営業ハック代表の笹田です。
営業を行うにあたって、色々大切なことはありますが、何よりも大切なこと。
それはお客様に興味・関心を持ってもらうことです。どんなに良い話でも、良い提案でも、相手側が興味を持ってくれなければ、その営業は相手に響くことはありません。
例えば選挙。素晴らしい公約や演説をしたとしても、その人自身に対して無関心であれば、駅前でどれだけ声を張り上げようと無視されてしまうのと同じです。
そこで、今回はあなたの商材に興味を持ってもらうコツをお伝えしたいと思います。
お客様の興味を商材に向ける3つのアプローチ方法
商材に興味を持ってもらうコツは3つ。1つずつ見ていきましょう。
商材に興味を持ってもらうコツ①商材のベネフィットを明確に伝える
まず大事なことは、何を得られるかをしっかりと伝えることです。下手な営業ほど、機能やメリットを並べて話したがります。しかし、何ができるのかはお客様からすれば、最初の興味を持つか持たないのかのタイミングでは、必要な情報ではありません。大切なことは「どうなれるか」をしっかりと伝えることです。
その商材を買うこと・使うことでどれだけベネフィットが得られるのか。ここを明確に相手に伝えられるようにしておきましょう。
ただここも言葉にすれば良い、言えば良いというものではありません。相手が自分ごととしてしっかりとイメージができるよう状態にすることが大切です。
ベネフィットの定義
ベネフィット(benefit) は直訳で「利益」「恩恵」「便益」などの言葉に言い換えられます。
営業やマーケティングの場合、「その商品をお客様が使うことによって得られる恩恵・ポジティブな影響」ということができるでしょう。商品やサービス自体のメリットではなく、使うことで作用して生まれる影響がベネフィットであると言えます。
ベネフィットを伝えることの重要性
ベネフィットを伝えることで、お客様は「その商品を使った自分・組織」を想像することができます。この想像力が働くかどうか、という部分が、後述する2つのコツにも関わってきますが非常に重要になります。使っている自分を想像できない商品を買う人はあまりいませんよね。金額が高いものなら尚更です。
人は「自分(組織の場合もありますが)が豊かになる・便利になる・欲求を満たす」ために商品を買います。つまり、相手が「興味を持っているポイント」を事前に掴み、その部分のベネフィットを伝えることで、相手に「買って使ったらこんな自分になれる」と想像してもらうことができるのです。
▼メリットとベネフィットの違いは、こちらでさらに詳しく解説しています。
営業トークをより効果的にするベネフィットトークと5つのコツ
商材に興味を持ってもらうコツ②間接的に商品を意識させること
例えば、枕売りの営業マン。「いきなり、枕の話です」と言われても、「今使っているのがあるから大丈夫です」となるのが普通です。その営業トークを「最近、睡眠の質どうですか?」と話されると、睡眠について話が盛り上がり、一通り話ができたら、「○○さんの睡眠のお悩み、私の枕で解決できます」という流れができるのです。
この営業は、私が空気清浄機の飛び込み営業を学生時代にしていたとき使っておりました。「オフィスの空気ってこもりがちで、大変ですよね?」という話をして、お客様の空気事情をヒアリングしつつ、共感しつつ話をしていくのです。
そして、先ほどのように「その悩み解決できますよ」と話をさせていただくのです。
いきなり商材の話ではお客様の頭にない分、「お断りする前提」でお客様は話を聞かれます。こうなれば、当然売れない営業になりがちです。お客様のことをちゃんと知り、お客様にも困りごとを認識してもらうことで商材の話に興味・関心を持ってもらう。それが売れない営業から脱するコツです。
商材に興味を持ってもらうコツ③まず自分に興味を持ってもらう
どれだけ話をしても伝わらない相手がいます。その理由は、営業マン自身に興味を持ててもらえていないのです。
私は先ほどの空気清浄機の営業をしていた時、「貴社の応援団をやらせてください!」と担当者に会えた最初に言っていました。お客様からすれば「変なことを言ってくるやつがきた」と思ったことでしょう。笑
しかし、これまでの「早く帰れ」から「なんだこいつは?」と意識が変わります。相手にクエスチョンマークを持たせ、もう少し知りたいと思ってもらえれば、そこから話をすることができます。そこから話を重ね、商材のアプローチに繋げていくのです。何をいうか、よりも誰がいうのかの方が、人の興味・関心において重要度は高いのです。
自分に興味を持ってもらうコツ①感謝を伝える
とはいえ、「そんな変なこと言いたくないよ」という人も多いと思います笑
そこで、自分に興味を持ってもらうための効果的な方法もあわせてお伝えさせてください。
まず1つ目が感謝を伝えること。もう少し大きく言えば、「好意」を伝えるということです。「返報性の原理」を活用することで、相手も自分に良い印象を持ってもらいやすくなるのです。例えば、それまであまり気にしていなかった異性から告白されたとき、その後その相手のことが気になりだす、と言った話があるのはこの返報性の原理があるから。
自分が相手に伝えたことや相手に伝わった印象は、そのまま相手から自分に返って来ます。まず自分に良い印象を持ってほしいなら、自分から相手に好意的な反応をしていくことが重要です。
自分に興味を持ってもらうコツ②特別感を与える
同じ返報性の原理を活用した2つ目のコツが、「相手に特別感を与える」ということ。つまり、「自分はあなただからこそ営業している」「本気であなたの役に立ちたいと思っている」ということを真摯に伝えましょう。
自分が営業を受ける立場になって考えてみてください。
- いかにも定型文感満載の営業メール
- 「このあたりをただ順番に回れと言われたから営業しています」という感情丸出し
- メールなどの返事が遅く、後回しにされている感覚を受ける
- 断った瞬間に機嫌が悪くなったり、雑になる
こういった相手から営業されたら「面倒くさい」「買いたくない」と思うのではないでしょうか。「この人ノルマのために営業しているんだろうな」という印象が最初に来てしまうと、絶対に相手は買ってくれません。
「なぜあなたに営業しているのか」「なぜあなたの役に立ちたいのか・役に立てるのか」ここをはっきり伝えることで、「この人他の営業と違って真剣にこっちのこと考えてくれている」と思ってもらえる確率があがります。
自分に興味を持ってもらうコツ③ミラーリング
3つ目は細かいテクニックになります。
ミラーリングとは相手の行動を真似ること。これは「類似性の法則」=自分と共通点の多い人に人は好意を抱きやすいという法則がもとになっています。同じ仕草をすることで、親近感を抱いてもらい、信頼関係を築くことに繋げられます。
ただ多用しすぎると相手に気づかれるので注意。ここぞという場面で行うようにしましょう。不安な方は「地元が近い」「相手が身につけているものを自分も持っている」など別の共通点を探して会話に出すのも効果的です。
自分に興味を持ってもらうコツ④バックトラッキング
バックトラッキングとは「オウム返し」のこと。
オウム返しをすることで、自然と相手は「自分の話を聞いてくれている」という印象を抱きやすくなります。話をしている人からすると、相手の反応がないと不安になったり、「自分の話聞いてないな」などとストレスを感じたりします。そこでしっかりあなたの話を聞いていますよ、ということを相手に印象づけるために相手の言ったことを言った通りのまま返すことが1つテクニックとしてあります。
こちらもミラーリングと同様多用し過ぎは注意。相手としっかり会話をしていき、営業が話しすぎないことが重要になるため意識しておきましょう。
お客様の興味を商材に向けるアプローチ方法まとめ
営業において、「もう少し知りたい」と思ってもらうことは何よりも重要なことです。相手が聞く態勢ができていなければ、どんなに頑張ってもそれは意味がありません。暖簾に腕押しとはまさにこのことです。
そうならないように、相手が聞きたいと思える最初のアプローチを徹底しましょう。そうすれば、同じ営業トークでも成果はまったく変わってきます。
余談ですが、この興味を持たせることは子どもに対しても同じことが言えます。いきなりやり方やノウハウ、考え方を教えても、まったく頭にも心もにも残りません。「もっと」「もう少し」という気持ちを作ってからでなければ、次のアクションにも繋がらないのです。
次のアクションに繋がらないとは、営業で言えれば受注になることはないということです。それだけ最初の「興味づけ」は重要なのです。
▼商材の悩みについてはこちらでも解説しています!
営業マンの私が経験した商材の悩み|4つの対策で売れない時期も安心
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他にも有益な情報発信を続けておりますので、見てくださいね。(5) 【営業】商材の差別化ポイントがない時どうする? #shorts – YouTube
この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。