- 1回だけの注文で終わってしまうことが多いが、どうすればよいのだろう?
- 理不尽なことばかり要求してくるお客様が多い気がしています
このような悩みはありませんか?
単発受注ではなく、継続的に取引ができるお客様が欲しい気持ちよくわかります。
扱いも楽で、リピートしてくれるお客様、誰もが欲しいですよね。
しかし、そんなお客様は空から決して降ってきません。
突然、「これから10年間よろしく!」と言ってくれる、理想的なお客様などいないのです。
では、どうしなければいけないか、優良顧客のつかみ方を、この記事ではお伝えしました。
営業1年目からトップになり、様々な種類のお客様と関わってきた経験をもつ私、笹田が記載します。
目次
まず優良顧客という言葉が嫌い
そもそも論ですが、私は「顧客」という言葉があまり好きではなく、使いません。
というのも、売ることしか考えていない様に聞こえるからです。
顧客の意味を、私は「自社の商品・サービスを販売する対象」と捉えています。
正確に辞書で把握すると下記の通りです。
顧客(こきゃく)とは、商売における客のこと。
商品やサービスを買い求めに店を訪れる人、あるいは、購入・サービス提供を必要としている者(需要者)。多分に「得意客(お得意さま)」のニュアンスを含むが、その店を利用した実績がまだない客(見込み客)も「顧客」と呼ばれる。
引用:Weblio辞書
もし、顧客の代わりに「販売対象」と呼ぶ、次の様な世界があったらどう思うでしょうか?

お出迎えしろ!

関係性が大事だ。
狩りで「獲物が来たぞ!」と言っているように聞こえませんか?
そのため私は普段、お客様のことは「お客様」と表現します。
余談ですが、クライアントを名前で呼ぶ時も、「様」付で呼んでいます。
日頃の心がけがふとした時に出るからです。
ただ優良顧客という考え方も理解できます。
極端な例ですが、理不尽なクレームばかりつけてくるお客様は決して優良顧客ではないからです。
そもそも優良顧客とは何者なのか?
では、営業やマーケティングで使われる優良顧客とは何なのでしょうか?
私が考える良いお客様(ここでは優良顧客)は、
- コミュニケーションがしっかりと取れており
- 成果を出してくれる
お客様です。
高額契約をしてくれる人、とりあえず契約を継続してくれる人は、営業目標目線で見れば目標達成に向けて優良な顧客かもしれません。
しかし、これは営業目線でしか考えていない、自分のことしか考えていない見方です。
今回、顧客の種類と顧客分析の視点からも、優良顧客をどのように捉えているのか整理しました。
顧客の種類で優良顧客を考える
一般的に考えられている顧客の種類をあげると、次の5種類です。
顧客の種類からどれが優良顧客に当てはまるのか考えてみましょう。
①潜在顧客
②見込み顧客
③新規顧客
④既存顧客
⑤リピーター
それぞれについて説明します。
顧客の種類①潜在顧客
商品の必要性にまだ気づいていないお客様です。
顧客の種類②見込み顧客
商品を購入してくれる可能性が高いと考えられるお客様です。
自社の商品やサービスを既に知っています。
顧客の種類③新規顧客
初めてその商品を利用するお客様です。
顧客の種類④既存顧客
既に商品を一度購入されたお客様を意味します。
顧客の種類⑤リピーター
自社の商品を繰り返し購入してくれるお客様です。
このように考えると、優良顧客は間違いなく「リピーター」に分類されます。
1度きりの購入のお客様は悪いお客様ではないですが、1度だけの付き合いで「あのお客様は優良だ!」とは判断できませんよね。
顧客の種類から考えると、何度もお付き合いができることは優良顧客の最低条件になります。
ただし、リピートするだけが優良顧客ではないので、リピートしてくれてかつ何かあるのが優良顧客と考えられます。
顧客分析の考え方で見てみる
顧客分析は、過去の購入履歴などのデータを基に、お客様を分類することです。
分析手法としては今回、2つ挙げました。
RFM分析
RFM分析とは、Recency (直近いつ)、Frequency (頻度)、Monetary (購入金額)の3つの指標で顧客を並べ替え段階的に分け、顧客をグループ化した上で、それぞれのグループの性質を知り、マーケティング施策を講じる手法
引用:顧客分析の手法(デシル分析、RFM分析)|Albert
これは直近いつ購入してくれたか、どれぐらいの頻度(前回購入と今回の購入の間はどれぐらいか)、購入金額の視点で収益への貢献度をみる指標です。
RFM分析では購入金額が高く、最近も購入してくれて、頻度が多いお客様を優良顧客と定義しています。
画像出典:顧客分析の手法(デシル分析、RFM分析)|Albert
デシル分析
他にはデシル分析という金額を多い順に並べ、グルーピングする方法もあります。
一定期間内の購入金額の合計を出し、顧客を分類するものです。
例えば、500人の顧客データがあった場合、次の作業をし分析します。
- 購入金額の高い順に並び替えます
- 順番に10個のグループに分けます(1グループ50人の顧客となる)
- 各グループの購入金額が何%か計算します
- 表として出力します
画像出展:優良顧客分析とは?優良顧客を獲得するための手法とポイントを解説
表を見れば、一人当たりの購入金額が高い層を見つけることができます。
購入金額が高い、上位に入った層を優良顧客として判断することが一般的です。
デシル分析でもRFM分析でも、顧客分析では「優良顧客=収益への貢献度が高い顧客」という考え方になります。
まとめると、顧客分析でも、顧客の種類でもどちらも、収益への貢献度を見て優良顧客と捉えています。
この考え方は、営業をして行く上で有効なのでしょうか?
優良顧客か否かはお客様からすれば関係がない
お客様はしっかりとサービスを提供して欲しいとしか思わない
お客様目線で考えれば、自分が優良顧客か否かは関係ありません。
どう思われていようが、お客様はしっかりとサービス提供をしてほしいとしか思っていません。
これは当たり前です。
優良顧客だから大事にしようと思うのではなく、一人一人に丁寧なサービスを提供することが大前提と意識しましょう。
収益を生む仕組みがなければ収益も増えない
また収益の貢献度についても、
- 営業サイド・ビジネスサイドであるサービス提供者がきちんとフォローをしていなかったり
- そもそもサービスとして出来上がっていなかったり
すれば収益が生まれません。
適当なサービス、適当なフォローで「偶然成果を出して、長く使ってくれるお客様がいました」では、サービス自体が良くなるわけがありません。
例えば、次回も使ってもらえるように、割引やポイントカード・VIP待遇するなどの仕組みがあることで、リピート率の高い優良顧客が生まれやすくなります。
何もせずに「ただただ営業して、たまたま気に入ってくれる人ができました!」では優良顧客になるお客様も少ないと考えられるのです。
どのようなお客様でも意識すべき2つの点
大切なことは、どのようなお客様が優良顧客かを考えることではありません。
どのようなお客様相手でも次の2つを意識することが大事なのです。
①お客様とコミュニケーションがしっかりと取れること
②不満があった時、きちんと言ってくれる関係を築いておくこと
(黙って離脱するようなケースは最悪です)
つまり、優良顧客だから相手にするのではなく、優良顧客になるように努力が必要なのです。
優良顧客を作るためにすべきたった1つのこと
「優良顧客にする努力」を具体的に言い換えると「自分でお客様を育てること」になります。
契約を結んだら、自分でお客様を育てなければいけません。
ついつい、「よいお客様かどうかは運で決まる」と思いがちですが、このことを忘れないようにしましょう。
優良顧客を作るためには「お客様を育てる」のです。
頑張っていれば勝手に優良顧客になる、そんなことはありえません。
自分でお客様を優良顧客にするのです。
優良顧客に育てるには「共感・教育・信頼」が大事
私の先生にこれからの時代は

とよく教えていただきます。
優良顧客を持つための営業も一緒です。
- 共感するためには、きちんとお客様のことを理解しなければいけません。
- 教育していくためには、お客様が求めている情報を提供しましょう。
- 信頼を得るためには、継続して共感・教育を示し、与えていかなければなりません。
優良顧客を持つためには「お客様のために」を常に考え、行動し、継続しなければいけないのです。
一朝一夕の関係で良い関係ができるわけありません。
与え続けよう
与えて与えて与え続ける、これこそが今とても重要なのです。
そうすれば、結果としてあなたの成績も収入も付き合う人も変わっていきます。
あなたは、「決めたら後で連絡したい」とお客様に言われたときに

と言っていないでしょうか。
与える精神なら

となるはずです。
案外自分目線で進めてしまっていることに、気づかない営業マンはいます。
「まずはお客様のために」と思ってこちらから与え続けているうちに

お手間だろうから、こちらから連絡しますね
と言われる関係になっていくのではないでしょうか。
また、商材への愛着の強さも「共感・教育・信用」を持って接していれば、自然と高まるはずです。
優良顧客獲得にはカスタマーサクセスしかない
お客様があなたと契約を結ぶのは、あなたに何かしらの期待を持ってくれているからです。
その期待に応えてこそ、真の営業であり、サービス提供と考えられます。
そう考えれば、「優良顧客」=「長く取引のできる収益性の高い顧客」という、単なる収益的な視点で考えても、長期的に見ればしっかりとカスタマーサクセスを実現していくしかありません。
商品を通じてお客様が成功するように支援すること
優良な顧客か否かではなく、勝たせられるお客様なのかをしっかりと選別し、勝たせられるお客さまをしっかりと勝たせること、これこそがカスタマーサクセスであり、真の優良顧客の獲得方法です。
簡単な例で言えば
【野球のバットの営業】
単にバットをプロ野球選手に販売するだけにとどまらず、選手の要望を聞き、時間をかけてより使いやすいバットを開発する。
↓
そのバットのおかげもあり、その選手も大活躍する。
↓
結果、他のバットを使いたくなくなり、優良顧客になる。
※ただし、成績を残せそうな見込みのある選手を選ぶのも大事。
といった図式を思い描くとわかりやすいでしょう。
カスタマーサクセスについては、記事を多数執筆していますので、ぜひご覧ください。
▼カスタマーサポートは聞いたことあるけど、カスタマーサクセスはない?
そんな人に読んで欲しい記事です。
▼カスタマーサクセスにおいて、何をどのタイミングでやるのか?
カスタマーサクセスを向上したい人は読みましょう。
カスタマーサクセスを分解するとわかる、5つのプロセスごとにやらなければいけないこと
▼カスタマーサクセスで大事なこと2つをお伝えしました。
ある程度カスタマーサクセスの知識がある人必見。
まとめ
笹田は顧客ではなく「お客様」と表現する
そもそも優良顧客とは何者なのか?
→顧客の種類から考えると「リピーター」に該当
→顧客分析の視点から考えると「頻繁に収益を上げる人」
優良顧客か否かはお客様からすれば関係がない
→お客様はしっかりとサービスを受けたいとしか思っていない
→適当に営業していてはリピート率の高い優良顧客も生まれづらい
どのようなお客様でも意識すべき2つの点
①お客様とコミュニケーションがしっかりと取れること
②不満があった時、きちんと言ってくれる関係を築いておくこと
優良顧客を作るためにすべきたった1つのこと
→お客様を優良顧客に育てよう
→共感・教育・信頼を駆使して良い関係を築こう
→お客様に貢献し、与え続けよう
優良顧客獲得にはカスタマーサクセスしかない
→カスタマーサクセスという意識で取り組むことも優良顧客獲得に大事
優良顧客を作るには、運で良いお客様に恵まれるだけではなく、努力が大事です。
具体的には、営業面でリピートをもらえる仕組み作りであったり、信頼されるように与え続けることを意味します。
何もしないで優良顧客は現れません。
普通のお客様を優良顧客に育てよう!その意識が大事なのを忘れないでくださいね。
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。