早速ですが、ビジネスメール実態調査2016という調査では、このような項目の調査がされています。
「仕事で送ったメールはいつまでに返信がほしいか」
その結果はこちらです。
出典:ビジネスメール実態調査2016_一般社団法人日本ビジネスメール協会
見ていただくと分かる通り、多くの人が1日以内に返信が欲しいと思っていることがわかります。ちょっと驚いたのは、1時間以内に返信が欲しい人が20%弱いるということです。(5分以内も、0.97%。。笑)
それだけ自分が送ったメールや依頼には、「早く対応して欲しい」という気持ちを、声に出して言わない人も実は持っているということです。裏を返せば、早く対応すれば、それだけで相手の印象が上がると言えます。そこで、今日はレスポンスの早さがテーマです。
目次
そもそもレスポンスとは
レスポンス(response)とは、返信や返事、応答と言った意味で使われている言葉です。略して「レス」なんて言う場合もあります。「即レス」「あの人レスが遅いから困る」といったように日常的に使われていますが、日本国内でのみ通用する略語なので注意が必要です。
余談ですが、「反応」と言った意味で自動車業界やIT業界で使われることもあります。自動車のブレーキやアクセルの反応具合のことをレスポンスと言ったり、パソコンの処理速度のことをレスポンスと言う、という形です。
日本のビジネスシーンにおいては、基本的にメールやチャット等の返信を指して使われています。
同じレスポンスなら早い方が得をする
レスポンスが早いだけで相手の印象が変わるとお伝えしました。私も体験があります。
レスポンスの早さの重要性:クラウドソーシング
私はたまにクラウドワークスでデータ入力のお仕事を発注させてもらっています。簡単なお仕事なので、1日募集を出しておくと20件ぐらい応募をいただきます。
このときに選ぶ基準に無意識でなっているのは、
- 過去の実績
- レスポンスの早さ
- 丁寧さ
この3つです。過去の実績は変えようがない部分ですが、レスポンスの早さと丁寧さは意識の問題です。そして、同じレベルで悩んだら、先に連絡をくれた人にお願いをしています。
レスポンスの早さの重要性:派遣営業をしていた時
「今回は笹田さんにお願いすることにしたよ」
新規のお客様からこう言ってもらえる嬉しさは、営業をしている人なら誰でもわかることではないかと思います。しかし、このときは話を聞くと、周りのライバルは誰もが知ってる超大手ばかり。なおかつ、ベテラン社員ばかりだったのです。
(確かにすれ違う営業マンは皆、 40代前後だったような。笑ちなみに、私は新卒でした。。。)
そこで、お客様に聞いてみたんです。「今回、何で私にお願いいただけたんですか?」と。
その答えは、
「レスポンスが1番早かったからだよ」
ということでした。
詳しく聞くと、レスポンスが早い=今後取引していく中でも何かあったらすぐに対応してくれる。そのように感じ、1番信頼できると思った、とのこと。嬉しい限りですよね!
レスポンスの早さの重要性:他社営業マンの話
他にもあります。先日、よくCMで出ている名刺管理システムの営業マネージャーとの話。
「◯◯のとこの営業マンは、どんな人が成果出せる?」と質問をしたんです。
すると、予想外の答えが。
「御礼メールを当日に送れる人」
これだけらしいです。もちろん、色々な要因があるのですが最も成果と相関があったのが「御礼メールをその日中に送れるか否か」だったということでした。
レスポンスが早い人が持たれる印象
同じことをやっていても評価が高い人と低い人がいます。その1番の違いがレスポンスの早さです。レスポンスが早い人は、どんな印象を周りに与えているかご存知ですか?
レスポンスが早い人への印象①信頼感
先ほどの私の例でもお伝えしましたが、レスポンスが早いことは、
- それだけすぐに対応してもらえる
- それだけ自分のことを気にかけてくれている
という印象を、相手が持ってくれます。その印象は、相手があなたに持つ信頼感をどんどん高めてくれるのです。“信頼性”の確保、これは大きなメリットです。
返事を先延ばしにしていると、相手は無意識のうちに「コミュニケーションが取れていない」と判断してしまう可能性があります。そうすると、段々「あの人に連絡したところであてにならない」と信頼関係を失っていくことに繋がってしまうのです。「自分の連絡面倒くさいと思ってるのかも」なんて思われてしまったら、今後の関係の進展は望めないでしょう。
「あの人ならすぐに対応してくれる」「あの人に連絡したらなんとかなる」こう思ってもらえる点で、レスポンスが早いと信頼感を得やすいと言えます。
レスポンスが早い人への印象②仕事ができる人感
仕事ができる人というのは、「質」と「スピード」で決まります。このうち、同じ質の納品であれば当然、スピードが早いほうが評価が高まります。
そしてそれに加えて、「相手に負担をかけない」というのも、評価が高まる理由の1つです。自分1人で完結する仕事であればいいですが、周りと連携して動くものの場合、それぞれの担当のレスポンスが遅いと、そこに時間が奪われてしまいます。相手にとっては時間をとられるだけでなく、精神的にもストレスに感じるでしょう。相手にストレスを与えないというのは、それだけ重要だと言えます。
また、レスポンスが早ければ、途中で修正ができるというメリットもあります。実は評価が高いのは、仕事の質が高い人よりもまずはレスポンスが早い人なのです。その結果、仕事ができる人という評価もどんどん高まります。
レスポンスが早い人への印象③やる気
レスポンスの早さは、仕事のやる気も計られているケースが非常に多いです。
どんなに雄弁に語っている人よりも、仕事をテキパキとこなしレスポンスが早い人の方がやる気がある人と評価されることが多いです。
レスポンスが早くて得する実務的メリット
レスポンスが早い人が得すること。まず印象が良くなる、ということをお伝えしました。
しかし、メリットはこれだけではありません。
レスポンスが早いメリット①誤った作業をしなくて済む
早めにレスポンスをすることで、確認をしながら作業をする時間を確保できます。相手からの依頼や確認事項に対して、その意図がわからない場合でも、”わからないという事“をしっかりと伝えるためにレスポンスをします。これにより、仕事のプロセスを把握して、必要な事項をあらかじめ組み立て、相手が何を求めているのか、どんな回答が欲しいのかを”読む“ことができるようになるのです。コミュニケーションを重ねるとその分だけ相手を理解できるようになるのは、プライベートでも一緒ですよね。
実はこれが最も大きいのです。
▼参考:仕事が早い人の特徴はこちら
仕事が遅い人は止まっている時間が長い?仕事が早い人になるための3つの考えと13のコツ
仕事が早い人は、事前の確認や定期的な確認を行っており、無駄な作業をしないのです。
レスポンスが早いメリット②無駄なチェック作業を減らせる
一回チェックして、そのレスポンスを後回しにしてしまうと同じ内容を2度、3度確認しなければなりません。これだけで仕事のロスは大きいものです。すぐにレスポンスを出すことで相手だけでなく、自分の負担も減らせるのです。
また、自分自身へのリマインダーの役割もレスポンスには含まれています。どうすべきか悩んだとしても、それを伝える事でボールは相手に渡ります。相手はそれを受け、具体的な説明を加えてレスポンスをしてくるでしょう。レスポンスを後回しにしてしまうと、あくまでこちら側にアクションの順番はあるため、自分が忘れてしまうと、思い出してくれる人がいない状態です。その点レスポンスをすぐ返しておくことで、自分が仮に忘れてしまった部分に対しても相手からの返信がある度に思い出すことが出来ます。
レスポンスは後回しにしたところでなくならない
大事なことは、あなたのレスポンスをお客様・相手は待っているということです。レスポンスを早くすること。特に、後回しにせずチェックしたら、すぐに返事をする。このことは相手だけではなく、自分自身の仕事の効率化にも繋がります。
レスポンスは結局出さなければいけないものです。寝て起きたら、レスポンスを出さなくて良いということはありません。
なので、すぐにやる癖をつけることが最も大切なことなのです。
レスポンスが早い人の特徴
レスポンスが早い人には共通の特徴があります。ただこれはレスポンスを意識して早くしているというより、以下の特徴があるから自然とレスポンスが早くなっているのかもしれません。
レスポンスが早い人の特徴①仕事の全容を明確化している
仕事の全体像を明確に理解している人は総じてレスポンスが早いです。その仕事が完成するためにはどのような作業が発生するか、順序を組み立てているからです。そのため、相手からの質問や提案を見て”相手が何を求めているのか“を理解することができます。
これがどうレスポンスの早さに関わってくるのでしょうか。相手の事情を理解しているため、レスポンスの内容に悩んだり調べたりする時間を短縮できるからです。悩まず返信出来るなら、レスポンスが億劫になることも少なくなります。
レスポンスが早い人の特徴②相手の気持ちを優先させている
とはいっても、どのようにレスポンスしたらいいか難しい内容のものも出てくるものです。仕事の全容を把握しきれない、外出中で職場に戻らないと詳細が分からない、なんてパターンはあります。ただ、ここで相手の気持ちを優先して考えるなら、「相手は返答を求めている」ことに気付くことが出来ます。自分が分かる分からないに関わらず、レスポンスをしてあげることが相手にストレスを感じさせないことに繋がるのです。
自分が今分からない内容のものについてはどのようにレスポンスをすることが出来るのでしょうか。以下の内容をまず伝えることが出来ます。
- 今すぐには詳細が分からないため、後ほど調査して改めて連絡する旨
- いつ頃回答出来るのか、その日時
どうレスポンスすべきかすぐに分からないなら、ほったらかしにするのではなく、まずその旨を伝えるようにしましょう。それらの積み重ねが、「レスポンスの早い人」に繋がっていきます。
レスポンスが早い人の特徴③整理整頓が出来ている
ここで注意していただきたいのは、見た目通りの整理整頓ではないということです。職場のデスクが綺麗だけどレスポンスが遅い人もいれば、ぱっと見は散らかっているけどレスポンスは早い人もいます。
つまり、「必要な情報をパッとすぐに取り出せるように、それぞれどこにあるのか把握している」人はレスポンスが早い傾向にあります。どこにあるのか探す手間がなければ、単純に作業の効率も上がりますし、レスポンスも自然と早くなります。「わざわざ探すのか……」こうなってしまうと、億劫になりレスポンスはつい遅れがちです。
なるべく「面倒くさい」という気持ちを生み出すタイミングを少なくしている人は、レスポンスも早くなると言えるでしょう。
レスポンスを早くするためにルールを作ろう
レスポンスを早くしたい!では具体的にそのために出来ることをお伝えします。
自分の中でルールを作ることです。
▼参考:仕事のルールづくりについてはこちら
営業を効率化するコツは自分のルールを持つことにあり
やるかやらないか、いつやるか、を悩むだけ時間がもったいないのです。
その時間をなくすために自分の中のルールを決めておくのです。
私のルールは、
- メールをチェックしたら、返信内容の一部もしくは
全部を作る
(重い内容でも、宛名と挨拶だけ書いておく) - メールは当日中に全て返す
- 1週間以上掛かる依頼は、3日後・納期の中間点で
相手に状況報告を行う
こういったことを決めています。
自分のルールを決めて、レスポンスのスピードを上げていきましょう!
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この記事の監修者
株式会社営業ハック
代表取締役
笹田 裕嗣
営業代行事業を始め、「売れる営業組織」へと変革するためのあらゆる支援を行っています。
弊社独自のセールスメソッドを用いて、停滞する営業組織の改革から新規営業組織の立ち上げまでトータルでサポートいたします。今までご支援させていただいた企業数は100社を超え、主に中小・零細企業のあらゆる業種で成果を出し続けています。