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営業が初回商談に失敗してしまう9つの理由

更新日
2024/10/22
公開日
2024/10/22

営業は商談をすることが仕事です。そして誰もが最初のお客様との商談・打ち合わせは緊張します。

「初めての相手に何を話したら良いかわからない」
「相手の考えていることが見えない」

こういった不安を誰もが抱えています。一方で人は第一印象で大部分が決まるというように、営業においても初回の商談はとても重要です。

初回の商談で失敗してしまうと、その後の商談につながらないことはもちろん、最悪の場合二度と会えないというケースもあります。この記事を読んでいただいた方にはそうならないで欲しいので、今日は「なぜ初回の商談が上手くいかないのか」、その理由について解説していきます。

商談が失敗する9個の理由

初回にかかわらず、商談が上手くいかない理由は大きく分けると実は3つしかありません。

  • 事前準備が不足している
  • 商談を上手くコントロールできていない
  • コミュニケーション不足

この視点をもとに、より具体的に9つのポイントで初回商談が上手くいかない原因を解説していきます。

初回商談が失敗する理由①事前準備が情報収集止まりで仮説がない

リサーチするにあたって、相手のことを理解するだけでは不十分であるということを念頭においていただきたいと思います。

大事なポイントは、リサーチをしたうえで「この人はきっとこんなことをしたいに違いない」と、根拠に基づいた仮説を立てることです。もし、仮説を立てないまま商談の場の臨んでしまうと、御用聞きに終始してしまい、こちらで商談を狙った方向にコントロールすることは難しくなることが多いです。仮説の存在、かつそこに根拠があることで、営業はお客様の本音を聞き出すことに繋げられるだけでなく、狙った方向にお客様の意識を導くことができます。

また、お客様が営業に求めていることは、提案の他にもう一つあります。それは、自分が気づいていない問題点や課題を教えてほしいということです。商談の流れについては新人の営業パーソンでも今すぐ実践すべき商談の流れの記事でも詳しく解説しましたが、基本的に商談は4つのポイントを意識すべきです。

  1. ラポール
    (関係構築)
  2. ヒアリング
    (ニーズ獲得)
  3. プレゼン
    (解決策提示)
  4. クロージング
    (行動訴求)

当然ながらいきなり商品をぶつけられても、お客様の立場からすれば、

「いや、いきなりそんな商品の説明されても、よくわからないし、そもそもうちのことちゃんとわかってないでしょ」

と、営業に対して悲観的な気持ちになってしまいます。営業が商品を提示するというのは、相手にとっては「自分の困りごとや悩みを解決してくれる魔法のツールである」と思ってもらうことが大切です。そのためには商品を伝える前段階で

  • この人は私のことをしっかりと理解してくれている
  • この人はきっと私に合ったベストソリューションを提案してくれる

こういった”信頼”を得ていなければならないのです。この関係性が未構築な段階でプレゼンをしてしまった際、困ったときに声を掛けられるレベルで終わってしまうか、最悪な場合、二度と会えないという状況が生まれてしまうのです。

このご時世、即断・即決してもらえるケースは非常に少ないです。ネットで情報を探してから、口コミをチェックしてからというお客様が多いことも事実です。つまり、継続的に会える関係=お客様に会いたいと思っていただくためには、相手が持っていない情報やアイデア、気づき、ヒントを提供できる営業にならなければいけないのです。そのために大事なポイントは「根拠のある仮説を持つ」ことです。

初回商談で失敗しないコツ①

初回商談に臨む前に必ず「仮説」を持って商談に臨むこと。仮説は空論・勝手な思い込みではなく、自分の中でしっかりと根拠となる情報やデータを揃え、お客様から「なぜそう考えたの?」と聞かれた時に答えられる準備をした仮説を持って臨むことが大切です。また仮説は1パターンではなく、複数パターン持っておくことで、商談を優位に進めることができます。

初回商談が失敗する理由②提案・商談の流れがワンパターン

「流れがワンパターンになってしまう」ということが、2つ目のポイントです。

話し方にも関係してくる部分ですが、商談や提案を定型化しすぎてしまうと、想定外のことが起こった際に言葉に詰まってしまい、返答ができなくなってしまいます。一度想定していた流れがお客様の質問などで崩れたあと、商談を立て直すことが難しくなるのが定型化しすぎることの弊害として起こり得ることです。

「いざという時になんだか不安が残る人だな」このようにお客様に思われてしまうならば、お客様は本当に困ったときにしか営業を頼ってくれない可能性があります。この人に相談すれば解決策がきっともらえるという期待感がお客様のなかで薄れてしまうからです。

営業に相談する機会の減少=成果を出せるチャンスの減少

と言えます。このような状態になってしまうと、お客様からの信用を積み重ねることも難しくなってしまいます。この状況を防ぐためにできることは、想定外の状況をなるべく減らすことです。そのためには、準備の段階で、複数起こりうるパターンを考え、それを想定した対策を立てておくことが重要です。

決して1つの営業シナリオに対してよどみなく、完璧に話せるように練習することが悪いわけではありません。1つの基本となるパターンを作っておくことも勿論必要なことです。ただ、そこからさらにランクアップするためには、それに加えて想定の幅を広げておくことが大事になってきます。

特に考えていただきたいポイントは、

  1. 具体的な数値の目標
  2. 達成に向けた計画
  3. 最悪のケースに対する切り返し

この3つの視点です。特に「最悪のケース」を想定しておくことは重要ということを思いにとめていただければと思います。

「こんな切り返しが来るかもしれない」

「ここは正直痛いポイントで、そこを突いてくるかもしれない」

このように、様々な方向からどのようなことが起こりうるか、考えておくことで想定外の事態を引き起こす可能性を減らすことができます。

初回商談で失敗しないコツ②

準備の段階で様々なケースを想定しておくこと。イレギュラーに対応できないことが多い営業は、お客様からの信用を積み重ねることが難しくなってしまいます。どのような質問をされる可能性があるのか、どう切り返すか、など一律にではなく案件・お客様ごとに調べ、考え準備しておくことが必要です。

初回商談が失敗する理由③何屋なのか相手が分からない

3つ目の理由は自分はお客様のために何ができる人なのか、お客様に伝わっていないことです。このことが伝わっていないならば、お客様は何を質問したら良いか分からず、コミュニケーションを取りづらくなってしまいます。

新規開拓の営業において、基本的にお客様は営業のことを警戒した状態からスタートします。初対面の相手にいきなり気を許してくれる人はかなり少ないかもしれません。ましてや個人への営業であれば、詐欺かもしれないと怪しまれてしまう可能性があります。基本的には誰であっても、

「初めまして。仲良くして下さい」

と見知らぬ人に言われたら警戒するのではないでしょうか。お客様からすれば、

営業=売りこむ人、押し売りする人

という印象を抱いていることもありえる話しです。

そのため、重要なことは、自分が何屋なのか、自己開示をするということになります。何を専門としているのか、今までどのような経験をしているのか、自分の情報を伝えていくことで相手とのコミュニケーションを円滑にしていける、と言えます。

初回商談で失敗しないコツ③

最初に自分が何屋で、何を専門としているのか自己開示をするようにしましょう。初対面で見知らぬ状態のまま話を進めてしまうと、お客様の警戒心が高まったままになり、コミュニケーションが難しくなってしまうことがあります。

初回商談が失敗する理由④相手の話を聞いていない

初回の商談にかかわらずですが、お客様の話を聞くことは常に重要です。自分の話を聞かずに話を進めることが続いてしまうと、お客様は段々と本音を話さなくなってしまう可能性があります。

「相手は自分を映す鏡」という言葉がありますが、商談においてもこのことは意識する必要があります。つまり、自分がやっていないことを相手に求めるのは難しいことである、ということです。自分が話を聞かないならば、それに合わせてお客様も自分の話を聞いてくれなくなってしまいます。

「ありがとう」この言葉1つをとっても、自分が率先して感謝の意を伝えることで、お客様も反応が好意的になる確率が高くなります。

  • 商談の時間をとってくれたことに対する感謝
  • 質問に答えてもらったことに対する感謝
  • 自分の説明を聞いてもらったことに対する感謝

自分がやってほしいことは先に自分が行うことが商談において重要な1つのお客様の反応を決める要素となります。この姿勢を念頭に置いていただけると幸いです。

初回商談で失敗しないコツ④

相手の話をしっかり聞くこと。自分がやってほしいことはまず自分が率先して行うことで、お客様の反応が良くなる確率があがります。

▼初回商談についてはこちらでも解説しています。
初回商談を成功させるために絶対にやるべき1つのポイント

初回商談が失敗する理由⑤商談の目的の認識がズレている

商談の目的のすり合わせをしていないことが5つ目のポイントです。目的に対してお客様の合意を得ていないと、商談が上手く進んでいかないことがあります。

例えば、アポイントをとってから商談まで期間が空いてしまうと、お客様はどのような話をしたのか覚えていないケースが多々あります。そのような状況で、目的に対して認識合わせがないなら、

「これ何の話だっけ?」「この人何の人だっけ?」

と、探りながら会話をしてしまうことになります。この状態だとなかなか商談は盛り上がりません。

そのため、商談の最初に、今回商談をさせていただいた目的をすり合わせることが対策として重要です。

  • 「このようなお話を伺っておりましたので、こういったご提案をさせていただければと思います」
  • 「以前電話越しでこのような課題感があるとお聞きしました。そこで実際の他社の活用事例をお持ちしたのでお話させていただければと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします」

このように、なぜこの商談を行っているのか、目的を確認して、さらにお客様からOKという合意を得ることが必要になります。

初回商談で失敗しないコツ⑤

商談の最初になぜこの商談を開いているのか、目的をすり合わせるようにしましょう。目的への認識が営業とお客様との間でズレてしまうと、探りながらの会話になってしまいます。
目的を確認し、お客様から「そうですね」と合意を得ることで、話がかみ合わないという事態を防ぐことができます。

初回商談が失敗する理由⑥リアクションがなくて機械的

6つ目のポイントは内容というよりもコミュニケーションの仕方です。相手の話に対して一切リアクションがないならば、お客様は心置きなく話すことが出来なくなっていってしまいます。法人営業でも個人営業でも商談はコミュニケーションの場です。裏に会社の名前があったとしても、基本的には担当者と営業、1対1の会話をする場になります。商談に限らず、リアクションがなく本当に話を聞いているのか分からないような人と話すより、1つ1つにリアクションをしてくれる人との方が楽しく会話できるはずです。

  • 相手の話を聞く
  • リアクション・返事をする
  • 共感をする
  • 需要を示す

これらが会話において重要な要素です。相手との会話を楽しむことは、商談においてマイナスになることはありません。お客様に「楽しい時間だった」と思ってもらえるなら、その後の印象も良くなり、関係構築が容易になるはずです。

初回商談で失敗しないコツ⑥ストが入ります。

相手の話に反応し、リアクションをとるようにしましょう。機械的な反応が続くと、お客様は会話を楽しめず、心置きなく話すことが難しくなってしまいます。

初回商談が失敗する理由⑦そもそも会話を楽しめていない

繰り返しになりますが、商談はコミュニケーションの場です。楽しくない人とは長く話したくないのが人の心理として存在します。会話を楽しめない人と話すことは、一種のストレスにつながってしまいます。このようなコミュニケーションストレスが大きい人が相手だと商談はなかなか前には進みません。「楽しくないから」この一言で受注がとれないケースも存在します。それほどまでに「楽しい」という感情は商談において重要なものです。

「最終的にあなたにお願いしたい」

こう思ってもらい、受注につながるケースはやはり楽しく、盛り上がって商談ができた場合が殆どです。コミュニケーションストレスを感じないよう、会話を楽しむことが重要です。

初回商談で失敗しないコツ⑦

会話を楽しむこと。受注をいただける商談は楽しく、盛り上がった場合が殆どです。

初回商談が失敗する理由⑧次のステップを確認していない

商談の終わり際に、次のステップを確認していないことが8つ目の理由です。次回のアクションをどうするのか。このことが曖昧なまま終わってしまうと、お互いするべきことが見えないままになり、次回の商談につながりづらくなってしまいます。

相手からの返事をただ待つ状態になり、相手の返事が明確なものにならないまま、いつの間にか音信不通になってしまうというケースにも成り得ます。また、最悪なパターンとして「検討します」と言われたまま、しばらくして連絡をとったときには「他社に実は決めたんです」と言われてしまうこともあり得ます。この状況は避けるべきです。

  • 相手の意向はどうなのか
  • 次回の商談はいつにするのか
  • 「検討します」の返事のとき、明確な返事の期限を決めているか

次はどうするのか、いつそれをやるのか。次に行う具体的なアクションをしっかり提示しすり合わせをすることで、次の目的地を確認するようにしましょう。これをすることで、進展がない待機状態を避けることが出来ます。

初回商談で失敗しないコツ⑧

次回のアクションを具体的に設定し、お客様とすり合わせるようにしましょう。お互いするべきことが明確になり、進展のない待機状態を避けることができます。

▼「検討します」と言われたときの向き合い方についてはこちらで解説しています。
営業における「検討します」への向き合い方

初回商談が失敗する理由⑨商談後のコミュニケーション不足

商談がうまくいったと営業側が思っていると、その後のアクションを先方・相手に委ねてしまいがちです。

しかし、相手は忙しい合間を縫って、多数の業務を抱える中で、商談の時間を作っています。このような相手と会話・コミュニケーションを取っている事実を忘れ、相手からの連絡待ちということをしていれば、商談の記憶はどんどん薄れ、自然消滅というケースは少なくありません。

「期日までに連絡がない」
「何回か電話したけど折り返しがない」

と、ちゃんとお断りを受けていないのに失注にしてしまう営業パーソンがいますが、これは1番やってはいけないことです。丁寧に連絡を取り続ける、ただ鬼電するではなく、手段や内容を変えながらアプローチをしていきましょう。

初回商談が失敗する理由まとめ

初回商談はこれからお客様と関係構築していくきっかけになるものです。この場でどのようなコミュニケーションをとれるのかによって、営業の第一印象が大きく変わることになります。

定期的にセルフチェックし、良い商談につなげていきましょう。

▼YouTubeでも発信しています。
他にも有益な情報発信を続けておりますので、見てくださいね。
初回商談が上手くいかない理由は2つです。 – YouTube

 

この記事の監修者

営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。

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