今回は、「新人がテレアポで最初にぶつかる壁と対処法」についてお話したいと思います。
この記事を書いているのは5月ですが、今の時期は多くの新卒の営業パーソンがテレアポをしている時期だと思います。4月に入社して研修を終え、本格的に営業に取り組みだした状況かもしれません。ひと昔前であれば、飛び込み営業や路上営業(駅などの公共の場所で名刺をもらってくる)なんてことも多くありました。ただ、新型コロナウィルスの影響による環境変化もあり、新卒の営業パーソンにはテレアポをメインに取り組ませている企業も増えてきています。
そのなかで、テレアポが辛い、大変だと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。実際、新卒時、みんなテレアポで悩んでいます。株式会社RevCommが行なった新卒時のテレアポ実態調査では以下のような結果が得られました。
テレアポは辛いものです。あなただけではなく、多くの営業がそう感じています。私自身、辛い経験をしてきました。テレアポなんてやりたくないという人も多いかもしれません。
ただ、テレアポで辛いことがあっても、それはあなたのせいではありません。このことは忘れないようにしてください。そして今回、そんな辛さを突破できるように、お役に立てたら嬉しいと思い、多くの新卒が感じるテレアポの壁と、解決するポイントについてまとめていきたいと思います。お付き合いくださると嬉しいです!
テレアポの必要性
「今時テレアポってどうなの?」と考える方もいらっしゃるかもしれません。
このことについてお答えすると、テレアポはまだまだ現役の手法です。SNSやチャットも普及している現代ではありますが、電話は引き続き使われているコミュニケーションツールです。他の手段が増えたことによって、相対的に活用量は減っているかもしれませんが、電話が使われなくなったわけではありません。固定電話は減りつつありますが、携帯電話はまだまだ使われているのです。
テレアポが現役の手法であることが良いのか悪いのかはともかく、テレアポは未だ活用されているという事実には目を向ける必要があります。
これは私の経験上になりますが、都心部以外の企業の代表者様や管理職の方と手っ取り早く、かつ確実に会話が出来る手段は、やはり電話です。メールやSNSも手段としてありますが、首都圏以外の場所においては電話の方が話を聞いてもらいやすい傾向にあります。
「営業って進化しないよね」という声を聞いたこともありますし、実際そうかもしれません。飛び込み営業やテレアポは現在もメインの営業手法です。新型コロナウィルスの影響で、以前よりテレアポを積極的に行うようになったという声も聞きます。
つまり、現代の営業においても、テレアポのように「会話が出来る」手法は価値があるということです。リアルにお客様から反応を貰える、これはWebマーケティングとは違った側面になります。
テレアポや飛び込みをした結果、断られて成果が出ないということもあると思います。ただそれには、「どうして不要だと思ったのか」という実際のお客様の声を聞くことが出来るという隠れたメリットもあるのです。
ガチャ切りされたり、冷たく断られることもあるでしょう。これはあなたが悪いわけではありません。テレアポの性質上仕方ないものです。相手が求めている電話ではないため、反応が良くないことがあるのは必然だと言えます。
ただ、
- 即時に相手の反応を確かめられる
- 相手の誤解や偏見を払拭できる
こういったことが出来るのはテレアポや対面にしかないメリットです。「会話が出来る」という視点は大事にしていただきたいと思います。
テレアポは辛いもの。コスパも悪い?
ただ、メリットがあったとしても、テレアポが辛いものであることに変わりはありません。
- 断られる確率が高い(平均1~10%の受注率)
- 怒られる確率が高い
- 量をこなさなければ成果が出ない
仮に、私が皆さんの代わりにテレアポをしたとしても、正直アポイント率30%なんてのは無理だと思います。どんなに頑張っても10%行けばかなり良い方でしょう。ここで伝えたいのは、そのような状況下で頑張っている皆さんはもっと自信を持つべきであり、もっと認められるべき立場であるということです。
そのなかで、テレアポについて、「コスパが悪い手法」というお話をよく聞きます。精神的・体力的・時間的コストだけでなく、アポイントの量や質をとっても他の手法が良いのではという意見です。
本当にテレアポはコスパが悪いのでしょうか。考えてみましょう。
実際にWebマーケティングを行っている企業の代表者の方にアポイント単価を聞いたことがあります。すると返答は、「1件のアポイントをとるのに20万円平均でかかっている」とのことでした。勿論ターゲット等の要因でこの金額の正当性は変わります。しかしながら、成果報酬型のテレアポ代行会社を見てみると、アポイント1件につき2~5万円ほどです。弊社でも、アポイント単価が1万円を切る単価の案件も存在します。
こういったことを鑑みると、一概にテレアポがコスパの悪いものであるとは断言出来ないのではないでしょうか。更にテレアポをすることで、本当は必要だったけどそのサービスがあることを知らなかったという人に会うことも実際多くあります。こういった方も沢山いるということを忘れてはいけません。
現在世の中の営業トレンドとして、Webマーケティングを積極的に推し進める会社も増えてきています。手紙営業なんてのもまた増えてきました。そのなかで、本当に効果的だからこの手法を使っているのか、それともただ流行にのっているだけなのか。本当に効果のある手法を取り入れる意識を持っていただきたいと思います。
知らないものには人は反応を示しません。テレアポ等のプッシュ型営業はその点において、そのものの存在を知らない人に気付きを与える点で効果を発揮します。求められている電話でないため、冷たい反応をもらうことや、ご迷惑をおかけしてしまうこともあるかもしれません。ただ、その存在を知ることが出来て良かったと思ってくれる人がいるのも事実です。テレアポをされている皆さんは、自分に誇りを持っていただきたいと思います。
新卒が最初にぶつかるテレアポの壁
これから、新卒の営業パーソンがぶつかる壁についてまとめていきます。
大きく分けて9つのポイントです。
新卒がぶつかるテレアポの壁①思った以上に繋がらない
「思った以上に繋がらない」
これはあるあるではないでしょうか。
法人営業と個人営業で繋がらないという意味合いは若干異なります。法人営業であれば、多くの場合受付の方に繋がった後、営業が話したい「担当者」に取り次いでもらえるかどうかということに焦点が当たるでしょう。もし受付にすら繋がらないのであれば、それはリストの精度が悪いと言えます。
一方、個人営業であれば、携帯電話や個人宅の電話に架ける機会が多いでしょう。こちらの場合、そもそも電話に出てもらえないというケースが多々存在します。本当に多いです。知らない番号の電話は出ないという人も増え、ましてや非通知の番号に出てくれる人なんて殆どいません。個人営業をされている方の場合、まず自分の番号が非通知になっていないか確認することが必須だと言えます。
実際に私が相談をいただいた中に、一日550コールしている方がいました。残業せずに終わらせるなら、1時間に約69件電話を架けている計算になります。1分に1件以上電話を架けているのです。お客様と話せているなら到底不可能な件数だと思います。それだけ、テレアポは繋がらないことが多いものだという前提があるのです。
また、テレアポは、固定電話が普及した30年程前から続く手法です。裏を返せば、多くの人(特に法人や年齢を重ねた人)がテレアポの電話を何度も受け取り、辟易していると言えます。新卒の営業にとっては初めての電話でも、相手はお断り歴20年……なんてパターンもあるでしょう。
このような状態で電話を架けている以上、なかなか相手の人と会話することにおいて難しい部分があるという前提が存在します。
新卒がぶつかるテレアポの壁②思った以上に担当者と話せない
法人営業において当てはまるポイントです。
新卒の方の場合、法人に対して電話を架けたことがある人は殆どいないでしょう。そのため担当者と思うように話せないというのはある程度仕方ない部分でもあります。
ここで注意が必要なのは、「なぜ話せていないのか数字を使って振り返る必要がある」ということです。ただ自分の感覚で、担当者に繋がらないと思うだけでは改善できません。テレアポは量を積み重ねる手法です。その行動量は分析できるデータとして活用が可能になります。なぜ話したい人と話せないのか、振り返るようにしましょう。
ただ、担当者に繋がる確率は平均10~20%程度とそもそも低いものです。前提として、担当者に必ずしも繋がるわけではないという点をおさえておくことも必要になります。
新卒がぶつかるテレアポの壁③受付の方の対応が冷たい
就職活動をしていた際、受付の方はとても優しく対応してくださった経験をお持ちの方もいらっしゃることと思います。
しかし、残念ながら、テレアポにおいてはその対応をされないことの方が多いです。なぜなら、相手が求めている電話ではないからです。会議が終わってやっと一息つける、そんなときに電話がかかってきて仕方なく出たら、営業電話だった……こういった状況の相手もいるかもしれません。
相手が求めていない、突然の電話である以上、冷たくあしらわれてしまうことはテレアポの性質上仕方ないものであると言えます。
もう1つ大事なのが、受付の方とはいうものの「誰が出ているのか」考えておくことです。
例えば、電話に出ていただく方は
- 新人
- 受付担当
- 他業務担当だけどたまたま手が空いていた方
- 電話受付代行サービス
この辺りです。企業の規模や形態によって変わってきます。相手側からすると、マニュアル化されていたり、3コール以内に出ないと怒られるなんてルールがあるかもしれません。自分と同期で研修中の人が電話に出ているのかもしれません。
つまり、受付で出てくださっている方は必ずしも受付の業務のみを行っている方ではないかもしれないということです。電話に出てくれた人=受付専門という先入観は持たないようにしましょう。
テレアポのような、相手の顔が見えないコミュニケーション手段の場合、人は相手の声から自分の妄想で相手の顔を想像する傾向があります。この先入観で、相手と話しづらくなってしまうこともあるため、先入観を持つことには危険が伴います。
新卒がぶつかるテレアポの壁④たまに直接担当者と話せると焦る
中小企業を対象にテレアポをすると、受付を介さず、自分が話したい担当者が直接電話に出ることがあります。
~~の担当者様いらっしゃいますか
あ、私です
こういったことがあると焦りますよね。先ほども述べたことですが、法人営業の場合は10~20%の確率で担当者と話が出来るものです。心の準備をして、焦らないようにしましょう。ここで焦ったり驚いてしまうと、相手は電話越しに「この人素人なんだな」と感じてしまいます。
問題は個人営業です。100件や200件電話を架けて1人も話せないなんてことも往々にしてある状況で、心の準備をするのは難しいと思います。ただ、テレアポという手段限定で何とか成果を出そうとするなら、個人営業はやはり数をこなすしかありません。法人営業であれば、何回も電話をして顧客との関係構築をする(リードナーチャリング)ことも出来ますが、個人営業では顧客探しのアクションに焦点が集中しています。そうなると、量に頼るしか方法がないのです。
繋がって話せたとき、なるべく焦らず、話せて嬉しいという姿勢を前面に出していきましょう。
新卒がぶつかるテレアポの壁⑤敬語が変
変な敬語を使ってしまう。これも新卒のうちだとあるあるだと思います。
ただここでやってはいけないのは、「敬語が変な自分自身に焦る」ということです。敬語は確かに、正しく使えた方が良いのは事実です。ただ、そこで失敗したことに焦ってしまうと、相手は今電話を架けているのが新人だと見破ります。そして、「新しい人?今間に合ってるからまた何かあったらお願いします」なんて断られて終わってしまう可能性が高くなるのです。
「新人?頑張ってるんだね、その気概に免じて会ってあげてもいいですよ」という方はたまにいます。ただ、それは100人に1人いるかどうかの確率です。多くの場合、「新卒をうちの会社に当ててくるなんてうちのこと大事には思ってないんだろうな」といった印象を与えてしまいます。
この事態を避けるために最も大事なのは、「話し方」です。例え敬語が変であったとしても、
- 堂々と
- 大きな声で
- 歯切れよく
- 語尾を小さくしない
こういった形で話すことを貫いた方が相手に好印象を与えます。この意識を持つようにしましょう。
新卒がぶつかるテレアポの壁⑥話している内容が自分でわからなくなる
話しているうちに自分でも内容がこんがらがってしまう。こうなってしまう方もいらっしゃいます。
ワンポイントアドバイスですが、そうなってしまう時点で「話し過ぎ」です。最初に話したこと、途中に話したこと、今話したことの接続が分からなくなり、結果として何を言っているのか分からないのは、全て長く話し過ぎているのが原因になります。商談で説明する機会をいただくための電話にも関わらず、電話で説明を重ねすぎてしまうなら、相手はそれで分かった気になり、わざわざ商談する程でもないと判断してしまいます。
テレアポはアポイントをいただくのが目的です。
- 理由を示して提案する
- 日程打診をする
この2つのポイントを簡潔に話せるように意識しましょう。
新卒がぶつかるテレアポの壁⑦質問をもらって焦る
これも多くの方が経験したことがあるのではないでしょうか。
実は、トークスクリプトを綿密に作成するよりも、質問集を作る方がテレアポの成功率は上がります。何件もテレアポしていると、そこまでイレギュラーな質問がこないことに気付くはずです。特にお断りの文言は、大体5~10種類のパターンに固定化されています。商品の説明もしていない状況である以上、断る理由は「他社と既に進めている」「予算がない」といったものに限られていると言えるでしょう。
商品の説明をしていないのに断られるということは、商品や提案の内容に対して断っているのではなく、テレアポという手法に対して断りを入れていることになります。その言葉に対してどういう言葉を返すか、事前に想定をすることが重要です。切り返せとはここでは言いません。むしろここで切り返してしまうなら、反論したことになり言い合いになってしまう可能性が高くなります。
まず、状況を教えてくれたことに関して感謝を伝え、そのうえで提案をしていく意識を持ちましょう。上司や先輩はどんなことを言われ、それに対してどのように返答しているのかを調べることも効果的です。Excelなどにまとめるのも良いでしょう。テンポよく、相手の質問に返せるようにしておくことがここで最も重要なことです。
新卒がぶつかるテレアポの壁⑧アポがスムーズにもらえて焦る
これはもう「おめでとう」です。
気持ち、よくわかります。慣れてないとそうなってしまうのは必然です。ただ、アポはアポなので、素直に喜んでいきましょう。
新卒がぶつかるテレアポの壁⑨同期がアポを取って焦る
これは正直タイミングやリストの問題です。決してあなたが劣っているわけではありません。テレアポで、成果に差がつくポイントは、「リスト」です。テレアポは営業だけでなく、相手がいることを忘れてはいけません。勿論自分の話し方なども成果にある程度影響はありますが、一番影響が大きいのは「誰に営業をかけるか」ということです。
リストが全て悪いから自分はこのままで大丈夫とは思わない方が良いですが、同期が沢山アポ取れているからといって自分を卑下する必要はありません。他と比較するよりも、お客様と向き合っていく姿勢を持つことが重要になります。
テレアポはゲーム感覚で、なんてアドバイスがたまにありますが、相手がいることを忘れてはいけません。相手を自分たちの勝手なゲームに参加させるような意識はNGです。具体的には反応が悪い相手だったり、ダメそうになったときに急に対応が悪くなるなどですね。
同期と対峙するのではなく、お客様と対峙する姿勢を持つようにしましょう。
テレアポの壁を突破する10のコツ
上述したように、テレアポをしていると壁に当たることも多いと思います。それだけ、テレアポって難しいものですよね。その壁を越えていくには具体的にはどのようにすれば良いのか。ここからは実際に営業ハックで行っているポイントを解説していきます!
テレアポのコツ①ありがとうを3回伝える
「ありがとうございます」意外と、意識しないと出て来ない言葉です。是非、一度振り返ってみてください。今日1日の中で、何回ありがとうという言葉を発したでしょうか。感謝の言葉は、実は意識をしないと伝える機会を逃すものです。増してや、相手との会話の温度感に差が生まれやすいテレアポにおいては尚更だと言えるでしょう。そのなかで、あえて感謝の言葉を複数回伝えることで、相手の心を広げることが可能になります。
「お電話出ていただいてありがとうございます」
「貴重なご意見ありがとうございます」
「ご状況教えていただきありがとうございます」
テレアポで感謝の言葉を使わないでいると、自然と逆説の言葉が出てくるようになります。
- でも
- しかし
- ただ
こういった言葉を使う営業は多いですが、お客様の立場からこの言葉を考えてみてください。やっと会議が終わって解放された、今仕事に取り掛かりエンジンがかかってきたところだった。このようなタイミングで、突然知らない人から電話がかかってくるのです。そしてさらに「でも」と自分の意見に反論してくる。電話を切りたくなるのは必然ではないでしょうか。
営業活動において、最も重要なこと。それは、「感謝をし、その気持ちを伝えること」です。
そして、あえて3回という回数を記載しました。それは、「回数を意識しないと感謝の言葉が出て来ないから」という理由があります。実際に意識せず架電すると、1件につき1回言えたら多い方、なんていうパターンが多くなりがちです。
営業ハックのテレアポにおいて、「切り返し」という概念は存在しません。切り返すのではなく、感謝の言葉を最初に伝えることで、相手からもポジティブな反応を得やすくなります。人から感謝されて、冷たく突き放そうとする人は殆どいません。そうなってしまうのは、余程皮肉に聞こえたときか、元々険悪な仲である場合くらいです。
電話に出てもらった時。自分の質問や言葉に反応してくれた時。このタイミングで感謝の気持ちを伝えることを意識しましょう。
テレアポのコツ②日程提示を3回伝える
テレアポの目的とは何でしょうか。当たり前のことかもしれませんが、アポイントをいただくことです。相手が自分のために時間を空けてくれるように依頼する電話のため、こちらから時間を明確にして依頼することが必要になります。
「この日のこの時間、私のために時間を空けていただけませんでしょうか」というスタンスで電話をするようにしましょう。会話が出来た早いタイミングで、最初の日程提示を行うことがポイントです。
基本的にテレアポは断られることが多いものだと思います。その中で、長々と商品の説明を電話の段階でしてしまうことはNGです。そもそも、資料などを使って説明する機会をいただくためのアポイントであるはずです。
実際、視覚を交えて説明できた方が相手の理解は深いものになるでしょう。それを電話で話してしまうなら、相手は、
「なんとなく分かったような気がする、間に合ってるので結構です」
という反応を示してしまいます。電話の段階で、本当に間に合っているかどうかを判断している相手は実は多くありません。説明を受けて、なんとなく分かった気がするからもう十分、あとは自分で調べられるので電話はもう架けないでというスタンスになってしまうのです。
テレアポのコツ③話さない方法を常に考える
多くのテレアポは、「話しすぎ」です。テレアポの前提を思い出してみてください。
- 電話は伝わりづらいコミュニケーション手法
- 相手が求めていない電話である
テレアポは、営業が営業の都合で架けている電話になります。この電話を楽しみに待っていた、なんて人はいないでしょう。そのため、話せば話すほど「面倒くさい」と思われてしまうのは必然だと言えます。論理的ではなく、相手の感情で判断されてしまうのがテレアポなのです。
つまり、なるべく端的に相手に伝える言葉を研究する意識を持つことが必要になります。いかに短く、相手に伝えられるかということがテレアポの性質上重要視されるべき点です。
テレアポのコツ④相談ではなく提案をする
「いかがですか?」というように相手の意見を伺うのが相談です。ヒアリングなどで相手の状況を詳しく聞こうとする機会もあるかもしれません。ただ、初めての相手にお客様は自分の状況を事細かに教えたいと思うでしょうか。答えはNOです。自分に金融の営業電話がかかってきたらどうするか考えてみてください。「資産を増やすお手伝いさせていただいてるので、打ち合わせの時間ください。ちなみに口座に預金って今いくらくらいですか?」自分の口座情報を教える人なんていませんよね。
初めての人に個人情報を開示したいと思う人はいないという前提を持たなければいけません。これが超有名企業や超有名人から電話が来たというのであれば別ですが、相手は自分の会社のことを知らないことの方が多いはずです。
つまり、相談するのではなく、「会うべき理由を提案する」意識を持つことが必要になります。
テレアポにおいて相談するというスタンスは上手くいきません。「自分はこんなことが出来て、あなたは私に会うとこんないいことがあるんです。だから一度会ってください」という提案をするスタンスを意識しましょう。
テレアポのコツ⑤切り返さず、言わせない
テレアポをされている多くの営業の方は、どうにかして切り返そうと取り組んでいます。相手のネガティブな反応に対して、何とか論破しようとしているのです。ただ、残念なことに、テレアポで大人しく説得されてくれる人はいません。反論には拒絶反応を示す人が殆どです。
そこで本来やるべきことは、相手にお断りの言葉を言われないようにする前置きの言葉を伝えることになります。
例えば、「お忙しいのは重々承知しておりますが」この言葉を営業が伝えると、「忙しいから結構です」と忙しさを理由に断りづらくなります。「予算がない」と断られることが多いのであれば、「予算の都合もあることは承知しているのですが、今すぐ買っていただきたいというお話ではありませんので」と、予防線を張ることが可能です。
つまり、どういったお断りの理由が多いのかをリサーチしたうえで、その言葉を言われないように前置きを挟むことが重要だと言えます。
切り返して何とかしようとするのではなく、その言葉を言われないように先回りする意識を持ちましょう。
テレアポのコツ⑥相手の言葉から会話を展開する
営業をしているとつい陥りがちなNGポイントがあります。それは、
「自分の言いたいことだけを優先して話してしまう」
ということです。これをしてたところで、相手に思いは届きません。そこで、是非やるべきことがあります。
「相手の言葉を引用する」ということです。
私が以前行っていた広告営業での経験談を例に考えてみましょう。商談で、お客様から「受注率を増やしたい」というご相談をいただく機会がありました。そこでわざわざ、「ああ、コンバージョンですね」とマーケティング用語に言い換えている営業がいたのです。お客様は受注率、クリック率という言葉を使っているのにも関わらず、CVR、CTRと相手が聞きなれない単語に置き換えてしまう。こうなると相手は話を複雑に捉えてしまいます。もしかすると「わざわざ難しい言葉を使ってくる」と嫌味に感じてしまうかもしれません。馴染んでいない言葉が重なると、相手の心は離れて行ってしまいます。
営業は、相手に合わせて使う言葉を選ぶべきです。そこで最も効果的なのは、相手の言葉を引用するという手法だと言えます。例えば、企業HPを調べて関心を惹く文言を見つけたなら、その文言を伝えて「この言葉に共感しました」などと伝えることが出来ます。それだけでも相手は、自分のことを調べて理解してからかけてきているんだと、邪険な反応を示しづらくなるでしょう。実際のテレアポの会話の中でも言葉を引用することで、「この営業は自分の話をしっかり聞いているんだな」という印象を相手に抱かせることが出来ます。
是非、相手の言葉を使って会話をする意識を持っていただきたいと思います。
テレアポのコツ⑦ポジティブに揚げ足を取る
「今忙しくてね」
この言葉を貰った時、皆さんはどのように対応されるでしょうか。多くの営業は、「ではまた改めてご連絡させて頂きます」と切電しがちです。
ここで、是非「今」という言葉に注目してみてください。
これは裏を返せば、「期間を空ければ大丈夫」とも解釈することが可能です。以下のように返答することが出来ます。
「今、4月の連休前でお忙しい時期でしたよね。大変失礼いたしました。それであれば、連休明けに改めてご連絡させていただければと思います。ちなみに5月9日は出社のご予定はありますでしょうか?」
相手の言葉を分解して解釈することで、このように会話を前に進めていくことが出来るようになります。そのため、相手の発する言葉にはしっかりアンテナを張るようにしましょう。今日すぐにはアポイントをいただけないとしても、先の未来でアポイントをいただけるように爪痕を残していくことが重要です。
テレアポのコツ⑧ロジックは後、気持ちが先
テレアポに出た相手の気持ちはどのようなものか、考えてみてください。
- ネガティブ
- 不要
- やめてほしい
このような気持ちが殆どなはずです。こういったマイナスの感情が相手にある状態で、いくら論理的に話したところで相手には伝わりません。どんな情報を受け取ったところで、「嫌だな、面倒くさいな」という気持ちが先行してしまうのです。学校の校長先生のお話が最たる例ではないでしょうか。どんなに校長先生が良い内容の話をしていたとしても、学生からすると長い話・退屈な話という前提があるため、記憶に残らないのです。これと同様の状況がテレアポにも起きてしまっているということを忘れてはいけません。
そのため、相手の気持ちを前向きにしていく行動が必要になります。そこで伝えるべきこと。それは、
「私はあなたに会いたい」
という感情です。この気持ちを効果的に伝えるためには、「会社としてではなく、個人的に」というスタンスをとることが必要です。会社に言われて電話をかけているのではなく、自分自身があなたに会いたい、弊社のことを知ってもらいたいと思って電話をかけたのであるということを伝えましょう。基本的に、好意を向けられて嫌な気持ちになる人はいないはずです。
この気持ちを伝えて、そこで質問をもらってから論理の出番が初めてやってきます。まず感情を重視する姿勢を是非持っていただきたいと思います。
テレアポのコツ⑨言葉ではなく状況を作る
「アポイントをください」これは必ず伝えなければいけないことですが、「仕方ない、アポいいよ」という気持ちになってもらえたなら、営業にとって最高の状況です。
つまり、断りづらい状況を狙っていく発想が大事だと言えるでしょう。
ただ伝えるよりも、「絶対お役に立てると思いまして」「お役に立てたらとても嬉しくて」などと言った個人の感情や自信を混ぜていくことが重要になります。
テレアポのコツ⑩断れない前提を作れ
先ほどの状況を作る部分とも重なりますが、断れない前提を作っていくことが非常に効果的です。
人の性質として、「何回も断ると罪悪感を感じてしまう」というものが存在します。つまり、「何回も断ってごめん、そこまで言うんだったら」という状況を作ることが出来れば、アポ率はぐんと上がります。
これには、「絶対役に立てる」という営業側の強い気持ちがなければいけません。ノルマや目標達成のためにかけているというスタンスを取ってしまうのはNGです。会話を積み重ね、そのうえでどうしても会いたいという気持ちを伝えることが最終的には必要になります。
テレアポの壁とコツまとめ
今回の内容を画像にまとめると以下のようになります。
テレアポで相手が抱いている感情は「不安」です。この感情を払拭できなければ、成果を出すことは出来ません。相手の不安をなくしていけるようにコミュニケーションをとっていくことが、成果を出す一番の近道です。
今後の営業戦略の参考になれば幸いです。応援しています!
▼テレアポについてはこちらでも解説しています!
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この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。