「営業トークの正解がわからない」
「営業トークの作り方がわからない」
「全然営業トークが刺さらない」
あなたが営業なら「営業トーク」で困っていませんか?
これまで200以上の商材を売り、商材ごとに様々な営業トークを生み出してきた私笹田が、営業トークで意識している「ベネフィットトーク」についてお伝えします。
営業トークで必ず伝えなければいけないことは、丁寧な商品の説明でも、アイスブレイクでもありません。
この記事を読めば、あなたの営業トーク力がレベルアップするでしょう。
詳しく解説しますので、ついてきてください!
目次
営業トークの目的達成にベネフィットが必要
営業打ち合わせの目的を考えてみてください。
- 仲良くなることですか?
- 雑談するためですか?
- お友達になるためですか?
違いますよね。
- 契約をもらうため
- お客様の役に立つため
- 困り事を解決するため
- 売上を増やすため
ですよね。
これが目的です。
そのために伝えなければいけないことを考えてください。
営業トークの目的達成のために必要なのが、『ベネフィットを用いた営業トーク』です。
営業トークで大切なベネフィットとメリットの違い
まず、確認しておきたいのが、メリットとベネフィットの違い。
メリットとは
1 利点。価値。「何の―もない」「―が大きい」⇔デメリット。
2 手柄。功績。テキストが入ります。
引用:goo辞書
ベネフィットとは
利益。恩恵。また、慈善事業。「―コンサート」
引用:goo辞書
辞書にはこう書かれています。
これだとわかりづらいため、噛み砕いて考えると、
- メリットは商材の良いところ
- ベネフィットは自分にもたらされる良いところ
を意味します。
たとえば、iPhoneで考えると
(例)iPhone
メリット①:スタイリッシュでカッコいいデザイン
ベネフィット①:カッコいい携帯を持っている自分素敵という感情
メリット②:カメラ機能がついている
ベネフィット②:友達と会ったときに、重いカメラを持ち歩かなくても急に写真が撮れる
違う例でいきましょう。
(例)8人乗りの大型ワゴンカー
メリット①:8人も乗れる!
ベネフィット①:(8人家族であれば)家族全員で旅行にいける
メリット②:シートを倒して広いスペースが確保できる
ベネフィット②:車中泊をするときに快適に寝れる
などが考えられます。
良い営業トークはメリットとベネフィットをわけて考える
では、あなたの営業はどちらになっていますか?

お客さまからも〜〜と好評いただいております。
こんな営業をしていないですか?
これって、良いことを言っているのですが、お客さま自身にとって、もっと言えば「目の前のあなたにとって」の良いところが全く伝わってこないのです。
先ほどのiPhoneの例を当てはめてみましょう。

お客さまから「カメラがついてるのは便利」と好評いただいております。
どこか抽象的な感じがして、聞き流してしまうのではないでしょうか?
これがメリット提案営業です。
しかし、相手の心に刺さるのは”ベネフィット”。
あなた自身にもたらされることは何か、なのです!
次のように言われるとどのように感じるでしょうか?

お客さまからも「小さなサイズでいつでも持ち歩けるので便利」と好評いただいております。
大分印象が変わったのではないでしょうか?
メリット提案からベネフィット提案に変えるだけで、クライアントの反応は大きく変わります。
ベネフィットを適切に伝えるためにヒアリング

どうやったらできますか?
と感じていただけたのではないでしょうか?
ですが、ベネフィットの作り方を知る前に、ヒアリングについて知ってください。
営業トークは相手を知ることから始まる
どんなに良い話をしても、相手の興味がないことを伝えてしまっては、その営業トークに意味はありません。
相手にとって”ベネフィット”を適切に伝える方法は、良い伝え方を考える前に、相手を知ることから始まるのです。
そのために、ヒアリングを行うのです。
営業トークは「まず相手を知ることから始まる」と、しっかりと覚えておいてください。
相手を知ること、それが最高の営業トークを作るために必要なことです。
▼ヒアリングのコツを具体的に解説しています。こちらもチェックしてくださいね。
営業ヒアリング力を格段に向上させるたった1つのコツと7つのアクションと4つの質問フレームワーク
「何に困っているか」と「なぜ困っているか」を聞き出せ
営業トークを引き立てるために行うべきヒアリングは、『何に困っているか』と『なぜ困っているか』をしっかりと聞き出すことです。
ベネフィットを伝えるとは、「相手がやってほしいこと・望んでいることを実現できる」と伝えることです。
つまり、相手の困り事や望みを聞き出し、「それが実現できる」と伝えてあげることが大切といえます。
私は営業トークで、この言葉を言えるように営業を組み立てています。
その言葉とは
「それ、うちの会社だったらできますよ」
これが言えたら、私の場合ほぼ受注です。
そして、これは最高のベネフィットトークとも言えます。
ベネフィットの作り方
では、ベネフィットトークをする上で最も大事なベネフィットの作り方をお伝えします。
大きく3つにわけて考えましょう。
- メリットを考える
- そのメリットの利点を考える
- そのメリットが適用できる具体例を考える
です。
①メリットを考える
まずは、商品のメリット(特徴)を挙げましょう。
たとえば、あるバイクの特徴として
- リッター40kmの燃費
- ○○素材を使用した座席シート
- リモートキーを採用
- アイドリングストップ機能
とあったとします。
②そのメリットの利点を考える
次に、そのメリットが適用できる理由を考えましょう。
- リッター40kmの燃費
ガソリンの消費を減らせる。 - ○○素材を使用した座席シート
お尻が痛くならない。 - リモートキーを採用
かばんから出さなくても良いので楽。 - アイドリングストップ機能
ガソリンの消費を減らせる
このような具合です。
これだけでも、お客様の心に刺さりやすい表現に近づいていますが、刺さるベネフィットにするために次に行きましょう。
③そのメリットが適用できる具体例を考える
②を具体的な場面に当てはめて説明します。
- リッター40kmの燃費
- ガソリンの消費を減らせる。
ガソリンスタンドに行く回数を減らせるため、お財布に優しいバイクです。
- ○○素材を使用した座席シート
- お尻が痛くならない。
長時間座る必要のあるツーリング時でも、不快な感覚を減らせるバイクです。
- リモートキーを採用
- かばんから出さなくても良いので楽。
鍵とバイクの位置が離れれば自動的にロックされるため、鍵をかけ忘れる心配がありません。
- アイドリングストップ機能
- ガソリンの消費を減らせる
信号で待機中に無駄なガソリンを使わないので、ガソリンの消費を減らせて、お財布に優しいバイクです。
このように、具体的な場面でどう役立つのかを伝えられることが、刺さりやすいベネフィットといえます。
もちろん、ここで述べているだけではなく、自分なりのベネフィットの作り方も研究してみてください。
既に述べたように、


は、「特定の場面に対して役立てる」と言っているので、究極のベネフィットと言えるでしょう。
ベネフィットトークを利用するためにクリアしたい2つの問題
どんなにベネフィットがあると感じてもらえても、受注をいただけないことがあります。
その原因は大きく2つあります。
- 相手が今必要と思っていない
- 相手があなたのトークを信用していない
この問題を解決しなければ、どんなにベネフィットを訴えた営業トークをしても、結局受注にはなりません。
問題①今必要だと思っていない問題
いつか必要だと思っていても、「今やる必要がない」と思われているケースも多々あります。
- 今は他の仕事が忙しい
- やりたいけど、稟議とかが面倒臭い
- 上司に説得しても通るとは思えない など
超えなければいけないハードルが多かったり、高かったりすると、やる気をなくしてしまうものです。
今必要と思ってもらうためには、やらなかったときにどんなリスクがあるのかを伝えましょう。
やらなかった結果、どんな損失が生まれるのかを伝えることが大切です。
問題②あなたのことを信用していない問題
まずは自分が何者かを伝えましょう。
意外ときちんと自己紹介をしていない営業マンは多いです。
会社の紹介をしていても、自分の紹介をしていないのです。
契約をしてもらうための信用には、3つあります。
「会社」「商材」「自分」の3つを信用してもらえなければいけないのです。
ただ、営業トークに頼りすぎることはやめてください。
1回で信用を得ようとしすぎても、それは逆効果です。
普段の友達やお付き合いする相手も同じですよね。
1回で全てを決めないと思います。
営業だから、仕事だからという理由で、人付き合いを1回で決めないですよね。
営業も同じです。
▼話し方で損をしているかもと思う方はこちらも!9つの話し方の型をお伝えします。
提案を魅力的にわかりやすく伝える9個の話し方の型
営業トークの効果を引き上げる5つのコツ
- ベネフィットトークが大事ということ
- ベネフィットトークを利用するためにクリアすべき2つの問題
について、お伝えしてきました。
ここから、その営業トークをより魅力的に伝えるためのコツを5つお伝えします。
①デメリットやリスクもちゃんと伝える
②小さいイエスを積み重ねる
③相手のことを褒める
④難しい言葉を使わない
⑤他社の情報を伝える
コツ①デメリットやリスクもちゃんと伝える
良いことばかり言っていても、話を信用してもらえません。
怪しまれます。
具体例を挙げると、ある副業で
「在宅のみで、難しい作業なしに1時間作業すれば、月20万円稼げます」
のような話をよく聞きます。
これを聞くと「本当?怪しいなぁ」と思わざるを得ません。
- 作業は1時間だが、集客が難しい
- 作業で稼いでおらず、スポンサーをつけて稼いでいる(スポンサーが見つかるまでは無料で作業する)
など、その裏に苦労が存在する可能性もあります。
SNSで投稿して、アフィリエイト収益で稼いでいる人は、このようなパターンが実際にあり得るでしょう。
できないことや、実現するために必要な条件や状況も伝えるようにしましょう。
隠していては駄目です。
ただ、デメリットを伝えるだけで終わりにならないように気をつけてください。
デメリットの後に再びメリットを伝えて、フォローしましょう。
コツ②小さいイエスを積み重ねる
大きなお願いを受ける、決断することは、やはり勇気がいるものです。
そんな大きな決断をいきなり迫ってはいけません。
小さなイエスを積み重ねていくことで、相手との距離を近づけましょう。
近いと感じてもらうことが大切です。
最初から「家を購入してください」と言われて買う人はいません。
まずは、展示会に誘うなど、小さなイエスをもらう工夫が必要でしょう。
コツ③相手のことを褒める
営業トークを受け入れてもらうためには、商品の話だけでなく、相手の話をしましょう。
そのときにオススメなトークが、相手を褒めることです。
褒めることは、相手に共感を示します。
相手が営業マンの話を聞くためには、「自分のことをわかってくれている人だな」と思われる必要があります。
そのために有効なのが、褒めることです。
コツ④難しい言葉を使わない
営業で難しい言葉を使いがちな営業マンがいます。
本人は良かれと思っていたり、何も考えずに話してしまったりしています。
大切なことは相手の分かる言葉で伝えることです。
相手がわからない、考えながらでないとわからない営業トークは、相手に伝わりません。
たとえば、英語を使うのは注意しましょう。

などと、表現しても

となってしまう可能性もあります。
その一方で、専門用語で喋らないとイライラしてしまうお客様もいるかもしれません。
相手がどのレベルで会話できる人なのか、見極めが大事です。
コツ⑤他社の情報を伝える
お客様が「ヤバイ」と思う時、それは他社に負けていたり、劣っていたりしていると感じているときです。
なので、お客様の同業他社の情報は是非積極的に集めてください。
そして、それを伝えてあげることで、営業トークの重みを増やせます。
▼具体的なクロージングのテクニックが知りたい方は、こちらに10個のテクニックを示しました!
営業クロージングテクニックのコツ10選
営業トークのゴールは人を動かすことである
営業トークの目的達成には「ベネフィットトーク」が効果あり
・適切に伝えるには事前ヒアリングが大事
・ベネフィットは3段階にわけて考えると作りやすい
【作り方】
①メリットを考える
②そのメリットの利点を考える
③そのメリットが適用できる具体例を考える
ベネフィットトークは下記2点の問題があると効果がでない
・今必要だと思っていない問題
・あなたのことを信用していない問題
営業トークの効果を引き上げる5つのコツ
①デメリットやリスクもちゃんと伝える
②小さいイエスを積み重ねる
③相手のことを褒める
④難しい言葉を使わない
⑤他社の情報を伝える
営業打ち合わせのゴールは、人のアクションを引き出すこと。
そのために、自分にできることを1つずつ積み重ねていくことが大切です。
あなたの一言一言が、お客様が動く理由になっているか、動こうとおもうきっかけになっているか、を是非考えてみてください。
逆に足を引っ張っているかもしれません。
あなたの提案が、お客様をもっと良い状態にするのであれば、自信を持って、営業トークを伝えてください!
ベネフィットトークをより良いものにしたいと思えたときは、次の記事も読んでくださいね。
ベネフィットトークを営業資料で活用するためのコツはこちら!
売れる営業資料を効率的に作り上げる3アクション
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。