営業ハック代表の笹田です。
今回は「リスキリング」をテーマにお話させて下さい。
先日、学生時代に学んだことについて振り返る機会があったのですが、その際同時に「社会人の観点で学ぶべきこと・学び直すべきこと」とはなんだろうと合わせて思考しました。そのときにTwitterでもアンケートを取ったのですが、結果はこんな感じに。
学校で学び直すならどの教科をやりたいですか?
— 笹田裕嗣 | 営業ハック (@sasada_36) June 14, 2023
こちらのアンケートだと学校の4教科に限定していますが、皆さんは何をリスキリングしたいですか?
私自身、過去就活をしていたときは「数学」がとにかく重要なものだと考えていました。元々数学が好きだったというのもあるのですが、「論理的に思考する」力が社会人には必要不可欠なものだと考えていたのです。「もっと数学勉強しとけばよかった」なんて思ったこともありました。
そう考えたのが12年前。もう干支一周してしまったわけです。色んな人と関わりながら仕事をさせていただくなかで、様々な年代の方とお会いしました。このような状態で仕事をしていくなかで、改めて何が重要なのか。リスキリングするならどんな分野のものが良いのか。こちらをテーマとして、まとめていきます!
目次
そもそもリスキリングとは?
まず最初にリスキリングの定義を改めて整理しておきましょう。
よく言われるのは、以下の文章です。
リスキリング=「新しい仕事・職務に移行するためのスキル習得」「必要な技術やスキルを学びなおし、日々変化する社会に対応すること」
噛み砕いて言ってしまうと「手に職をつける」ための勉強・学び直しのこと。またそれ以外にも企業が従業員に対して職業能力の再開発を行うことも指し、多くの企業が導入、もしくは導入を検討しています。例えば2021年の調査ではありますが、ビズリーチの調査では約5割のビジネスパーソンが既にリスキリングに取り組んでおり、約4割の企業が「従業員のリスキリングに会社として今後取り組む予定がある」「今後取り組むか検討中である」と回答しています。
参考:即戦力人材の約5割が、既にリスキリングを実施 企業の9割以上が「年齢にかかわらず市場価値の向上につながる」と回答
2020年に開催されたダボス会議(世界経済や環境問題をテーマに議論する場)で「リスキリング革命」という言葉が出たことをきっかけとして、このワードは広まりました。2022年には日本でも岸田総理大臣がリスキリングに注力する旨の発言を行い、更にトレンド性の高い言葉となりました。
リスキリングが重要とされる理由
リスキリングは今後も浸透していくであろうことが大きな理由です。先程の2021年時点のデータよりも、既にリスキリングしている人は多いと思われます。
その背景にあるのは、DX化やAIのビジネス進出。そういったITに関するリスキリングが以前より求められるようになったのです。
更に別の側面として、「新型コロナウイルス」の影響も少なからずあります。リモートワークや在宅ワークなどのオンライン業務が増え、働き方が変わった人も一定数います。最近は元の形式に戻す企業もあるかとは思いますが、対面でこなしていた業務がオンラインに移行した結果、今までと違うやり方に対応できなかったり、コミュニケーションエラーが起きたり、というのはよく聞く話です。
またそれ以外にも、「終身雇用制度の崩壊」は避けては通れない部分。1つの会社で長く働くという働き方だけでなく、キャリアアップのための転職やフリーランスとして独立したり、多様な働き方が認められるべき時代となりました。そのため「即戦力人材」へのニーズが高まったのです。
こういったことを背景に、新たなワークスタイルへ適応することが求められ、そこに対応するためにリスキリングの重要性が高まっています。
リスキリングの類語
リスキリングにはいくつか似た意味の言葉が。意味が重複することもありますが、一度整理しておきましょう。
リカレント教育
「リカレント(recurrent)」は、「循環する」「繰り返す」といった意味を持つ英単語。教育を受け、後に仕事に戻るといったことを繰り返す仕組みのことです。
リスキリングは働きながら学習を進める形になりますが、リカレント教育では大学などの教育機関で学び直し、後に再度仕事に就くケースが多いです。
アンラーニング
アンラーニング=「これまで学んできたものの中で有効ではないものを捨てて、新しく学び直す」こと。
- 新しく転職した
- 新規事業に挑戦
- 技術革新によって既存の知識やスキルが使えない
などといった、これまで学んできた知識やスキルが必要ではなくなるシチュエーションにおいての学び直しのことをアンラーニングということが一般的です。
スキルアップ
スキルアップ=「現在の仕事・職務のスキルを高めること(今使っているスキルセットを更に引き上げる)」になります。
リスキリングと重複する部分もありますが、能力向上の方向性がよく違いとしてあげられます。
- スキルアップ=既存のスキルを伸ばす
- リスキリング=新しいスキル獲得や、使っていなかったものを再度獲得する
こんな違いがあると捉えて良いでしょう。
リスキリングのメリット
リスキリングを行うことのメリットはいくつかあります。
リスキリングのメリット①生産性UP
当然ながら専門的分野をリスキリングすればできる業務の幅が広がります。できることが広がれば、個人としての生産性があがり、社内で活躍の場が増えてきます。
わざわざ「専門的分野だから」と外注せずとも、内部人材で対応できるのであれば、企業側としても人材不足を補う選択肢の1つになります。(もちろん企業は1人に負担がかかりすぎないようにしなければなりませんが)
リスキリングのメリット②市場価値の向上
できることの幅が広がるということは、上述しましたが「手に職がつく」状態になります。転職をしたいと考えたときにも、リスキリングの経験があれば転職は必然的に有利になるでしょう。「自分のキャリアは自身でつくる」ことができれば、今後の人生の選択肢が広がるはずです。
例えば、企業内のデジタル化や自動化、DX化推進などのスキルを持った人材はどこの企業でも需要が高いとされるので、自身の市場価値を高めることにもつながります。
社会人としてリスキリングすると効果的な分野
ここまでは一般的なリスキリングのメリットや環境についてまとめてきました。これらから分かるように、リスキリングというと正直専門的分野の勉強や、学び直しのことを指すことが多いです。
ただここで敢えて言わせて下さい。まずリスキリングすべき分野、それは
「国語」です。
- 文章を読む
- 文章を書く
基本的すぎると捉えられるかもしれません。ただ、どの分野の仕事でも基本的にはどこかで「コミュニケーション」が求められます。会話は全ての仕事の土台にあるのです。
コミュニケーションを取るに当たって、文章の読み書きだけであれば多くの日本人はできるはず。SNSであったり、Slackなどのコミュニケーションツールを使ったり、仮にやったことがなくても対面での会話は必ず行うはずです。
ただコミュニケーションにおいて、その場面で書いてあることや話していることは間違いではないものの、本人の実際の行動や言動と乖離してしまっている人は一定数存在します。「あの人言ってることとやってること違う」これって結構多いのではないでしょうか。
「顧客は大事にしなさい」と言っている人がお客様のことを雑に扱っているのを見たら、「え、それがあなたのいう『大事』なの?」となってしまうのも必然ですよね。レバレッジかけようと言っている人が口だけの状態で、「え、レバレッジかけてそれなの?」というパターンも私は見たことがあります。
つまり、「言葉を話す」「文章を書く」これが、表面的なもの、いわゆる「上辺だけ」のものになってしまっているケースは多いということです。そこで重要になるのが国語力。行間を想像する。文章や言葉がない部分に何があるのかを想像する。これがビジネス全般において必要になります。
むしろ自分が思っている言葉を全て話す・全て書くようにしている人の方が少ないですし、現実的に無理がある部分でしょう。そのため、「過去にこんな話ししてたな」「前にこういう共通認識作ったよね」といった過去のやりとりの情報を紐づけて考えられるかどうか、言葉の裏をどこまで考えられるかが重要だと言えます。
国語力を身につけるために
国語の力=コミュニケーション力
こう言い換えることができます。この国語力を伸ばしていくためには、やっぱり「文章に触れる」機会を増やすことが一番です。私自身こうやってブログを現在書いていますが、文章に触れる機会が増えたのはブログを書き始めたことがきっかけでした。自分で書くために、他の文章を調べてみたり、参照してみたりということを繰り返していくと、「この人はきっとこういうことを言いたいんだろうな」という点を掴むまでがだんだん早くなっていった覚えがあります。「この人はこういう状況にいるからこんな言葉を使ったんだろう」こういった想像力が培われていったのは、文章を読む回数が増えたからでした。
専門的なリスキリングは良く話題にもあがりますが、まずはこの「文章を読み、書き、行間を想像する」ことをリスキリングしてみるのはかなり効果的です。他の分野でリスキリングしたいもの、するべきものがあるのにそちらをやらなくていいとは言いませんが、土台にはこの国語の力が関わってくることは念頭におきましょう。
日常的に文章に触れる中で、「この人は何を言いたいんだろう」と想像してみる。これも1つのリスキリングです。わざわざ教科書を買ってきたりせずとも、身近な部分からリスキリングしていくことをおすすめします。
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この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。