新電力のテレアポをしています。ただすぐにガチャ切りされてしまい、全く話ができません。どうしたらいいでしょうか
今日のテーマはガチャ切り。結構あるあるです。ただどれだけテレアポをしていても、ガチャ切りってあまり気持ちの良いものではありません。「結構です」と言われるだけでも辛いのに、無言でガチャ切りされると心に刺さるんですよね。実際先日上記の相談をいただいたように、ガチャ切りについてお悩みの方は多くいらっしゃいます。今回はこの点について解説させてください。最後までお付き合いいただけると嬉しいです!
目次
なぜ相手はガチャ切りをしてしまうのか
もしもし、お世話になっております。営業ハックの笹田と申します。電気料金の件でお電話させていただきました。旦那様いらっしゃいますでしょうか?
例えばこんなテレアポが来たらどう思うでしょうか。切ってしまう人、正直多いと思います。
ガチャ切りされるテレアポにはいくつかの共通点が実はあるんです。3つ、その共通点をお伝えします。
ガチャ切りされるテレアポの特徴①他社と同じ言葉を使っている
まず1つ目が他社と同じ言葉やセリフを使っているということ。
先程の新電力のテレアポを例にお話させてください。
新電力のテレアポを私自身受けたこともありますし、新電力事業を行っている会社のトークスクリプトを見せてもらったこともあります。そのときに抱いた率直な感想は「みんな同じことを話してるな」ということでした。
- 電気料金の削減の件で
- 電力切り替えの件で
- お得に電気を使っていただけるご提案で
- 電気料金の件で
こういった文言を聞いたことはないでしょうか。つまり、「電話を受ける側はこの言葉を聞き飽きている」という状態なのです。
今カレーを目の前で食べている相手に対して「カレーを食べませんか?」って言ったら断られるのは当然ですよね。間に合っているから大丈夫、もうそれはお腹いっぱいだよ、となってしまうわけです。
聞き飽きている言葉を営業が自ら伝えてしまうと、相手はそれだけで「またか」と拒否反応を示してしまうということです。逆に言えば、相手が聞き飽きていない言葉を伝えることができれば興味をもってもらえる確率が上がるとも言えます。
ガチャ切りされるテレアポの特徴②相手が考えていないことを突然話している
2つ目のポイントは、相手が今考えていないことを突然話しかけているということ。
どういうことかというと、「電気料金の削減の件でお電話しました」と言われて、この記事を今読んでいただいている皆さんの中に「ちょうど新電力にしてみようかなと考えてたんだよ」という方はほとんどいないんですよね。この記事を読んでくださっているということは、「テレアポについての記事だから読んでみようかな」というモチベーションだと思うので、電気のことは脳内になかったと思います。当たり前ですよね。
ただテレアポという手法はこれが前提にあります。いきなり電気料金について話をさせてください、と言われても「いや大丈夫です」と反射的に出てきやすいんですよね。
今それについて考えていない=優先度が高いと思わない
こういう思考になるからです。だからいきなり考えていないことについて問いかけられたところで、相手が切るのは当然です。ちなみに例外はあります。それは相手に興味や好意がある場合。好きな人や仲が良い人からの電話であれば、ガチャ切りもしませんし突然話題を振られたところで素直に返しますよね。ただテレアポで仲良くなろうというのは無理な話。そういった関係性がない相手に電話をかけているにもかかわらず、興味のない話をいきなり吹っ掛けるから、相手としても間に合っていますということを言われる。これも当たり前です。
ただこの当たり前の感覚が、営業をしていると意外と抜け落ちがちだったりします。実際よくいただくお話が、「無料なのに、得でしかないのに話を聞いてくれないんです」というもの。ただそれはコスト感覚が営業と相手との間に差がある状態です。
- 面倒臭い
- 電話したくない
- 時間取られる
- 会話をする労力
こういった金銭面以外の精神的、時間的、労力的なコストも営業を受ける相手にはかかっています。この部分にも配慮を示していくことが重要です。
ガチャ切りされるテレアポの特徴③仕事だから電話している感が出ている
そして3つ目は仕事だから電話している感が出ちゃっているということ。マニュアル化しすぎていたり、渋々感が伝わったり、適当だったり。
ましてや電気料金の件で、というと、大体この後何をされるのか、どうせサービス説明をされるな、と予測がついてしまうんですよね。しかもこのトークは汎用性が高く、全員に言えてしまうトークです。
電気料金の件でお電話させていただきました営業ハックの笹田と申します。旦那さんお願いします。不要でしたか。失礼しました。
電気料金の件でお電話させていただきました営業ハックの笹田と申します。旦那さんお願いします。あっ。
電気料金の件で…
と機械のように、同じトークをぐるぐる繰り返せてしまうんですよね。回転率を上げてどんどんかけられるというのは悪いことではないのですが、これが相手に伝わってしまうのは良くありません。
この人ただマニュアル通りに喋ってるな
この人渋々電話かけてるな
こう感じたらどうでしょうか。電話切りたくなってきませんか?「誰でも良いから同じこと言ってるんだな」となりますよね。そうなった瞬間に電話を切りたくなってしまうのは、残念ながら必然です。
勿論個別にトークを全てカスタマイズして変えましょうね、とは言いません。そこまでいくと効率が悪くなってしまうことの弊害が大きいと思います。
ただ、自分が発した言葉をもとに相手はこの先どうなるかの予測をしているという点はおさえておくべきです。
仕事だから電話している感じで、他の営業と同じような言葉を投げかけられると、どうせ売り込まれるんだろうなと相手は予測します。だったら話聞く必要ないや、と電話を切っちゃうんです。これは相手が予測した内容に興味を持てていないからです。この先どうなるか分かっている、そしてそれは自分が興味ない、となったらわざわざそこに時間を取ろうとは思わないんですよね。
ガチャ切りされないためにすべきこと
ここまでガチャ切りされるテレアポの特徴をお話してきました。じゃあどうすればいいのか、という点についてここからお話させてください。
前提:セルフチェック
- 話し方
- 言葉の選び方
こういった部分をまずセルフチェックすることが大切です。自分がこの話されてガチャ切りしたくならないかをまず確認しましょう。自分がガチャ切りしたくなるようなテレアポは相手もガチャ切りしたくなってしまいます。
意外とこのセルフチェックをしていない営業は多いです。うまく話せば何とかなると思っている人も多いですが、自分が同じ電話を受けたときに断りたくなる電話はやっぱり相手にとっても不要の電話なんですよね。この前提は忘れてはいけません。
具体的なトークの仕方
ではどういう会話をしていけばいいのか、という点です。ここでも新電力のテレアポを例にお話させていただきます。
まず電気料金の電話であることは間違いありません。ただそのテレアポの目的は、電気を即座に切り替えてもらうことではないはず。例えば「打ち合わせをしてほしい」「一度会って詳しい説明をさせて欲しい」ということを依頼して承諾してもらうのがゴールだと思います。そこで切り口を変えることができれば、他の営業と差別化ができるはずです。
例えば、このように言えるかもしれません。
最近新電力の件で、インターネットでいろんな情報があふれかえってしまっているんですが、本当に正しい情報をどうやって見ればいいのか、どう調べればいいのかということをお伝えしたくお電話させていただきました。少し10分ほどお時間を頂きたいので、明日か明後日お打ち合わせの時間を一度作っていただきたいんですがお願いできますか?よろしくお願いします
勿論全ての人に刺さるトークではないでしょう。ただ、「確かにインターネットで1回調べてみたけどよく分からなかったんだよな」「ネットに出ていない情報なら気になる」という人には刺さります。そういった人に出会えればアポイントをいただける確率は確実にあがります。
上記のトークの特徴は「ターゲットを明確化している」ということ。
- インターネットで調べたけどよく分からなかった
- 情報多すぎてどれを選んだら良いかわからない
- 他社から資料をもらったことはあるけど読んでもよく分からなかった
こういった人をターゲットとして決めています。
繰り返しですが、全ての人に刺さる営業トークはありません。ただ、「こういう人に出会えたらアポイントをもらいやすい」というトークのパターンを増やしていくことは可能です。パターンAを作って、それがうまく行かないときはパターンBを作ってみる。この検証・改善を繰り返していくと、ガチャ切りされることは減っていくはずです。
ちなみに新電力のテレアポトーク、パターンBを考えてみました。
最近新電力の営業がたくさん来てしまっていると思うんですが、来ていませんか?
来ました。最近。実は昨日も電話があって
やっぱりそうですよね。実はすみません、同業なんですけど…
いや同業かい、みたいな気持ちにはなると思います。ただ相手のネガティブな気持ちに対して、共感しているところからスタートするので、ガチャ切りされたり、露骨に冷たい態度を取られることは少なくなるでしょう。そこから「この人面白そうだから説明を聞いてみてもいいか」ということになる可能性もあります。
こういった形でパターンを作っておくと、ガチャ切りは減ってアポイントに繋がる確率は上がっていきます。
ガチャ切りはポジティブに捉えても良いこと
もう1個だけ補足をさせていただくと、ガチャ切りされたときは、ポジティブにとらえていいと思います。精神的には辛いですが。単に縁がなかった、この縁がないお客様に対して余計な時間を割かずに済んだという捉え方もある意味できるかと思います。縁がない人はそこそこに、本当に役立てる人にしっかり時間を割こうというい意識が営業成果を出すためには重要です。
今日はガチャ切り問題ということで、多くの営業の方が悩まれていると思うんですが、この点についてアドバイスをさせていただきました。重要なのは、
- 周りの営業と同じ言葉を使わない
- 仕事だから電話している感を出さない
- セルフチェックを行う
- ターゲットを決め、それに合わせてパターンを作る
この4点。営業活動の参考になれば幸いです。応援しています!
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。