわけではありません。
その場その時そのツールにおけるビジネスマナーの前提が違うだけです。業界や会社によって慣習・ルールは異なります。ここ最近のキーワードの1つに「ダイバーシティ」があります。もちろん、この考え方を否定するつもりはありませんし、非常に大事な取り組みだと思っています。しかし、慣習やルールが存在するのは、そこに不必要にストレスや調整コストを発生させないという背景・狙いがあります。
例えば、上司から3パターンのメッセージが来たとき、どう感じますか?
①今日もよろしく
②今日もよろしく。
③今日もよろしく!
多くの人が③と答えてくれました。しかし、これは前後の文脈、これまでの関わりに影響を受けます。いつも「よろしく!」でメッセージをくれる相手が「よろしく」になると、受け手は不安を感じます。「何か気に触ることしちゃったかな」「怒らせるようなことしたっけ?」という気持ちになるのは必然です。
コミュニケーションはその場のやり取りだけで成立するものではなく、これまでのやり取りや関係性によってもたらされるものは多いということです。常に前後のやり取りの影響を受けているわけです。こういった不必要な不安や心配を与えないようにするためには、「〜〜すべき」というルールはありがたいのです、そのやりとりに不要な予測を与えずに済むからです。
もちろん人によっては気持ちが伝わらないという考えの方もいると思います。コミュニケーションにおいての正解は第三者が外部から口を挟むことではありません。なので、当事者同士が違和感や問題なく、やり取りができているのであればそれで良いのは事実です。
しかし、営業という初めて会う人や関わりがまだ希薄な相手とも会話をすることが仕事の場合、嫌われるリスクを減らす意識は必須です。
営業のLINE・SNSやり取りの正解とは?
どんなツールであっても、相手と気持ちよくやりとりをすること、これがいつ何時どこででも正解です。
相手に合わせること、そのためにもちゃんと相手を見ること。変化に機敏になることが営業というコミュニケーションを成功させるコツです。ちゃんと相手の言葉や変化を見て、やりとりしていきましょう。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。